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  • 【フクリン留めのやり方】 ルースをフクリン留めのリングに仕立てる

    【フクリン留めのやり方】 ルースをフクリン留めのリングに仕立てる

    今回はオーバルカットのブルートルマリンをフクリン留めのリングに仕立てていきます。

    フクリン留めは爪留めよりも難易度は高いですが、何個か作ってみるとすぐにコツをつかめると思います。まずは安めのルースを使って練習してみてください。(10mm前後の大きめの石の方が留めやすいです。)

    フクリン留めのジェムリング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    この作品に使う道具一覧

    1. 糸鋸フレーム、鋸刃#0
    2. ヤスリ(甲丸・平),精密ヤスリ(丸)
    3. フクリン留めセット
    4. ニッパー
    5. リューター
    6. スチールバー(No.1型 1.5mm)・ロールサンダー#600
    7. ろう付けセット
    8. 丸ペンチ
    9. 紙やすり#600

    彫金の道具一式と、フクリン留めの道具、リューター(ハンドグラインダー)が必要です。

    下の商品は、1万円台のリューターにしては構造も本格的でおすすめです。いろいろ調査しましたが、これが一番よさそうでした。

    道具についてはこちらの記事で解説しています。

    使用する材料

    ルースのサイズは6mm以下は避けてください。今回の作り方は、板材をルースの形に合わせて巻いて石枠を作っていきます。
    小さな石だと巻くのが難しくなってきますので、大きめの石を選んでおきます。

    ちなみに石の種類はブルートパーズです。

    小さな石のフクリン枠の作り方も現在執筆中ですので、出来上がり次第UPいたします。

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    ルースの大きさやカットはお好みでOKですが、カットによって石枠の作り方や留め方が少々変わってきます。

    カット別の石枠の作り方は下の記事からどうぞ。

    フクリン留めのジェムリングの作り方手順

    ルースをトレースする

    まずは紙などにルースの輪郭をなるべく正確に写します。コピー機でルースをスキャンして等倍で印刷する方法でもOKです。

    フクリン枠の材料を切り出す

    次に石の厚みを測っておきます。ノギスで厚みを計測してメモっておきます。デジタルノギスを使っていますが、アナログのノギスでも十分です。

    今回の作業程度であれば、1000円くらいの安いノギスでもできますが、今後のステップアップも考えると品質にこだわった日本製のノギスがおすすめです。(ミツトヨN15Rはアナログノギスの定番品で、5000円程度で購入できます。)

    先ほどの厚み+1.5mmくらいの幅をノギスにセットして、真鍮板に線を引いておきます。

    糸鋸に#0(#0というのは糸鋸の刃のサイズの番手のことです。たくさん種類がありますが、とりあえず#0だけ買っておけばOKです。)の刃をセットして線に合わせて切っていきます。

    板材を切るときは刃のギザギザを下向きにセットすると切りやすいです。

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    こんな感じになりました。

    フクリン枠の材料の焼き鈍し

    このあとルースの形に合わせて材料を曲げていくのですが、このままでは硬くて曲げづらいので焼き鈍しをしておきます。

    バーナーで真っ赤になるまで加熱して、ピンセットなどで掴んで水に入れて冷やします。

    ルースに合わせて材料を巻く

    丸ペンチを使って、先ほどの紙に描いたルースの輪郭に合わせて材料を巻いていきます。

    フクリン留めの石枠を作るときは線の外側に巻いていきます。爪留めの石枠を作る場合は線の内側に巻いていきます。

    爪留めのリングの作り方はこちらで紹介しています。

    丸ペンチは100円ショップで購入したものです。とても便利なので100円ショップにお立ち寄りの際はチェックしてみてください。

    …とはいっても100円ショップのものなので、彫金用のしっかりしたものの方が使いやすいです。

    形から入るタイプの方は買ってみてもいいかもしれません。

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    端から丸める必要はありません。ペンチで掴んだ端のところ(写真では油性ペンで塗ってあるところです。)は丸められないので後でカットします。

    ある程度丸めたところで、最初にペンチで掴んだところを糸鋸で切っておきます。糸鋸のギザギザの向きを上向きにして切ると切りやすいです。

    手を切らないように注意して作業してみてください。ハンドクランプに取り付けて切ると落ち着いて作業ができます。

    石留めやヤスリがけで重宝しますし、値段も700円程度と安いのでおすすめです。

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    線に合わせて曲げられたところに油性ペンで印を入れて、その印のところからまたペンチで曲げて…を繰り返します。

