自宅レベルで出来ることはどうしても、騒音や振動などの制約があって限られてきます。
今回はそこら辺に配慮しつつも、自宅でもピカピカに研磨出来る方法を考えてみました。(リューターは使います。)
バインダーや画用紙などを使って平な面もピカピカに磨けましたので、ご参考頂けたら幸いです。
それではやっていきましょうか。
使用する道具と材料
使用する道具は通常の道具セットにプラスして、リューターなどが必要です。リューターは1万5千円前後のもので充分ですが、将来的にプラチナの研磨や本格的なジュエリーを作りたい場合は4万円以上の価格帯のものがおすすめです。
その他研磨に必要な道具
- 耐水ペーパー(#240と#800があればとりあえずOKです。100円ショップで荒いものから細かい目のものまで全部セットになっているのが売っていますのでそれが便利です。)
- 画用紙(もしくはコピー用紙でもOK。厚い紙の方がやりやすいです。)
- 研磨剤(#4000と#8000。余裕があれば#1500があると便利です。作業効率が上がります。)
- ウエス(もしくはティッシュでも可)
- 液体研磨剤か仕上げ用研磨剤
- ダイヤブリックドレッサー(フェルトポイントの形を整えたり削ったりする石です。ダイヤモンドヤスリでも代用ができます。)
参考:自宅で金と天然ダイヤの指輪を作る手順(K18のロウ付け・ダイヤを割らずに留める方法)
リューターにつけて使う道具
- フェルトポイント(硬さが色々ありますが、ハードなどの硬いやつがおすすめです。
- 軸つき耐水ペーパー(自作もできます。#400のものが一本あれば大丈夫です)
- 豆バフ(仕上げ一歩手前の段階でリューターにつけて使うホワホワのやつです。)
マスクは必ず着用してください。(二重に着用するのがおすすめ)
また、研磨剤や作業で発生する粉塵は体に良くないので、ペットや小さなお子様が出入りする部屋では行わないようにしてください。
・真鍮リング
(今回は厚み2mmの板材から作りましたが、硬くて大変でした。真鍮はシルバーなどに比べて硬いので、1.5mm厚未満の薄板が作りやすいです。)
真鍮リングをピカピカに磨く 作り方手順
側面を平らにする
※真鍮リングの作り方は割愛します。
ピカピカな平面を出すには、フラットな下地が必要です。
ボコボコのまま磨きに入ってしまうと、ボコボコがそのまま消えずにそのまま仕上がり、どこかぼやけた仕上がりになってしまいます。
平たい面のある中目(荒いと後でヤスリ目を消すのに苦労します)のヤスリを使って、側面を平らにします。
大きめのヤスリ(インチヤスリなどの、木の柄を付けるタイプ)が安定感があっておすすめです。
ヤスリで側面を削るときは、側面の手前と奥を同時に削るようなイメージでヤスリを当てると平らにしやすいです。
同じところを2、3回削ったら、リングを45度ほど回転させてまた同じように削ります。
これを繰り返し行い、側面全体にヤスリの跡がつくようになればOKです。(側面に凹みがあったりすると、そこだけヤスリの跡がつかないので、それを目安に凹みがなくなるまで削りましょう。)
ヤスリで平らに削ったら、220番の耐水ペーパー(紙やすり)をできるだけ平らな机に用意し、八の字を描くようにヤスリがけをします。
220番が終わったら、次は800番の耐水ペーパーで同じ動作を行
今回のリングも真鍮の板が厚めだったので硬くて成形するときに歪んでしまい、側面を平らにするのがとても大変でした。
でもここの工程次第でピカピカにした後の見栄えが大きく変わってくるので、平らになるまで根気よく頑張ります・・・!!!
