カテゴリー: TOOLS

  • 【彫金】オタフク鎚の選び方・セッティングと使い方

    【彫金】オタフク鎚の選び方・セッティングと使い方

    タガネを使う時や、フクリン留めをする時に使うのがオタフク鎚です。新品の状態では柄が長いのでカットする必要があります。

    この記事では、どの長さでカットすれば良いか・自宅で彫金をやる上で、最初にどのサイズのオタフク鎚を買うべきか、オタフク鎚の基本的な使い方を解説します。

    普通の金槌と持ち方も異なるので、ざっと目を通しておいていただけたらと思います。

    オタフク鎚の選び方

    オタフク鎚にはさまざまなサイズがありますが、最初の一本目には、覆輪留めにも使えて刻印打ちなどにも使えるオールマイティな五分サイズがいいと思います。

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    繊細な和彫りや彫り留めには三分がおすすめです。

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    柄の長さのセッティングと持ち方

    柄の長さの決め方

    新品はサイズ調整することを前提として売られているので、柄がかなり長いです。

    これを自分の手のサイズに合わせてノコギリや糸鋸などでカットします。

    めいっぱい指を広げて、親指の先から小指の先までの長さが適正なサイズです。

    切ったところはささくれ立つと危ないので、ヤスリで角を削っておきます。

    オタフク鎚の持ち方

    オタフク鎚は柄のお尻を包み込むように握って持ちます。

    外側から内側に振るようにして使います。

    ペン持ちでもOK

    上級者向けですが、ペンの持ち方でもOKです。先述の持ち方に比べて打つ力が弱くなります。小さな石を細く小さな爪で留めたい時など、繊細さが必要なシーンで使います。

    オタフク鎚の使い方

    フクリン留めの時などは、タガネを使って留めていきます。タガネは4本の指先で自分側に向けて持つようにします。

    タガネのお尻をオタフク鎚で叩いて使います。

    覆輪留めに使えるタガネの作り方はこちらで紹介しています。

  • 【彫金】ヘラの選び方・使い方

    【彫金】ヘラの選び方・使い方

    研磨剤を使わずに金属を磨くこともできる伝統的な道具です。ヘラを使わなくても作品は作れますので、彫金を始めたての頃はあまり出番がないかもしれません。

    しかしヘラは、よりクオリティの高いものを作っていく上でとても重要な道具です。

    ヘラの選び方とおすすめ

    ヘラには鋼鉄製と超硬製の物があります。鋼鉄製はヤスリなどと同じ素材で、超硬は鋼鉄より硬いタングステンカーバイトという素材でできています。

    超硬ヘラの方が値段が高いのですが、物持ちもよく、よりピカピカに作品を仕上げる事ができます。

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    太さや形もさまざまですが、とりあえず1本目は丸型の2.0mmφくらいが使いやすいです。

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    超硬ではない普通のヘラです。

    ヘラの持ち方

    少し特殊な持ち方ですので、慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。道具が当たって指が痛い場合は、ヘラにゴムチューブなどを取り付けておくと良いかと思います。

    1.利き手でヘラの根元を人差し指と親指で摘む

    2.薬指と小指に柄を挟む

    3.そのまま握る

    ヘラの使い方

    先ほどの持ち方でヘラを握って、作品の表面を強い力でこするようにして使います。

    ヘラはツルツルに磨かれていますので、そのツルツルが作品に転写されて作品もツルツルになる仕組みです。

    ヘラを使うタイミングは、ペーパーがけ(ペーパーがけとは、リューターに取り付けたロールペーパーや耐水ペーパーなどで表面を整えることです)の後など、ある程度作品の傷を消した後の工程です。

    折れやすいので注意

    超硬ヘラは特に、とても硬い性質を持っています。そのため、落下の衝撃に大変弱いです。

    取り扱いには注意してください。(根本からぽっきり折れてしまうことは結構あります。運よく長めに折れたら、ピンバイスに取り付けて使うこともできます。)

    また、硬い金属でできている超硬ヘラですが、ダイヤモンドには負けてしまいます。

    ダイヤモンドヤスリなどの工具に当たると傷がついてしまい、ヘラで作品を擦ってもピカピカにならなくなってしまいます。

    こちらで超硬ヘラをピカピカに磨くことができます。リューターに取り付けて、低回転で使います。(新しいヘラが6本くらい買える値段ですので、このためだけに買う必要はありません。本来は彫留めのタガネを研ぐときに使う道具です。)

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    ヘラの選び方・使い方 まとめ

    ということで今回はヘラについての解説でした。鋳造品(キャスト)を磨いていると小さな気泡(スと呼びます)が金属表面に出てきてしまう事があります。そういう場合はヘラで押し潰して磨くことで、綺麗に仕上げることもできます。

    今回のポイント

    1. ヘラには超硬と鋼鉄製がある
    2. 強い力で擦り付けるようにして使う
    3. 超硬ヘラは折れやすいので注意
  • ピンバイスの選び方・使い方・セッティング

    ピンバイスの選び方・使い方・セッティング

    穴を開ける時にはピンバイスを使います。自宅で彫金をやるには必要不可欠な道具です。

    金属に穴を開ける上で、知っておきたい注意点・正しい使い方を解説していきます。

    ピンバイスの選び方とおすすめ

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    ANEX ピンバイス No.98 0.1~3.2mm No.98

