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  • 真鍮でチェーンブレスレットを自作しよう

    真鍮でチェーンブレスレットを自作しよう

    今回は真鍮丸棒を使って、チェーンブレスを作っていきます。ロウ付けの練習には最適ですので、彫金初心者の方にこそおすすめの作品です。

    真鍮のチェーンブレスレット 完成イメージ

    必要な道具と材料

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    平ヤスリ・精密ヤスリ(笹葉)
    ニッパー
    リューター
    ペーパーロールサンダー#600
    ろう付けセット
    丸ペンチ(100円ショップ購入)
    平ヤットコ
    万力・ナナコタガネ2本

    リューターはこちらがおすすめです。2万円以下で購入出来て、正転逆転切り替え機能付き・フットペダル付きと、かなり高性能です。趣味で使うにはとても良いリューターだと思います。

    道具についてはこちらで紹介しています。

    使用する材料

    1.5mmφ 真鍮線材
    ロウ材 (真鍮ロウor銀ロウ)
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    真鍮のチェーンブレスレットの作り方 手順

    材料の焼き鈍し

    真鍮丸線材を15㎝くらいの長さにニッパーで切ったら、耐火ブロックの上にセットしてバーナーで赤熱色になるまで炙って焼き鈍しをしておきましょう。

    水で冷やしても良いですが、長いので取り回しが難しい場合はそのまま数分放置して徐冷してもOKです。

    チェーンのコマ作り

    万力と直径3㎜くらいの鉄製の棒を2本(ここではナナコタガネを使いました。)用意しておきます。

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    セロテープで棒同士を固定して、万力に挟んでセットします。

    先ほどの焼き鈍しした真鍮丸線材をぐるぐると棒に巻き付けていきます。なるべくきつく巻けるように注意しながら作業します。

    巻き終わって取り外すとこんな感じです。これを3つくらい作っておきましょう。

    巻き終わったところで酸洗いをしておきます。

    参考:酸洗いのやり方について

    コマのカット

    酸洗い後は水でゆすいで、良く乾かします。糸鋸に#0の刃をギザギザが上向きになるようにセットして、チェーンのコマを切り離していきます。

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    手を切らないように気を付けながら作業するようにしてください。切断する部分は横ではなく、縦の部分を切るようにします。

    これでチェーンのコマができました。次は組み立てとロウ付けをしていきます!

    チェーンのコマをヤットコで組む

    チェーンのコマをヤットコでひねって開いて、コマを入れて閉じて…を繰り返して組み立てていきます。ヤットコは100円ショップで販売されているラジオペンチなどで代用してもOKです。

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    こんな感じで組み立てることができました!コマの切れ目が隙間なくぴったり閉じるようにします。

    チェーンのロウ付け

    耐火ブロックの上にハニカムブロックや木炭を置いて、その上に作品をセットします。

    爪楊枝などでフラックスをチェーンの切れ目に塗ってロウ付けに備えます。

    ロウ材は2㎜角くらいの大きさにニッパーなどで切っておきます。何か所もロウ付けしていくので、たくさん切っておきましょう。

    チェーンの切れ目にロウ材をセットして、バーナーで炙ってロウが溶けたら、次のコマをロウ付けして…を繰り返していきます。ロウが余計なところに流れるとチェーンがギシギシに固まってしまうので注意しながら作業します。

    ロウ付けが終わったら酸洗いをしておきましょう。

    チェーンの形を調整する

    このままだと芸がないので、チェーンのコマの形を調整してもう少しかっこよくしてみようと思います。

    平ヤットコでチェーンのコマを潰して、細長いチェーンの形にしていきます。

    コマを横から見たときに歪みがある場合は平ヤットコで直しておきましょう。

    片方の端っこのコマは潰さずにそのままにしておきましょう。

    S字の金具を作る

    余った丸線材を丸ペンチとヤットコで曲げてS字の金具を作ります。切り口は精密ヤスリで削って丸めておきましょう。

    金具をチェーンに組んでおきます。

    チェーンをきれいに仕上げる

    ヤスリやペーパーロールサンダー#600(またはバナナサンドペーパー#600)・リューターを使ってチェーンのコマの横面・外面を削って平らにしていきます。

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    内側は精密ヤスリ(笹葉型)を使ってきれいにしておきます。精密ヤスリは先端が折れやすいので注意します。

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    真鍮のチェーンブレスレットの作り方 まとめ

    こんな感じに仕上がりました。真鍮は経年変化を楽しめる金属なので年月が経つごとに味わい深くなっていくと思います。

    ただし、金属のにおいがきつかったり、金属アレルギーの心配もあります。気になる方は金メッキやロジウムメッキを業者さんにお願いすることもできます。個人の方でも数百円でメッキしてもらえます。

    発送でのやり取りも可能ですので、遠方にお住いの方でも依頼が可能です。

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    ということで、チェーンブレスレットの作り方でした。シルバーや金でも作り方は同じです。

    最後までお読みいただき、ありがとうございました!

  • 【真鍮レジン枠を自作】花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方

    【真鍮レジン枠を自作】花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方

    前回、レジン枠ブローチを真鍮で作りました。植物をレジンに埋め込んだらいい感じになりそうだったので、金木犀を入れてみることにしました。

    小さな花びらや植物はもちろん、貝殻などでもいいものが作れそうです。

    花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    甲丸ヤスリ(荒目・中目)
    精密ヤスリ(四角)
    ニッパー
    リューター
    スチールバー・ロールサンダー#600
    ロウ付けセット
    ローレット#14
    研磨剤#4000,#8000

    基本的には彫金を始めるために必要な道具が一式あれば作れます。今回のようにピカピカに磨きたい場合は、研磨剤セットやリューターが必要になります。

    研磨剤のおすすめや磨く道具一式・ろう付けセット、基本の道具などがすべてリストになったPDFをメルマガご登録でプレゼント中です。

    下にも道具のリスト記事がございます。(PDFの方がいっぺんに見れるので、わかりやすいかもしれません)

    アンティーク風の粒々模様を縁につけたい場合は、ローレットを使います。

    使用する材料

    植物や貝殻など
    1.0mm厚 真鍮板材
    2.0mmφ 真鍮丸線材(リング部分)
    UVクリアレジン(100円ショップで購入)
    ロウ材(真鍮ロウ or 銀ロウ)

    ロウ材は銀ロウ・真鍮ロウどちらでも構いません。真鍮を使う場合は真鍮ロウを選択しておくと、ロウを流したところが目立たなくておすすめです。

    花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方 手順

    枠の板を切り出すために印付け

    ノギスを3mm幅にセットして、真鍮板材にけがき線を入れます。(金属に線を引いたり、下書きをケガキ針などで入れることを『けがく』と言います。)

    線に合わせて糸鋸で切る

    糸鋸で板をまっすぐ切ります。なるべく曲がらないように頑張ってみてください。ガタガタになってしまったらヤスリで削って整えます。

    枠の形を決めて線を入れる

    今回は四角形の枠にしたいので、辺の長さを決めて(任意のサイズです)、印を入れておきます。

    楕円や丸にしたい場合は不要です。焼き鈍しをして丸ペンチなどで丸くしておきます。

    四角形や三角形などは、角になる部分を削って折り曲げて作っていきますので、焼き鈍しはやらない方が作業しやすいです。

    精密ヤスリ(四角型)で折り目を削る

    90°に削れる四角型ヤスリで線を引いた箇所を削っていきます。端は平らなヤスリで大体45°の角度になるように削っておきましょう。

    板厚の4/5くらいの深さまで削ります。

    折り曲げる

    削ったところから折り曲げます。何回も開いたり折ったりすると金属疲労でちぎれてしまうので気をつけてください。(せいぜい2回が限界です)

    このままロウ付けに進みます。

    レジン枠のロウ付け

    真鍮ロウで4つ角全てをロウ付けします。少し枠が開いてしまう場合は『からげ線』で縛って固定しておきます。ロウの量は0.6mm角くらいの大きさに切ったものを使います。

    からげ線はロウ付けの固定に使う鉄の針金です。からげ線にはフラックスは塗らないように気をつけてください。からげ線までロウつけされてしまうことがあります。

    (からげ線までロウが回ってくっついてしまった場合は、削り取るか酸に漬けておくと溶けてなくなります。鉄を浸した酸洗材は変色の元となりますので廃棄して新しく酸洗材を作り直すようにします。)

    レジン枠の成形

    レジン枠の形をかっこよくしていきます。まずは両面を耐水ペーパーで平らに削ります。

    ヤスリで整えます。今回は丸っこい印象を持たせたいので、角を落として馴染ませていきます。ここはお好みで構いません。

    四つ角も軽く丸めます。削りすぎると薄くなって穴が空いてしまうので注意です。

    フォルムはこれでOKです。縁に粒々模様(ミルグレイン)を入れたい場合は、縁が薄くなっている方が綺麗に模様が入ります。ミルグレイン模様を入れたい場合は、今回のように縁を薄く削っておきましょう。

    リングを作ってレジン枠と合わせる

    リングは2mm丸線で作りました。ここではリングの作り方の手順は割愛します。(別記事で詳しく公開しております。)

    参考:2.0mmφの丸線でリングを作る手順

    板材から作って太めの幅のリングをレジン枠と合わせるのもいいかもしれません。

    参考:板材からリングを作る手順

    レジン枠の幅分をカットする

    レジン枠の幅の分、リングをカットします。ここにレジン枠を挟んでロウ付けする作戦です。

    リングのロウ付けした部分をカットするようにします。

    指輪パーツのディティールアップ

    より小慣れた感じを出すために、指輪パーツの端をちょっと尖らせておきました。

    丸線や板材を削らずにそのまま使っただけでは元の素材の印象が残ってしまい、なんだか味気ない印象になりがちです。

    ひと手間加えて、どこかに角度をつけたり、尖らせてみたりするだけでディティールが引き締まります。

    全体をペーパーがけ

    指輪パーツ、レジン枠パーツの全体を#600のペーパーでヤスリ傷などを全て消しておきます。

    バナナサンドペーパーやロールサンダー#600をリューターに取り付けて作業します。

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    指輪パーツとレジン枠のロウ付け

    先ほどのレジン枠を差し込みます。なるべく接地面がピッタリ接するようにしたいので、ヤスリで微調整をしておきます。

    逆ピンセットで固定してロウ付けするとやりやすいです。ロウの量は2mm角くらいに切ったものを使います。

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    ロウ付けが終わったら酸洗いをしておきます。

    仕上げ

    マットな感じで終わらせるか、ピカピカに磨くかはお好みです。今回はピカピカにしてみようと思います。

    全体を#600のペーパーで整えたら、フェルトに#4000の研磨剤をつけて磨きます。

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    フェルトはマンドレールを取り付けて使います。

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    牛乳パックを丸く切ってマンドレールに取り付けたものも細かいところを磨く時に使えます。(#4000研磨剤をつけて磨きます。)

