作品をピカピカに磨きたいけれど、自宅だと鏡のように仕上げるのは難しい…と思っていませんか。
傷だらけのものをピカピカに磨くのはとても根気が必要で、時間もかかりそうですが、道具と研磨剤を適切に選べばそんなことはありません。
設備の乏しい自宅環境での作業を前提とした、効率的かつ高品質な研磨の方法を解説していきます。

大前提としてリューターが必要です。
ピカピカに作品を仕上げるためには電動工具であるリューターは絶対に必要です。リューター(マイクロモーター)では五分で終わる作業が、手動だと何十時間もかかってしまいます。
とは言っても1.8万円代で購入できますので、ぜひこの機会に入手してみてください。
石留めにも大活躍します。リセールバリューも良いので、忙しい人こそ最初に揃えていただきたい道具です。
このリューターはフットペダル・防塵メガネもセットになっている超お得なリューターです。
研磨はこの順番だけ覚えておけばOK
ヤスリがけからピカピカにするまでの工程までをみていきましょう!

Step1. 鉄ヤスリで面を均す
表面がボコボコだったり、深い傷があったりすると、ピカピカにしてもメラメラしてしまいます。
メラメラ…というのはボコボコの鏡のような、光が乱反射してしまうような感じです。光に当てつつ作品を左右に振ると、光沢が炎のメラメラのように見えます。ローカル表現かもしれませんがジュエリー職人の間では、メラついてるとかメラメラしているなどと呼ばれています。)

ヤスリがけしたあとはこんな感じの表面になります。(中目のヤスリ使用)
作品をツヤツヤ・ピカピカにするには、原則としてベースは平ら(ボコボコしていない状態)でなくてはいけません。
夏祭りの屋台のリンゴ飴はツヤツヤですが、イチゴを同じように水飴でコーティングしても表面がボコボコになってしまいそうですよね。元々のりんごの表面がツルッとしているからこそ、ツヤツヤでピカピカに見えるわけです。
それと同じ感じです。

Step2.ペーパーロールサンダー#600か、金属用紙ヤスリ#600を使って傷を消す
鉄のヤスリで削ったあとは、当然荒々しい削り跡になっています。
紙ヤスリやリューターに取り付けられる紙ヤスリを巻いたポイント(ペーパーロールサンダー)で、鉄ヤスリの傷を消していきます。


Step1の傷が完全に無くなるまで入念にペーパーがけします。

目地が均一になったらOKです。

ロウ付けをする作品の場合は、ロウ付け前にStep.1のペーパーがけまで終わらせておきましょう。(ロウ付けしたパーツの出っ張りが邪魔になって隅々まで綺麗にすることができなくなってしまうためです。)

Step3.下磨き(細かいところを先に磨く)
本体と爪の境目など細かいところ(上画像の針で指している部分など)からピカピカにしていきます。
シリコンポイントをリューターに取り付けて綺麗にしていきます。


こんな感じで艶消しのザラザラだった部分に光沢の筋ができました。
シリコンポイントは、100円ショップで販売されているダイヤモンドヤスリで尖らせて使います。


Step4.中磨きをする
フェルトに中磨き用研磨剤をつけて、先ほどのペーパーがけした目地の方向と角度を変えて当てていきます。
マンドレールという先がネジになっている軸にフェルトホイールを取り付けて使います。
マンドレールは5本程度買っておくと良いです。また、100円ショップの工具コーナーでもマンドレールやフェルトホイールが売っていたりします。(彫金用と比べて品質は低いですが、間に合わせで使う分には良い選択です。)



Step2のペーパーは真横方向に行いました。同じ方向でフェルト研磨をしても傷を消すことができません。
斜め方向に角度をつけながらStep2のペーパー傷が消えるまで研磨します。



傷が全て消えたら、最後に横方向(Step2のペーパーと同じ方向)にフェルトをかけておきます。

白い細かい筋が残りますが、光を反射して光沢が出てきました。

Step5.細かい部分を研磨剤で磨く
紙パック(牛乳パックを丸く切って、マンドレールを取り付けたもの)などに中磨き用研磨剤(白棒)をつけて、フェルトホイールが入りきらなかったこかまい部分を研磨していきます。
今回は紙パックを使っていますが、ブラシがついているものや小さい尖ったフェルトなど、適切な道具を選択して使います。
紙パックは自宅でも廃材から作れて、かつ色々な場面で活躍するので紹介してみました。



終わったら食器用洗剤で洗っておきましょう。超音波洗浄機をお持ちの場合はこのタイミングで一度洗っておきます。
この後仕上げ用研磨剤を使いますが、作品の表面に荒い研磨剤が残っているとピカピカになりません。

Step6. (仕上げ)細かい研磨剤とバフで仕上げる
柔らかい布のついたバフ(リューター用は豆バフと呼びます)に仕上げ用の研磨剤をつけて磨いていきます。


色々な角度から豆バフを当てて磨きましょう。

白い筋が入っているところがStep4-5の中磨き用研磨剤で磨いた部分、右上のピカピカになっている部分が仕上げ用研磨剤で磨いた部分です。



ピカピカになりました。
洗浄したら完了です。ちなみに、もう一段階細かい「鏡面仕上げ用研磨剤」を使って最終仕上げをする場合もあります。豆バフもより柔らかいものを使って磨きますが、趣味目的ならこれくらいで十分だと思います。
最終仕上げまでやりたい場合は、再度洗浄して、手袋をはめた状態で研磨します。素手で触ると傷がついてしまいますので、洗浄・研磨など全ての工程で気を使う必要があります。
底面を綺麗にする場合は…



底面は事務用品のバインダーに紙を挟んで、研磨剤をクレヨンのように使って紙に擦り付けた面に擦り付けて磨きます。
紙やすり#600をかけた後に、中磨き用研磨剤→洗浄→仕上げ用研磨剤→リューターとバフで傷を消して仕上げる流れです。

その後、バフで小傷を消せば綺麗になります。


【彫金】自宅で金属をピカピカに研磨・仕上げする手順 まとめ
ということで作品をピカピカに仕上げる方法を解説しました。所要時間は15分-20分程度です。
汚れを洗浄する工程が意外とネックになってきます。
手動だとお湯と中性洗剤・歯ブラシで洗浄することになりますが、それでもなかなか細かい部分まで洗いきれなかったり、歯ブラシで擦ったことによって小傷がついてしまうリスクもあります。
超音波洗浄機を導入すると、本体に触れずに細かい部分まで完璧に綺麗にできます。
超音波洗浄機はヒーター機能付きで、ボルト締め振動子を採用しているモデルを選んでください。Amazonで売っている1万円台の安物やメガネ用クリーナーは汚れがほとんど落ちません。
Amazonの格安品を買うくらいでしたら、フリマアプリやネットオークションなどで中古を探すと良いです。(VELVO -CLEARやアズワン、シャープなどのメーカーが狙い目)新品価格10万円以上するものが1万円くらいで買えることがあります。
産業用クラスの高級な振動子を使っているので洗浄力は段違いに良いです。

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