    これくらいかなぁというところで余分を切っておきます。

    曲げているうちに金属が硬くなってくるので、作業しにくいなと思ったら再度焼き鈍しをしておくと良いです。

    ペンチで挟んで切れ目をぴったりにさせていきます。

    糸鋸のギザギザの向きを上向きにセットして、合わせ目を一度切るとぴったりにさせることができます。

    金床などの平らなところで石枠を叩いて合わせ目の隙間をぴったり合わせていきます。金床をお持ちでない場合は、木の板などでも構いません。

    大体合わせられたら糸鋸で合わせ目をもう一度切っておきます。形が歪んでいますが、ロウ付け後に合わせるのでこの時点では多少のゆがみは無視でOKです。

    刃のギザギザの向きは上向きで使うとやりやすいです。

    フクリン枠のロウ付け

    真鍮ロウでロウ付けします。

    ロウ付け後は酸洗いをしておきます。

    ピックリングコンパウンドを溶かした水(またはお湯)に漬けておくことで酸洗いができます。

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    リングのパーツも作っておく

    2mmの真鍮丸線材でリングを作っておきます。丸線材から作るリングの作り方はこちらで解説しています。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1

    フクリン枠の形の修正

    ちょっと形が歪んでいるので、丸ペンチ(丸ヤットコ)を差し込んで歪んでいるところをカミカミしながら(何度もぎゅっとつかんでいく感じです。)矯正していきます。

    これくらいになりました。

    石はギリギリ入りません。入らない分は後ほど削って調整します。

    内枠(石座)の作製

    先ほどまで作っていた枠は、フクリンの爪になる部分です。ここではルースが座るための石座を作っていきます。

    幅2mmくらいの帯状のパーツを切り出しておきます。

    焼き鈍しをする前に、ルースを座らせるための斜面を削っておきます。

    焼き鈍しをします。

    先ほどと同じ要領で巻いていきます。今度は線の内側に巻いていくようにします。

    巻き終わったらロウ付けします。

    フクリン枠と石座を合体させる

    酸洗いが終わったら両方のパーツを合わせていきます。

    石座の方を削ってフクリン枠にはめ込めるように調整していきます。ハンドクランプを使うと作業がしやすいです。

    フクリン枠の中も精密ヤスリ(丸型)で少し削っておきます。

    ちょっときついくらいでヤスリがけをストップして、パーツ同士を差し込みます。

    金床などの平らなところで、木槌を使って叩いてはめ込みます。

    はめ込めました。このままロウ付けしておきます。

    酸洗いもしておきましょう。

    石枠の成形

    ヤスリを使って形を整えていきます。先ずは底面を平らに削ります。

    角を削って丸めておきました。角張ったデザインにしたい場合はこれはやらなくてOKです。

    上面も平らにしておきます。石をはめる上面の角は丸っこくしないようにしてください。フクリン留めをした後に整えます。

    ルースのフィッティング

    ルースがしっかりはまるように調整します。ブッシュスチールバーという歯医者さんが使ってそうなドリルを使います。

    No.1型という丸い形のドリルを使います。(No.〇〇…みたいな感じで無数に種類があります。)

    No.1型のサイズ1.5mmのものを使いました。

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    リューターの回転数はなるべく低めにセットして削っていきます。油をつけながら削るとスチールバーが長持ちします。(油はサラダ油やオリーブオイルでOKです。)

    ルースを入れてみて、奥までしっかり座るようになるまで削ります。

    しっかり座ったらフクリン枠の縁の高さをルースのテーブル面(一番上の平らな面)の高さに合わせて削っておきましょう。

    リングパーツと石枠パーツをくっつける

    作っておいた丸線リングの一部を切り取って、石枠を挟みます。

    真鍮リングの一部を切るときはロウ付けをしたところを切るようにしましょう。

    リングパーツと石枠のロウ付け

    そのままそっとロウ付けします。チャコールブロック(木炭)を使うと固定が簡単になります。

    チャコールブロックを細いマイナスドライバーなどでほじくって削って、リングを設置しやすくしておきます。

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    ロウ付けが終わったら再度酸洗いをしておきましょう。

    全体をきれいにする

    紙やすり#600やロールサンダー#600で全体をきれいにしておきます。ピカピカに磨きたい場合はこの時点である程度磨いておきます。

    紙やすりは100円ショップ(ダイソー)で色々な粗さがセットになって売っているものが便利です。木工用と金属用があるので、後者を選ぶようにしておきましょう。

    ホームセンターでも一枚100円弱で販売されています。

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    フクリン留の準備

    ルースをはめるとこんな感じです。フクリン留めをしていきますので準備をしていきます。

    ヤスリでフクリンの縁を斜めに削っていきます。ここを叩いて折り曲げて、ルースにかぶせて留めていきます。

    上面にはわずかに縁を残しておきましょう。カミソリの刃のように先まで尖らせてしまうと留めた後の見た目がガジガジになってしまいますので注意です。

    GRSサーモロック(ヒートフォームとも呼ばれます)は石留めをするときに使う固定材です。熱湯につけると柔らかくなります。

    千歳飴みたいな棒状で販売されていますので、3cmくらいの長さにカットしてお湯につけて柔らかくします。

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    円柱状にして、リングの中に詰めておきます。冷えて固まるまで待機します。