    #4000で磨き終わったら一度洗浄して、豆バフに#8000研磨剤をつけて磨きます。

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    #8000でかなりピカピカになります。もっとピカピカにしたい場合は、『ピカA』などの仕上げ用研磨剤を豆バフにつけて仕上げます。

    レジンの充填

    裏側にセロハンテープを貼って、レジンを充填します。

    半分くらい充填したら花をセッティングして、残りを充填します。

    UVライトで硬化させて、テープを剥がします。

    これで完成でも良さそうです。

    ミル模様をローレットで入れる

    レジン充填前に入れておこうと思っていましたがすっかり忘れていました。

    もしお作りになる場合は、レジン充填前にこの作業を済ませておいてください。

    ローレットをグリップに付けて、コロコロすることで模様が付きます。

    ちょっとレジンがぷっくりしていなかったので、上から盛っておきました。

    再度UVライトで硬化させておきます。

    花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リング 完成

    …ということで真鍮でレジン枠と指輪を作りました。金木犀や銀木犀などの小さな花びらもいいですが、絵画などを印刷した紙を中に入れても面白そうです。

    ちなみに今回はレジンでしたが、裏に平らな真鍮の板をロウ付けしたら石枠にもなります。ラピスラズリやターコイズなどのタイルを入れることもできます。

    (写真に写ているのはアクアマリンのリングルチルクオーツのさざれ石のリングです。こちらの作り方も紹介しておりますので、お時間ございましたらご覧いただけたら嬉しいです。)

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    最後にお知らせ

    自宅で作るK18のリング, 結婚指輪,マリッジリング,ダイヤモンド

    ただいま、自宅で金とダイヤの指輪を作る方法をメール講座で配信しております。金のロウ付けのコツや、ダイヤを割らずに留める方法を公開しています。自宅で彫金を始めるためのPDFリストも配布中です。(メール講座もPDFも無料です)

    無料ですのでよろしければご購読いただけたら嬉しいです! ↓こんな感じの内容です。

  • 【レジン×真鍮】レジン枠を真鍮で自作して鉱物標本ブローチを作る方法

    【レジン×真鍮】レジン枠を真鍮で自作して鉱物標本ブローチを作る方法

    今回はアンティークっぽい雰囲気のレジン枠を真鍮で作ってみます。

    鉱物標本とか19世紀ごろの銅版画の鉱物図鑑って眺めるだけで楽しいですよね。

    アクセサリーにするには微妙な石や、飾るには小さい鉱物などを上手く活用できないか考えてみました。

    作業自体はそこまで難しくないのいで、ぜひチャレンジしていただけたら嬉しいです!

    鉱物標本ブローチの完成ディティール

    裏からピンブローチをカシメています。真鍮の質感が良い感じです。

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    必要な道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    甲丸ヤスリ(荒目)
    ロウ付けセット
    丸ペンチやヤットコ
    リューター
    タガネ(カシメる場合)
    金槌×2(カシメる場合)
    UVライト(100円ショップで購入)

    丸ペンチは100円ショップで販売されているものでOKです。

    ピンブローチをカシメる場合は、金槌とタガネが必要になります。

    金槌は2本使います。100円ショップのものでも大丈夫です。

    必要な材料

    真鍮板材 1.0mm厚
    真鍮丸線φ2.0mm(カシメ作業をする場合のみ)
    UVレジン(100円ショップで購入)
    台紙(画用紙など)
    鉱物・植物・貝殻など
    ブローチピン

    カシメる場合は2.0φの真鍮丸線(丸棒)も必要です。この丸棒でリングなどを作ることもできますので買っておくと良いです。

    今回の標本のパールは東京都台東区浅草橋のQUEENS PART3店さんでの購入です。

    ブローチピンも近隣の貴和製作所本店で購入しました。

    浅草橋はハンドメイド素材のお店が密集していますので、是非遊びに来てみてくださいね!

    浅草橋: 原石・真鍮・シルバー素材が多い→アクセサリー向け(小売店さんが多い)
    御徒町: 宝石・金・プラチナ素材→ジュエリー向け (問屋さんやメーカーさんが多い)

    と言った感じで地域が分かれています。

    (御徒町は業者さん向けのお店が多いので、平日しか営業してないお店や、一般の方への小売りはしていないところもあるのでご注意ください。)

    レジン枠を真鍮で自作して鉱物標本ブローチを作る手順

    糸鋸で帯状にカット

    ノギスなどで幅4mmにカットします。長さは100mm程度です。

    この幅は標本にしたいものの厚みに合わせて数値を調整してみてください。

    切り口をヤスリで整える

    糸鋸でカットした面がガタガタなのでヤスリで整えます。

    これでこの工程は完了です。

    焼き鈍しをする

    焼き鈍し

    材料を柔らかくするために『焼き鈍し』をしておきます。赤くなるまでバーナーで熱したら、ピンセットで掴んで水につけて冷やします。

    曲げて楕円を作る

    真鍮を曲げる

    柔らかくなった素材を曲げて任意の形にしていきますが、この時点では完全に綺麗な形にするのではなく、両端をピッタリ合わせることに注力します。(ロウ付け後にキレイな形に整えます。)

    両端をピッタリに合わせる
    こんな感じにピッタリにします。

    糸鋸でさらに合わせ目をピッタリにする

    糸鋸の刃で切れ目をピッタリにする

    糸鋸の刃のギザギザを上向きにセットして、両端の合わせ目を一回なぞるように切ります。

    ガタガタが糸鋸の刃で切られてキレイになりました。

    真鍮ロウでロウ付け

    ロウ付け

    ロウ付けをします。今回は真鍮ロウを使ってみました。

    銀ロウと違って色が黄色いので、蝋を流した場所がわからなくなります。

    ロウ付け後は酸洗いをしておきます。

    真鍮ロウ

    楕円の形を整える

    楕円を整える

    丸ペンチやヤットコなどを使いつつ、任意の形に整えます。楕円・丸などはもちろんですが、いびつな形や花形とかでも面白いかもしれません。

    両面をキレイにヤスリがけ

    枠のヤスリがけ

    金属用の耐水ペーパー(#180)で枠の両面を平らに削ります。100円ショップで粗いものから細かいものまでセットになって売っているのがありますので、そちらが便利です。

