厚めの板を頑張って曲げて、ロウ付けをしないリングを作ってみます。
今回の作業で習得できるポイントは厚い板の曲げ方です。
真鍮の厚板は彫金で使う金属の中でも加工しづらい部類に入りますので、これをやれば金やプラチナ、銀などは加工しやすく感じると思います。
指輪作りが初めての方は、こちらの真鍮線のリングがおすすめです。簡単に作れて、指輪づくりの基本的な流れが理解できます。
幅広のフリーサイズリング イメージ
必要な道具と材料
必要な道具
リングを作る基本的な道具があれば作ることが出来ます。
刻印を入れたいのなら、文字の刻印とハンマー(木工用のげんのうでもOK)を用意します。刻印は焼き入れされた鋼鉄製のものであればレザークラフト用のものでも代用できます。真鍮製の刻印もありますが、ご想像のとおり真鍮に打つと刻印本体の方も潰れてしまいます。
使用する材料
1.8mm真鍮板を使いました。厚い方が存在感があっていいかと思います。
参考:自宅で金と天然ダイヤの指輪を作る手順(K18のロウ付け・ダイヤを割らずに留める方法)
幅広のフリーサイズリング 作り方手順
少々切るのに苦労しますが、糸鋸(サイズ#0の刃を使用)で真鍮板を切断していきます。あらかじめケガキ針などで印の線を入れておくと正確にカットすることができます。
ケガキ針は鉄針で金属に線を引くための道具ですが、100均の千枚通しなどで代用もできます。
材料の長さは下記の式に切れ目の分をマイナス10mmくらいしておけば良いと思います。
終わったら焼きなましをして柔らかくしておきます。
角をヤスリで落とす
フリーサイズのリングにした場合、両端の角が尖っていると痛いので、ヤスリで丸くしておきました。
糸鋸の跡が目立つ場合はヤスリで整えておきます。
また、刻印を入れたい場合はこの段階でやっておきます。
板を丸める
ヤットコやペンチなどを使って丸めていきます。
折り返すときは図のように木槌などで叩くとやりやすいと思います。
多少荒治療ですが、ペンチなどでグッと絞るのも効果的です。(掴んだ傷がついてしまいますので、後でヤスリで消す手間が発生します。)
端を丸くするときは芯金棒に突っ込んだ状態で木槌で叩きます。作りたいサイズのマイナス#0.2くらいを狙ってください。
仕上げで少し内径が削れて広がってしまいますので、この分を考慮しておきます。
丸くなりました。
ヤスリで成形する
ヤスリで内側の角を落として着け心地を良くします。
目の細かい丸いヤスリ(画像は甲丸ヤスリ)が良いと思います。
板を丸めると画像のように端が上がって、内側が凹んでいるように見えてしまいます。
通常のリングを作る際はこれを真っ直ぐヤスリで一周削って整えるのですが、その分板厚が薄くなってしまいます。
まっ平に見えるリングを作りたい場合はあらかじめ板厚を厚くしておく必要があります。
個人的な感想ですが、こういうものは逆に反っていた方が良い意味で工業製品っぽくなくて雰囲気があって好きです。
お好みのアレンジを加える
細い丸ヤスリなどを使って、縁を波状にしたり、ギザギザにしたり…などのアレンジはここの工程で行うのが良いかと思います。
ヤスリで大体の側面を整えたら、切り立った角を痛くない様に丸めます。
触ってみて着け心地が良さそうなところまで整えます。
耐水ペーパーなどで整える
金属用サンドペーパーなどで、表面をきれいにします。
800番くらいまでやりました。軸に細く切ったペーパーを巻いたもので、リューターで磨くと一瞬で終わります。
リューターは安いものでも十分使えます。
鏡面仕上げにも出来るし作業も捗る…..もう買っちゃうしかないんじゃないですか??(押し売り)
お好みで刻印を入れる
小さな文字で刻印を入れました。芯金棒に入れた状態でハンマーを使わずに手でグリグリして打刻しました。(0.8mmのリング用刻印で先ほどご紹介したの刻印とは異なるものです。)
iedamは実は前のサイト名です。.comドメインでなかったのでtuuculに改変しました。
iedamってideaとチョット似てるのと逆から読むとmade、冒頭は家のie…と家で作るアイデアを提供するという意味では結構良い名前だと思ったんですがドメインが空いておりませんでした。残念。
tuuculって何の捻りもなくそのまんまじゃん!と思うのですが覚えやすいのでまあ良いでしょう。(小文字で書くと丸っこくてかわいいし。)
縁にも入りました。
点々はケガキ針でグッとやりました。
仕上げる
手動でやる場合はサンドペーパーを1500番くらいまで頑張らないと研磨剤をつけても綺麗になりませんが、リューターがあれば大丈夫です。
手動の場合は乾布摩擦よろしくウェス(ぼろ切れの事)やタオルなどに研磨剤をつけてゴシゴシしていると綺麗になります。
テレビでも見ながらやっていると気づいたら出来上がっているという便利な戦法です。
ちょっとやっただけでもそれなりに光ります。
内側は丸い棒に巻いた耐水ペーパーで綺麗にします。鉛筆などが良いかもしれません。
仕上げは同じく乾布摩擦戦法でやります。
リューターの場合は軸に耐水ペーパーを取り付けたもの(道具屋でも1コ150円くらいで売っていますが、自分で作れば1コあたり数十円です)でやると良いでしょう。
リューターはフェルトなどの多種多様な研磨用先端工具が販売されています。豆バフ類なども揃えておきましょう。
研磨類のリューター用ビットはこのサイトで紹介するものを全て揃えても2000円もかからないと思います。
バフモーターがある場合は…
人類の最も偉大な発明・モーターの最もシンプルな使い道であるバフモーターは、小型なものでも持っていれば作業がかなり捗ります。
しかしながら集塵設備がないと部屋が大変なことになります。
また、モーターの振動に耐えうる丈夫な作業台も必要で、導入のハードルは高めです。
バフモーター自体は、中古だったら数千円で買えます。ただし動力電源(200V)のものは家庭では使えませんのでご注意ください。
100Vモーターで小型のものがいいでしょう。軸径が特殊な太さだと対応するパーツが少ないので、17.6mmのものが良いです。(流通しているものの小型バッファーは大体17.6の気がしますが、Amazonなどで売っている中華製バッファーは要注意です)
洗浄して乾燥させる
研磨剤の油分を落とします。
40℃以上のお湯と洗剤で洗ってください。真水だと研磨剤の油分が柔らかくならず、全く落ちません…。
超音波洗浄機があれば一瞬です。ただし数千円のものははっきり言って使い物にならないので、買うとすればきちんとした工業用途のものが良いです。(…がホンモノは数十万円なので、彫金道具屋で売っている2~3万円代のヒーター付きタイプをお勧めします)
小型のものでも2万円くらいしますが、洗浄時に手を触れずにバフ粉(研磨剤のカス)を一掃するには必要不可欠です。
特に貴金属の仕上げ後は素手で触っただけでも擦り傷が付いてしまいます。また、入り組んだ箇所は歯ブラシなどでは取りきれませんので、特に商品としてフリマサイト等で売ることを考えている場合は、購入されることをお勧めします。
幅広のフリーサイズのリング まとめ
今回はろう付け無しのリングを作りました。
ずっと触って痛くなる滑らかさで、シルバーなどで作ると良さそうです。
こういうものは買うと結構しますが、自分で作ると材料費で言えば割とリーズナブルに上がります。
ぜひ作って見ていただけたら幸いです。
最後までご覧下さりありがとうございました。
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