    彫金に最適な道具はこれ一択です。半額程度で中国製の安いものもありますが、精度が悪すぎて安物買いの銭失いになります。こちらは真鍮製で何十年も使用できる品質の定番品です。2本あると便利です。

    ピンバイスの仕組みをおさらい

    ピンバイスは先がネジになっていて、緩めると中からチャックという部品が出てきます。

    (持ち手の方もネジになっていて、そこにももう一つチャックが入っています。)

    ピンバイスに取り付けたいドリルの太さによってチャックを差し替えて使います。

    よく使うチャックは2つ

    よく使用するチャックのサイズは、一番細いものと一番太いものです。

    彫金では直径1mm以下の小さな穴を開けることが多いので、細いドリル刃をホールドさせるために一番細いものを多用します。

    一番太いものはスチールバーをホールドさせる時に使います。これもメレなどの小さな石を留める時によく使います。

    細いドリル刃は5mmくらいの長さでセット

    細いドリルはとても折れやすいです。無理に力を入れると簡単に折れてしまいますので、ピンバイスにセットする際は刃を出す長さを5mmくらいにしておきます。

    長くドリル刃を出した状態で使っていると、ドリル刃が竹のようにしなって、ポキっと折れてしまいます。

    スチールバーは普通にセット

    スチールバーは画像のように普通にセットしてOKです。ネジをしっかり締めてスチールバーが動かないようにしておきましょう。

    ピンバイスで穴を開ける手順

    実際に板などに穴を開けてみましょう。彫金をやっていると、ピンバイスで穴を開ける機会がたくさんあります。

    2mmを超える厚い板だと大変なので、まずは薄い板(1mm程度の厚み)に穴を開けて要領を掴んでみてください。

    1.ドリルの刃の引っ掛かりを作る


    ドリルで正確に穴を開けるためには、ドリルが食い込みやすいように『引っ掛かり』を作ってあげる必要があります。

    カニコンパスなどの尖っている先の部分を使って、穴を開けたい位置にグリグリと印をつけておきます。

    カニコンパスがない場合は、目打ちや金属串などでも代用可能です。100円ショップでも売っています。

    この凹んだ印にドリル刃がハマるので、「刃が滑って全然違うところに穴を開けてしまう」失敗がなくなります。

    穴を開ける時は必ず引っ掛かりの印を入れることを覚えておいてください。

    2.ドリルの先を印に引っ掛ける

    先ほどの印にドリルの刃先をフィットさせます。ドリル刃が引っ掛かって動かなくなればOKです。

    3.垂直に構えて回転させる

    垂直にピンバイスを構えて手で回していきます。ネジをドライバーで締めていくようなイメージに近いです。ただし、(押し付けすぎず)力を入れすぎないようにします。

    これで穴が空きました。

    スチールバーを使う時は回さない

    ドリルで穴を開けた後に、ダイヤ型のNo.414スチールバーで削ると石座を作ることができます。

    ドリル刃の時のように一周回して使うのではなく、擦るように右左に小刻みに回して削ります。(指先すりすりお金ちょうだいのジェスチャーみたいな感じです。)

    ドリル刃が折れてしまったら

    稀にドリル刃が折れて作品に埋まってしまった場合は、酸につけておくことでドリル刃のみを溶かす事ができます。

    酸洗いに使うピックリングコンパウンドをお湯に溶かして瓶に入れ、作品を入れて一晩漬けておくと折れたドリル刃が溶けてなくなります。

    ピンバイスの選び方・使い方 まとめ

    ということでピンバイスについての解説でした。しっかりした国産メーカー品を買うことが重要です。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    今回のポイント

    1. 日本メーカー品がおすすめ。2本あると便利。
    2. ドリル刃をセットするときは刃を短めに。
    3. 穴を開ける前には必ず印を入れる。
    4. 刃が折れて抜けなくなったら酸で溶かす。
  • 芯がね棒の選び方・使い方

    芯がね棒の選び方・使い方

    芯がね棒(芯金棒)は、リングを作るときには欠かせない道具です。

    芯がね棒の選び方や、選ぶポイントについてご紹介します。

    使い方についても基本的にはリングを差し込んで叩いていくだけですが、少しだけ注意点があるので解説します。

    芯がね棒の選び方とおすすめ

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    鉄芯棒 指輪サイズ直し スチール

    脅威の1300円!表面の仕上げはやや悪いですが、問題なく使用できる芯がね棒です。使い心地は劣りますが、とりあえずはこれで十分だと思います。錆止めのオイルまみれで届くので注意です。

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    小次郎 焼き入り芯金棒 12φ~23φ×380

    錆びない芯がね棒で使いやすい定番です。しかしながら値段がどんどん高くなって、6000円近くなってしまいました。(数年前は半額くらいでした)

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    明工舎製作所 MKS 指輪ゲージ棒 鋼鉄製 40010

    私が使っている芯がね棒です。サイズの目盛りがついていて、精度も高いです。しかしながら錆びやすく、手が汚れがちです。油を塗ったりするメンテナンスが必要なのが玉に瑕です。しかし、価格と品質のバランスは最も良いので、錆の問題を許容できればベストバイです。