    フクリン留め

    フクリン留めをするときは通常、彫刻台という道具を使います。しかしこれがなかなか高価な道具で、趣味で行うには少しハードルが高いです。(3万円程度でしょうか。)

    安価な万力(2000円程度)でも十分フクリン留めが可能ですので、今回はそちらのやり方をご紹介します。

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    もちろん彫刻台の方が使いやすいですが、これでも十分使えます。穴あけ加工の時など、万力としても優秀ですので持っておくと便利です。

    万力にリングを挟みます。動かなくなるまで締め込みましょう。

    フクリン留めは叩いて留めるので、万力がずれないようにクランプで固定しておきます。

    100円ショップでも販売されているCクランプを使うと良いです。(ネットで買うよりも安いです。)また、着脱可能なスリ板に使われているクランプを一時的に流用するのもよいと思います。

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    超硬ヘラをお持ちでしたら、縁の内側をこすって光らせておくと仕上がりがキレイになります。

    内側の角をヘラで斜めにつぶして光らせるイメージです。

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    こんな感じです。必須の作業ではありませんのでやらなくても大丈夫です。

    ルースをはめ込みます。

    フクリン留めは、オタフク鎚とフクリンたがねを使います。オタフク鎚はサイズがいろいろありますが、4分(12mm)が良いと思います。

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    フクリンたがねは赤タガネ株というものを自分で加工して作ります。自作というとハードルが高そうですが、フクリンたがねは先を平らにしておけばOKです。

    赤タガネ片切りという形のものを買っておきます。

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    購入時からある程度平らになっているので、100円ショップ(ダイソー)で販売されているダイヤモンドヤスリでバリやとげを削って真っ平に削っておきましょう。

    本来であれば『焼き入れ』などの作業を行いますが、趣味で使う分にはやらなくても十分使用できます。

    タガネを利き手ではない方の手で持って、斜めの角度でフクリンの縁に添えて叩いていきます。

    縁を折り曲げていくイメージでやってみてください。

    オタフク鎚は奥から手前に叩くようにします。叩くと振動でルースが飛び跳ねるので、セロハンテープなどで仮止めしておくとやりやすいです。

    一か所叩いたら、反対側をたたいて.. と全体をバランスよく留めていくようにします。一か所を叩きすぎるとルースが斜めに留まってしまう恐れがあります。

    なかなか縁が曲がらない場合は、再度、縁をヤスリで削って薄くしてみてください。少しずつ落ち着いて作業すれば大丈夫です。

    仕上げ

    叩いた縁がぼこぼこなので、ヤスリで削ってきれいにしておきます。#600の紙やすりで円を描くように動かして表面にテクスチャーを入れました。

    ということでフクリン留めのリングを作ってきました。爪留めよりも手間がかかりますが、いくつか作ってみればコツをすぐにつかめると思います。

    次は小さな石をフクリン留めする方法をご紹介出来たらなと思います。

  • 【彫金】オーバルカットのルースで自作するシンプルリングの作り方(ガーネット・ローズアメ)

    【彫金】オーバルカットのルースで自作するシンプルリングの作り方(ガーネット・ローズアメ)

    今回は小ぶりなオーバルカットのルースを指輪に仕立てる手順をご紹介します。

    ミネラルショーなどで、すごくきれいな石を買えたりすると眺めているだけでも楽しいですよね。特に色のついている石は、1つとして同じものがないので同じ種類の石でもたくさん集めてしまいます。

    このガーネットは内包物も多くて、中にヒビもたくさんあるのですが、ヒビが光を反射してとてもきれいです。

    宝石としての価値は皆無かもしれませんが、きれいなことには変わりません。

    自作でこういう石をアクセサリーに仕立てられると、また違った宝石の楽しみ方ができると思います。

    爪の形でも個性が出せます。

    せっかくなので、シンプルな構造だけどスタイリッシュに見える2つのパターンの作り方を解説していきます。

    オーバルカットのルースで自作するシンプルリング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    ヤスリ(甲丸・平)
    精密ヤスリ(刀刃・甲丸)
    ニッパー
    リューター
    スチールバー・ロールサンダー#600
    ろう付けセット
    石留めヤットコ・時計ヤットコ#0
    研磨剤#4000,#8000、フェルト・バフ類

    彫金の道具一式が必要です。リューター(ハンドグラインダー)があると、細かい作業も、磨き作業も簡単にできるようになります。

    1万円台のリューターで構いませんので、持っておくと良いです。

    道具についてはこちらの記事で解説しています。

    使用する材料

    1.0mm真鍮板材(ピンク石の石枠用)
    2.0mmφ 真鍮線材(リング腕・石枠用)
    1.5mmφ 真鍮線材(爪部分)
    ロウ材 (真鍮ロウ)
    ルース

