タグ: 石枠

  • ペアシェイプカットの石枠の作り方と石留の手順

    ペアシェイプカットの石枠の作り方と石留の手順

    このページでは、ペアシェイプカットの石枠の作り方を解説します。

    お手持ちのルースに合わせて、サイズのぴったりの石枠を作れるようになれば、リフォームアクセサリーが作れるようになりますね!

    使用する道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    ヤスリ(中目・細目)
    精密ヤスリ(甲丸・歪)
    ニッパー
    丸ペンチ
    リューター・スチールバー
    ロウ付けセット
    石留めセット

    彫金の道具一式と、石留めに使う道具一式が必要です。リングを作るための道具である芯がね棒などは必要ありませんが、持っていると石枠を指輪にすることが出来るようになります。

    使用する材料

    紙にトレースする ペ材料を用意する シェイプの石枠の作り方
    10mmペアシェイプカット キュービックジルコニア
    1.2mmφ SV950線材(枠・爪用)
    2.0×1.0mm SV950角線材(枠部分)
    銀ロウ材 3種類(3分・5分・7分)
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    丸線は色々なサイズを持っておいて、石のサイズによって微妙に変えると質感にグッと深みが出ます。

    丸線を全て揃えるのも大変なので、線引き板があると便利だと思います。

    欲しいサイズの丸線材を作る事ができます。

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    ペアシェイプカットの石枠の作り方

    ペアシェイプに合わせて石の形をトレースする

    紙にトレースする ペアシェイプの石枠の作り方

    方眼紙の上に石を置いて、画像のように形をトレースします。

    面倒な方は石をスキャナーで読み込んでコピーしてもOKです。

    爪の位置に印をつけておきます。

    トレースした線に合わせて地金を巻く

    丸ペンチで丸めていく 紙にトレースする ペアシェイプの石枠の作り方

    焼き鈍しをした地金を丸ヤットコなどで巻いていきます、切れ目はしずく形の先端に来るようにします。

    線の内側を狙って巻いていくと、石が枠からはみ出ずに綺麗に留まります。

    形が決まったら余計な部分は1mm程度残して切っておきます。

    ペアシェイプ形に合わせる  ペアシェイプの石枠の作り方

    糸鋸を使って、ペアシェイプの先端に切れ目がちょうど来るように画像の角度でカットします。

    ここを切れ目にする事で、ロウ付けした部分(ロウ目と言います)を隠すことができます。

    紙に合わせてルースを確認する ペアシェイプの石枠の作り方

    この際に隙間が多少あっても、あとで調整しますのでOKです。

    糸鋸で合わせをぴったりにする  ペアシェイプの石枠の作り方

    糸鋸(#0の鋸刃使用)で、切れ目に沿って切ってきます。

    あとは鋸刃の幅分空いた隙間を、ぎゅっと閉じます。

    こうする事で精密に切れ目をピッタリにすることができます。

    ペアシェイプの石枠の作り方

    石と並べるとこんな感じです。

    石枠(上段)のロウ付けをする

    ロウ付け ペアシェイプの石枠の作り方

    3分ロウなどの溶けにくいロウで、切れ目をロウ付けします。バーナーを置いた状態で、ピンセットで持って空中で行う『差しロウ』方法でやりました。

    慣れるとこちらの方が素早くロウ付けができます。

    ヤスリで整える

    ペーパーで綺麗にする ペアシェイプの石枠の作り方

    平らな部分は耐水ペーパーで平らにして、側面はヤスリで整えます。側面は少し絞りをつけて、テーパー気味にしました。

    ヤスリで整える ペアシェイプの石枠の作り方

    内側も手の入る部分は綺麗にしておきました。

    磨く場合は、綿棒を折ってリューターに装着して、研磨剤をつけて磨くのがおすすめです。

    ペアシェイプルースの受け皿を作る

    ケガキを入れる ペアシェイプの石枠の作り方

    石がしっかりと石枠に座るように、受け皿部分を作ります。

    完全に角にしてしまうと磨いたりしているうちにガジガジになってしまうので、ある程度縁を残しておきます。

    ケガキはなくてもいいのですが、縁が見やすくなるので今回は説明用につけました。

    キサゲで斜めに削る ペアシェイプの石枠の作り方

    斜めに削れれば何でも構いませんが、今回はキサゲなども出動してやってみました。

    キサゲを使って石枠を削る ペアシェイプの石枠の作り方
    刻みに向かって斜めをつけていきます。

    ペアシェイプの先端はあらかじめ精密ヤスリ(刀刃型)で刻みを入れておいて、その刻みを馴染ませるように斜め部分を削っていくと先端までシャープに削ることができます。

    上段は完成 ペアシェイプの石枠の作り方

    上面の平部分を微かに残しておきます。

    ここを残しておかないと、磨いたときに角がカミソリのように薄く尖ってしまいます。

    下の段を作る

    下段を作る ペアシェイプの石枠の作り方

    1.2φ銀線を先ほどと同じようにペアシェイプ型にします。

    横から見た時の仕上がりがスタイリッシュになるように、上段の枠よりわずかに小さくしました。

    丸線を使って石枠を作る ペアシェイプの石枠の作り方
    方眼紙に書かれている線が上段枠の輪郭です。

    あまり下段を小さくしすぎると横から見た時の爪の流れに違和感が出てきますので注意します。

    デザインによって変わってきます(好み)ので決まりはありません。

    成形 ペアシェイプの石枠の作り方

    上段と同じようにロウ付けをします。ロウ材は融点の高いものを使います。(3分ロウを使用)

    ペーパー掛け ペアシェイプの石枠の作り方

    底面を耐水ペーパーで平らに削りました。

    石枠に爪を立てる

    石枠下段の爪をつける部分に精密ヤスリなどで刻みをつけて、爪がフィットするようにします。(ペアシェイプの先端の尖っている部分は刻みを入れません)