    芯がね棒の使い方

    芯がね棒の持ち方

    持ち方も使い方も人によってそれぞれですが、ここでは私のやり方を紹介します。

    リングを差し込んで、人差し指と親指でリングを引っ掛けるようにして持ちます。(利き手ではない方の手で持ちます。)

    リングを丸くするために木槌で叩いていくと、徐々にリングが広がって緩くなってきて、上手く叩けなくなってきます。
    下側に人差し指と親指で引っ張るように持っておくことで、緩くなって叩きづらくなるのを防ぐことができます。

    1.木槌で叩く方法

    木槌で叩く時は、芯がね棒の根本は太ももか足の付け根あたりに添えておきましょう。

    指に木槌を当てないように注意してください。

    さらに本来であれば、芯がね棒の先端を『木台』という腰の高さあたりまである切り株に添えて叩くようにすることが多いです。(この場合も芯がね棒の根元は太ももに添える)

    趣味で彫金を楽しむ程度であれば、木台はなくて大丈夫です。

    2.鎚目を入れる時の注意点

    あまりお勧めしませんが、木槌の代わりに、ハンマー(金槌)で打つと鎚目になります。芯がね棒にハンマーを当てないように注意しましょう。

    芯がね棒をハンマーに当てると、芯がね棒が凹みます。こうなると今後芯がね棒を使う時に、ハンマーでついた凹みが作品に転写されてしまいます。

    また、この鎚目の入れ方はリングサイズが大きくなりやすいです。(ハンマーで叩かれて潰れたことによって、広がってしまう)

    怪我のリスクも大きいので、できればロウ付け前の平らな状態の時に金床を使って鎚目を先に入れておくと良いです。

    芯がね棒の選び方・使い方 まとめ

    ということで今回は芯がね棒について解説しました。彫金を初めて最初の方に揃えることになると思います。ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです!

  • 【彫金】金床(かなどこ)の使い方・選び方・代用方法

    【彫金】金床(かなどこ)の使い方・選び方・代用方法

    金属を平らに整えたり、板材にハンマーで叩いて鎚目模様を入れたりするときに使う鉄のブロックです。叩き台とも呼ばれます。

    金床の使い方や、自宅で彫金をする際はどれを買えばいいのか、無い場合の代用法などを解説します。

    自宅で彫金をするのにおすすめの金床

    コスパ重視の金床

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    私の使っているものは廃盤になってしまいましたが、安いものだとこちらがおすすめです。

    ゴム台がついているので消音効果があって◎です。実際にお店で見てきましたが、表面も平らで使いやすいです。難点を挙げるとすれば直線の角がないので、90°に金属板を折り曲げたい時などには向いていないです。

    プロにも愛用されてる定番

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    2000円くらい高いですが、、プロの職人さんがみんな使っているこちらの金床もおすすめです。

    角が一面だけ丸めてあるので、作品に余計な傷をつけずに使用することもできます。ずっしりと重く安定感のある道具で、一生使えます。

    金床の代用方法

    金床をお持ちでなくて、すぐに入手ができない場合の代用法もご紹介しておきます。

    100円ショップにヒノキ木材が販売されていますので、これが意外と便利に使えます。
    (平らな石やコンクリート、平らな木の板でも代用できます。)

    側面ではなく、小口(切断面)を使うと良いです。特に節がある場所は硬くて強いので、金床の代用として機能します。

    金床の使い方

    金属のパーツを平らにしたりする際は、金床を敷いて木槌で叩きます。

    いきなり木槌で叩くと正確な位置を狙って叩けないので(間違えて指を叩いてしまうこともあります)木片で抑えて叩くようにします。

    木片は樫などの硬い木材が向いています。おもちゃの積み木がおすすめです。

    鎚目をつける時は…

    ハンマーで叩いて鎚目をつける時は、金床にハンマーを当てないように気をつけます。

    (ハンマーが金床に当たってしまうと、金床が凹んで傷んでしまうので要注意)

    鎚目を入れるための金鎚は芋鎚といいます。

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    金床の使い方・選び方・代用方法 まとめ

    ということで金床について解説しました。とりあえずの作業であれば木材でも代用できるので、道具を揃える上では後回しでもいいかもしれません。

    今回のポイント

    1. 金床は、木片(積み木がおすすめ)を添えて木槌で叩いて使う
    2. ハンマーで鎚目をつける時は、金床にハンマーを当てないように!
    3. 代用品としては、100円ショップの木片が便利

    最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 彫金 ふくりん留め用のタガネの作り方

    彫金 ふくりん留め用のタガネの作り方

    彫金ではタガネ(鏨)と呼ばれる先が加工された鉄の棒を使って、金属を彫ったり、変形させたりして加工します。今回は石留めに使うフクリンたがねと、金属に模様を入れるなめくりタガネを作ってみます。

    タガネ株について

    フクリン留めなどに使うタガネは『タガネ株』と呼ばれる鋼鉄の棒を加工して作ります。

    赤い印のついた赤タガネと青いタガネがありますが、赤タガネの方を買っておいてください。(3本必要です。1本200円しないくらいです。)赤タガネは鋼鉄、青タガネはハイス鋼という素材でできています。赤タガネはヤスリで削って加工ができますが青タガネはグラインダーなどで加工する必要があります。