    側面もキレイにヤスリがけ

    側面をヤスリがけ

    側面も平らにヤスリがけしておきましょう。内側も綺麗にしておきます。

    特に内側は、底板をロウ付けしてしまうと綺麗に磨きにくくなるので、この時点で目立つ凸凹はまっさらにしておいた方が良いです。

    内側のペーパーがけ

    リューターとペーパーロールサンダー(#600を使っています)で内側の傷を全部消しておきます。

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    底面の作成

    底面を切り出す

    真鍮板に先ほどの枠で線を引いて、糸鋸で切り出します。

    切り出した真鍮板

    底面のペーパーがけ

    両面ペーパーで綺麗にする

    耐水ペーパー#600で両面を綺麗にしておきます。

    底面と枠のロウ付け

    底面と枠のロウ付け

    枠をそっとセットして、フラックスを一周塗ります。そのままロウ付けをしていきます。

    ここでも真鍮ろうを使いますが、ロウの量は多め(1mm×5mmに切ったものを3個くらい)に使います。

    ロウは後で綺麗に削り取れるように、枠の外側に置いてロウ付けするようにしましょう。

    枠のロウ付け

    溶けたロウが一周キラキラしながら回ればOKです。火を止めて水で冷やして、酸洗いをしておきましょう。

    ハニカムブロックに張り付いて取れなくなった場合は、再度火で温めていると取れます。

    全体のヤスリがけ

    全体のヤスリがけ

    はみ出た部分をヤスリで削り取ります。角を丸めたりするのもこの段階でやっておきます。

    角を丸めたところ

    ちょっと柔らかい印象にしたかったので、全体的に丸っこく削っておきました。手に持った感じもしっくりきます。

    裏面の様子

    全体をペーパーがけ

    全体をリューターや耐水ペーパー(#800)でキレイにしておきます。

    カシメピンを立てる

    ブローチピン

    ブローチピンをカシメるための丸線を立てます。この丸線をブローチピンの穴に通して潰すことでピンを固定する仕組みです。

    カシメをしない場合は、強度は下がりますがエポキシ接着剤でくっつける方法もあります。

    具体的な手順やエポキシ接着剤のおすすめは下の記事で紹介しています。

    参考:【金属・石・ガラス用】エポキシ接着剤のおすすめとやり方

    ブローチピンの穴位置に油性ペンなどで印を入れておきます。

    φ2.0mm丸線を3mmくらいの長さに切ります。

    ピンのロウ付け

    丸線をロウ付けします。終わったら酸洗いしておきましょう。

    ブローチピンのカシメ

    カシメ

    再度ペーパーなどで表面を綺麗にして、ロウ付けした丸線を削ります。ピンの長さはブローチピン本体の厚みの倍くらいにしておきましょう。

    ピンを削る
    このくらいの長さにします。
    金槌を下に差し込む

    机の上に置いた金槌を下に差し込みます。これを当て金にして叩いていきます。

    かしめる

    タガネをもう一つの金槌で叩いて、立てた丸線の頭を潰して広げていきます。

    丸線の先が潰れてブローチピンの穴から抜けなくなります。動かなくなったら完了です。

    台紙の作成

    台紙を作る

    画用紙などに真鍮の枠を押し付けて跡をつけます。これに沿ってハサミで台紙を切り出します。

    ハンコを押すときに使うゴム下敷きや革などの上で押し付けると台紙に跡がつきやすいです。

    台紙を切り出す

    ピッタリ入るようになりました。

    標本のレイアウトを決める

    標本のレイアウトを決める

    色々な素材を組み合わせながらレイアウトを決めていきます。

    パールと裏が欠けているガーネット、ラピスラズリの破片にしました。

    台紙に柄を書き込む

    台紙にお好みの説明を書いて、接着剤で枠に貼り付けます。イラストレーターなどでデータを作って印刷したものを貼り付けるともっとクオリティが高くなるかもしれませんね。

    標本じゃなくて、切手や絵画などを入れても楽しそうです。

    標本の接着

    標本の接着

    瞬間接着剤で標本を固定します。

    接着剤で固定する

    こんな感じになりました。なんかレジンで浸さない方がいい感じかも?と思ったのですが、接着剤では強度的に厳しいのでレジンで浸していきます。

    今度は下の記事の作り方を応用して、爪留めで作ってみようかなと思います。

    レジンで浸す

    レジンで浸す

    100円ショップで購入したUVレジンで浸します。ヒタヒタにするとガーネットがあまり綺麗に見えなかったので、半分くらいの深さまでにしておきました。

    100円ショップで売っていたUVライトでレジンを硬化させて完成です。

    レジン×真鍮製の鉱物標本ブローチ 完成

    …ということで完成です。途中で微妙だなと思って半分レジンを流してしまったので、台紙の文字が伸びてしまいました。

    ただ、なんとなく狙っていたアンティークな雰囲気(19世紀のイギリスっぽい感じ?)を出せたかなぁと思います。

    これ、たくさん作って木箱とかに詰めたら楽しそうですね。

    植物とか貝とか、旅の思い出とか、機械のパーツとか、『小さくて無くしちゃいそうだけど取っておきたいもの』を封じ込めておけるのがいいなと思いました。

    2023年は遅いですが今は金木犀の季節…次は金木犀の花びらとレジンで指輪を作ってみようと思います。(金木犀が散ったら作ります。お楽しみに。)

    ひと手間かかりますが、作る価値はありましたので、ぜひチャレンジしていただけたら嬉しいです。

    最後までご覧くださり、ありがとうございました。

  • 【天然石×彫金】ルチルクオーツのさざれ石リングの作り方(2パターン)

    【天然石×彫金】ルチルクオーツのさざれ石リングの作り方(2パターン)

    今回は細石(さざれ)をリングに仕立ててみます。さざれは形も不規則で、カットされた石と比べて個性豊かですね。

    爪で留める方法と、接着で作る方法の両方をご紹介します。

    接着の方の難易度は、高くないので、ぜひチャレンジしてみていただけたら嬉しいです!

    ルチルクオーツのさざれリング 完成イメージ

    ルチルクオーツの細石リング
    ルチルクオーツの細石リング
    ルチルクオーツの細石リング

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    甲丸ヤスリ(荒目・中目)
    精密ヤスリ(甲丸・歪)
    ニッパー
    芯がね棒・木槌
    リューター
    ロウ付けセット

    彫金に必要な道具が一通り必要になります。リューターはなくてもできますが、あると本当に作業が早いです。2万円しないくらいのものでも構いませんので、持っておくと本当に時短になります。

    使用する材料

    1.2mm厚 真鍮板(石座/幅広リング部分)
    0.8mmφ 真鍮丸線材(爪用)
    2.0mmφ 真鍮丸線材(細リング部分)
    ルチルクオーツさざれ
    ロウ材(3分・7分)
    エポキシ接着剤(Devcon S-208)

    今回は丸線リングに石枠をつけるものと、板から作ったリングに石枠をつけるパターンで二つ作りました。丸線リングの方で作りたい場合は、Cの2.0mmφ丸線材を購入しておきます。

    ルチルクオーツは以下で購入しました。

    https://www.kenkengems.com/?pid=175160476

    エポキシ接着剤は米国DevconのS-208というものがおすすめです。透明度が高く、黄変しにくい・接着力が桁違いという特性を持っています。

    ルチルクオーツのさざれリングの作り方 手順

    さざれの選定
    さざれを選ぶ

    さざれの選定

    使用するさざれを使います。板に接着したり石枠に座らせるために、一面が平らになっているものを選びましょう。

    石の形を紙にうつす

    石の形をトレースする

    紙に石の形を写しておきます。これの形に合わせて糸鋸で切っていきます。

    石座を糸鋸できる

    糸鋸で切り出す

    スティックのりなどで先ほどの紙を真鍮板に貼り付けます。鋸刃#0で切ります。

    ヤスリで石座を整える

    ヤスリで石座を整える

    切り口をヤスリで整えておきます。石と合わせてみて、余裕がある場合は削ってピッタリにしておきます。

    石に合わせてピッタリ削る
    石に合わせてピッタリ削る

    このくらいになるまで頑張って削ります。

    側面をペーパできれいにする

    側面をペーパーで整える

    バナナサンドペーパー#600などでヤスリの傷を消しておきます。

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    ペーパーで平面をきれいにする

    ペーパーで平面をきれいにする

    #600の耐水ペーパーで両面をきれいにしておきます。耐水ペーパーは100円ショップに色々な番手がセットになっている便利なものが売っていますので、それを買っておくと良いです。

    バラで購入する際は、#240,#600,#1000(荒目・中目・細目)と3種類くらいあればOKです。

    精密ヤスリで溝を入れる

    精密ヤスリで爪を立てる部分に溝を削る

    精密ヤスリの円型や歪(イビツ)型など(精密ヤスリの形状の名称です。)の丸い溝が削れるもので、爪を立てる位置を削ります。

    爪の位置は3本以上必要です。爪の位置が偏りすぎていると留まりません。

    爪の正しい位置の確かめ方

    確認方法としては爪同士を線で結んだ時に、石の重心が囲われていればOKです。

    爪の正しい位置の確かめ方

    ただし台形のような形をしている場合は、重心を囲む位置に爪を立てても、矢印方向に抜けてしまいます。上の方にも爪が必要になってきます。

    精密ヤスリで溝を入れる
    こんな感じになるまで削ります。
    爪を立てる

    爪を立てる

    0.8mmφの真鍮丸線をU字に曲げて、先ほどの溝に挟むようにはめ込みます。まずは1個差し込んで、ロウ付けしていきます。(ロウ付けに慣れていたら全ていっぺんにロウ付けしてしまって大丈夫です。)

    爪のロウ付け

    爪のロウ付け

    3分ロウでロウ付けします。石座の裏側にロウを置くようにします。ロウのサイズは0.5mm角程度の小さめにしておくと良いです。

    爪のロウ付け
    残りの爪もロウ付けします。

    残りの爪は反対側から差し込んでロウ付けします。(同じく3分ロウでつけます。)

    精密ヤスリで刻みを入れていない部分はロウ付けしませんので、間違えてロウを置かないように注意します。

    爪をロウ付けしたところ
    爪をロウ付けしたところ

    石座を整える

    石枠を整えます。余計な部分をニッパーで切って、裏面を耐水ペーパーで平らに削っておきましょう。

    これで石座の完成です。

    リングの成形

    指輪パーツの成形

    指輪のパーツを作っていきます。基本的な作り方は他記事で詳しく紹介しています。今回、幅広パーツは甲丸にしました。

    参考:2.0mmφの丸線でリングを作る手順

    参考:板材からリングを作る手順

    ヤスリで好きな形に削っておきます。

    ペーパーで整える
    甲丸リングを作る
    ピカピカに仕上げたい場合はこの段階で磨いておきます。
    リングが完成したところ

    お好みの形になるまでじっくり調整します。今回はマットな感じに仕上げたかったので磨きませんが、ピカピカしたい場合は以下の記事で手順を解説しています。

    参考:真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    石座をつける部分を平らに削る

    石座をつける部分を平らに削る

    石座をロウ付けしたいので、取り付ける部分をヤスリで平らに削ります。リングのロウ付けした部分を削るようにしましょう。

    石座をつける部分を平らに削る
    このくらいまで削っておけば良いでしょう。
    石座とリングのロウ付け

    石座とリングのロウ付け

    石座パーツとリングパーツをロウ付けします。逆ピンセットで挟んだ状態で行うと簡単です。

    爪をロウ付けしているので、熱しすぎるとバラバラになってしまうので要注意です。

    7分ロウを使います。

    石座とリングのロウ付け
    接着で作るリングの方のロウ付けの様子です。
    酸洗後のリング

    酸洗いとペーパーがけ

    フラックスや酸化皮膜を取り除くために酸洗いをしておきます。その後、はみ出たロウなどを耐水ペーパーなどで削っておきます。

    耐水ペーパーで全体を研磨

    全体的にきれいにしておきます。ピカピカにしたい場合はこの段階で完全に仕上げておきましょう。

    爪の一部を平らに削る

    爪の内側を精密ヤスリを平らに削る

    このままでは爪が干渉して、石がはまらないので精密ヤスリ(甲丸・平など平らに削れるもの)で爪の内側を平らに削ります。

    石が入るまで調整します。

    さざれの石留め

    さざれの石留め

    さざれを石留めしていきます。爪を少し開いて、石を底まではめ込みます。

    爪をニッパーでカットする

    爪をカットする

    爪をカットします。短すぎると留まりませんが、長すぎると少しカッコ悪いのでなるべく短かめにカットしておきます。

    爪の成形

    爪の成形

    石を一旦外して、精密ヤスリで爪を成形します。猫の爪のように、根本は太めで先に向かって細くなる形にしておきます。

    石をはめ込む

    石をはめて爪を倒す

    石をはめて、爪を倒していきます。一気に倒し切らず、何段階かに分けて作業します。

    ある程度倒したら対角にある爪を倒していきましょう。

    爪を倒す

    ピンセットの持ち手や爪倒しなどで、爪を倒します。

    爪の先端まで倒す

    爪の先端までしっかり倒して、引っ掛かりのない状態にします。

    さざれの石留め
    石留め完成です。

    エポキシで石と指輪を接着

    エポキシ接着をする場合

    エポキシ接着剤でさざれと指輪を接着する場合は、アルコールで接着面を拭き取って脱脂してから行います。

    エポキシ接着の手順は下記の記事で解説しています。

    参考:【金属・石・ガラス用】エポキシ接着剤のおすすめとやり方

    ルチルクオーツのさざれリング 完成

    さざれを石留めしたリング

    今回は2パターンのリングを作ってみました。ちょっとした天然石の破片でも指輪に仕立てられるようになるので、ぜひチャレンジしてみていただけると幸いです。

    ちなみにこれをネックレスにする場合は、指輪パーツをロウ付けする工程で、指輪の代わりにマルカンをロウ付けします。(ポストをロウ付けするとピアスできます)

    今度は完全なクオーツの原石や、アンティークのボタンをリングやネックレスにする方法をご紹介できたらと思います。(現在製作中です!)