    5分ロウで慎重にロウ付けをしていきます。爪は長めの棒材をロウ付けして、後で余分なところをカットして整えます。

    写真撮り忘れました…こちらはオーバルの時の様子です。

    なかなかロウが溶けなかったら無理せずに、一回ピックリングコンパウンドや希硫酸などで酸洗いをして仕切り直すと良いです。

    袋爪を作る

    ペアシェイプ、プリンセス、マーキスなど角のある石は、袋爪と呼ばれる構造の爪を作るのがセオリーです。

    角を包み込むように内側にくぼみを作ったり、L字型の爪にしたりと角を完全にホールドすることで石を留める仕組みです。

    石の角は欠けやすいので保護する目的もありますが、そもそも袋爪でないとしっかりと留めることができません。(角が滑ってしまいカタカタと動いて外れてしまいます)今回はL字の爪を作ります。

    3mm幅の細長い板(厚みは0.8mm)の中央に線をけがいて、『三角型』や『四角型』の精密ヤスリで折り目を作ります。

    皮一枚のところまで削ったらヤットコなどで折り曲げるとL字型の素材を作ることができます。

    スタイリッシュに見せるために先細りに削っておきます。

    上段の枠にも刻みを入れておきます。

    下段パーツと上段パーツのロウ付け

    7分ロウでロウ付けします。酸洗いもしておきます。

    先端の爪を合わせてロウ付け

    製作した袋爪を合わせていきます。下の方を削ってピッタリ合うように調整しておきましょう。

    最後に7分ロウでロウ付けしておきます。

    石留め前に磨く

    ピカピカにしたい場合はこの段階で磨いておきます。とりあえず石枠は完成です。

    ペアシェイプカットの石留め やり方

    石留めをしやすいように固定材に取り付けておきます。この道具は調理器具のすりこぎ棒に固定材を練りつけたものです。作り方はこちらの記事で紹介しています。

    バーナーで軽く炙って温めて石枠をセットします。

    精密ヤスリで刻みを入れる

    ルースをセットしてみて、石が爪とぶつかる部分に精密ヤスリで刻みを入れます。

    爪を倒す

    爪倒しやピンセットの柄などで爪を倒していきます。刻みを入れたところから曲がっていきます。

    一本ずつ一気に倒し切るのではなく、対角順に徐々に倒していきます。袋爪の部分もルース側に押して軽く曲げておきます。

    余分な爪をカット

    長い爪をカットします。今回は露形の爪にするので、ルースのテーブル面の高さより気持ち長めにカットしています。

    ヤスリで尖らせる

    精密ヤスリで爪の左右を削って尖らせていきます。まだ爪は倒れ切っていないので浮いている状態です。

    倒し切る前にヤスリで削ることで、ルースに道具を当てないように作業できます。

    使用する精密ヤスリは『刀刃型』ですが、万が一ルースにあたっても傷がつかないようにヤスリの峰をピカピカに磨いてあります。

    (ダイヤモンドヤスリ・耐水ペーパー・研磨剤で磨きます。)

    爪を薄くする

    左右を削ったら次は爪の上面を削ります。爪が薄くなることで、倒し込みやすくなります。

    爪の形も整えてきれいな露形(しずく形)にしておきます。

    袋爪も削る

    袋爪も長いので削り込んでおきます。*すみません…これ以降の画像データが消えてしまったので違う作品の同じ作業の写真や再現で解説します。

    爪を倒す

    ピンセットの柄などで、浮いた爪をぴったりルースに合わせていきます。爪を薄く削っているので、倒しやすくなっています。なかなか曲がらない場合は再度爪の厚みを削って薄くします。

    完成

    固定材から外してアセトンなどの薬品でこびりついた固定材を溶かします。

    最後にマンドレールに丸く切った牛乳パックを取り付けて、#4000研磨剤を使って爪の頭を磨いて、全体をバフなどで研磨したら完成です。

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    研磨剤をルースに当てると削れたり、カットがだれてしまいますので注意して作業します。

  • プリンセスカットの石枠の作り方と石留の手順

    プリンセスカットの石枠の作り方と石留の手順

    この記事ではプリンセスカットの石枠の作り方、留め方を解説していきます。

    プリンセスカットなどの角があるカットのルースは普通の爪留めと作り方も留め方も少し違ってきますので、そちらも合わせて解説します。

    使用する道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    ヤスリ(中目・細目)
    精密ヤスリ(甲丸・歪)
    ニッパー
    丸ペンチ
    リューター・スチールバー
    ロウ付けセット
    石留めセット

    彫金の道具一式と、石留めに使う道具一式が必要です。リングを作るための道具である芯がね棒などは必要ありませんが、持っていると石枠を指輪にすることが出来るようになります。

    使用する材料

    10mmプリンセスカット キュービックジルコニア
    1.2mmφ SV950線材(枠用)
    0.9mmφ SV950線材(爪用)
    2.0×1.0mm SV950角線材(枠部分)
    銀ロウ材 3種類(3分・5分・7分)

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    『線引板』を持っていると、さまざまな径の丸線を自宅で作れるようになります。

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    プリンセスカットの石枠の作り方 手順

    石の形をトレース

    石の輪郭を方眼紙にトレースします。石の一辺の長さもノギスで計測しておきます。

    地金に印を入れる

    まず最初に、切れ端を45°に削っておきます。

    トレースした線の内側に合わせて印を入れていきます。

    印に合わせて紙コンパスなどで線を入れます。

    精密ヤスリで折り目を削る

    精密ヤスリ(四角)で折り目を削ります。ここを折り曲げることでプリンセスカットに合う四角い枠を作っていく流れです。

    こんな感じになりました。

    折り曲げてロウ付けする

    先ほど精密ヤスリで削ったところを折り曲げていきます。

    そのまま3分ロウでロウ付けします。ロウ付け後は酸洗いをしておいてください。

    石枠に座りをつける

    ルースがしっかり安定して座るように、石枠を斜めに削ります。

    精密ヤスリ(刀刃)などを使って、角から削っていきます。

    他の部分も削って斜めにします。時々ルースをセットしてみて、しっかり座るかどうか確認しながら行います。

    下段も作る

    今回は石枠が二段になっていて、真ん中にスリットが入っているタイプを作ります。(この構造を『二段腰』と呼びます。)