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    タガネの形をつくる

    ヤスリで削ってタガネの形を作っていきます。

    1.ふくりんタガネ(丸い石用)の作り方

    まずは8mm以下の小さめの丸い石をキレイに覆輪留めすることができるタガネを作ろうと思います。

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    覆輪タガネの作り方

    精密ヤスリの甲丸型で凹形に削っていきます。

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    形ができたら側面を紙やすり#600で削って滑らかにしておきます。100円ショップに売っている金属用紙やすりセットを使っています。もちろん、ホームセンターや彫金道具屋さんで売っているちゃんとしたものでもOKです。

    リューターを持っていたら、バナナサンドペーパーなどでキレイにしておきます。リューターをお持ちでない場合は、紙やすりを鉛筆などに巻いてやすりがけします。

    これで形作りは完了です。後ほど『焼き入れ』作業を行います。

    1.ふくりんタガネ(汎用)の作り方

    同じ手順で今度は凸形のものをつくります。

    これで覆輪タガネはOKです。凹んでいる方はラウンドカットのフクリン留めが初めての方でもきれいにできます。

    凸型は大きな石やラウンドカット以外の石を留めるときに使います。

    3.なめくりタガネ

    凸形のタガネの角を落として丸めたタガネです。これは金属に筋や模様を入れたりする際に使います。

    タガネの焼き入れ

    タガネはそのままでも使えますが、焼き入れで硬度を上げておくと長持ちします。鋼材は熱の入れ方で硬さを変化させることができますので、これらのタガネも『焼き入れ』と『焼き戻し』をしておこうと思います。

    まずは焼き入れから行います。

    焼き入れ

    先っぽの方3cmくらいを真っ赤になるまでバーナーで炙ります。真っ赤になったら水につけて急冷します。

    焼き入れをするとカチカチになるので、ヤスリで削ろうとしても弾かれて削れなくなります。

    焼き戻し

    このままでは硬すぎて衝撃に弱くなっている状態です。タガネはトンカン叩いて使うので、ある程度衝撃に強くなければすぐに折れてしまいます。

    硬さと粘り強さ(靱性)はトレードオフなので、硬度を上げると脆くなってしまいます。

    適正な粘り気にするために『焼き戻し』を行います。

    「タガネをバーナーで炙ってきつね色になったら冷やす」という作業を行います。タガネ表面の色の変化が見れるように、タガネ側面の黒さびをペーパーで削り取っておきます。

    黒さびを削り取ってタガネが銀色になったら、石鹸(私はレモン石鹸を使えと教わりました。)を表面に塗ります。塗らなくても問題ありませんが、石鹸を塗ると変色せず色が見やすくなります。(塗らなくてもできます。)

    先端から3cmくらい下のところをバーナーで炙ります。意外と早く色がついてくるので水を近くに用意しておいてください。火はあまり強くせずに優しく炙るように作業した方が良いです。

    先端がわずかに『きつね色』になったらすぐに水につけて冷やします。焦茶色になってしまうと加熱しすぎです。先端まで茶色や青など『きつね色』以外になってしまった場合は、再度焼き入れ作業からやり直します。

    焼き戻し前のタガネと、きつね色になったタガネの比較です。

    仕上げに先端をピカピカに磨いておいてもOKです。

    タガネの作り方 まとめ

    ということで今回は覆輪タガネとなめくりタガネを作りました。凹型の覆輪タガネは、初めて覆輪留めをする人でもガタガタにならずにキレイに石を留める事ができる優れものです。

    よかったら試してみてくださいね!


  • 彫金で使う すり板の選び方

    彫金で使う すり板の選び方

    彫金作業の最大の特徴でもあるスリ板。形も様々で、設置方法も様々です。在宅独学民の方向けに自宅で彫金を行うにはどれが適しているかを解説します。

    すり板の種類とおすすめ

    大きく分けて、机に固定された金具に差し込んで使うタイプと、クランプで着脱可能な2種類のタイプがあります。彫金机をお持ちでない場合は、着脱式のタイプがおすすめです。

    着脱式のすり板

    着脱式のタイプにも、クランプ式のものや、金床がついているタイプなど様々なものがあります。

    使い心地は固定式と遜色はありませんがスリ板の形がある程度決まっているので自由度は低めです。

    普通の作業をする分には着脱式で何ら不自由はありません。

    おすすめ:最初から使いやすい形になっているすり板

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    クランプ式のスリ板の唯一の欠点といえば、初期状態ではとっても使いづらいことにありました。

    ですのでノコギリと木工やすりで形を整えなければいけなかったのですが、これは最初から使いやすいようにテーパーに加工されています。しかもリーズナブルです。

    木屑まみれにならずとも、そのまま使えるのは嬉しいです。

    金床つきのすり板

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    見た目がとってもかっこいいスリ板です。金床としても使える優れものです。替えのスリ板も単品販売されているので長く使えます。ちょっとスリ板の幅が狭いので、日本規格のものに慣れている方は若干使いづらさを感じるかもしれません。(使っていれば慣れると思いますが。)

    固定式のスリ板

    直接机に固定するタイプです。

    カスガイは天板に直接ネジで固定するので、専用の彫金机が必要になってきます。ただし、スリ板の材質(木材の種類)の選択肢が豊富で、そういう意味でもプロ向けの道具です。

    カスガイ

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    机の上に固定する金具です。ドアの取っ手みたいですね。多分ドアの取手でも代用できます。