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    最後にお知らせ

    自宅で作るK18のリング, 結婚指輪,マリッジリング,ダイヤモンド

    ただいま、自宅で金とダイヤの指輪を作る方法をメール講座で配信しております。金のロウ付けのコツや、ダイヤを割らずに留める方法を公開しています。自宅で彫金を始めるためのPDFリストも配布中です。(メール講座もPDFも無料です)

    無料ですのでよろしければご購読いただけたら嬉しいです! ↓こんな感じの内容です。

  • 金属・真鍮板を切り抜いたピンブローチの作り方

    金属・真鍮板を切り抜いたピンブローチの作り方

    金属の板を切り抜いて、ブローチを作ってみます。
    彫金入門としては最適な作品だと思います。

    今回は3種類、いろいろな技法を活用した工程を解説します。

    シンプルに板を糸鋸で切り抜いて、お好みのテクスチャをつけて、ピン金具を取り付る…シンプルで簡単なブローチです。

    技法的には難しくないので、初めての方にもおすすめです。

    鳥の形のブローチ,鎚目,真鍮
    ハンマーでたたいて表面にテクスチャを入れたり…
    真鍮で出来た動物の形のブローチ
    線を彫る方法も何パターンか解説します。
    真鍮のブローチを作るための道具
    道具はどんなものを使うのか、詳しく見ていきましょう!
    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具と材料

    ロウ付け無しの場合の道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    甲丸ヤスリ(中目)
    リューター(豚の模様彫りで必須)
    スチールバー(豚の模様彫りで必須)
    坊主タガネ・センターポンチタガネ
    ハンマー
    耐水ペーパー
    ニッパー

    金具をしっかり取り付けるために、ロウ付け(溶接の一種と思ってください)をする工程があります。(魚、鳥のブローチはロウ付けで金具を取り付けています。)

    ロウ付けができると作品の表現の幅が広がりますが、ハードルが高くなりますので、豚のブローチはエポキシ接着で作る方法で紹介しています。

    スチールバー・坊主タガネは線を彫るときいずれかを使います。どちらかあればOKです。

    ブッシュスチールバーNo.1
    リューターに取り付けて使うスチールバー。No.1型という名前のものを使います。
    彫金に使う赤タガネ
    タガネは先端を自分で加工する必要があります。
    彫金に使う赤タガネ
    先端の形状は線入れ用が坊主、点用がセンターポンチです。

    ロウ付けをする場合の道具

    上の道具にプラスしてロウ付けセットが必要です。

    ろう付けで金具をつけた方がより強度が高く、壊れる心配も低くなります。

    また、ロウ付けができると指輪などのアクセサリーも作れるようになりますので、ぜひ挑戦してみていただけると嬉しいです。

    ツウクルではアクセサリーの作り方も紹介しています。

    バーナー
    フラックス
    耐火ブロック
    ハニカムブロック
    ピックリングコンパウンド(酸洗い材)
    ロウ付け用ピンセット
    銀ロウ(7分)or 真鍮ロウ

    関連記事 【金属・彫金】初心者でも自宅で作れる指輪の作り方・デザイン別16選!完全版

    ブローチを作るための真鍮板・材料

    材料

    真鍮 1.0mm板
    2.0φ真鍮丸棒(ロウ付けする場合のみ)
    ブローチピン金具
    エポキシ接着材・拭き取り用アルコール

    真鍮板は1.0mmを使いましたが、特に決まりはありません。あまり厚みがあると加工が大変になります。

    ブローチピンは100円ショップでも売っています。取り付け部分に穴が二つ開いているタイプが良いです。

    エポキシ接着剤は接着力の強いDevconというアメリカ製のものがおすすめです。

    接着前に脱脂するために、アルコールやアセトンなどの溶剤を用意しておいてください。

    金属・真鍮板を使ったピンブローチの作り方 手順

    ブローチのイラストを描く

    イラスト画を用意する

    紙にイラストを描きます。リアルなのもよさそうですが、何となくゆるい感じの方が可愛くなりそうだったので頑張ってみました。

    子どもが描く絵などをトレースして、ブローチにしても思い出になるかもしれませんね。

    狙ってゆるいイラストを描くのはなかなか難しいです。
    何となくニセモノ感が漂っている気がしてなりません。線に迷いが感じられます。

    真鍮板にイラスト画をのりで張り付ける
    のりで真鍮板にイラスト画を張り付けておきましょう。
    糸鋸で真鍮板を切り抜く

    糸鋸で板を切り抜く

    鋸刃#0をセットして、糸鋸で切っていきます。
    肩の力を抜いて、垂直に腕を振るようにして切ります。

    糸鋸は切れ味抜群で、刃が少しでも当たると怪我をします。
    鋸刃の進行方向に指を置かないようにしてください。

    真鍮板を切り抜いて魚のブローチを作る
    魚の模様を油性ペンで入れる

    油性ペンで下書きする

    魚の模様を油性ペンなどで入れます。この印に合わせて模様を入れていきます。

    真鍮のブローチを作る,模様をタガネで入れる

    ハンマーとタガネで模様を入れる

    金床にテープで作品を固定しておきましょう。

    タガネを利き手ではない方の手で持って、ハンマーでたたいて模様を入れます。

    魚の目はセンターポンチタガネで入れます。

    進行方向と滑らすように動かしながらタガネを打つときれいな線が打てます。

    いきなり本番ではなく、まずは切れ端などで試してみてください。

    真鍮のブローチを作る,模様をタガネで入れる
    金床の下にノートなどを強いておくと叩く音を軽減できます。
    真鍮のブローチを作る,模様をタガネで入れる
    魚の目は丸いタガネで入れる
    魚の目はセンターポンチタガネで入れます。
    真鍮のブローチを作る,模様をタガネで入れる

    その他の線の入れ方

    タガネで線を入れるのは、そこそこ大きな音が出ます。
    音があまり出ない方法も考えてみました。

    ブッシュスチールバーというリューターに取り付けて使う特殊なドリルを使ったり、糸鋸で線まで入れてしまう方法があります。

    真鍮のブローチ,スチールバーで削る

    スチールバーで削る方法

    ブッシュスチールバーNo.1 サイズ1mmを使って線の場所を削っていきます。スチールバーで削るときは、リューターの回転数は低めで(ゆっくりで)、油をつけて使うと刃が長持ちします。

    油は食用油でもOKです。

    真鍮のブローチ,スチールバーで削る

    手が滑って余計なところまで削らないように、リューターをしっかり持って作業します。

    真鍮のブローチ,糸鋸で線を入れる

    糸鋸で線を入れる

    糸鋸で切ってしまうのも手です。目はドリルで開けました。ドリルは持っておくと便利ですが、使う予定がない場合は目だけセンターポンチタガネで入れておくと良いと思います。

    真鍮のブローチ,糸鋸で線を入れる
    真鍮のブローチ,糸鋸で線を入れる

    糸鋸で線を入れた場合は、角が尖って危ないので精密ヤスリで削っておきましょう。

    真鍮板をヤスリで整える

    耐水ペーパーやヤスリで整える

    耐水ペーパー#300~#600で傷を消しておきます。
    糸鋸で切った面はヤスリで削ってきれいにしておきます。

    切り口の角や手で触って痛いところはこの段階で丸めておきます。

    真鍮ブローチの角をヤスリで整える
    ピン金具を真鍮ブローチに取り付ける

    ブローチピン金具の取り付け準備

    ブローチピン金具に空いている穴の位置に、真鍮丸棒をロウ付けしてカシめて固定する流れとなります。

    カシメというのは棒の頭をたたいて変形させることで板と板などを固定する方法です。

    身近なものだとリベットなどがそうですね。

    ピン金具を真鍮ブローチに取り付ける,印を入れる

    油性ペンで入れた印の真ん中に、消えても位置が分かるようにセンターポンチタガネで印を打っておきます。

    真鍮ブローチのろう付け

    ロウ付け

    印を入れた位置にピン金具の穴径と同じ直径の真鍮丸棒(この場合は2.0φ)をロウ付けします。

    銀ロウ7分(”ななぶ”と読みます。)を使っています。

    2本一気にロウ付けするとズレてピン金具が取り付けられなくなるミスが起こりやすいです。

    一本ロウ付けしたら、金具をはめて様子を見てから2本目をロウ付けすると良いです。

    真鍮ブローチのろう付け
    真鍮ブローチのろう付け
    ロウ付けが終わったらピックリングコンパウンドで酸洗いを行います。

    ピックリングコンパウンドを湯に溶かして、5分くらいつけておきます。(この工程を酸洗いといいます)

    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け

    ブローチピン金具の取り付け

    丸棒をロウ付けしたら金具を取り付けていきます。

    この手法は一度取り付けると二度と取り外しができなくなります。
    劣化したりすることはないので、半永久的に強度を保てます。

    ブローチピン自体をロウ付けするのはお勧めできません。

    メッキが施されているので、熱ではがれたりすることがあります。
    また、熱が加わることでピン金具が柔らかくなってしまい(鈍る”なまる”といいます。)強度が失われます。

    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け
    穴に差し込んでみて、はまらない場合は、ペンチなどで丸棒を曲げて調整します。
    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け

    全く気が付かなかったのですが、鳥の方は丸棒を立てる位置をミスりました…表から見えてしまっている…完全に見逃していました。皆様はお気を付けください。

    丸棒をカット

    ロウ付けした丸棒がこのままでは長いので、カットしていきます。
    ピン金具の板厚の倍くらいの長さに切っておきましょう。

    切り口はヤスリで平らに削っておきます。

    次の工程以降は着脱ができなくなるので、ピン金具が上下正しい方向にセットされているか確認しておきましょう。

    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け
    ヤスリで平らに削って、正しい位置に差し込んだところの図
    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け