    1段だけのタイプにしたい場合は、上段のパーツをもう少し幅の広い材料で作ればOKです。

    二段腰のメリットは、光彩を多く取れること、地金の存在感が薄くなり繊細に見えることなどがあります。

    下段も同じ要領で作ります。

    石枠の成形

    石枠は下に向かって窄まっている方が繊細に見えるのでヤスリで削っておきます。

    ちょっと斜めにしておきました。

    爪を立てる

    精密ヤスリで四つ角に刻みを入れます。ここに爪をはめ込んでロウ付けしていきます。

    丸線材をU字に曲げて挟み込むようにしてセットします。

    このままそっとロウ付けします。5分ロウを使います。

    上段にも刻みをつけてロウ付けに備えます。削りすぎると緩くなって下段と合わなくなるので気をつけながら行います。

    上からはめ込んで様子を見ます。大丈夫そうだったら7分ロウでロウ付けします。酸洗いもしておきます。

    裏面を平らに削っておきます。ヤスリの後は耐水ペーパーできれいにしておきましょう。

    これで石枠は完成です。ピカピカに仕上げたい場合は、石留め前に隅々まで磨いておきます。石留めをしてしまうと石が邪魔で道具が入らなくなってしまったり、石を傷つけてしまう原因になります。

    プリンセスカットの石留め やり方

    プリンセスカットなどの角のある石は、角を包み込む『袋状』になっている構造の爪で留める必要があります。

    通常の円柱のような爪では石が滑ってしまって留まりません。

    この、角を包み込む仕組みの爪を『袋爪』と言います。今回は普通の丸線で作った爪を袋爪に加工していきます。

    固定材に取り付ける

    石留めをしやすいように固定材に取り付けておきます。この道具は調理器具のすりこぎ棒に固定材を練りつけたものです。作り方はこちらの記事で紹介しています。

    バーナーで軽く炙って温めて石枠をセットします。

    爪位置に印を入れる

    ルースをセットしてみて、石の角が爪と当たる位置に印をつけます。ルースをセッティングしたままカッターなどで印を入れておきます。

    本来ではメスを使いますが、このような普通のカッターやデザインナイフなどでもOKです。小さくて細い爪などはカッターでは厳しいので、メスがおすすめです。

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    替え刃のタイプはNo.11型がおすすめです。当たり前ですが、メスはとんでもなく切れ味がいいので取り扱いには本当に気をつけてください。

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    印の位置に溝を入れる

    ブッシュスチールバーNo.414型 1.2mmを使用して、カッターで入れた切れ目の位置に溝を入れます。

    この溝にプリンセスカットの角をホールドして留めていきます。

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    こんな感じになりました。

    石をセットして爪を倒す

    石をセットしてみて、しっかりと先ほどの溝にはまっているかを確認します。

    石が斜めに座っていないことを確認したらピンセットの柄や爪倒しなどで爪を対角順に倒していきます。

    一気に倒し切るのではなく、順番に少しずつ倒していきます。

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    ニッパーでカットする

    余分な爪をニッパーでカットします。ルースのテーブル面の高さに合わせてカットします。

    爪の成形

    お好みの形にヤスリで削っていきます。今回は丸い爪にしようと思います。

    精密ヤスリ(刀刃型)で細かいところも削ります。ルースにヤスリが当たると傷ついてしまうので、ルースになるべく当てないように気をつけます。

    また、ヤスリの峰をピカピカに磨いておくとルースに当たっても傷が付きづらくなります。

    ロールサンダーなどで爪の太さを調整しておきます。ルースには当てないようにしましょう。

    しっかり留められていない時は…

    石がカタカタ動いてしまっている場合は、彫刻台や万力などにセットしてナナコタガネで叩いて留めます。

    彫刻台の方が作業がしやすいですが、とりあえずやってみたいだけでしたら、ボール盤バイスがおすすめです。(フクリン留めもできるようになります。)

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    おたふく鎚を使ってナナコタガネを叩いて爪を倒していきます。ルースが完全に留まると響くような手応えが伝わってきますので、そうなったら完了です。

    ルーペなどで見てみて、爪が浮いてない(石と爪の間に隙間ができていない)状態になっていればOKです。

    留まっているのに叩き続けると石が割れるので注意します。

    完成

    磨いたら完成です。これを元に指輪やネックレスにすることもできます。市販の空枠に角のあるルースを留める時にも、『袋爪』にすることでしっかり留めることができます。

  • マーキスカットの石枠の作り方と石留の手順

    マーキスカットの石枠の作り方と石留の手順

    この記事ではマーキスカットの石枠の作り方、留め方を解説していきます。

    マーキスカットやプリンセスカットなど、角があるカットのものは普通の爪留めと作り方も留め方も少し違ってきます。

    使用する道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    ヤスリ(中目・細目)
    精密ヤスリ(甲丸・歪)
    ニッパー
    丸ペンチ
    リューター・スチールバー
    ロウ付けセット
    石留めセット

    彫金の道具一式と、石留めに使う道具一式が必要です。リングを作るための道具である芯がね棒などは必要ありませんが、持っていると石枠を指輪にすることが出来るようになります。

    使用する材料

    石枠 自作 ルース 台座 彫金
    10mmマーキスカット キュービックジルコニア
    1.2mmφ SV950線材(枠・爪用)
    2.0×1.0mm SV950角線材(枠部分)
    ロウ材 3種類(3分・5分・7分)
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    マーキスカットの石枠の作り方 手順

    石枠 自作 マーキス

    石の形をトレース

    石の輪郭を方眼紙にトレースします。この下書きの線からはみ出さないように地金を巻いていきます。

    石枠がルースより大きくなってしまうと、留めた時に正面から石枠が見えてしまって、ルースの輝きを邪魔してしまいます。

    ピッタリ合わせるのは難しいのでは…と思われるかもしれませんが、多少はみ出た分だけでしたら後から削り落とせるので全然大丈夫です。

    なるべくはみ出さないように気をつけてみてください。

    丸ペンチなどで加工

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    マーキスカットの石枠は、円弧状のパーツを2つ作ってくっ付ければ作れます。下書きの形に合わせてカーブを作ります。

    材料は焼き鈍しをしておきます。

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    切れ目は平らなヤスリで削って合わせていきます。なるべく平らに合わせられるように頑張ります。

    ロウ付けする

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    パーツ同士を並べて3分ロウでロウ付けします。ロウ付けが終わったら酸洗いをしておいてください。