    彫金机には、あらかじめ付属していることが多いです。中には使わないときは天板に引っ込むロールスロイスのエンブレムみたいな仕組みのものもあります。

    すり板

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    木の種類もいろいろあって、樫などの硬い木か、朴などの柔らかい木で使い分けられています。

    私は作品が傷つきにくい柔らかい木が好きです。最近は朴ではなく、ポプラ材のものが販売されていますが、そこまで大差ありません。ささくれ立たないきめ細かな木材の板切れをお持ちであれば、それを使ってもOKです。

    使いにくいスリ板を買ってしまった場合のセッティング方法

    分厚いスリ板は使いにくいので、テーパーに削る必要があります。平溝型(I型)などがそれです。ちょっと前はテーパー型より安かった(500円くらいで売っていた)のでこれを加工して使うのが多かったのですが、最近はテーパー型と価格が変わらないのでこれを選ぶ必要はないとは思います。

    しかし、なんかの拍子で入手してしまった人向けにセッティング方法を解説しておきます。

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    ノコギリと木工用ヤスリでテーパーに削る

    100円ショップに売っているノコギリと木工用ヤスリで加工します。(このノコギリは金属用ですが、木工用推奨です。)

    ノコギリは糸鋸でもOKです。ヤスリは彫金用だと目が細かすぎて削るのに時間がかかるので、木工用の荒いヤスリがあると良いです。

    100円ショップに売っているこのオレンジの取手のヤスリはかなり優秀です。木工用としても使えますし、ワックスの荒削りにも使える優れものです。

    ノコギリ

    糸鋸+鋸刃#0でOKです。木工用のノコギリがあればそちらを使ってください。

    木工用ヤスリ

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    100円ショップ(DAISO)で110円で売っているので、そちらの方が良いです。

    1.ノコギリで斜めに切る

    なるべく斜めになるように、ノコギリで切っておきます。糸鋸で切ってもOKです。

    2.木工用ヤスリでテーパーに削る

    木工用ヤスリでさらに削ります。

    このくらいになっていればOKです。

    3.ヤスリでささくれを取る

    ひっくり返して、彫金用のヤスリでささくれや尖りすぎた角を削り落としておきます。

    これでスリ板のセッティングは完了です。

    すり板はどんどん削って使う

    スリ板は、都度使いやすいようにヤスリで削ったり、糸鋸で切ってしまって構いません。

    一部を凹ませて削りたい作品をフィットさせたり、作業がしやすいように削っていくので、スリ板の形はどんどん形が変わっていきます。

    彫金で使うすり板の選び方 まとめ

    以上がスリ板の選び方についてでした。自宅でやる分には着脱式がベストバイだと思います。ちなみに、そこら辺の板切れを100円ショップなどで売っているCクランプで机に固定するのでも全然OKです。

    色々準備が面倒な方は、最初からテーパーに加工されているこちらのタイプを購入した方が幸せになれると思います。

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  • DIYで使いやすい防護メガネと防塵マスクはこれ

    DIYで使いやすい防護メガネと防塵マスクはこれ

    何かを削ったりする際は、(彫金に限らず)目や肺を保護した方が良いです。めんどくさいのですが、ちゃんとしていないと将来きっと後悔するんですよね。

    呼吸器官などは(健康ならば)100年くらい24時間365日活動するわけで、機械のようにパーツ交換もできません。肺にはフィルターお掃除機能みたいのも一応ついているらしいですが、そもそもフィルターの性能があまり良くないので、細かすぎる粉塵は普通に蓄積していってしまうとのことです(塵肺)。

    ということで防塵マスクが必要となってきます。ちゃんとしたものでも一枚180円くらいですので、未未来への保険だと思って用意しておいていただけたらと思います。

    彫金においては、研磨作業の時に着用しています。

    おすすめはN95クラスマスクの使い捨てマスク

    研磨、切削、粉じん作業、溶接ヒュームに有効で、コストパフォーマンスが◎です。使用可能限度時間は11時間です。(Amazonでの購入が一番安いです。)

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    [N95同等品] 3M(スリーエム) 防じんマスク 8805-DS2 10枚/箱 国家検定合格品

    これの良いところは、排気弁がついているので呼吸が楽で、蒸れなども起こりにくい仕組みになっているところです。旧型のものは(トイストーリー1でアンディの近所の悪い子が、おもちゃに魔改造オペを施すときに装着しているマスクです。)全然空気を通さなくて息苦しかったのですが、これはかなりいい感じです。

    ネットで購入する場合は国が定める基準をパスしているものを選択するようにします。(基本的に3M、興研などのメジャーなメーカーであればOKです)

    ホームセンターでは3Mのマスクが販売されていることが多いです。(筆者調べ。違っていたら申し訳ございません。)

    何十時間も磨くのであれば集塵機の導入を

    職業レベルでの作業はマスクのみでの対応は厳しいです。そういう場合は集塵機を導入してみてください。

    おすすめはSIDUS TS-3 卓上ハイパワー静音集塵機です。(静音を謳う高い国産掃除機くらいの音量)

    ただし、値段は8万円くらいしますので作家として活動したり、たくさん作って売るような商売を始めるようになってからでも良いかなと思います。

    趣味として彫金をされている方は防塵マスクか、それでも粉塵が気になるようであれば掃除機で吸いながら作業する程度でOKだと思います。また、研磨作業はリューターを使わずに手動で行うことで粉塵を発生させない方法もあります。