    センターポンチタガネとハンマーで、丸棒の中心を打つ

    本当はカシメというと、丸棒の頭を叩いてつぶして、キノコ型にして固定するのがセオリーです。

    しかし、それ用にタガネをもう一本用意するのも微妙なので、センターポンチタガネを使います。

    センターポンチタガネを、ロウ付けした丸棒の中心にあてがってハンマーで打ち込みます。

    タガネがめり込むことで丸棒が広がるように変形して、ピン金具と本体を固定する仕組みです。

    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け
    拡大してみ見るとこんな感じです。
    拡大してみ見るとこんな感じです。
    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け

    角を削っておく

    このままだと少し角が立っていて危険なので、ヤスリで削り落としておきます。

    丸棒の厚みもなるべく落とせると見た目がきれいです。

    ブローチピン金具まで一緒に削らないように気を付けてください。

    リューターをお持ちの場合はロールペーパーで削ると早いです。

    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け
    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け
    横から見るとこんな感じです。
    真鍮ブローチを自作する,ピン金具の取り付け
    エポキシで接着する

    エポキシ接着の場合は

    ロウ付けをしない場合は、エポキシ樹脂で接着します。

    エポキシ樹脂で接着する前に、裏面を耐水ペーパーで磨いて、洗剤で油分を完全に洗い落としておきます。

    乾燥させたら、エタノールなどの有機溶剤でふき取り、さらに脱脂しておきます。金具の方も拭いておきます。

    なるべく接着面を触らないようにして接着しましょう。

    参考:【金属・石・ガラス用】エポキシ接着剤のおすすめとやり方

    真鍮のブローチ,テクスチャを入れる

    テクスチャを入れる

    仕上げにテクスチャを入れます。研磨剤で磨いて光らせたり、耐水ペーパーでヘアラインを入れたり、お好みの見た目にしてみてください。

    この魚のブローチのテクスチャーは、耐水ペーパー#600を小さくちぎって、円を描くように動かしながら削りました。

    動物の形の真鍮ブローチ,完成
    一方向に耐水ペーパーで磨くとヘアラインになります。

    鎚目を入れる場合は…

    鎚目を入れる場合は、ロウ付け前の段階で入れておきます。金床の上でハンマーでたたいてテクスチャをつけていきます。

    真鍮のブローチ,鎚目を入れる
    真鍮のブローチ,鎚目を入れる
    真鍮のブローチ,鎚目を入れる
    動物の形の真鍮ブローチ,完成

    完成

    さて、これで完成です。幾何学模様や植物などのモチーフで作ってみるのも楽しそうです。

    色々な模様や図形が打刻できるスタンプタガネも売っています。そういうものを使ってもよいかもしれません。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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  • 【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    自宅レベルで出来ることはどうしても、騒音や振動などの制約があって限られてきます。

    今回はそこら辺に配慮しつつも、自宅でもピカピカに研磨出来る方法を考えてみました。(リューターは使います。)

    バインダーや画用紙などを使って平な面もピカピカに磨けましたので、ご参考頂けたら幸いです。

    こんな感じになったよ!

    それではやっていきましょうか。

    使用する道具と材料

    使用する道具は通常の道具セットにプラスして、リューターなどが必要です。リューターは1万5千円前後のもので充分ですが、将来的にプラチナの研磨や本格的なジュエリーを作りたい場合は4万円以上の価格帯のものがおすすめです。

    その他研磨に必要な道具

    • 耐水ペーパー(#240と#800があればとりあえずOKです。100円ショップで荒いものから細かい目のものまで全部セットになっているのが売っていますのでそれが便利です。)
    • 画用紙(もしくはコピー用紙でもOK。厚い紙の方がやりやすいです。)
    • 研磨剤(#4000と#8000。余裕があれば#1500があると便利です。作業効率が上がります。)
    • ウエス(もしくはティッシュでも可)
    • 液体研磨剤か仕上げ用研磨剤
    • ダイヤブリックドレッサー(フェルトポイントの形を整えたり削ったりする石です。ダイヤモンドヤスリでも代用ができます。)

    リューターにつけて使う道具

    • フェルトポイント(硬さが色々ありますが、ハードなどの硬いやつがおすすめです。
    • 軸つき耐水ペーパー(自作もできます。#400のものが一本あれば大丈夫です)
    • 豆バフ(仕上げ一歩手前の段階でリューターにつけて使うホワホワのやつです。)

    マスクは必ず着用してください。(二重に着用するのがおすすめ)

    また、研磨剤や作業で発生する粉塵は体に良くないので、ペットや小さなお子様が出入りする部屋では行わないようにしてください。

    材料リスト 

    ・真鍮リング
    (今回は厚み2mmの板材から作りましたが、硬くて大変でした。真鍮はシルバーなどに比べて硬いので、1.5mm厚未満の薄板が作りやすいです。)

    真鍮リングをピカピカに磨く 作り方手順

    側面を平らにする

    ※真鍮リングの作り方は割愛します。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2/

    ピカピカな平面を出すには、フラットな下地が必要です。

    ボコボコのまま磨きに入ってしまうと、ボコボコがそのまま消えずにそのまま仕上がり、どこかぼやけた仕上がりになってしまいます。

    平たい面のある中目(荒いと後でヤスリ目を消すのに苦労します)のヤスリを使って、側面を平らにします。

    大きめのヤスリ(インチヤスリなどの、木の柄を付けるタイプ)が安定感があっておすすめです。

    ヤスリで側面を削るときは、側面の手前と奥を同時に削るようなイメージでヤスリを当てると平らにしやすいです。

    同じところを2、3回削ったら、リングを45度ほど回転させてまた同じように削ります。

    これを繰り返し行い、側面全体にヤスリの跡がつくようになればOKです。(側面に凹みがあったりすると、そこだけヤスリの跡がつかないので、それを目安に凹みがなくなるまで削りましょう。)

    ヤスリで平らに削ったら、220番の耐水ペーパー(紙やすり)をできるだけ平らな机に用意し、八の字を描くようにヤスリがけをします。

    220番が終わったら、次は800番の耐水ペーパーで同じ動作を行

    今回のリングも真鍮の板が厚めだったので硬くて成形するときに歪んでしまい、側面を平らにするのがとても大変でした。

    でもここの工程次第でピカピカにした後の見栄えが大きく変わってくるので、平らになるまで根気よく頑張ります・・・!!!

    リューターでリングの内側と外側を磨く(荒磨き)

    リングの内側に軸つきサンドペーパー(以下ペーパー)を当てて、ヤスリの跡やロウ付けの跡を消します。

    ロールサンダーやバナナサンドペーパーなどの名称で売られています。

    最近はなぜかロールサンダーがどこにも売っていない(欠品)しているので、自作するかバナナの方を使います。

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    バナナサンドペーパー #400 (242円)

    バナナサンドペーパーはロールサンダーより割高ですが、使いやすいです。

    ロールサンダーとは違い斜めにめくれることで、上から下まで使い切ることが出来ます。

    リングの内側全体をリングを回しながら均等に当てていきます。リングに対して垂直にペーパーを差し込み、一周ペーパーの跡になるまでリューターを当てます。

    ペーパーの跡がなかなかつかないところは周りより凹んでいる箇所ですが、そこだけペーパーで当てて削り込んでしまうと、そこだけ大きく凹んでしまいます。そうなると側面から見たときに綺麗な円形に見えなくなってしまうので、凹みがあってもガマンです。

    一周ペーパーを当ててもまだ凹みがある場合は、同じ動作をもう一周行い、全体的にペーパーを当てながら消すようにします。

    指あたりを良くするために、内側の角を少し落とします。

    リングを少し斜めにするように持ち、リングの内側と同じように軽い均等な力で当てていきます。

    均等な幅で落とせるのが理想ですが、力の入れ方や角度にムラがあると上手くいかなくなるので注意です。

    リングの外側もペーパーを当てます。手順は内側のときと同様です。#600あたりのペーパーまでやっておくと早いです。

    リングの側面を磨く

    画用紙(もしくはコピー用紙)を、平らな面(100均のバインダーが便利です)に敷いて#4000の研磨剤を画用紙にクレヨンで塗りつぶすような感じで塗り付け、その上を上下に滑らせます。

    しばらく滑らせていると研磨剤が黒くなり、光沢が出てきて滑りが悪くなってきます。そうなったらもう一度その上から研磨剤を塗り付け、また光沢が出て滑りが悪くなるまで滑らせます。これを4、5回繰り返します。

    #4000の後、一度お湯と洗剤でよく洗って、研磨剤のカスをしっかり落としてから今度は#8000の研磨剤を画用紙の新しい場所に塗り付け、同じように繰り返し滑らせます。

    洗浄のときは、擦り傷をつけずに洗浄出来る超音波洗浄機で行うのがおすすめです。

    洗浄を行わずにそのまま次の細かい番手の研磨剤で磨いてもいいですが、洗浄をしないとリングに荒い研磨剤が残ったままなので荒い研磨剤が混ざってしまい、どうしても少しキズが残ったままになります。

    細かい擦り傷が見えます。

    工程ごとに洗浄機でしっかり洗浄を行うと、より綺麗に仕上がります。

    リングの内側を磨く(中磨き)

    リングの内側を磨いていきます。写真は細めのフェルトポイント(以下フェルト)を使っていますが、もう少し太めのフェルトがベストです。

    リングの内側を磨くときは、ペーパーのときとは少し違った磨き方をします。ペーパーのときは奥から手前に払うように当てます(一方方向へ当てる)が、フェルトで磨くときは左右に撫でるように動かして磨きます。地面に書いた縦線を手で左右に払って消すようなイメージです。

    フェルトに#4000の研磨剤を付け左右に動かしながらペーパーの跡を磨いて消していきます。磨いているところのペーパーの跡が消えたら、リングを少し回してフェルトに研磨剤を付けそのすぐ隣を磨きます。これを繰り返して一周磨きます。

    指あたりの部分は、ペーパーのときと同じように手前に払うように磨きます。

    フェルトでリングの内側を磨くとき、ペーパーの跡が消しきれていなくて磨き残ってしまうということがよくあります。フェルトの段階ではちゃんとペーパーの跡が消えているのかなかなか判別つきにくく、ちゃんと消したと思っていても仕上げの段階で磨き残っていることに気付くということが多いです。