    石枠の成形

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    石枠の形を整えます。ルースを乗せてみて輪郭からはみ出たところは削っておきましょう。

    ルースの座りを良くする

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    このままではルースが深く座らず、安定感もないので、石枠の内側を斜めに削っておきます。

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    まずは角の部分を精密ヤスリの刀刃型などで削って、次に精密ヤスリの甲丸型(別名:半丸型)などで他の部分を削っていきます。

    石枠の下段を作る

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    今回は石枠を2段タイプにしました。この構造を『二段腰』と呼びます。1段だけのタイプにしたい場合は、上段のパーツをもう少し幅の広い材料で作ればOKです。

    二段腰のメリットは、光彩を多く取れること、地金の存在感が薄くなり繊細に見えることなどがあります。

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    工程は上段パーツの時と同じです。ただし、石枠は横から見たときに逆プリン型に見えると美しく見えるため、上段パーツよりも少し小さめに作ります。

    下段パーツを整える

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    下段パーツは1.2mmφの線材から作ったので、両面を耐水ペーパーなどで平らに削って、外側も上段に合わせて削ります。

    爪を立てる

    爪を立てる位置に精密ヤスリで溝を削ります。

    爪をロウ付けするための『のり代』になります。

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    下段からロウ付け(5分ロウ)します。この時、U字型にした丸線を挟む混むようにしてロウつけするとやりやすいです。

    こういう感じで丸線をU字型に曲げて、石枠のパーツに挟んでロウ付けします。精密ヤスリで削った溝にカチッとはまります。

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    上段パーツにも刻みを入れます。削りすぎて失敗しないように、下段パーツと合わせて確認しながら作業するようにします。

    上段パーツのロウ付けと成形

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    上段パーツを7分ロウでロウ付けしたら、酸洗いをして全体をヤスリで整えます。

    爪の余分を切って、底面を耐水ペーパーなどで平らにしておきましょう。

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    細かなところは超硬ヘラなどを使うとやりやすいです。

    マーキスカットの石枠 完成

    石枠 自作 ルース 台座 彫金

    以上でマーキスカットの石枠は完成です。一息ついたら石留めもしてみましょう!

    マーキスカットの石留め やり方

    さて、マーキスカットのルースを石留めしていきます。マーキスカットなどの角のある石は、角を包み込むような爪にしなければ石が滑ってしまって留まりません。

    この、角を包み込む仕組みの爪を『袋爪』と言います。今回は普通の丸線で作った爪を袋爪に加工していきます。

    固定材に取り付ける

    まずは石留め作業がしやすいように固定しておきます。この道具の作り方はこちらの記事で紹介しています。

    バーナーで軽く炙って温めて石枠をセットします。冷えて固まるまで待ってから作業します。

    袋状に加工する

    まずはルースを石枠に座らせてみて、爪にルースの角が当たる部分に印をつけておきます。

    スチールバーNo.414型を使って角が当たる部分を削って溝を彫ります。

    ブッシュスチールバーNo.414型です。サイズは石座の大きさによって変わりますが、ここでは1.2mmを使いました。

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    溝が入りました。ここにルースの角をはめ込んで石留めしていきます。

    ルースをはめ込む

    先ほど入れた溝にルースの角がはまってホールドされます。あとは爪を曲げていくだけです。

    爪を倒す

    ピンセットの柄や爪倒しなどを使って爪を倒していきます。一気に倒すと余計な力が石に伝わり危険です。カタカタ動かなくなるまで少しずつ倒していくようにします。

    ルースを触ってみて動かなくなればOKです。それ以上いじらないようにします。

    余分をカット

    爪のデザインによって多少変わりますが、ルースのテーブル面と同じ高さに切っておきます。

    爪を整える

    精密ヤスリの刀刃型などを使って、爪の形を整えます。ルースにヤスリが当たると傷がつくので、ヤスリの側面はツルツルに磨いておくと良いです。

    ルースに当てないように気をつけつつ、爪の上面などをロールペーパーなどで整えます。

    終わったら軽く火で炙って固定材から外します。アセトンなどの薬品につけて固定材を溶かしておきます。

    仕上げ

    牛乳パックを丸く切ってマンドレールに取り付けたものに、#4000研磨剤をつけて磨きます。

    ルースに研磨道具を当ててしまうと石が削れたり、カットがぼやけてしまうので当てないようにします。

    その後仕上げ用研磨剤#8000~で磨けば完成です。

    完成

    これで完成です。ここにマルカンをロウ付けすればネックレスになりますし、指輪パーツをつければリングになります。

  • オーバルカットの石枠の作り方と石留の手順

    オーバルカットの石枠の作り方と石留の手順

    このページではオーバルカットの石枠の作り方、石留めのやり方を解説します。

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    使用する道具

    基本の彫金道具にプラスして、石留めの道具が必要です。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1/

    石留めの道具で今回使うのは、下の道具だけで全部で2000円しないくらいでしょうか。石枠の石留めはこれだけあれば留める事ができます。

    • 石枠を固定する自作道具(作り方は#固定具をご参照ください)
    • ナナコタガネ(大きめのもので#13-#16あたりを揃えておくと良いです。1本100円くらいです。)
    • ナナコタガネ専用グリップ
    • ピンセット(100均のヤツでOKです)
    • 精密ヤスリ(魚地球印の”刀刃や笹刃”と”半丸(甲丸)”がおすすめです)

    上のリストの道具の作り方や選び方は、こちらで詳しく紹介しています。

    使用する材料

    材料リスト 

    ・キュービックジルコニア:10×8mmラウンドブリリアントカット
    ・銀材SV950 :1.2×4×60mm(角線材)、φ1.2×60mm(丸線材)

    丸線材は全てのサイズを揃えるよりも、線引き板を購入するとお得です。直径0.5mm単位で好きなサイズの丸線材を作れるようになります。

    いろいろなものをこれから作りたいと考えている方は、導入してみても良いと思います。

    おすすめツール(重要度★★☆☆☆)

