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マーキスカットの石枠の作り方と石留の手順

この記事ではマーキスカットの石枠の作り方、留め方を解説していきます。

マーキスカットやプリンセスカットなど、角があるカットのものは普通の爪留めと作り方も留め方も少し違ってきます。

使用する道具と材料

彫金の道具のイラストです。

使用する道具

糸鋸フレーム、鋸刃#0
ヤスリ(中目・細目)
精密ヤスリ(甲丸・歪)
ニッパー
丸ペンチ
リューター・スチールバー
ロウ付けセット
石留めセット

彫金の道具一式と、石留めに使う道具一式が必要です。リングを作るための道具である芯がね棒などは必要ありませんが、持っていると石枠を指輪にすることが出来るようになります。

使用する材料

石枠 自作 ルース 台座 彫金
10mmマーキスカット キュービックジルコニア
1.2mmφ SV950線材(枠・爪用)
2.0×1.0mm SV950角線材(枠部分)
ロウ材 3種類(3分・5分・7分)
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マーキスカットの石枠の作り方 手順

石枠 自作 マーキス

石の形をトレース

石の輪郭を方眼紙にトレースします。この下書きの線からはみ出さないように地金を巻いていきます。

石枠がルースより大きくなってしまうと、留めた時に正面から石枠が見えてしまって、ルースの輝きを邪魔してしまいます。

ピッタリ合わせるのは難しいのでは…と思われるかもしれませんが、多少はみ出た分だけでしたら後から削り落とせるので全然大丈夫です。

なるべくはみ出さないように気をつけてみてください。

丸ペンチなどで加工

石枠 自作 ルース 台座 彫金

マーキスカットの石枠は、円弧状のパーツを2つ作ってくっ付ければ作れます。下書きの形に合わせてカーブを作ります。

材料は焼き鈍しをしておきます。

石枠 自作 ルース 台座 彫金

切れ目は平らなヤスリで削って合わせていきます。なるべく平らに合わせられるように頑張ります。

ロウ付けする

石枠 自作 ルース 台座 彫金

パーツ同士を並べて3分ロウでロウ付けします。ロウ付けが終わったら酸洗いをしておいてください。

石枠の成形

石枠 自作 ルース 台座 彫金

石枠の形を整えます。ルースを乗せてみて輪郭からはみ出たところは削っておきましょう。

ルースの座りを良くする

石枠 自作 ルース 台座 彫金

このままではルースが深く座らず、安定感もないので、石枠の内側を斜めに削っておきます。

石枠 自作 ルース 台座 彫金

まずは角の部分を精密ヤスリの刀刃型などで削って、次に精密ヤスリの甲丸型(別名:半丸型)などで他の部分を削っていきます。

石枠の下段を作る

石枠 自作 ルース 台座 彫金

今回は石枠を2段タイプにしました。この構造を『二段腰』と呼びます。1段だけのタイプにしたい場合は、上段のパーツをもう少し幅の広い材料で作ればOKです。

二段腰のメリットは、光彩を多く取れること、地金の存在感が薄くなり繊細に見えることなどがあります。

石枠 自作 ルース 台座 彫金

工程は上段パーツの時と同じです。ただし、石枠は横から見たときに逆プリン型に見えると美しく見えるため、上段パーツよりも少し小さめに作ります。

下段パーツを整える

石枠 自作 ルース 台座 彫金

下段パーツは1.2mmφの線材から作ったので、両面を耐水ペーパーなどで平らに削って、外側も上段に合わせて削ります。

爪を立てる

爪を立てる位置に精密ヤスリで溝を削ります。

爪をロウ付けするための『のり代』になります。

石枠 自作 ルース 台座 彫金

下段からロウ付け(5分ロウ)します。この時、U字型にした丸線を挟む混むようにしてロウつけするとやりやすいです。

こういう感じで丸線をU字型に曲げて、石枠のパーツに挟んでロウ付けします。精密ヤスリで削った溝にカチッとはまります。

石枠 自作 ルース 台座 彫金

上段パーツにも刻みを入れます。削りすぎて失敗しないように、下段パーツと合わせて確認しながら作業するようにします。

上段パーツのロウ付けと成形

石枠 自作 ルース 台座 彫金

上段パーツを7分ロウでロウ付けしたら、酸洗いをして全体をヤスリで整えます。

爪の余分を切って、底面を耐水ペーパーなどで平らにしておきましょう。

石枠 自作 ルース 台座 彫金

細かなところは超硬ヘラなどを使うとやりやすいです。

マーキスカットの石枠 完成

石枠 自作 ルース 台座 彫金

以上でマーキスカットの石枠は完成です。一息ついたら石留めもしてみましょう!

マーキスカットの石留め やり方

さて、マーキスカットのルースを石留めしていきます。マーキスカットなどの角のある石は、角を包み込むような爪にしなければ石が滑ってしまって留まりません。

この、角を包み込む仕組みの爪を『袋爪』と言います。今回は普通の丸線で作った爪を袋爪に加工していきます。

固定材に取り付ける

まずは石留め作業がしやすいように固定しておきます。この道具の作り方はこちらの記事で紹介しています。

バーナーで軽く炙って温めて石枠をセットします。冷えて固まるまで待ってから作業します。

袋状に加工する

まずはルースを石枠に座らせてみて、爪にルースの角が当たる部分に印をつけておきます。

スチールバーNo.414型を使って角が当たる部分を削って溝を彫ります。

ブッシュスチールバーNo.414型です。サイズは石座の大きさによって変わりますが、ここでは1.2mmを使いました。

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溝が入りました。ここにルースの角をはめ込んで石留めしていきます。

ルースをはめ込む

先ほど入れた溝にルースの角がはまってホールドされます。あとは爪を曲げていくだけです。

爪を倒す

ピンセットの柄や爪倒しなどを使って爪を倒していきます。一気に倒すと余計な力が石に伝わり危険です。カタカタ動かなくなるまで少しずつ倒していくようにします。

ルースを触ってみて動かなくなればOKです。それ以上いじらないようにします。

余分をカット

爪のデザインによって多少変わりますが、ルースのテーブル面と同じ高さに切っておきます。

爪を整える

精密ヤスリの刀刃型などを使って、爪の形を整えます。ルースにヤスリが当たると傷がつくので、ヤスリの側面はツルツルに磨いておくと良いです。

ルースに当てないように気をつけつつ、爪の上面などをロールペーパーなどで整えます。

終わったら軽く火で炙って固定材から外します。アセトンなどの薬品につけて固定材を溶かしておきます。

仕上げ

牛乳パックを丸く切ってマンドレールに取り付けたものに、#4000研磨剤をつけて磨きます。

ルースに研磨道具を当ててしまうと石が削れたり、カットがぼやけてしまうので当てないようにします。

その後仕上げ用研磨剤#8000~で磨けば完成です。

完成

これで完成です。ここにマルカンをロウ付けすればネックレスになりますし、指輪パーツをつければリングになります。

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