    材料は3種類の真鍮を使います。赤い石のガーネットの方はBとCのみ、ピンクのローズアメジストの方がA、B、Cを使います。

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    ルースの大きさやカットはお好みでOKですが、カットによって石枠の作り方や留め方が少々変わってきます。

    カット別の石枠の作り方は下の記事からどうぞ。

    オーバルカットのルースで自作するシンプルリング の作り方

    ルースをトレースする

    まずは方眼紙などにルースの輪郭をなるべく正確に写します。コピー機でルースをスキャンして等倍で印刷する方法でもOKです。(印刷した後は必ず等倍かどうか確認しておいてください。)

    材料の切り出し

    必要な材料をカットしておきます。ガーネットの方は石枠を2.0mmφ丸線材で作るので40mmくらいの適当な長さにニッパーで切っておきます。

    ローズアメの方の石枠は板材から作るので、石のキューレットまでの長さ+1mmくらいの幅で糸鋸で切っておきます。

    焼き鈍し(やきなまし)

    このままでは材料が硬すぎて曲げずらいので、一度バーナーで赤くなるまで加熱→水で冷ます作業をしておきます。(この作業を焼き鈍しと呼びます。)

    丸ペンチで材料を曲げて合わせる

    先ほどトレースした図に合わせて、丸ペンチで材料を曲げていきます。ルースよりも小さい枠にしたいので、線の内側に巻いていきます。

    ルースよりも石枠が小さいと、正面から見て石枠が隠れるので、石がよりキレイに見えるようになります。

    曲げているうちに硬くなってきたら、都度焼き鈍しをしておきます。

    定期的に図に合わせながら曲げていくようにします。

    曲げにくいときは、木槌でたたいて調整すると簡単です。

    曲げ始めのところはどうしてもまっすぐ気味になってしまいますので、切り落としてしまいます。

    糸鋸の刃のギザギザを上向きにセットして切ります。手を切らないように気を付けてください。

    ある程度のところで余分を切っておきましょう。

    最後はぎゅっと閉じて両端を合わせておきます。

    ぴったり合わせるのは難しそうに見えますが、だいたいでOKです。はみ出た分は後でヤスリで削り落とせます。

    形はこの時点ではゆがんだままで大丈夫です。ロウ付け後に整えます。

    ガーネットの方は丸線材で作るので、同じように丸ペンチで曲げておきます。

    余裕があれば、切れ目の位置を爪の位置に合わせられると良いです。こうしておくと、ロウ付けの跡が爪で隠れてスマートです。

    枠のロウ付け

    巻いた枠をロウ付けします。ロウ材は真鍮ロウを使っています。ロウ付け後は酸洗いをしておきましょう。

    枠の形を整える

    ゆがんでいる枠の形を整えます。丸ペンチを差し込んで、奥の方で挟んでカミカミすることでカーブを均すことができます。

    このくらいでしょうか。あとはヤスリで削って形を整えます。

    両面を金属用の紙ヤスリで平らにする

    両面を金属用の紙ヤスリで平らにします。紙ヤスリは100円ショップで色んな粗さがセットになって売っているものが便利です。(灰色っぽかったり黒っぽいものが金属用です。)

    ここでは#600を使っています。

    ヤスリで枠の形を整える

    ヤスリを使って枠の形を整えていきます。小さいと持ちにくいかもしれません。より簡単に削るには『ハンドバイス』や『並行プライヤー』を使うと作業がしやすいです。

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    内側は精密ヤスリで整えます。持ちにくいので先述のハンドバイスやヤットコで持つと良いです。

    横から見たときに台形になるように削ります。

    ローズアメの石枠の方は下側を丸めておきました。

    ヤスリが終わったらバナナサンドペーパー(ペーパーロールサンダー)#600でヤスリ傷を消しておきます。

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    線の内側になるまで削りました。ルースをのせてみて石枠がはみ出してないかを確認しておきます。

    内側をスロープに削る

    ルースの座りがよくなるように内側をスチールバーでスロープに削ります。

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    爪を立てるための溝を入れる

    爪をはめ込むためのガイドとなる溝を入れます。精密ヤスリで入れても良いですが、リューターをお持ちであればスチールバーで削ると早いです。

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    U字に曲げた丸線材を差し込む

    爪をロウ付けするために丸線材をU字に曲げて差し込みます。先ほどの溝にカチッとはまって固定されるので、ロウ付けが簡単になります。

    爪のロウ付け

    そのままそっとロウ付けします。量が多いと汚くなるので、少し小さめの1mm角くらいの大きさの真鍮ロウを使います。

    余分をカットしておきます。ルースを留める側は長めに残しておきましょう。

    石枠のブラッシュアップ

    シリコンや精密ヤスリで任意の形に石枠を整えておきます。

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    ローズアメの方は照り返し(光が反射する面)を削っておきました。ここを磨くと、ルースの反射が強調されてより輝いて見えるようになります。