    S&F(シーフォース) 超硬線引盤 丸 小 0.26-2.80mm

    先を尖らせておいた線材をこの穴に通して引っ張ることで、自在に太さを変えられる道具です。

    安いものもありますが精度が悪く狙った太さにできない事がありますが、使えないわけではありません。

    角線を引けるタイプもあります。

    オーバルカットの石枠の作り方の手順

    型紙にルースの形を下書きする

    ルースの形を方眼紙などに写して、それを設計図にして作ります。

    フリーハンドでOKです。

    対角線を引いて、爪の位置を確認します。

    爪は石の重心を通っていればお好きな位置で大丈夫です。

    型紙に沿って丸ペンチで材料を曲げる

    焼き鈍し(バーナーで赤くなるまで加熱すると柔らかくなります。)をしたシルバーの帯を丸ペンチ(丸ヤットコ)などで丸めていきます。丸ペンチは100均のものです。

    線の外へ出ないように(線の内側におさめるように)曲げていきます。

    これは、石よりも枠が大きくなってしまうと、留めた際にブカブカな印象になってしまうためです。枠が見えない方が完成した際に石が綺麗に見えます。

    この際、帯の切れ目は爪で隠れる位置にできると良いです。(完成時にロウ目が目立たなくなります)

    所々印をつけながら、型紙のカーブに沿ってなるべく正確に曲げていきます。

    余分な材料を糸鋸で切る

    糸鋸を使って、余分な部分を切断します。糸鋸の刃は#0を使いました。

    ある程度長めのところで一回切って、なるべくカーブに沿わせてから、糸鋸で切り詰めていくとやりやすいです。

    爪の位置のところに合わせて切りました。(つもりでしたがズレちゃいました)

    丸ペンチを使ってピッタリと合わせます。

    指輪を作る時と同じように、切れ目に糸鋸の刃を一回通して(切れ目をなぞる様にもう一度切る)隙間をなくします。

    ピッタリになりました。

    石を乗せてみるとこんな感じです。(横からの写真も撮ればよかった…申し訳ございません。)

    ロウ付けをする

    一番融点の高いロウでロウ付けします。ここでは3分ロウを使いました。

    のちの工程で、爪などもロウ付けしていきますので、一緒に溶け出してしまわないように高純度(=溶けにくい)のロウを使い分けます。

    酸洗いをして、酸化皮膜を取り除きます。

    下段も同じように作る

    1.2mmφのsv950線を使って、下の段も作りました。

    上の段より気持ちひとまわり小さく作ると良いです。

    こちらは一旦置いておいて、他の作業に入ります。

    石枠にテーパーをつける

    最初に作った輪っかを削って、テーパーをつけます。

    横からみると逆プリン形になるように“絞り”をつけていきます。こうすることで石枠がスリムに見えてルースを引き立てることができます。

    このくらい削りました。石と接する面側(上面)は極力削らないようにします。

    丸線から作った方も、上面・底面・側面を加工していきます。

    こんな感じになりました。

    瞬間接着剤等で2つをくっつけて、一緒にテーパーを削ってしまうのも手です。接着剤は軽く火で炙るとすぐに取れます。接着剤は弾力のあるゲル状タイプよりもカチカチになる“流し込みタイプ”が良いです。

    ルースを受けるお皿部分を作ります。

    ルースの座りが良くなるように、斜めを作ります。

    上面の平部分は少し残すようにします。

    爪を作る

    爪材には1.2mmφのSV950丸線を使います。

    爪の位置に油性ペンで印をつけます。

    精密ヤスリで、油性ペン印の位置に爪がはまる溝を削ります。溝が斜めになったりすると、ロウ付けの時にもれなく爪も斜めに付いてしまうので水平垂直を意識します。

    下段も同じ位置に刻みを入れます。上段下段を重ねて、刻み位置を確かめながら作業するようにします。

    軽く研磨する

    やらなくてもいいのですが、爪をロウ付けしてから磨くと細かなところまで磨けなかったり、余計な部分を研磨してしまい形が崩れてしまいます。

    この段階で磨いておくと、仕上げ時に少しの手間でクオリティを落とさずに光沢を出す事ができます。

    ただし、研磨剤などの油脂がついていると高確率でロウ付けが上手くいかなくなります。

    しっかりと脱脂と洗浄を心掛けます。

    下段石枠 – 爪パーツのロウ付け

    下段石枠から、爪のロウ付けを行います。爪の丸線材は画像のように長めに切っておいて、ロウ付け後に余分な部分をカットする作戦で行くとやりやすいと思います。5分ロウを使っています。

    ハニカムブロックの穴に差し込んで固定しました。(下段石枠のロウ目位置が爪とずれてしまっているのが残念です。)

    一度酸洗いをして綺麗にしてから残りの爪も同じようにロウ付けします。

    こんな感じになりました。爪の余分な部分をニッパーでカットしておきます。(ギリギリまで切らずに1mm程度残しておきます)

    上段石枠のロウ付け

    上段を刻みに合わせてはめ込んでロウ付けします。刻みが爪にフィットするので、下段よりも難易度は低いです。

    5分か7分ロウを使います。

    底面のヤスリがけ

    底面をペーパーで8の字を描くように動かしながらヤスリがけをします。

    斜めに削れてしまっていないか時々確認しながら作業します。

    石留前に研磨する

    磨きたい場合はここである程度研磨しておきます。

    石留後に磨くと、細かな隙間が磨けなかったり、形を崩してしまったり、ルースによってはカット面が研磨剤でだれてしまう事もあります。

    マンドレールというリューター軸に、丸く切った牛乳パックを取り付けて、#4000くらいの研磨剤をつけて磨きました。

    ロウ付け部分も磨いておくと光沢が出て綺麗です。

    底面はバインダーに#4000の研磨剤を塗りつけて、ペーパーの作業の時と同じく8の字を描くように磨きます。

    磨き終わったらお湯と洗剤でよく洗います。

    オーバルカットの石留め

    基本の流れはラウンドカットの石留めと同じです。

    一部重複するため、ラウンドカットのページよりも完結の流れを説明します。

    爪を曲げる

    ルースを石枠に斜めにならないように乗せて、爪とガードルが接する位置に印をつけます。

    その印に精密ヤスリで刻みを入れておきます。

    爪を内側に折り曲げていきます。先ほどの刻みを入れた位置から曲がっていくはずです。

    折り曲げる順番は対角線状に行います。

    この時点ではそこまで強く曲げず、軽く石が動かなくなる程度でやめておきます。

    このようにハンドルに固定するとやりやすいです。このハンドルは100均の調理器具に固定材をつけて作っています。

    あまり強く曲げると石が割れる恐れがあります。

    正面から見るとこんな感じです。

    爪をカットする

    ルースのテーブル面の高さに合わせてニッパーでカットします。

    精密ヤスリで爪の形を整える

    精密ヤスリを使って、爪の形を作ります。

    丸い爪にしたい場合は丸く整えます。

    今回は雫型の爪にしますので、先を尖らせるように成形していきます。

    先端を曲げる

    まだ爪先が浮いているので、最後にルースに沿わせて曲げていきます。

    やすりを加工したものや、ピンセットの柄の部分などを使って、ルースに当たらないように爪を折り曲げていきます。

    再度磨いて完成です。

    ルースに合わせた石枠を作れると、夢が広がりますね!