    磨き残しを防ぐためにも、こまめに研磨剤を付けてしっかり磨きます。

    また、フェルトでリングを磨くと摩擦でリングがとても熱くなります。

    最悪体に当たって怪我をしてしまう可能性があるので、少し熱いかなと思ったらすぐにフェルトを離してリングを冷ましてください。革の指サックなども売っています。

    リングの外側を磨く(中磨き)

    リングの外側をフェルトで磨きます。(内側を磨くときのように、フェルトを左右に動かしすぎると面がボコボコになります。かと言って全く動かさないとペーパーの筋もなかなか消えません。)ペーパーのときと似たような感じです。

    フェルトにしっかりと研磨剤を付けて、奥から手前にまっすぐ引くように磨きます。このときフェルトの形がボコボコしているとリングの形もボコボコになってしまうので、ダイヤブリックドレッサーを使ってフェルトの形を平らに整えましょう。

    はじめに平らに整えていても、フェルトは磨いているうちに段々と形が崩れて平らではなくなってしまうので、こまめに整えた方がより平らに、綺麗に磨けます。

    内側と同様にペーパーの跡が磨き残りやすいので、こまめに研磨剤を付けて磨きましょう。

    仕上げ

    リングの仕上げをしてピカピカに光らせます。

    リングの内側、側面、外側を豆バフを使って磨きます。

    研磨材は#8000を使いました。

    今までの作業一つ一つがいかに大切であったか思い知るときが来ました。

    ピカピカに光ることによって形の歪みや磨き残しがよく見えるようになってきます。

    仕上げの作業はあくまでもピカピカに光らせるための作業なので、もしここでペーパーなどの磨き残しがあった場合は中磨きの工程まで戻って磨きます。

    形の歪みを直すなんてことになったら、最悪ヤスリの工程まで戻ることも・・・

    本来であればこの段階から素手で触らずに、手袋などを着用して接触による傷を避けます。

    豆バフの仕上げだけでも十分ですが、最後に液体研磨剤(ピカール)を使って磨きました。

    本来であればさらに細かい研磨剤を使って、さらに柔らかいバフで磨きます。(

    ウエス(もしくはティッシュ)にピカールを付けてリング全体を拭くように磨きます。

    この辺りは個人の好みなので、やってみて好きな仕上がり具合を選ぶといいと思います。

    完成

    よく洗浄して完成です。

    金やシルバーの磨き方もこれで問題ないと思います。

    プラチナはもう少し手間がかかります。(粘り気の強い印象なので、ペーパーや研磨剤の種類を増やしたり、長く磨く時間がかかったりします)

    自宅でも大型機材を使わずに平面をそれなりに綺麗に磨くことができました。

    時間をかけて磨くと愛着も湧いてくるので、ぜひチャレンジしていただけたら幸いです。

    最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 淡水真珠のカップケーキリング

    淡水真珠のカップケーキリング

    …さてと、5月下旬には公開と言いつつ6月中旬になってしまいました。

    楽しみにしてくださっていた方々、申し訳ございません。

    色々ストックはあるのですが記事執筆はなかなか時間がかかりますね。

    今回はパールを使ったリングの作り方です。

    穴が開いている材料を使ったリングの作り方ですので、パール以外にもボタンやビーズなどもこの方法の応用で作ることが出来ます。

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    道具

    基本的なリングを作るための道具と、ピンバイスが必要です。

    ANEX(アネックス) ピンバイス No.98 0.1〜3.2mm(1,347円)

    ロウ付けは必須です。

    また、パールの接着剤は”エポキシ接着剤”を使います。ハンドメイド好きの方ならおなじみだと思います。

    特にエポキシ系の2液性接着剤であれば何でも構いません。(最近は100円ショップでも取り扱いがあるそうですね)

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    セメダイン エクセルエポ(高透明度)15g 10分型

    エポキシ接着剤はたくさん種類がありますが、国産ですとセメダイン社のものがおすすめです。

    必要な硬度、強力すぎない接着力=修理対応ができるなど使いやすいです。

    余談ですが、個人的にエポキシはアメリカ製が至高だと思っています。少々高価ですが透明度と硬度、接着力は日本の市販品のそれとは段違いです。

    エポキシ系接着剤2液タイプ デブコン デブチューブ S-208 28.4g

    材料

    真珠 パール  彫金
    材料リスト 

    ・淡水パール:ボタン形(東京都台東区の浅草橋近辺で300円前後で購入)
    ・真鍮線:φ1.0mm、φ1.2mm(丸線材)、1.5mm厚板材(丸線の直径より厚めがおすすめです)

    今回、浅草橋のQUEENS PART3店さんにて、ボタン形のパールをいくつか購入してきました。

    お店の方もとても親切な方で、一粒から購入が可能です。JR浅草橋駅のすぐそばですので、ぜひお立ち寄りいただけたら幸いです。(ちなみに通販も行っておらず、実店舗に出向くしかないようです。)

    ネット通販で似たようなパールも見つけましたので一応ご紹介しておきます。

    営業時間

    平日:午前10時〜午後7時
    日曜祭日:午前10時〜午後6時

    淡水真珠のカップケーキリング 作り方

    まずこのリングの構成ですが、腕パーツ(輪っか部分)とボタンパールの土台の枠に分かれています。

    このくらいの土台にしておきました。

    土台の枠は1.5mm程度の真鍮板を円形に切って、パール穴に差し込むための芯をφ1.0mm程度の丸線で土台に立てます。(以下“パール芯”と呼びます。)

    真鍮板にカニコンパスなどで丸を描いて、糸鋸で切り抜きます。

    パール芯は腕パーツと土台をロウ付けした後に作りますので、まずは円形の土台パーツと、それがピッタリと合わさる腕パーツを作ります。

    土台パーツは少し絞りをつけて、プリン形になる様にしました。

    土台と腕パーツのロウ付け

    ロウは1番溶けにくいものを使います。今回は3分ロウを使用しました。

    パーツ同士の隙間はなるべくなくなる様にヤスリですり合わせておくのが成功の秘訣です。

    ロウ付けする際は腕パーツのテンションで土台パーツをそっと置いた状態で行います。土台パーツが傾がない様に水平垂直を心掛けます。

    パール芯の位置決め

    パール芯を立てますが、何も当たりのない平らな面に棒を立てると高確率で位置がズレたり、斜めにロウ付けされてしまったりしますので、1mmの穴を土台に浅く入れておいて、差し込む様にしてロウ付けします。

    パール側も1mmのドリル刃で揉んでおきます。

    円形の土台パーツの中心にヘラやカニコンパスなどで当たりをつけて、1mmのドリル刃で真っ直ぐ穴を開けます。(貫通させずに、穴の深さは0.5〜0.7mm程度有ればOKです)

    力を入れすぎると刃が折れます。なるべくピンバイスからドリル刃を出しすぎず、(ピンバイスからドリル刃を出しすぎの状態で使用すると、ドリル刃がしなって折れます)

    力を入れすぎずに回して穴を開けていきます。

    φ1.0mmの真鍮線を差し込んでみてしっかりと直立するかを確認します。

    ひとまわり大きめのドリル刃などで開けた穴の周りをさらいます。

    これはバリを取るほかに、ロウ付けした際にロウがそこの部分に溜まる事で余計な部分に流れず、精密にパールを接着できるようにするためです。

    パール芯のロウ付け

    あとはロウ付けするだけです!

    しっかりとセットして最小限の7分ロウ(0.5mm角くらいの大きさ)で流します。

    土台に比べてパール芯の方があったまりやすく、パール芯にのみロウが流れてしまうミスが起きやすいです。

    かと言って本体を炙りすぎると腕パーツと土台のロウ付けが壊れてきてしまいます。

    なるべく弱い火でちまちまとやってみてください。

    仕上げと接着

    接着は最後の最後で行います。

    ピカピカにする場合はこの段階で行いますが、先に接着してしまうと接着剤に研磨剤が引っ付いてしまって黒くなってしまいます。(完全硬化後の研磨も好ましくない)

    今回は手抜き….ではなく風合いを大切にしたマットな感じで終わらせました。スポンジヤスリで表面を荒らしました。

    こういうスポンジヤスリです。

    接着は接着剤の説明書に沿ってA剤とB剤を混ぜ合わせて、パール芯に楊枝などで塗ります。土台につけすぎるとはみ出るのでご注意ください。

    はみ出してしまった場合は、固まる前に綿棒にアルコールをつけて拭き取ると綺麗にすることができます。

    ….というわけで完成です。

    白い方はボタン型でなく型穴の球です。

    後日こちらに作り方もご紹介します!!

    最後までご覧くださり、ありがとうございました。

  • ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    地金でぐるっとルースを包んだフクリン留めは、彫金で作るアクセサリーの定番ですね。

    フクリン留めは”伏せこみ”とも呼ばれることもありますが、要するに金属で縁を作って内側に押し倒して石の動きを封じる手法です。

    フクリンタガネ(伏せこみタガネ)という道具を使います。

    今回は100均のヤスリで作ったタガネでやってみます。

    初めての方はこちらをどうぞ。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方 完成イメージ

    真鍮を使って家でリングを自作

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作るための基本的な道具に加えて、フクリン留めの道具を使います。

    フクリンタガネ・オタフク鎚(少々使いづらいですが木工用の金槌でも代用可能)と、彫刻台を使います(万力でも代用可能。重さがあるものが使いやすい)。

    今回は頑張って100均のもので代用しました。自作タガネは使いやすいのですが、100均に売っていた固定具ははっきり言ってゴミでした(笑)

    彫刻台があればいいのですが数万円するので、1500円くらいの万力が良いです。これならば確実にタガネの衝撃を地金に伝えられます。

    石留の道具の買い物リストを作りました。とりあえずこれだけ持っておいておけば趣味を十分に楽しめそうです。

    使用する材料

    この作品に使う材料一覧

    1. 1.2mm真鍮板材(フクリン枠用)
    2. 2.0mmφ 真鍮線材(リング腕用)
    3. ロウ材 (真鍮ロウ)
    4. ルース (カボション)