    丸線リングを作る

    ここでは丸線リングの作り方は割愛します。別記事で解説しています。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1/

    ガーネットの方は石枠の光穴(石枠の真ん中の穴)の部分に合わせて、精密ヤスリで削っておきます。

    こうすることでルースのキューレット(下のとんがり部分)がリング部分に干渉しなくなります。

    ローズアメの方は石枠の幅の分を切り取って、ぴったりはまるように調整しておきます。

    石枠とリングのロウ付け

    両方のパーツをくっつけます。真鍮ロウでも可能ですが、7分銀ロウ材の方が流れやすいので難易度は低いです。終わったら酸洗いをしておきます。

    固定が難しい場合はロウ付け用石膏や石綿・イソタップなどの固定補助材を使うと簡単です。

    逆ピンセットと合わせて使うと使いやすいです。

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    これについては今度詳しく記事にできればと思います。

    全体を磨く

    全体を#600の紙ヤスリできれいにしておきます。

    このまま艶消しな感じで完成するか、ピカピカにするかはお好みです。

    ピカピカにする場合は、フェルトに研磨剤#4000を付けて全体を磨きます。

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    細かいところはマンドレールに牛乳パックを丸く切ったものを取り付けて、#4000を付けて磨くとピカピカになります。

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    ルースの石留め

    いよいよ石留めをしていきます。落ち着いて作業すれば石を割ることもあまり無いと思います。

    気を付けることは、力任せにやらないことと、様子を見ながら作業することです。

    石を座らせて、爪を折り曲げて留める作業ですが、なかなか爪が曲がってくれないことがあります。こういう場合、力任せで曲げようとするとだいたい失敗してしまいます。(彫金に限らず、力任せって危険ですね。)

    ちょっとビビり気味で作業すれば大丈夫です。うまくいかなくてムカつくこともあるかと思いますが、そういうときはおやつタイムを取ってみてください。

    1.爪を開いてルースを座らせる

    まずは時計ヤットコなどで爪を開いて、ルースを石枠に座らせてみましょう。

    次にガードルに接する爪の位置に印を入れます。カニコンパスを使っていますが、尖っているものなら何でもいいです。

    ガードルは赤矢印のところです。

    ハープ HARP No.NA2 カニコンパス全長90mm 彫金 工具 No.NA2

    2.スチールバーで刻みを入れる

    スチールバーや精密ヤスリで印の位置に刻みを入れます。

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    思い通りの位置で爪を曲げるしくみ

    ペーパークラフトなどで厚紙を正確に折りたいとき、カッターで線を引いたことがあるかと思います。

    カッターでちょっとだけ切れ目を入れることで、そこから折れますよね。爪もそれと同じです。

    金属も一番強度がないところから曲がりますので、狙った位置を薄く削ったり、刻みを入れて折れやすくしてあげる必要があります。

    こうすることでルースに余計な力がかからなくなり、安全に石留めができるようになります。

    その次に刻みの上をヤスリで平らにしておきます。

    3.ルースをはめて余分な爪をカット

    ルースをはめてしっかり座ったら爪の余分をカットします。写真では内側に爪を折っていますが、寄せるくらいでOKです。

    石の高さと同じくらいのところでニッパーで切ります。

    4.爪の成形

    爪をヤスリで整えていきます。本来は石をはめたまま行うのですが、ヤスリが当たると石が傷つく恐れがあるので、落ち着いて作業ができるように石を外してみます。

    爪を左右から削ると尖った形になります。

    5.ルースを戻して爪を倒す

    ルースを戻して爪を寄せたら、先まで爪を倒していきます。

    石留めヤットコでぎゅっとつまむと、爪が先まで曲がります。うまく曲がらない場合は、爪の外側を削って肉を薄くします。

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    小次郎 石留奴床 120mm(手作り)

    石留めヤットコには革切れなどを張っておくと作品に傷がつかなくなります。セッティングのやり方は下の記事で解説しています。

    参考:石留めヤットコの使い方とセッティング

    6.爪を磨く

    最後に爪を磨きます。牛乳パックなどの紙パックを丸く切ったものをマンドレールにつけたものに研磨剤#4000をつけて磨きます。

    石の種類によっては石が削れてしまうのであまり当てないようにします。やわらかい石の場合は留める前にピカピカにしておいて、留めた後はささっと磨く程度に留めておきましょう。

    これで石留めは完了です。

    爪を丸くしたい場合は尖らせる代わりに丸く削っておきます。そのあとは同じように時計ヤットコで押さえればOKです。

    仕上げの研磨

    仕上げは研磨剤#8000を豆バフにつけて磨きます。よく洗浄したら完成です。

    オーバルカットのルースで自作するシンプルリング 完成

    ということでオーバルカットのルースをシンプルな爪留めにしてみました。これをベースにして、ここに飾りを付けしたり、模様をあしらったりすることでより自由な作品に変えることもできると思います。

    ぜひお手持ちのルースをリングに変えてみてはいかがでしょうか。

    最後までお読みいただきましてありがとうございました。

    次は…ルースをフクリン留めしたリングを作ってみようと思います!お時間ございましたらこのサイトへまた遊びに来て下さるとうれしいです!

  • ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    地金でぐるっとルースを包んだフクリン留めは、彫金で作るアクセサリーの定番ですね。

    フクリン留めは”伏せこみ”とも呼ばれることもありますが、要するに金属で縁を作って内側に押し倒して石の動きを封じる手法です。

    フクリンタガネ(伏せこみタガネ)という道具を使います。

    今回は100均のヤスリで作ったタガネでやってみます。

    初めての方はこちらをどうぞ。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方 完成イメージ

    真鍮を使って家でリングを自作

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作るための基本的な道具に加えて、フクリン留めの道具を使います。

    フクリンタガネ・オタフク鎚(少々使いづらいですが木工用の金槌でも代用可能)と、彫刻台を使います(万力でも代用可能。重さがあるものが使いやすい)。

    今回は頑張って100均のもので代用しました。自作タガネは使いやすいのですが、100均に売っていた固定具ははっきり言ってゴミでした(笑)

    彫刻台があればいいのですが数万円するので、1500円くらいの万力が良いです。これならば確実にタガネの衝撃を地金に伝えられます。

    石留の道具の買い物リストを作りました。とりあえずこれだけ持っておいておけば趣味を十分に楽しめそうです。

    使用する材料

    この作品に使う材料一覧

    1. 1.2mm真鍮板材(フクリン枠用)
    2. 2.0mmφ 真鍮線材(リング腕用)
    3. ロウ材 (真鍮ロウ)
    4. ルース (カボション)

    ガーネットのカボションカットのルースと、1.2mm真鍮板、2φの真鍮線を使いました。

    初めての方はフクリン枠に使う板材が厚すぎると曲げるのに苦戦する可能性もあるので、真鍮板は薄いもの(今回のように1.2mm程度のもの)をお勧めします。

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方の手順

    カボションカットで石枠を自作

    材料を切り出してフクリン枠を作る

    1.2mm真鍮板を上図の様にカットします。

    帯状のものは石の高さくらいの幅にして、焼きなましをしておきます。

    カボションカットの石枠を自作

    板パーツは石の台座となりますので、気持ち大きめにしておきました。

    カボションカットでフクリンの石枠を作る

    巻いて合わせていきますが、これが一番難しいポイントだと思います。

    カボションカットでフクリン枠を自作

    初めての場合は石の横腹の部分から巻き始めると良いと思います。これが爪留めの石座を作っている場合は、ロウ目の位置に爪を付けて目立たないように配慮しなくてはいけませんので、ちょっと難易度が上がります。

    100均の丸ペンチを使ってみました。使いやすくて安い!推しグッズです。

    フクリン枠を彫金技法で自作

    合わせ始めの端の部分はペンチで掴む余分として考えます。

    油性ペンの印から印の間が石に合わせた部分です。

    フクリン石枠を自作する 独学彫金

    なるべく隙間が出来ないように気をつけます。

    隙間が大きいと留めるときにシワが寄る原因になってしまいます。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ある程度まで巻けたら、ぴったりになるだろうというところで予測して糸鋸で切ります。

    フクリン枠の作り方

    こんな感じで、あとはチョット押せば一周ぐるっと石に沿う感じに仕上がります。

    思っているよりは難しくないとは思いますが、切りすぎて短くなってしまうよりかは、長めに切って糸鋸で切れ目に刃を通して微調整していった方が安全かもしれません。

    石枠を自作する 覆輪枠の作り方

    切れ目を一度糸鋸の刃を通して合わせたらロウ付けします。(3分ロウ使用)