    最後までご覧いただきありがとうございました。

  • ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留のやり方

    ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留のやり方

    このページでは、ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留めのやり方を解説します。

    銀の板材と丸線材から初心者の方でも比較的簡単に作れるやり方を紹介しています。

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    基本の彫金道具にプラスして、石留めの道具が必要です。

    石留めの道具で今回使うのは、下の道具だけで全部で2000円しないくらいでしょうか。石枠の石留めはこれだけあれば留める事ができます。

    • 石枠を固定する自作道具(作り方は#固定具をご参照ください)
    • ナナコタガネ(大きめのもので#13-#16あたりを揃えておくと良いです。1本100円くらいです。)
    • ナナコタガネ専用グリップ
    • ピンセット(100均のヤツでOKです)
    • 精密ヤスリ(魚地球印の”刀刃や笹刃”と”半丸(甲丸)”がおすすめです)

    上のリストの道具の作り方や選び方は、こちらで詳しく紹介しています。

    材料の用意

    材料 ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順
    材料リスト 

    ・キュービックジルコニア:φ10㎜ラウンドブリリアントカット
    ・銀材SV950 :1.2㎜×4㎜×60㎜(角線材)、φ1.2㎜×60㎜(丸線材)

    直径10mmのラウンドブリリアントカットのCZ(キュービックジルコニア)で作ります。

    キュービックジルコニアのECサイトで購入しました。色々なカットやサイズがあって、値段もそこそこなので、練習用にはもってこいだと思います。

    銀材は1.2mm×4mmの角線材、爪用に直径1.2mmの丸線材を使用しています。

    角線材は圧延ローラーで引きましたが、シーフォースさんから1.2×4×500あたりの角線材が出ていましたので、こちらを用意しておくといいと思います。

    フクリンや枠にも使えるオールマイティなサイズです。

    ただし15mm以上のルースの枠を作るにはちょっと薄すぎるので、その場合は1.5〜2mm厚くらいの角線材がいいかなと思います。

    丸線材は全てのサイズを揃えるよりも、線引き板を購入するとお得です。好きなサイズの丸線材を作れるようになります。

    おすすめツール(重要度★★☆☆☆)

    S&F(シーフォース) 超硬線引盤 丸 小 0.26-2.80mm

    先を尖らせておいた線材をこの穴に通して引っ張ることで、自在に太さを変えられる道具です。

    安いものもありますが精度が悪く狙った太さにできない事がありますが、使えないわけではありません。

    角線を引けるタイプもあります。

    ラウンドブリリアントカット 石枠の作り方手順

    下書き ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    紙に石枠のサイズを書く

    現物合わせで作るよりも、設計図となるガイドがあった方が安心です。

    石の直径をノギスで測ったら(なかったら定規の上に置いて測るのでもOKです)、石の直径と同じくらいの円を描きます。

    「10mmの石」を買ったからといってØ10mmであるとは限りませんのでご注意ください。(特に色石ほど誤差が大きいです。)

    板を丸く石枠に合わせて曲げる

    道具 ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    板材を先ほど紙に書いた円の線の内側(紙の円より一回り小さくなるように)に合わせて丸めていきます。

    少しはみ出してしまっても、削ればOKです。(ただし削った分小さくなるので注意)

    板材は切らずに、長いまま丸めて行った方が楽です。

    円のガイドとして細い芯金棒や、サイズが同じドリル刃のお尻などを使うとよいです。(ドリル刃はマスキングテープや布などで刃の部分を保護します。手で触るとキケンです。)

    最初から完全な正円にするのは難しいので、この作業はある程度で終わらせて、細かいところはロウ付けしてから整えるようにします。

    合わせる ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    丸める途中で、「端の丸め始めの部分」をカットします。

    端の丸め始めはしっかりと丸くできていないと思います。ペンチなどで掴んでいたので、ちょっと平らになってしまうものです。

    カットして、しっかり丸まっているところを使います。

    ロウ付けして正円にする

    石枠の自作 ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    ある程度円形にして、ロウ付けします。

    ロウは一番溶けにくい3分ロウ以下を使いましょう。

    後々に爪パーツなどをロウ付けする際に楽です。

    ロウ付けしたら、芯金棒やドリル刃のお尻を入れて、円を整えます。

    紙に書いた円よりも大きくなってしまった場合は、ロウ目を糸鋸で切ってサイズダウンして再度ロウ付けをして調整します。

    ヤスリでフォルムを成形する

    ヤスリで成形 ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    円の大きさが定まったら、側面をヤスリで整えます。

    ここの作業でテーパード(台形?)に削っておくと絞られたスタイリッシュな石座になります。

    今回はストレートで作りますが、他のカットの作り方記事では全てテーパードにしました。

    石枠の台座 ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    内側も耐水ペーパーをかけました。ペーパーを巻いた軸を使って、リューターで磨きました。

    リューターがない方は、断面が丸い割り箸などに両面テープで耐水ペーパーを貼り付けて巻くと良いと思います。

    丸くする ヤボウズ ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    ダメ押しでヤボウズを当てがって軽く叩くことで円を整えました。