    ガーネットのカボションカットのルースと、1.2mm真鍮板、2φの真鍮線を使いました。

    初めての方はフクリン枠に使う板材が厚すぎると曲げるのに苦戦する可能性もあるので、真鍮板は薄いもの(今回のように1.2mm程度のもの)をお勧めします。

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方の手順

    カボションカットで石枠を自作

    材料を切り出してフクリン枠を作る

    1.2mm真鍮板を上図の様にカットします。

    帯状のものは石の高さくらいの幅にして、焼きなましをしておきます。

    カボションカットの石枠を自作

    板パーツは石の台座となりますので、気持ち大きめにしておきました。

    カボションカットでフクリンの石枠を作る

    巻いて合わせていきますが、これが一番難しいポイントだと思います。

    カボションカットでフクリン枠を自作

    初めての場合は石の横腹の部分から巻き始めると良いと思います。これが爪留めの石座を作っている場合は、ロウ目の位置に爪を付けて目立たないように配慮しなくてはいけませんので、ちょっと難易度が上がります。

    100均の丸ペンチを使ってみました。使いやすくて安い!推しグッズです。

    フクリン枠を彫金技法で自作

    合わせ始めの端の部分はペンチで掴む余分として考えます。

    油性ペンの印から印の間が石に合わせた部分です。

    フクリン石枠を自作する 独学彫金

    なるべく隙間が出来ないように気をつけます。

    隙間が大きいと留めるときにシワが寄る原因になってしまいます。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ある程度まで巻けたら、ぴったりになるだろうというところで予測して糸鋸で切ります。

    フクリン枠の作り方

    こんな感じで、あとはチョット押せば一周ぐるっと石に沿う感じに仕上がります。

    思っているよりは難しくないとは思いますが、切りすぎて短くなってしまうよりかは、長めに切って糸鋸で切れ目に刃を通して微調整していった方が安全かもしれません。

    石枠を自作する 覆輪枠の作り方

    切れ目を一度糸鋸の刃を通して合わせたらロウ付けします。(3分ロウ使用)

    内側のはみ出たロウを削り取って、石が入る様に調整します。

    ヤスリで削ったり、丸ペンチで少しずつ曲げて微調整していると入りました。

    覆輪枠を自作

    逆さから入れて石が傾かずに枠に入ったらOKです。

    アプリコットジャムが乗ってるお菓子みたいですね。

    石枠の台座を作る

    覆輪枠をロウ付け

    台座の板と輪っかをロウ付けします。

    強い火が輪っかのロウに当たりすぎると、ロウが枯れる(シワシワになってくる)現象が起きてロウ目が目立ってしまいますので注意します。

    今回は輪っかの接合・板と輪っかの接合・リング腕と石枠の接合で計3箇所のロウ付けです。

    輪っかと板の接合まで3分ロウ、リング腕との接合で7分ロウで充分かと思いますが、心配だったら3・5・7と使い分けてもいいと思います。

    フラックスを塗る 彫金

    フラックスを板に塗って、バーナーで炙って水分を飛ばします。

    石枠をロウ付けする 

    フラックスの水分が蒸発したら、輪っかを置いてロウを輪っかの外側に置きます。

    ロウ付けが上手い人は内側に置いた方がいいと思います。

    もしロウ付けが失敗して内側にロウが塊で残ってしまった場合、石がしっかりと入らなくなってしまう為です。

    ただ、内側からロウ付けをした方が見た目は綺麗だと思います。

    外に置いて塊で残っても、丁寧に整えることができるのでそこまで気にしなくて大丈夫です。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ロウ付けが終わって、酸洗いが済んだら板を石枠の輪郭に合わせて削ります。

    石枠に光穴を作る 

    光穴を作ります。フクリンは特に一周地金で覆われているので、光穴を開けておかないと石が暗く見えますね。

    光穴をヤスリで削る 彫金

    ピンバイスなどで穴を開けて、糸鋸の刃を通してなるべく大きめにくり抜きます。

    精密ヤスリで形を整えておきます。

    覆輪枠を自作する

    石を入れてみたところです。枠が高すぎるので後でもう少し削ります。

    貴金属で作る場合は、少しでも地金を無駄にしない様に初めから最小限の材料で作ることを心がける必要がありますが、ギリギリの寸法で作ると失敗した際にツブシが効かないので余裕を持って作ることをおすすめします。(真鍮ですし・・・)

    こういう作り方は本業の職人さんから見れば最もやっちゃいけないやり方だと思います。貴金属はスリ粉(ヤスリで削った粉)にすると回収率が下がり、地金をその分ロストしてしまいます。すこしの貴金属ロストで利益は簡単に吹き飛んでしまいます。

    また、削る時間ももったいないですからね。

    なるべく削らず、最も効率的な方法で作らなければいけないというのが職人で、趣味で作るのとはそういうところが違ってくると思います。

    ガーネットを石留する

    裏から見たところです。美味しそうです。

    光穴を磨く場合はこの際にやっておくといいと思います。

    綿棒をリューターに取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

    石枠の完成

    枠を削って高さや厚みを整えます。

    枠が厚すぎると留めで苦労しますので、先に向かって徐々に厚みを減らしました。

    先に高さを整えて、それから厚みを調整すると工程に無駄がありません。

    リングの腕を作る

    天然石の指輪を自作する

    続いて腕部分を作ります。

    直径2mm線材をカットして、バーナーで熱して焼き鈍しをします。

    両端をハンマーで潰して、もう一度焼き生して、ロウ付けしてリングを作ります。

    リングを作る工程はいつも通りにやり方ですが、ロウ材は融点の低いものでも大丈夫です。

    リングを自作する 独学で彫金

    写真のような感じになりました。

    サイズが小さいときは、芯金棒に入れた状態で金鎚で潰した部分をさらに金鎚で叩くとサイズを広げることができます。

    石枠分を切って、合わせていきます。

    ルースを使ってリングを自作する 自宅で出来る彫金

    画像のように石枠の幅に合わせてカットします。

    やや小さめに切って、少しずつヤスリで合わせていくと失敗が少ないです。

    削って合わせる 石座の自作

    合わせ目はちょっとだけ段差を作っておいて、ロウ材ののりしろを作っておきました。

    石座を作ってリングを手作り

    ブロックを活用したり、第三の手などの道具を使って水平垂直になるようにロウ付けします。

    これでロウ付けは最後なので、この時のロウ材は7分ロウなど、低めの融点のものがいいと思います。

    石座の付いた指輪の作り方

    石枠が歪まないようにサイズを整えます。

    1番強度がないところから歪んでいくため、腕の材料が太いと、石枠が1番曲がりやすい箇所となっています。

    歪んでしまうと直すのは難しいので、様子を見ながらやりました。

    ガーネットのフクリン留め

    石留のやり方 カボションカットのフクリン留め

    ある程度磨いてヤスリの傷は取っておきました。

    ペーパーを軸に巻いたものをリューターにつけて磨きました。

    固定具にセットする

    彫刻台を使って石留

    彫金では彫刻台という道具を使いますが、これが結構高価で安いものでも2万円前後します。

    画像の上はミニ彫刻台と100均のプラスチック製万力です。あまり使い物にはなりませんが、今回は頑張って100均の万力で出来るか試してみようと思います。

    ハッキリ言ってやりづらかったので、フクリン留めのために彫刻台を買うつもりのない方は、卓上ボール盤用の万力がおすすめです。(2,000円前後で購入できます)

    万力
    安価でしっかりしているボール盤用万力

    これなら安定性もあって作業に十分な重さもあり、しっかりとタガネの力を石枠に伝えることができます。

    フクリン留め以外にも石留め全般で役立ちそうです。

    タガネを作る

    伏せこみタガネ

    市販でも売っているのですが、今回は100均のヤスリで作ってみます。

    画像のようにオタフク鎚という金鎚でタガネを叩くやり方と、ヘラのようにしたタガネでグリグリして留めるやり方と二種類ありますが、オタフク鎚で叩くとなると彫刻台がないとしっかりと固定できず、タガネの力が地金へ伝わらないので少々キツイです。

    今回はグリグリするやり方でやってみます。

    オタフク鎚と伏せ込みタガネでやる方が、厚い地金を精密に寄せることができるので、ジュエリー製作ではこちらがメインです。

    またの機会にやってみようと思っております。

    グリグリする場合はなるべく薄いフクリン枠(フクリン部の地金厚みが真鍮:0.4㎜以下、シルバー:0.6㎜以下)がおすすめです。

    真鍮は硬めですが、シルバーならもう少し楽に留まるのではないかなと思います。(…今回、かなり頑張らないと留まりませんでした。

    100均の鉄工ヤスリを根元で折る

    伏せこみタガネの代用

    100均の鉄工ヤスリとダイヤモンドヤスリ、ペンチを用意します。

    鉄工ヤスリをヤットコなどを使って根本から折ります。

    ペンチなどを2本使ってやると安全です。折るときは怪我にお気をつけください。

    100均のヤスリを加工して石留

    ダイヤモンドヤスリで若干曲面にしながら折った面を整えます。

    100均のヤスリを代用 彫金

    ダイヤモンドヤスリの角を使って、溝を作ります。

    伏せこみタガネで石留

    木片に穴を開けて柄を付けました。

    後述する熱湯につけると軟らかくなる固定材や、100均にも売っている熱湯で軟らかくなる樹脂などでも柄を作ることが出来ます。

    カボションカットのクフリン留の手順

    奥の手 彫金

    今回はこの100均の黄色いおもちゃで固定したんですが、先に言っておきますがこれは何の役にも立ちませんでした。

    最終的にパワープレイで無理やりねじ伏せた結果となりましたので、1500円くらいの万力でいいので重さがある程度ある金属製のものを強くお勧めします。

    また、直で挟んでいますが、本来は熱湯につけると軟らかくなる固定材をつけます。

    石留の道具
    しっかりと固定するための樹脂。色々な種類があります。

    固定材につけてから万力に挟むと傷が付きません。

    外すときは再度お湯につけて軟らかくして取ります。

    こびりついた場合は、アセトン(除光液に含まれている成分です。)に漬けておくと溶けてきれいに取り除けます。

    覆輪留をする

    枠の上部分をヤスリで削って薄くして、曲げやすくしておきます。

    枠の縁を作ったタガネの溝に当ててぐりぐりと内側に折りこんでいくと、徐々に石に沿って枠が曲がっていきます。

    ピッタリのフクリン枠ならすぐに留まりますが…隙間が大きいと皺が寄ってしまってきれいに留まりません。

    故に石枠がルースとぴったりになるように、石枠作りは完成を焦らず時間をかけると良いと思います。

    石が動かなくなっても、無理してぐりぐりやっていると石が割れてしまいます。あともうちょっとだけぐりぐりしたいな…という気持ちがキケンです。(そういう時は大体割れる)動かなくなったら”石を留める”よりも”枠の形を整える”作業に移行しましょう。