    内側のはみ出たロウを削り取って、石が入る様に調整します。

    ヤスリで削ったり、丸ペンチで少しずつ曲げて微調整していると入りました。

    覆輪枠を自作

    逆さから入れて石が傾かずに枠に入ったらOKです。

    アプリコットジャムが乗ってるお菓子みたいですね。

    石枠の台座を作る

    覆輪枠をロウ付け

    台座の板と輪っかをロウ付けします。

    強い火が輪っかのロウに当たりすぎると、ロウが枯れる(シワシワになってくる)現象が起きてロウ目が目立ってしまいますので注意します。

    今回は輪っかの接合・板と輪っかの接合・リング腕と石枠の接合で計3箇所のロウ付けです。

    輪っかと板の接合まで3分ロウ、リング腕との接合で7分ロウで充分かと思いますが、心配だったら3・5・7と使い分けてもいいと思います。

    フラックスを塗る 彫金

    フラックスを板に塗って、バーナーで炙って水分を飛ばします。

    石枠をロウ付けする 

    フラックスの水分が蒸発したら、輪っかを置いてロウを輪っかの外側に置きます。

    ロウ付けが上手い人は内側に置いた方がいいと思います。

    もしロウ付けが失敗して内側にロウが塊で残ってしまった場合、石がしっかりと入らなくなってしまう為です。

    ただ、内側からロウ付けをした方が見た目は綺麗だと思います。

    外に置いて塊で残っても、丁寧に整えることができるのでそこまで気にしなくて大丈夫です。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ロウ付けが終わって、酸洗いが済んだら板を石枠の輪郭に合わせて削ります。

    石枠に光穴を作る 

    光穴を作ります。フクリンは特に一周地金で覆われているので、光穴を開けておかないと石が暗く見えますね。

    光穴をヤスリで削る 彫金

    ピンバイスなどで穴を開けて、糸鋸の刃を通してなるべく大きめにくり抜きます。

    精密ヤスリで形を整えておきます。

    覆輪枠を自作する

    石を入れてみたところです。枠が高すぎるので後でもう少し削ります。

    貴金属で作る場合は、少しでも地金を無駄にしない様に初めから最小限の材料で作ることを心がける必要がありますが、ギリギリの寸法で作ると失敗した際にツブシが効かないので余裕を持って作ることをおすすめします。(真鍮ですし・・・)

    こういう作り方は本業の職人さんから見れば最もやっちゃいけないやり方だと思います。貴金属はスリ粉(ヤスリで削った粉)にすると回収率が下がり、地金をその分ロストしてしまいます。すこしの貴金属ロストで利益は簡単に吹き飛んでしまいます。

    また、削る時間ももったいないですからね。

    なるべく削らず、最も効率的な方法で作らなければいけないというのが職人で、趣味で作るのとはそういうところが違ってくると思います。

    ガーネットを石留する

    裏から見たところです。美味しそうです。

    光穴を磨く場合はこの際にやっておくといいと思います。

    綿棒をリューターに取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

    石枠の完成

    枠を削って高さや厚みを整えます。

    枠が厚すぎると留めで苦労しますので、先に向かって徐々に厚みを減らしました。

    先に高さを整えて、それから厚みを調整すると工程に無駄がありません。

    リングの腕を作る

    天然石の指輪を自作する

    続いて腕部分を作ります。

    直径2mm線材をカットして、バーナーで熱して焼き鈍しをします。

    両端をハンマーで潰して、もう一度焼き生して、ロウ付けしてリングを作ります。

    リングを作る工程はいつも通りにやり方ですが、ロウ材は融点の低いものでも大丈夫です。

    リングを自作する 独学で彫金

    写真のような感じになりました。

    サイズが小さいときは、芯金棒に入れた状態で金鎚で潰した部分をさらに金鎚で叩くとサイズを広げることができます。

    石枠分を切って、合わせていきます。

    ルースを使ってリングを自作する 自宅で出来る彫金

    画像のように石枠の幅に合わせてカットします。

    やや小さめに切って、少しずつヤスリで合わせていくと失敗が少ないです。

    削って合わせる 石座の自作

    合わせ目はちょっとだけ段差を作っておいて、ロウ材ののりしろを作っておきました。

    石座を作ってリングを手作り

    ブロックを活用したり、第三の手などの道具を使って水平垂直になるようにロウ付けします。

    これでロウ付けは最後なので、この時のロウ材は7分ロウなど、低めの融点のものがいいと思います。

    石座の付いた指輪の作り方

    石枠が歪まないようにサイズを整えます。

    1番強度がないところから歪んでいくため、腕の材料が太いと、石枠が1番曲がりやすい箇所となっています。

    歪んでしまうと直すのは難しいので、様子を見ながらやりました。

    ガーネットのフクリン留め

    石留のやり方 カボションカットのフクリン留め

    ある程度磨いてヤスリの傷は取っておきました。

    ペーパーを軸に巻いたものをリューターにつけて磨きました。

    固定具にセットする

    彫刻台を使って石留

    彫金では彫刻台という道具を使いますが、これが結構高価で安いものでも2万円前後します。

    画像の上はミニ彫刻台と100均のプラスチック製万力です。あまり使い物にはなりませんが、今回は頑張って100均の万力で出来るか試してみようと思います。

    ハッキリ言ってやりづらかったので、フクリン留めのために彫刻台を買うつもりのない方は、卓上ボール盤用の万力がおすすめです。(2,000円前後で購入できます)