    できればやったほうが良い程度の工程なので、このためにわざわざヤボウズを買う必要はありません。

    ルースを留めるために石枠を皿状にする

    ルース 台座 ラウンドブリリアントカットの石枠の作り方と石留の手順

    半丸の精密ヤスリなどで石がしっかりと沈むように、斜めに削っていきます。

    この時気をつけるのは、ちょっとだけ平らに縁を残しておく事です。

    角にしてしまうと仕上げた時に縁がガジガジになってしまいます。

    難しい場合は、一旦角を作ってしまって、その後に平らな面に置いた耐水ペーパーで数回削ればOKです。

    ただ、計算した石枠の高さよりも小さくなる可能性があるので、できれば縁まで斜めに削らないようにするのが作り方としてはベターだと思います。

    ラウンドカット 石枠 作り方 シルバー

    とりあえずここまで沈むように作りました。

    次は爪を作っていきます。

    爪を作る

    ルース 石枠 自作

    爪をつけたい部分に印をつけます。先程のロウ目部分に印をつけましょう。(完成した時にロウ目を爪で隠すことができます。)

    しっかりと水平垂直の位置に測って印をつけます。

    爪は少しでもズレた位置にあると、悪目立ちしてしまうために慎重に行った方が◎です。

    爪の位置に溝を入れる

    ルース 石枠 自作

    丸い精密ヤスリ(丸型、イビツなど)細く丸い面に削れるヤスリで印をつけた位置に“爪の受け部分”を作ります。

    こうすることで爪が石に寄り添い、綺麗に止めることができるほか、ロウ付けの糊代となって強度UPが図れます。

    (爪の位置がずれるリスクも減らせます)

    ここの時点である程度まで磨いておくと仕上げの時に楽です。

    磨いた場合はお湯と洗剤で良く洗い、脱脂しておきます。

    今後も彫金を続けられるのであれば、超音波洗浄機(ヒーター機能付き)がおすすめです。

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    超音波洗浄器アースショックmini(17380円)

    超音波の力で半自動で洗浄ができる機械です。

    彫金で使うとなると、研磨剤の油脂を落とすためにヒーター機能は必須ですが、結構値段が高くなります。…が、1万円代で購入できてしまうのがこちらです。

    強アルカリ性の洗浄液と併用するのがベストですが、廃液の都合上、水で薄めた食器用中性洗剤での使用が良いと思います。

    丸線で爪をつける

    ルース 台座 彫金

    1mmの丸線をU字型に曲げて、画像のように先程の溝に差し込みます。

    材料は少々無駄になりますが、引っかかった状態でロウ付けできるので、初めての方でも落ち着いて作業できます。

    本来は爪をかっこよく先細りに成形して、一本ずつロウ付けしていくのですが、火加減を間違えるとバラバラになってしまったりと難易度が高めです。

    ルース 台座 石枠

    後ろから見るとこんな感じです。

    溝にしっかりと爪がはまっていて、変に隙間がないかだけ気をつけます。

    しっかりチェックができたら、次はロウ付けです!

    爪をロウ付けする

    ルース 石枠 自作

    ロウ付けすると、シルバーなどは表面がザラザラになります。

    磨いてもマットな感じに戻ってしまうのですが、ボンプロ液というロウ付け用酸化防止剤を使うと良いです。

    フラックスをつけた後、ボンプロ液に一瞬浸します。

    火に当てると緑色の炎を上げて蒸発していきます。

    白い粉のようなもので覆われますので、その後はいつものようにロウ付けをします。

    フラックスはある程度温度が上がらないと溶け出さないので、フラックスが溶け出す前に熱で地金が荒らされてしまったり、酸化皮膜で覆われてしまう可能性があります。

    ボンプロ液は温度の低い段階から表面を保護するので、上記のようなリスクを減らしてくれます。(火を当てるとすぐに酸化皮膜が出るステンレスや鉄などの銀ロウ付けも可能になります。)

    おすすめツール(重要度★★★★☆)

    Comokin(コモキン)ボンプロ S 200ml(1320円)

    イエローゴールド系のロウ付けには必須の薬品です。

    研磨後のロウ付けでも鏡面を保ったままロウ付けが可能になります。

    通常のフラックスとの併用で鉄系のロウ付けも可能です。(200mlは画像の小さい方です)

    ルース ロウ付け 石枠
    ボンプロが燃えているところ

    滴ったボンプロ液が容器に落ちて引火しないように気をつけます。

    引火してしまったら慌てずに容器の蓋を閉めて酸素を遮断しましょう。

    当然ですが、机の上には燃えやすいもの(油類薬品・ウェス・紙など)はしまっておく様にします。

    ルース 石枠 台座 自作

    ロウ付けしました。

    ロウの量はそこまで多くない方が、シャープに仕上がります。

    石のサイズにもよりますが、この場合は多くても一か所1mm角くらいで良いと思います。

    石枠の爪を整える

    石枠 彫金 作り方

    ロウがしっかり行き渡ったのを確認して、問題がなかったら爪の余計な部分をカットします。

    石が留まる側の爪はカットせずに長いままにしておきましょう。(石留めをする際に切った方が失敗が少なく安全です)

    石枠の底面を平らに削る

    石枠 自作

    平らな場所に耐水ペーパーを置いて、底面を擦って平らにします。

    斜めに削られないように、8の字を描く様に手を動かします。

    石枠の底面を研磨する

    石枠 自分で作る

    100均で購入したMDF材のバインダーに粗い研磨剤(#1500程度)をつけて、先ほどと同じ様に8の字を描くように手を動かして磨きます。

    同じ作業を#4000くらいの研磨剤でも行います。

    研磨する場合はこのタイミングで…

    ルース 自作

    マンドレールというリューター軸に、紙パック(牛乳パックなど)を丸く切って取り付けて、研磨剤(#4000〜#6000あたり)をつけて、研磨します。

    終わったらよく洗って、汚れを落とします。汚れが付いたまま石留めをすると、石の下に汚れで石が黒ずんで見えてしまいます。

    それを後々の工程で落とすのも非常に面倒です。

    石を留めた後の研磨は細かなところまで磨けなかったり、石に研磨剤が当たってカットがだれてしまったりとリスクが高めですので、ある程度は磨き込んでおくと良いです。

    内側も研磨しました。

    ラウンドブリリアントカットの石留めのやり方

    石留の道具
    赤いものがモデリングコンパウンド・灰色のものがヒートフォーム

    石留めの際は、しっかりと石枠を固定して”確実に手の力を爪に届ける”ようにする事が大切です。

    彫刻台という固定道具を使ったりしますが、これがなかなかに高価です。

    このタイプの石枠であれば彫刻台は不要ですので、100円ショップのものなどで代用してみました。

    作り方はこちらの”道具のカスタマイズ方法”の項目で紹介しています。

    おすすめツール(重要度★★★★☆)

