前回、レジン枠ブローチを真鍮で作りました。植物をレジンに埋め込んだらいい感じになりそうだったので、金木犀を入れてみることにしました。
小さな花びらや植物はもちろん、貝殻などでもいいものが作れそうです。
花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リング 完成イメージ
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必要な道具と材料
![彫金の道具のイラストです。](https://tuucul.com/wp-content/uploads/2022/05/7A19A79D-2CE7-450C-B19A-A1165EAEA823-1024x633.jpeg)
使用する道具
基本的には彫金を始めるために必要な道具が一式あれば作れます。今回のようにピカピカに磨きたい場合は、研磨剤セットやリューターが必要になります。
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下にも道具のリスト記事がございます。(PDFの方がいっぺんに見れるので、わかりやすいかもしれません)
アンティーク風の粒々模様を縁につけたい場合は、ローレットを使います。
使用する材料
ロウ材は銀ロウ・真鍮ロウどちらでも構いません。真鍮を使う場合は真鍮ロウを選択しておくと、ロウを流したところが目立たなくておすすめです。
花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方 手順
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枠の板を切り出すために印付け
ノギスを3mm幅にセットして、真鍮板材にけがき線を入れます。(金属に線を引いたり、下書きをケガキ針などで入れることを『けがく』と言います。)
線に合わせて糸鋸で切る
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糸鋸で板をまっすぐ切ります。なるべく曲がらないように頑張ってみてください。ガタガタになってしまったらヤスリで削って整えます。
枠の形を決めて線を入れる
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今回は四角形の枠にしたいので、辺の長さを決めて(任意のサイズです)、印を入れておきます。
楕円や丸にしたい場合は不要です。焼き鈍しをして丸ペンチなどで丸くしておきます。
四角形や三角形などは、角になる部分を削って折り曲げて作っていきますので、焼き鈍しはやらない方が作業しやすいです。
精密ヤスリ(四角型)で折り目を削る
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90°に削れる四角型ヤスリで線を引いた箇所を削っていきます。端は平らなヤスリで大体45°の角度になるように削っておきましょう。
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板厚の4/5くらいの深さまで削ります。
折り曲げる
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削ったところから折り曲げます。何回も開いたり折ったりすると金属疲労でちぎれてしまうので気をつけてください。(せいぜい2回が限界です)
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このままロウ付けに進みます。
レジン枠のロウ付け
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真鍮ロウで4つ角全てをロウ付けします。少し枠が開いてしまう場合は『からげ線』で縛って固定しておきます。ロウの量は0.6mm角くらいの大きさに切ったものを使います。
からげ線はロウ付けの固定に使う鉄の針金です。からげ線にはフラックスは塗らないように気をつけてください。からげ線までロウつけされてしまうことがあります。
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(からげ線までロウが回ってくっついてしまった場合は、削り取るか酸に漬けておくと溶けてなくなります。鉄を浸した酸洗材は変色の元となりますので廃棄して新しく酸洗材を作り直すようにします。)
レジン枠の成形
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レジン枠の形をかっこよくしていきます。まずは両面を耐水ペーパーで平らに削ります。
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ヤスリで整えます。今回は丸っこい印象を持たせたいので、角を落として馴染ませていきます。ここはお好みで構いません。
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四つ角も軽く丸めます。削りすぎると薄くなって穴が空いてしまうので注意です。
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フォルムはこれでOKです。縁に粒々模様(ミルグレイン)を入れたい場合は、縁が薄くなっている方が綺麗に模様が入ります。ミルグレイン模様を入れたい場合は、今回のように縁を薄く削っておきましょう。
リングを作ってレジン枠と合わせる
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リングは2mm丸線で作りました。ここではリングの作り方の手順は割愛します。(別記事で詳しく公開しております。)
板材から作って太めの幅のリングをレジン枠と合わせるのもいいかもしれません。
参考:板材からリングを作る手順
レジン枠の幅分をカットする
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レジン枠の幅の分、リングをカットします。ここにレジン枠を挟んでロウ付けする作戦です。
リングのロウ付けした部分をカットするようにします。
指輪パーツのディティールアップ
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より小慣れた感じを出すために、指輪パーツの端をちょっと尖らせておきました。
丸線や板材を削らずにそのまま使っただけでは元の素材の印象が残ってしまい、なんだか味気ない印象になりがちです。
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ひと手間加えて、どこかに角度をつけたり、尖らせてみたりするだけでディティールが引き締まります。
全体をペーパーがけ
指輪パーツ、レジン枠パーツの全体を#600のペーパーでヤスリ傷などを全て消しておきます。
バナナサンドペーパーやロールサンダー#600をリューターに取り付けて作業します。
指輪パーツとレジン枠のロウ付け
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先ほどのレジン枠を差し込みます。なるべく接地面がピッタリ接するようにしたいので、ヤスリで微調整をしておきます。
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逆ピンセットで固定してロウ付けするとやりやすいです。ロウの量は2mm角くらいに切ったものを使います。
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仕上げ
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マットな感じで終わらせるか、ピカピカに磨くかはお好みです。今回はピカピカにしてみようと思います。
全体を#600のペーパーで整えたら、フェルトに#4000の研磨剤をつけて磨きます。
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フェルトはマンドレールを取り付けて使います。
牛乳パックを丸く切ってマンドレールに取り付けたものも細かいところを磨く時に使えます。(#4000研磨剤をつけて磨きます。)
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#4000で磨き終わったら一度洗浄して、豆バフに#8000研磨剤をつけて磨きます。
#8000でかなりピカピカになります。もっとピカピカにしたい場合は、『ピカA』などの仕上げ用研磨剤を豆バフにつけて仕上げます。
レジンの充填
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裏側にセロハンテープを貼って、レジンを充填します。
半分くらい充填したら花をセッティングして、残りを充填します。
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UVライトで硬化させて、テープを剥がします。
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これで完成でも良さそうです。
ミル模様をローレットで入れる
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レジン充填前に入れておこうと思っていましたがすっかり忘れていました。
もしお作りになる場合は、レジン充填前にこの作業を済ませておいてください。
ローレットをグリップに付けて、コロコロすることで模様が付きます。
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ちょっとレジンがぷっくりしていなかったので、上から盛っておきました。
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再度UVライトで硬化させておきます。
花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リング 完成
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…ということで真鍮でレジン枠と指輪を作りました。金木犀や銀木犀などの小さな花びらもいいですが、絵画などを印刷した紙を中に入れても面白そうです。
ちなみに今回はレジンでしたが、裏に平らな真鍮の板をロウ付けしたら石枠にもなります。ラピスラズリやターコイズなどのタイルを入れることもできます。
(写真に写ているのはアクアマリンのリングとルチルクオーツのさざれ石のリングです。こちらの作り方も紹介しておりますので、お時間ございましたらご覧いただけたら嬉しいです。)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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