石枠などの複数のパーツをロウ付けする時、熱を加えすぎてバラバラに溶けてしまったり、固定できずに曲がってくっついてしまったりと難易度が高くなります。
ここでは自宅でも使えるロウ付けサポートツールの使い方を解説します。
もくじ
ロウ付け用石膏の使い方

6本の爪がある石枠をロウ付けしてみますが、通常のやり方で6本爪を立てるのは難しいと思います。こういう場合はロウ付け用石膏を使うと簡単にロウ付けが可能です。
1.瞬間接着剤で仮組みする

瞬間接着剤はアロンアルファなどの固くなるタイプが良いです。接着剤をつけすぎず、最低限の量で石枠を組み立てます。
アロンアルファはコンビニでも売っています。


仮組みが終わったらそっと置いておきます。

2.ロウ付け用石膏を水と混ぜる


小さな紙コップなどにロウ付け用石膏と水を入れて攪拌させます。パック入りのヨーグルトくらいの固さを目指します。
3.耐火ブロックに石膏を少量のせる

少量をブロックに垂らします。水分がブロックに吸われてすぐに硬くなってくるので急いで作業します。
4.仮組みした石枠をのせる

先ほどの石枠を載せます。ロウ付けしたいところに石膏がつかない角度でセットします。そのまま完全に水気が飛ぶまで(10分ほど)待ちます。
水気がある状態で熱すると熱い石膏が弾けることがありますので注意してください。
5.ロウ付けする

ここからは通常のロウ付けと同じ流れです。フラックスを塗って、バーナーで加熱してフラックスが透明になったらロウをセットして溶かします。


きれいにロウ付けができました。接着剤は焼き切れてロウが流れています。接着剤をたっぷりつけすぎると焦げがロウ材の流れを阻害してうまくロウ付けできなくなることがありますので、接着剤の量は極力少なめを目指してみてください。
6.石膏を取り除く

熱い状態のまま石膏ごと水に入れると石膏が崩れて作品を取り除くことができます。やけどには十分気を付けてください。
酸洗い(ピックリングコンパウンドを溶かした水・ぬるま湯に5分程度つける=酸洗い)もしておきます。

石枠に爪を立てるときなど、落ち着いて作業ができるようになるのでお勧めです。石膏は燃えないゴミで処分します。
石膏を下水に流さないように注意してください。配管を詰まらせて大変なことになります。

からげ線の使い方
からげ線はパーツとパーツをまとめてロウ付けしたいときや、縛ってロウ付けしたいときに使う鉄の針金です。

ニッパーで切って使う

ニッパーで適当な長さにカットして、縛ったり巻いたりして固定します。

からげ線にフラックスがついていると、からげ線までロウ付けされてしまうことがあります。なるべくロウ付け個所から離してロウ付けしたり、からげ線に砥の粉を塗ることで回避できます。
もし一緒にくっついてしまったら削り落としてしまうか、酸洗いを長めにすることでカラゲ線を溶かすことができます。からげ線を溶かした酸洗い液は廃棄して新しく作り直しておきましょう。(鉄が溶け込んでいるため変色の原因となります。)
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