    保護メガネについて

    保護メガネは100円ショップでも売っています。何を使ってもOKですが、できれば視界の歪みが少ないハードプラスチック製のものがおすすめです。(ゴムのような軟質のものとポリカーボネートなどの硬いものがあります。)ホームセンターでも数百円で売っています。

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    また水泳のゴーグルのようにゴム紐で頭に通すタイプと、メガネのように耳にかけるタイプがあります。もちろん前者の方が密閉性が良いのでより防護性能は高いですが、使い勝手が多少悪いです。

    安全面では隙間なく覆われるゴーグルタイプ一択ですが、利便性を優先させたい方はメガネタイプが良いと思います。また、ゴーグルタイプは多くの場合軟質の素材で出来ていることが多く視界が歪みやすいです。(ちなみにダイソーで売られている保護メガネは軟質のゴーグルタイプでした。)

    私はメガネタイプの方が好きで使っています。ここら辺は自己判断でお願いします。

    彫金での作業では、リューターなどの回転する機械を使う際に着用します。

    高いものでもないので、必ず用意しておいていただけたらと思います。(玉ねぎを切るときにもきっと役に立ちます。)

    まとめ

    ということで保護具について紹介してきました。ちょっと面倒くさいですが、健康こそ他のすべてに勝る宝物です。作業中は必ず着用するように心がけていただけたらと存じます。

    まとめ

    防じんマスクはN95クラスの使い捨てマスク(ちゃんとしたメーカーのもの)
    保護メガネは視界のゆがみの少ないハードタイプがおすすめ。
    仕事レベルで磨く場合は、集塵機の導入を。

  • 石留めヤットコの使い方とセッティング

    石留めヤットコの使い方とセッティング

    石枠の爪を倒す時に使う特殊な形をしたヤットコに、石留めヤットコがあります。

    購入時の状態では少し使いづらいので、一部を磨いたり削ったりしてセッティングしておきましょう。

    セッティング方法と道具の使い方を解説していきます。

    石留めヤットコのセッティング手順

    ダイヤモンドヤスリを使って石留めヤットコを削ります。

    100円ショップの工具コーナーでも売っているダイヤモンドヤスリを使ってヤットコのバリなどを削り落としていきます。

    ダイヤモンドヤスリは焼き入れされた硬い鋼でも削ることができますので、道具の調整には必須です。
    100円ショップにお立寄りの際は、ついでに買っておくと良いと思います。

    ダイヤモンドヤスリを使って石留めヤットコを削ります。

    1. ダイヤモンドヤスリで面・角を削る

    新品状態では、ヤットコの挟む面が荒れていることがあります。このままだと作品を傷つけてしまうので、きれいに磨いておくと良いです。

    ダイヤモンドヤスリでヤットコの挟む部分を平らに削ります。角も少し削っておきましょう。

    ヤットコの面をペーパーで削る

    2. ペーパーで傷を消す

    ダイヤモンドヤスリで削ったところを耐水ペーパーなどで磨いておきます。#600くらいのペーパーを使いました。

    ヤットコの面をペーパーで削ったところ
    このくらいになるまで仕上げます。
    ヤットコの面を研磨剤で磨く

    3. フェルトと研磨剤で磨く

    硬いフェルトに研磨剤#4000をつけて、面を磨いておきます。

    なるべく平らに磨きたいので、ホイール状のフェルトの天面を使います。

    ヤットコの面を研磨剤で磨く
    1分くらい磨いているとツルツルになってきます。
    研磨剤で磨いたところ
    このくらいになったら磨き作業は終了です。
    石留めヤットコに革を貼る

    4. 革を貼り付ける

    石留めヤットコの挟む面の片側に革を貼っておくと、作品に傷をつけずに済みます。

    本来は革を貼り付けておく必要はないのですが、石留めヤットコに慣れていない場合は、くっつけてあると作業に余裕が出ますのでおすすめです。

    石留めヤットコに革を貼る

    5. 接着剤や両面テープで貼る

    接着剤などで貼り付けます。革のツルツルしている面に接着剤や両面テープを貼ると付けやすいです。

    石留めヤットコに革を貼る
    革の余分をニッパーでカットしておきます。

    これで道具のセッティングは完成です。

    石留めヤットコの使い方

    石留めヤットコの使い方

    石留めヤットコを使う場合は、革を貼り付けた面で石枠の下を捉え、ツルツルに磨いた面で爪を倒すようにして使います。

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    自宅で作れる彫金レシピ

  • 石留に必要な道具のリスト【とりあえずこれがあればOK】

    石留に必要な道具のリスト【とりあえずこれがあればOK】

    彫金の道具はその用途に合わせて個々に道具が存在していて、その数は膨大なので迷います。

    今回は石留の道具のリストアップしました。お買い物に行く際はこちらを参考にしていただけたら幸いです。

    また、使いやすくなるカスタム方法や、100均のものを活用する方法も紹介しています。

    石留の基本的な道具(ツメ留めなどの軽作業の場合)