リューターでリングの内側と外側を磨く(荒磨き)
リングの内側に軸つきサンドペーパー(以下ペーパー)を当てて、ヤスリの跡やロウ付けの跡を消します。
ロールサンダーやバナナサンドペーパーなどの名称で売られています。
最近はなぜかロールサンダーがどこにも売っていない(欠品)しているので、自作するかバナナの方を使います。
リングの内側全体をリングを回しながら均等に当てていきます。リングに対して垂直にペーパーを差し込み、一周ペーパーの跡になるまでリューターを当てます。
ペーパーの跡がなかなかつかないところは周りより凹んでいる箇所ですが、そこだけペーパーで当てて削り込んでしまうと、そこだけ大きく凹んでしまいます。そうなると側面から見たときに綺麗な円形に見えなくなってしまうので、凹みがあってもガマンです。
一周ペーパーを当ててもまだ凹みがある場合は、同じ動作をもう一周行い、全体的にペーパーを当てながら消すようにします。
指あたりを良くするために、内側の角を少し落とします。
リングを少し斜めにするように持ち、リングの内側と同じように軽い均等な力で当てていきます。
均等な幅で落とせるのが理想ですが、力の入れ方や角度にムラがあると上手くいかなくなるので注意です。
リングの外側もペーパーを当てます。手順は内側のときと同様です。#600あたりのペーパーまでやっておくと早いです。
リングの側面を磨く
画用紙(もしくはコピー用紙)を、平らな面(100均のバインダーが便利です)に敷いて#4000の研磨剤を画用紙にクレヨンで塗りつぶすような感じで塗り付け、その上を上下に滑らせます。
しばらく滑らせていると研磨剤が黒くなり、光沢が出てきて滑りが悪くなってきます。そうなったらもう一度その上から研磨剤を塗り付け、また光沢が出て滑りが悪くなるまで滑らせます。これを4、5回繰り返します。
#4000の後、一度お湯と洗剤でよく洗って、研磨剤のカスをしっかり落としてから今度は#8000の研磨剤を画用紙の新しい場所に塗り付け、同じように繰り返し滑らせます。
洗浄のときは、擦り傷をつけずに洗浄出来る超音波洗浄機で行うのがおすすめです。
洗浄を行わずにそのまま次の細かい番手の研磨剤で磨いてもいいですが、洗浄をしないとリングに荒い研磨剤が残ったままなので荒い研磨剤が混ざってしまい、どうしても少しキズが残ったままになります。
工程ごとに洗浄機でしっかり洗浄を行うと、より綺麗に仕上がります。
リングの内側を磨く(中磨き)
リングの内側を磨いていきます。写真は細めのフェルトポイント(以下フェルト)を使っていますが、もう少し太めのフェルトがベストです。
リングの内側を磨くときは、ペーパーのときとは少し違った磨き方をします。ペーパーのときは奥から手前に払うように当てます(一方方向へ当てる)が、フェルトで磨くときは左右に撫でるように動かして磨きます。地面に書いた縦線を手で左右に払って消すようなイメージです。
フェルトに#4000の研磨剤を付け左右に動かしながらペーパーの跡を磨いて消していきます。磨いているところのペーパーの跡が消えたら、リングを少し回してフェルトに研磨剤を付けそのすぐ隣を磨きます。これを繰り返して一周磨きます。
指あたりの部分は、ペーパーのときと同じように手前に払うように磨きます。
フェルトでリングの内側を磨くとき、ペーパーの跡が消しきれていなくて磨き残ってしまうということがよくあります。フェルトの段階ではちゃんとペーパーの跡が消えているのかなかなか判別つきにくく、ちゃんと消したと思っていても仕上げの段階で磨き残っていることに気付くということが多いです。
磨き残しを防ぐためにも、こまめに研磨剤を付けてしっかり磨きます。
また、フェルトでリングを磨くと摩擦でリングがとても熱くなります。
最悪体に当たって怪我をしてしまう可能性があるので、少し熱いかなと思ったらすぐにフェルトを離してリングを冷ましてください。革の指サックなども売っています。
リングの外側を磨く(中磨き)
リングの外側をフェルトで磨きます。(内側を磨くときのように、フェルトを左右に動かしすぎると面がボコボコになります。かと言って全く動かさないとペーパーの筋もなかなか消えません。)ペーパーのときと似たような感じです。
フェルトにしっかりと研磨剤を付けて、奥から手前にまっすぐ引くように磨きます。このときフェルトの形がボコボコしているとリングの形もボコボコになってしまうので、ダイヤブリックドレッサーを使ってフェルトの形を平らに整えましょう。
はじめに平らに整えていても、フェルトは磨いているうちに段々と形が崩れて平らではなくなってしまうので、こまめに整えた方がより平らに、綺麗に磨けます。
内側と同様にペーパーの跡が磨き残りやすいので、こまめに研磨剤を付けて磨きましょう。
仕上げ
リングの仕上げをしてピカピカに光らせます。
リングの内側、側面、外側を豆バフを使って磨きます。
研磨材は#8000を使いました。
今までの作業一つ一つがいかに大切であったか思い知るときが来ました。
ピカピカに光ることによって形の歪みや磨き残しがよく見えるようになってきます。
仕上げの作業はあくまでもピカピカに光らせるための作業なので、もしここでペーパーなどの磨き残しがあった場合は中磨きの工程まで戻って磨きます。
形の歪みを直すなんてことになったら、最悪ヤスリの工程まで戻ることも・・・
本来であればこの段階から素手で触らずに、手袋などを着用して接触による傷を避けます。
豆バフの仕上げだけでも十分ですが、最後に液体研磨剤(ピカール)を使って磨きました。
本来であればさらに細かい研磨剤を使って、さらに柔らかいバフで磨きます。(
ウエス(もしくはティッシュ)にピカールを付けてリング全体を拭くように磨きます。
この辺りは個人の好みなので、やってみて好きな仕上がり具合を選ぶといいと思います。
完成
よく洗浄して完成です。
金やシルバーの磨き方もこれで問題ないと思います。
プラチナはもう少し手間がかかります。(粘り気の強い印象なので、ペーパーや研磨剤の種類を増やしたり、長く磨く時間がかかったりします)
自宅でも大型機材を使わずに平面をそれなりに綺麗に磨くことができました。
時間をかけて磨くと愛着も湧いてくるので、ぜひチャレンジしていただけたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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