金属はバーナーなどで加熱させると表面が黒ずみ、汚くなってきます。これをリセットさせる工程を酸洗い(さんあらい)と言います。
酸化皮膜で覆われた金属を酸性の溶液に漬けて皮膜を剥がします。
酸洗いに必要なもの
酸洗材(ピックリングコンパウンド・ディクセル)を溶かした水につける方法と、希硫酸で煮る方法があります。
ご自宅での作業には、比較的安全な酸洗材(ピックリングコンパウンド・ディクセル)が向いています。
酸洗材を使って酸洗いをする手順
1.酸洗材をぬるま湯に溶かす
温かい湯に顆粒状のピックリングコンパウンドを溶かします。容器は密閉できるガラス瓶が最適です。
溶かす湯は熱湯である必要はありませんが、温かい方が反応が良くなります。
常温水でも可能ですが、長く漬けておく必要があります。
ピックリングコンパウンドを溶かした水は再利用が可能なので、そのまま密閉瓶に入れて保存しておきましょう。
手に付着した場合は速やかに洗い流してください。その他、ご利用前に取扱説明書をよくお読みください。
2.作品を5分程度漬ける
ロウ付けした後や、焼きなましをした後の作品を先ほどの酸洗材の水溶液に漬けておきます。
5分程度経つと黒ずみが取れてきますので、ピンセットで取り出して水洗いしておきます。
以上で酸洗いは終了です。
希硫酸での酸洗い
より強力で効率的に酸洗をする必要がある場合は、希硫酸での酸洗いをします。
自宅での作業には向きません。有害な蒸気が発生するのと、飛び散る酸が周囲を激しく腐食させます。
カセットコンロなどにセラミック製のボウルを置いて、その中に希硫酸と作品を入れて煮ます。(換気をしながら行いましょう)
希硫酸は5~10%程度の濃度で行います。硫酸から希釈させる場合は保護メガネ・ゴム手袋を着用しましょう。硫酸に一気に水を注ぎ込むと激しく反応して大変危険です。ガラス棒などを添えて少しずつ希釈させます。
カセットコンロなどで加熱する際は、激しく沸騰させずに少し煮立ったくらいで火を止めて取り出します。