ご自宅ではじめられる独学彫金教室
はじめての方が独学で彫金を学ぶにあたって、この順番で練習していくことを想定して作りました。ただ、自分の作りたいものを楽しんで作ることが一番大切ですので、順番は目安にすぎません。
気になったものがありましたら、挑戦していただけたら嬉しいです。
ステップアップのもくじ
Step.1 いちばん簡単なリングの作り方
はじめに真鍮の線材で、もっとも簡単なリングを作ってみましょう!簡単な形ですが、見た目の可愛さは抜群です。基本的な作業の流れが理解できます。
ただの輪ですが侮れません。経年変化も楽しめる、まさに原点として頂点。金でもシルバーでも作り方は一緒です。
テクスチャをつけて、遊んでみましょう。画像はハンマーで叩いたテクスチャに見えますが、実は100円ショップのペンチで模様をつけています。
シーンを選ばないシンプルで細い地金のリングは、一生の友達になれそうです。
Step.2 板材を糸鋸で切ってリングを作る
次に、糸鋸を使って板材から切り出してリングを作ってみます。これが出来たら、星やハートに金属を切り出して、貼ったり模様をつけたりと自由自在です。
糸鋸で刃を折らずに長い距離を切る練習ができます。
他の”Step.2”のタグのものは全て作れる技術レベルになっている想定です。お時間がございましたら、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。
糸鋸で自由な形に切ったり、細かな筋を入れて和風テイストにアレンジしたりと、組み合わせは無限大です。
当サイトで出ているデザインは、商用・個人利用問わず自由にお使いいただけます。
Step.2 1/2 研磨のやり方
Step.3の前に、金属の磨く道具や、ピカピカにする方法をやってみます。
本格的にやるとなると高価な大型の機械で泥だらけになりながら磨くのですが、ミニマムにご家庭でもできる秘策(?)も紹介しています。
現に、この画像のものは電動工具のほかにもタオルや下敷き、紙を使って磨きました。
Step.3 ルースを使ってリングを作ってみる
いよいよ石留を取り入れた作品を作っていきます。カットごとの石座の作り方や、石留のやり方が乗っていますので、みなさまのアイデアの実現にお力添え出来たら幸いです。
はじめは、割れても問題のない安いルースからチャレンジしてみてください。
Step.4 設計図の寸法通りに作る
ここまでは、手作り感のある仕上げを紹介してきました。Step.4からは少し難易度が上がります。
頭の中にあるイメージを、2Dに描き起こして、それをさらに立体にするには寸法通りに形を作っていく必要があります。
逸品ものを作られている職人さん方は、±0.02mmくらいの精度でジュエリーを作っています。そこまでの腕になるには何年も修行が必要ですが、やはりルースを一番きれいに見える様に留めるにはある程度の寸法の正確さが重要になってきます。
今回は甲丸リングを指定した寸法通りに作ってみます。削る順番、磨きの順番などの工程を自分で組み立てられることが大切です。
やってみると簡単な形状でも、擦り合わせで減る分、磨きで減る分を考慮しながら仕上がりでぴったりにしていくのはなかなか難しいことがわかります。
Step.4 色々なカットの石枠の作り方
ラウンドカットのほかにも、ペアシェイプ・プリンセス・マーキース・オーバル…色々なカットが存在しますが、それぞれ少しずつ作り方が異なります。
カットによって爪に工夫が必要だったり、石枠の作り方が独特だったりと留意すべき点がたくさんあります。
シンプルすぎてこれといった面白みはない石枠ですが、基本形の石枠でその原理原則を理解できれば、あなたオリジナルの石枠も作れるようになります。
Step.5 さらに難しいものにチャレンジ
ここまで来たら、今までのことの組み合わせて難しいものを作ってみます。色々な素材を組み合わせて、思いついたものを形にしてみましょう。
彫りや、色々な石留、金具の製作など色々な技法を取り入れながら作ってみました。彫りを美しく彫れるようになるには腕のいい職人さんのもとで何年もの修行が必要になってきますが、とりあえず雰囲気だけでも楽しみたい方向けに、邪道ながらも比較的簡単にできる方法も紹介しています。
ぜひTwitterで、みなさまの作品を拝見出来たらうれしいです。(#ツウクルで投稿してくださると筆者の励みになります。)