    GC モデリングコンパウンド 中性 1枚入

    石留めや彫りの固定用にも使う樹脂です。

    2〜3枚買っておくと良いと思います。

    石留の道具
    100円ショップもなかなか侮れません。木材は何でもOKです。

    バーナーなどで焦げない程度に炙って溶かし、石枠を沈めて固めます。

    樹脂によって溶け出す温度はまちまちですが、ヒートフォームは熱湯につけると柔らかくなります。

    石留 ルース やり方
    石枠を固定したところ

    石枠を沈める際、留めるところに固定材がかからないように注意します。

    また、なるべく垂直水平に固定できるようにしてみてください(石が斜めに留まるリスクを軽減できます)

    石枠の内部の固定材は邪魔になるので、固定材が柔らかいうちに棒でつついて凹ませておきます。

    石が留まるようにセッティングをする

    石留 道具 やり方 簡単

    爪を一回外側に広げて、石を座らせて、ガードルの位置を見ます。

    石がしっかりと座るかどうかを確認して、修正が必要であれば再度精密やすりなどで皿状の部分を削って調整します。

    ラウンドブリリアントカットのガードル部分に爪を掛けたいので、精密ヤスリの刀刃などでガードル部分が当たるところの爪に刻みを入れます。

    ラウンドブリリアントカットの石留めをする

    石留 簡単 彫金
    刻みを入れた爪に石のガードルがぱちっとはまります。

    爪を少しずつ広げて石を座らせて、先ほど爪に刻みを入れたところに石のガードルをひっかけます。

    正しい位置に刻みを入れるのが難しいかと思います。何度か練習をするとぴったりの位置に入れられるようになってきます。

    爪をヤットコ(ペンチなど)で寄せる

    石留 自作 独学 彫金

    爪を対角線状に石の中心に向かって寄せていきます。

    強い力は入れず、爪が石に当たったらそれ以上力は入れない方が無難です。

    石が傾いていないかを確認

    石留 自作 独学 彫金

    真横から石枠を見て、石枠に対して石が傾いていないかを確認します。

    傾いている場合はガードルに入れた刻みを調整して、石の傾きを解消させます。

    石枠の爪を倒す

    彫金 石留 独学

    金属を曲げると、一番強度の低いところから曲がっていきます。

    この場合、刻みを入れた部分が一番強度が低い部分ですので、そこを基点に折れていくはずです。

    刻みの角度分で折り曲げる事で、石に当てずに爪を曲げる事ができます。この刻みがないと、ガードルを基点に爪が曲がっていきますが、そうしてしまうとかなりの力がガードルに当たりますので石が割れてしまいます。

    ルース 石留 自作 独学 彫金

    このくらいまで倒しておきます。

    刻みの角度分倒して、石座に沿ったら終了です。

    石枠の爪を整える

    石留 自作 独学 彫金

    ニッパーで余分な爪を切ります。

    大体ですが、石のテーブル面と爪の頭が同じ高さくらいになるように切るといい感じの仕上がりになります。

    爪の頭を成形する

    石留 自作 独学 彫金

    爪の頭を任意の形に調整します。

    今回は丸型でいきますが、先端が先細りの”露形”や四角形の”角”などデザイン性を主張できるポイントです。

    空枠から石留される方もここを工夫する事で、オリジナル性を主張する事ができます。

    丸くなるように笹葉・刀刃などの精密ヤスリで調整しますが、石に当てると傷が入ってしまう事があります。

    精密ヤスリの角を耐水ペーパーなどでツルツルにして、できれば磨いておくと良いと思います。

    なるべく石に当たらないように注意しながら行います。

    ナナコタガネ(ミルタガネ)で爪頭を丸める

    石留 自作 独学 彫金

    今の状態では、爪の先がわずかに浮いているので髪の毛や糸くずなどが引っかかります。

    ナナコタガネ(バリのでないサイズが適正です。今回は#18あたりだった気がします)で爪の頭をグリグリと丸め込みます。あまり力は入れず優しくやってみてください。

    爪頭のてっぺんから爪の先に地金を寄せて、爪がフィットするように調整します。

    石留 自作 独学 彫金
    ピンボケしてしまいました…

    丸めたところです。しっかりと爪が石に寄って、隙間がなくなりました。

    熱にかけて固定具から外して、薬品(溶剤)につける

    ルース 石留 自作 独学 彫金

    バーナーなどで軽く炙って、(ほんとに軽くです)固定材を柔らかくして石枠を外します。

    ベンジン(アセトン)や除光液などに付けておくと固定材が溶けていきます。

    いずれも引火性のある溶剤ですので取り扱い注意です。

    石枠を仕上げる

    ラウンドブリリアントカットの石枠,ルース,空枠,石留

    先ほどの牛乳パックなどを使って(”研磨をする場合はこのタイミングで…”項目参照)#4000前後の研磨剤でヤスリ跡や傷を消します。

    一回洗浄して、仕上げ研磨剤(#8000前後)を柔らかいリューター用のバフなどで磨きます。

    爪頭も仕上げ用研磨剤を当ててあげると、まるっとした感じに仕上がって質感が良くなります。

    ペンダント・リングにするには?

    今回作った石枠は、単に石をセッティングするだけのものです。

    実際にはネックレスにしたり、リングにしたりしなければなりません。

    ネックレスはマルカンを爪をつけるタイミングで一緒にロウ付けしておきます。リングの場合は腕(輪っか部分のことです)を作らなければなりませんが、リングの場合は特に、リングの輪っかに合わせて石枠の形も調整しなければなりません。

    ネックレスもマルカンをつける位置が適正でないと、お辞儀をしてしまう(着用時に石が傾いてしまう)のでバランスを考えなくてはなりません。

    そこら辺の塩梅も、またご紹介できたらと思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。