    市販の空枠に留めたい、ちょっとだけやってみたいというだけであれば、今からご紹介する1~7までの道具だけで構いません。爪を倒すだけなら1.2.6だけでも可能です。

    時計ヤットコ
    石留めヤットコ
    ニッパー
    精密ヤスリ
    ナナコタガネ
    ピンセット
    メス・デザインカッター

    フクリン留めなどの本格的な石留めをしたい方はそれ以外の道具も必要になってきます。

    市販の空枠への留め方はこちらで紹介しています。

    【自宅でできる】空枠に自分でルースを留める手順・やり方

    1. 時計ヤットコ

    石留め,空枠にアメジストを石留めする,爪を曲げる

    時計修理用のヤットコで、通常のものと比べて精密な作りをしています。爪の向きを整えたり、微調整する際に使います。

    時計ヤットコ

    サイズが色々と存在していて、数字が大きくなるほどサイズが大きくなります。

    趣味で行う彫金に関して言えば00〜0番のどちらか一本あれば十分で、1番2番と複数サイズを持っていても使用するシーンはあまりないかと思います。数字が小さいほど細いものになります。

    価格は1500円前後で殆どの彫金工具店で取り扱いがあります。

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    2. 石留ヤットコ

    石留めヤットコ

    特殊な形状のヤットコで、石枠の爪を倒す際に用います。

    通常のヤットコと異なり、余計な部分が当たって傷がつかない作りとなっています。

    並爪の空枠の留め方

    革やフェルトなどのクッションを併用します。

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    詳しい使い方はこちらで解説しています。

    3. ニッパー

    爪をニッパーでカットする

    爪を切るときに使います。精密な作業が可能な大きすぎないサイズがおすすめです。

    おすすめはKEIBA マイクロニッパー MN-A04 100mmで、私もこれを使っています。

    これ一本で2.5mm程度までの真鍮丸線をカットできるのと、精密なカットが可能なつくりなので彫金をする上ではベストな選択肢です。

    刃の仕上げがきれいで、一般のホームセンターでも取り扱いがあります。

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    4. 鋭利で薄いタイプの精密ヤスリ

    精密ヤスリ

    爪を成形する際に使います。

    精密な作業が必要なため、おすすめなのは番手#6の刀刃型、笹葉型の先細りになっているタイプなどの鋭利なものです。

    12本組に含まれています。12本組セットで買うと7000円程度ですが、バラで購入すると1本800円前後で購入できます。

    これは安いヤスリでは役に立ちませんので、趣味用途でもプロと同じものを選ぶべきだと思います。

    おすすめは日本の老舗メーカーの魚地球印のヤスリです。コスパに優れていて、品質もとても良いです。

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    5. ナナコ(ミル)タガネ&グリップ

    先にくぼみが付いていて、爪を丸めて留める際に使います。パヴェ留めなどもこれで留めています。

    バラ売りもされていますが、セットで購入してしまった方が収納に困らないのでおすすめです。

    画像右のグリップと左のバーをセットして使います。

    大きな石を留める場合は#10、#13、#16あたりがあれば良いかと思います。

    1mm~3mm程度の小さい石を留める場合は、#2,#4,#6,#8があると良いと思います。

    ナナコタガネは消耗品ですので、定期的に買い替える必要があります。(潰れてくぼみがなくなってきます)

    バラで購入する場合は、グリップは「ナナコ(ミル)タガネ用」と書いてあるものを買いましょう。(専用のものは軸受けに金属が埋め込まれています。)

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    S&F ナナコセット 12本セット

    今紹介した番手が全て入っているセットです。セットに含まれていないナナコタガネもバラ売りされています。

    6. ピンセット

    空枠の爪を倒す

    100均のもので構いません。ステンレス製で精密そうな見た目をしてるものを3つくらい買っておくと良いです。

    ルースを掴むほか、柄の部分を使って爪を曲げたりする際にも使えます。

    7. メスやデザインカッター

    石留め,空枠にアメジストを石留めする,印をつける

    爪に印をつけたり、細かいバリや削りクズをこそぎ落とす時に使います。鋭利なメスがあると良いのですが、切り絵などに使うデザインカッターなどでもOKです。

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    より本格的な石留めをしたい場合の道具

    固定材

    石留はしっかりと石枠を固定すると非常に作業がしやすくなります。

    松ヤニという伝統的なものや、熱湯につけると柔らかくなる樹脂など色々な種類があって迷いますが、キャメルヤニ(赤)とサーモロック(灰)の2種類を買っておきましょう。

    石留の道具
    木材に固定材をつけて、石枠などを固定する

    赤い樹脂は熱湯で軟らかくして木材にセットして、バーナーで炙って使います。その木材を万力に固定します。

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    GC モデリングコンパウンド 中性 1枚入
    解説:しっかり硬くなって良いです。3枚くらい買っておきましょう。

    石留の道具

    灰色の樹脂は弾力性があり、まとまりが良いので、リングを固定したりする際に使います。

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    GRS サーモロック 1本入
    解説:ヒートフォームと呼ばれていますが、知らないうちにサーモロックという名前になっていました。鉛筆くらいのサイズで棒状になって売っています。2本くらい買っておくと良いです。
    熱湯につけてると柔らかくなります。

    こびりついた樹脂を落とす時は、有機溶剤につけておきます。

    アセトンやベンジンと書いてある溶剤を購入しておきましょう。

    ホームセンターの塗料コーナーに行くと、塗料の薄め液や用具洗い液として販売されています。

    いずれもガソリンなどと同じ分類の有機溶剤(危険物4類)ですので、火気厳禁です。風通しの良い日陰に保管しておいてください。

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    石留の基本的な道具(フクリン留め)