    万力
    安価でしっかりしているボール盤用万力

    これなら安定性もあって作業に十分な重さもあり、しっかりとタガネの力を石枠に伝えることができます。

    フクリン留め以外にも石留め全般で役立ちそうです。

    タガネを作る

    伏せこみタガネ

    市販でも売っているのですが、今回は100均のヤスリで作ってみます。

    画像のようにオタフク鎚という金鎚でタガネを叩くやり方と、ヘラのようにしたタガネでグリグリして留めるやり方と二種類ありますが、オタフク鎚で叩くとなると彫刻台がないとしっかりと固定できず、タガネの力が地金へ伝わらないので少々キツイです。

    今回はグリグリするやり方でやってみます。

    オタフク鎚と伏せ込みタガネでやる方が、厚い地金を精密に寄せることができるので、ジュエリー製作ではこちらがメインです。

    またの機会にやってみようと思っております。

    グリグリする場合はなるべく薄いフクリン枠(フクリン部の地金厚みが真鍮:0.4㎜以下、シルバー:0.6㎜以下)がおすすめです。

    真鍮は硬めですが、シルバーならもう少し楽に留まるのではないかなと思います。(…今回、かなり頑張らないと留まりませんでした。

    100均の鉄工ヤスリを根元で折る

    伏せこみタガネの代用

    100均の鉄工ヤスリとダイヤモンドヤスリ、ペンチを用意します。

    鉄工ヤスリをヤットコなどを使って根本から折ります。

    ペンチなどを2本使ってやると安全です。折るときは怪我にお気をつけください。

    100均のヤスリを加工して石留

    ダイヤモンドヤスリで若干曲面にしながら折った面を整えます。

    100均のヤスリを代用 彫金

    ダイヤモンドヤスリの角を使って、溝を作ります。

    伏せこみタガネで石留

    木片に穴を開けて柄を付けました。

    後述する熱湯につけると軟らかくなる固定材や、100均にも売っている熱湯で軟らかくなる樹脂などでも柄を作ることが出来ます。

    カボションカットのクフリン留の手順

    奥の手 彫金

    今回はこの100均の黄色いおもちゃで固定したんですが、先に言っておきますがこれは何の役にも立ちませんでした。

    最終的にパワープレイで無理やりねじ伏せた結果となりましたので、1500円くらいの万力でいいので重さがある程度ある金属製のものを強くお勧めします。

    また、直で挟んでいますが、本来は熱湯につけると軟らかくなる固定材をつけます。

    石留の道具
    しっかりと固定するための樹脂。色々な種類があります。

    固定材につけてから万力に挟むと傷が付きません。

    外すときは再度お湯につけて軟らかくして取ります。

    こびりついた場合は、アセトン(除光液に含まれている成分です。)に漬けておくと溶けてきれいに取り除けます。

    覆輪留をする

    枠の上部分をヤスリで削って薄くして、曲げやすくしておきます。

    枠の縁を作ったタガネの溝に当ててぐりぐりと内側に折りこんでいくと、徐々に石に沿って枠が曲がっていきます。

    ピッタリのフクリン枠ならすぐに留まりますが…隙間が大きいと皺が寄ってしまってきれいに留まりません。

    故に石枠がルースとぴったりになるように、石枠作りは完成を焦らず時間をかけると良いと思います。

    石が動かなくなっても、無理してぐりぐりやっていると石が割れてしまいます。あともうちょっとだけぐりぐりしたいな…という気持ちがキケンです。(そういう時は大体割れる)動かなくなったら”石を留める”よりも”枠の形を整える”作業に移行しましょう。

    ヤスリで整える

    曲がりづらかったら、枠を削って薄くします。あまり薄くしすぎると縁がガジガジになってきてしまいますので、縁はある程度厚みを残しておくと良いと思います。

    伏せこみ技法 石留

    そうこうしているうちに留まりました。一周ぐるっと隙間がなくなりました。この後にヘラでルースと枠の間を擦ったり、鏨で照り返しを切るケース(ピカピカに研いだ刃物でルースとの境目をぐるっと切ると、ルースと石枠の境目がきれいになります)もありますが、ルースを傷つけないように気を遣う必要があり上級者向けなので、今回はこのまま仕上げます。

    あー…あの黄色いクランプはもう二度と使いたくありません。。。

    仕上げて完成 独学 自宅で彫金

    仕上げは牛乳パックを円コンパスで切り抜いたものをマンドレールに取り付けたものに研磨剤をつけて磨きました。(リューターを使っています。)

    腕と枠の境目は結び目のようなトリムを付けました。

    腕は粗いペーパーでヘアラインを入れました。

    ガーネットのカボションカットのフクリン留めリング まとめ

    真鍮を使って家でリングを自作

    今回はカボションカットを留めてみました。

    いい道具を使えばきれいに素早く留まりますが、最安値の道具でも若干の無理矢理感はありましたが何とか留めることが出来ました。

    もう少し道具に投資することをお勧めしますが、趣味としての敷居の低さを感じていただけたら嬉しいなと思います。