    ヤスリで整える

    曲がりづらかったら、枠を削って薄くします。あまり薄くしすぎると縁がガジガジになってきてしまいますので、縁はある程度厚みを残しておくと良いと思います。

    伏せこみ技法 石留

    そうこうしているうちに留まりました。一周ぐるっと隙間がなくなりました。この後にヘラでルースと枠の間を擦ったり、鏨で照り返しを切るケース(ピカピカに研いだ刃物でルースとの境目をぐるっと切ると、ルースと石枠の境目がきれいになります)もありますが、ルースを傷つけないように気を遣う必要があり上級者向けなので、今回はこのまま仕上げます。

    あー…あの黄色いクランプはもう二度と使いたくありません。。。

    仕上げて完成 独学 自宅で彫金

    仕上げは牛乳パックを円コンパスで切り抜いたものをマンドレールに取り付けたものに研磨剤をつけて磨きました。(リューターを使っています。)

    腕と枠の境目は結び目のようなトリムを付けました。

    腕は粗いペーパーでヘアラインを入れました。

    ガーネットのカボションカットのフクリン留めリング まとめ

    真鍮を使って家でリングを自作

    今回はカボションカットを留めてみました。

    いい道具を使えばきれいに素早く留まりますが、最安値の道具でも若干の無理矢理感はありましたが何とか留めることが出来ました。

    もう少し道具に投資することをお勧めしますが、趣味としての敷居の低さを感じていただけたら嬉しいなと思います。

  • 【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リングの作り方

    【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リングの作り方

    弓矢の矢は、ジュエリーやアクセサリーのモチーフとして人気です。

    アクセサリーの表現方法として、“コンビネーション”という技法があります。(技法というほど仰々しくはないのですが…)

    これは異種の金属を組み合わせて色分けをして、ディティールに深みを出す方法です。

    ジュエリーだとプラチナとK18YGの組み合わせをよく見かけますね。

    今回は弓矢の矢尻と羽をSV950、本体を真鍮で作ります。

    シルバーと真鍮の矢形リング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    材料

    SV950:0.8mm厚の端材(羽用)、1.0mm厚の端材(矢尻用)

    真鍮:1.0mmφ線材

    SV950(シルバー)の板厚は羽側が薄い方がバランスが良さそうです。色々な厚さの板を揃えるのは大変なので、1.0mm板材を焼き鈍し後に、軽く金槌で叩いて薄く伸ばすと良いと思います。

    道具

    基本の道具があれば作れますが、精密ヤスリがあった方が良いでしょう。(刀刃、鎬など)

    道具の購入先やお買い物リストはこちらで紹介しています。

    シルバーと真鍮の矢印リング 制作手順

    シルバーの端材を矢尻や羽の形に切る

    まず、シルバー材を矢印型、羽型に切り抜きます。

    羽は左右切り離した別体式にしました。羽の切れ込みはロウ付け後に行います。

    細かな作業なので手で持つのが難しいですが、爪で挟んで加工しました。

    ある程度ニッパーなどで形を作ってから、精密ヤスリなどで整えると早いです。

    真鍮線の加工

    真鍮線は、作りたいサイズに必要な長さ−羽と矢尻までの隙間の距離(5mm〜7mmくらいが良いと思います)でカットします。

    真鍮線の一部を平らに削ります。

    矢尻パーツをロウ付けする際の“のり代”として機能します。(真鍮線が矢尻に埋め込まれて見えるので、収まりが良くなる効果もあります。)

    平面に削れたら、先を尖らせます。

    この際に、シルバーの矢尻パーツとの噛み合わせを都度チェックしながら微調整します。

    ロウ付け・酸洗い

    ロウ付けは噛み合わせが肝である矢尻側から行った方が無難です。

    銀ロウは一種類(3分)だけで足りますが、自信がない方は5分や7分の溶けやすいものが良いと思います。

    ロウの量が多すぎるとディテールが潰れますので、1mm角無いくらいの大きさで十分だと思います。

    羽側は真鍮線に沿えてロウを流します。

    矢尻側がロウ付け出来ました。

    ロウが真鍮線に乗ってしまった場合は、耐水ペーパーなどで取り除きます。

    芯金棒で丸めて、糸鋸で模様を入れる

    芯金棒で任意のサイズに丸めます。

    この際、あまり強い力で叩きすぎると矢尻や羽周辺が変形してしまうことがあります。優しく叩くようにしてみてください。

    最後に羽の切れ込みを糸鋸で入れます。

    #0の刃で2本の切れ込みを入れました。切れ込みを入れる前に極細の油性ペンなどで、ベストな位置に印をつけておくと失敗がないです。

    【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リング 完成

    これで完成です!

    あまりピカピカにせず、アンティークな感じ(?)の仕上がりになりました。

    (…ピカピカにするのが面倒だった…訳ではございません)

    研磨する場合は、牛乳パックを円形に切ったものをマンドレールという軸に取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

  • 王冠の形のリング

    王冠の形のリング

    あまり実用には向きませんが、人形のアクセサリーや小物としても活用できる王冠のリングを作ってみます。

    ロウ付けが難関で、シンプルなリングよりも難しいですが、ポイントを押さえれば大丈夫です!

    こちらは基礎的な手順を一部端折っていますので、彫金が初めての方は以下のページをご参照ください。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2

    王冠リング 材料と道具

    使用する材料

    この作品に使う材料一覧

    1. 0.8mm真鍮板材
    2. 1.0mmφ 真鍮線材
    3. ロウ材

    材料には、0.8mm厚 真鍮板と1.0㎜φ真鍮線を使用しています。

    真鍮線は王冠の山のてっぺんの球の部分に使っています。

    真鍮板はあまり厚みがあると加工に苦労しますので、0.8mm~1.0mm厚あたりをおすすめします。

    使用する道具

    精密ヤスリと甲丸の中目ヤスリは必須です。下のリンクで紹介している中に含まれています。

    ロウ付け道具はひと通り必要です。

    ロウの種類も3分・5分・7分全てあると良いと思います。

    王冠リング 作り方手順

    板材をギザギザに糸鋸で切る

    まず、板材をギザギザに切ります。

    少しカーブをつけた方が洗練された印象になります。

    切れ目はギザギザが谷になる部分に持っていきます。

    作りたいリングサイズに合わせてギザギザの数を調整します。

    山と谷の高さがそれぞれで均一になるように、ガイドのケガキ線を入れておくと良いです。

    焼き鈍しをする

    焼き鈍しをします。シルバーの薄板を切る前に焼き鈍すと、ぐにゃぐにゃになってしまって切るのに苦戦します。

    真鍮でしたら硬いので焼き鈍し後でも問題ありません。

    芯金棒で丸める

    切れ目の谷の合わせ具合は、しっかりと計算して作業前に丁寧に下書きをしておけば合うはずですが、今回は大雑把にやってしまいました。

    少しくらいでしたら削って後から合わせられますので、…と手抜きを正当化してみましたが、こういう部分をしっかりやると完成度の高い作品が出来上がります。

    5分で済むちょっとの手間が重要ですね!その5分が面倒なのですが…

    ロウ付け

    ここの部分は一番融点の高いロウを使います。(3分ロウ)

    後々に球をロウ付けする際に外れてしまわないようにするためです。

    済んだら酸洗いをします。

    芯金棒にさして木槌などで丸める

    芯金棒で叩くときは、あまり力を入れすぎないようにしましょう。

    山の形が変形してしまうことがあります。

    甲丸ヤスリ(中目)で山を整える

    山を放物線状に見えるように削っていきます。

    甲丸ヤスリの丸い部分をうまく使って、すべての山が同じ曲線になるように調整します。

    底面を平らにする

    耐水ペーパー#400を平らな机などに敷いて、8の字を描くようにリングを動かして底を平らにします。

    凹凸が激しい場合は、平らなヤスリである程度整えてからペーパー掛けを行います。

    球パーツのロウ付け準備

    フラックスを山のてっぺんあたりに少し塗り、バーナーで炙ってフラックスの水分を蒸発させます。

    その後、山のてっぺんに1mm角ないくらいの5分ロウを置いて、バーナーでロウを溶かして酸洗いします。

    丸線リング(後の球パーツ)をロウ付けする

    1.0mmφ線をリングにしたものを敷いて、逆さまにした王冠を載せます。

    結構難しいですが、そーっとやれば大丈夫です。どうしても難しい場合は、山の先端を少し平らに削って、接地面を増やすと良いと思います。

    フラックスを塗ってそのまま5分ロウが溶けるまで炙ります。

    一回ですべての山をロウ付けしようとすると結構難しいので、何回かに分けてロウ付けすると良いと思います。

    溶けにくいところは無理して火を当てず、小さく切った7分ロウを丸線リングパーツとの接点のそばに置いてロウ付けしましょう。

    無理をして火を当てすぎると、すべてバラバラになってしまいます。(絶望します)

    王冠本体とくっつきました。

    それぞれの接点を見てみて、あまりにもロウが少なかったり、亀裂が入っている場合は再度7分ロウで補修しておきます。

    球パーツの成形

    球パーツを作ってきます。ニッパーで余計な部分をカットして、精密ヤスリで丸めていきます。

    あまり切りすぎると完全な丸になりませんので、調整する”削り代”を作っておきます。

    納得のいくまで時間をかけて丸くします。

    最終調整と仕上げ

    王冠の山を若干外側に広げました。(次の画像参照)

    表面はペーパーで終わらせましたが、ピカピカにした方が王冠ぽくて良いかもしれません。

    ローレットやミル打ちを併用すると、よりゴージャスになると思います。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2-ring003
    ミル打ちやローレットはこちらで紹介しています。

    王冠リング 完成

    少しロウ付けの難易度が高めでしたが、いかがでしたでしょうか。

    ロウ付けは下準備に成功のカギがあります。上手くいかないなと思ったら、作業を中断して、一回酸洗いを行い地金の表面をきれいにしてから作業再開すると良いと思います。

    ご参考いただけたら嬉しいです!