    オタフク鎚

    おたふく鎚

    タガネを叩くときに使う金槌です。日本の伝統工芸で広く使われていて、特徴的な形状をしています。柄付きと頭と柄のバラ売りがあります。加工の手間がない柄付きでいいかと思います。

    すんなどの尺貫法単位で種類分けがあり、大きさが異なります。(数字が小さいほどサイズも小さ苦なります。)

    繊細な留めや彫りをする場合は小さいものを使います。刻印を打ったり、打ち出し技法などの力が必要な際は6寸などの大きめのものを使います。

    とりあえずオールマイティな5分(直径15㎜)を1本買っておきましょう。

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    伏せこみタガネ

    フクリン枠を叩くためのタガネです。

    炭素鋼などのタガネ株(自分で先を加工して使うタガネ)で自作することが多いですが、いらないヤスリを加工しても使うことが出来ます。

    曲面のものと平面のものと2種類持っておくといいと思います。

    タガネ株は片切りタイプを使用します。赤色の塗料が付いているタイプ(炭素鋼)と青色(ハイス鋼)が付いているタイプがありますが、家庭では赤の方が加工しやすいのでそちらを選びます。

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    ヘラ(超硬ヘラ推奨)

    研磨された鉄の針で、彫金にはかなり重要な道具です。地金をこすると地金がピカピカになります。

    鋼鉄製のものや超硬(混タングステン)金属で出来ているものとがあります。

    鋼鉄製のものは使用しているうちに擦り傷が付いてくるので、定期的に再研磨が必要です。

    超硬ヘラはメンテナンスフリーなので楽なのと、鋼鉄製のものより良く光ります。

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    彫刻台・万力

    彫刻台の使い方

    彫金用途の万力は達磨のような形状(実際に達磨という名称で呼ばれることもあります。)の彫刻台という道具を使います。

    前述の固定材と合わせて使うことで、確実にタガネの衝撃を地金に伝えることが出来ます。

    色々なサイズがありますが、直径が15cm前後、重さ10kg前後の重めのものをお勧めします。ミニ彫刻台は安いですが、金槌でタガネを叩くと重量が足りずに動いてきてしまいます。

    ベアリング内蔵のものはスムーズに回転するため洋彫りに使われます。多くのものがストッパーが付いていて回転しないように固定ができるので、ベアリング内蔵の方がお得だと思います。

    結構高価な彫刻台(4万円~10万円)ですが、近年は中国製の安価なものが普及してきているので、2万円しないで購入できるかと思います。

    通常の万力でも代用はできないこともないですので、数千円の万力から始めてみても良いかもしれません。

    道具のカスタマイズ方法

    固定器具の自作

    石留の道具

    爪留めなどでも固定器具があった方がはるかに楽に作業ができます。100均で売っているすりこぎ棒などの木の棒を使って、簡易的な固定器具を作ってみます。

    すりこぎ棒を切る

    彫金の道具を自作

    100均ではDIY用の木の棒なども売っていますが、多くが桐やバルサなどの軟らかい性質のものが多いようです。その点すりこぎ棒は用途から見ても硬さが必要であることが予想できるため、硬い木材で作られています。

    長さもとてもちょうどいいですが、先が丸くなっているので、糸鋸やのこぎりなどで切っておきます。

    固定材をつける

    彫金工具の自作

    GCモデリングコンパウンドを付けましたが灰色のヒートフォームという樹脂をつけてもOKです。

    いらない・・・・容器(樹脂がこびりついて取れなくなります。)で湯煎すると軟らかくなってくるので、切った面に盛ります。

    彫金の工具を100均のもので自作する

    直ぐに取れてしまう場合は、すりこぎ棒の切った面を荒らしてホールド性を高めておきましょう。

    GCモデリングコンパウンド 彫金

    バーナーで炙る

    彫金の道具

    バーナーで焦がさないように炙って、トロっとさせておきます。手にかかると火傷しますので気を付けてください。

    石枠を固定する際も、石枠をバーナーで少し温めると余熱で溶けて固定材に埋まっていきます。

    水につけて冷やします。外すときも湯煎したりバーナーで軽く炙って外します。アセトンで洗浄すると綺麗に落ちます。

    石留用の精密ヤスリの改良

    石留の道具
    峰を研磨して、ルースに当たっても傷が付かない様にしておく

    通常の精密ヤスリの一面のヤスリ目を研磨して潰すことでルースに傷をつけずに爪を整えることが出来ます。

    100均で売っているダイヤモンドヤスリは、焼き入れがされている硬い鋼でも削ることが出来ます。これを使って、刀刃型ヤスリの峰のヤスリ目やバリを削り取ってきれいにしておきます。

    #1000くらいまでペーパーなどで磨いておきます。#1000くらいまで磨いておけばOKですが、気になるようであればリューターを使って研磨剤とフェルトでピカピカにしても良いと思います。

    爪を整える際は、この研磨した面をルース側にして使います。

    まとめ

    石留の道具の一覧を紹介しました。

    結構本格的な石留めができる石留めセットでした。

    参考にしていただけたら幸いです。