石を留める時や、模様をつける時などに使うタガネです。ここでは、基本的な使い方と、番手(ナナコタガネのサイズ)はどう選ぶのかを解説していきます。
ナナコタガネ(ミルタガネ)・タガネグリップについて
ミルタガネ・ナナコタガネ・球ぐりタガネなどと呼ばれる彫金の道具について、選び方・使い方などについて詳しく解説します。
主に小さな石(メレサイズ=数ミリの石)を留める時に使います。小さな爪を倒したり、直接地金の表面に押し付けて使ったりと、石留めには欠かせない道具です。
先が凹状になっていて、地金や爪を包み込むように折り曲げたり、潰したりすることができます。基本的には消耗品です。
番号が打刻されていて、数字が大きくなるほどサイズも大きくなります。
初心者の方でもナナコとドリル刃があれば、比較的簡単にメレサイズの石留めができます。
ナナコタガネ(ミルタガネ)の選び方
タガネグリップ(ハンドル)も一緒に買うこと
金属の棒の部分と、木製のグリップの2パーツに分かれていますので、お買い求めの際は、必ずどちらもセットで買うようにしてください。
また、グリップは似たようなものがたくさんありますが、必ず「ナナコタガネ用(ミルタガネ用)グリップ(またはハンドル)」と表記されているものを選びましょう。
普通のタガネ用グリップと見た目がそっくりですが、ナナコタガネ用グリップは、タガネ着脱式を前提に設計されているので差し込み口に真鍮の受け金が入っています。
セット販売もあるけどコスパは悪い
ナナコタガネは#0~#20あたりまでサイズがあって、セット販売もされています。
しかしながら趣味程度ではほとんど使わないものも多く、バラ売りのを買った方がコスパは良いです。
バラ売りだと1本100円程度で売っていますのでよく使うサイズだけ購入することをお勧めします。
ちなみに、私が使っているものはバローべ社のセットのものです。昔は2500円程度でしたが、今では6000円オーバーになっています。(正直6000円の価値はないです。)
Amazonでは中国製の安物も売っています。ケースつきなのは魅力的ですが、グリップがあまりにも貧弱そうなので、グリップは別途ちゃんとしたものを買った方がいいかもしれません。
よく使うサイズ
最初はこれを1本ずつ買っておけば良いと思います。
使っているうちに、どういうものが自分に必要かが自ずとわかってきますので、それから買い足していけばいいと思います。
もちろん、予算があればセットで買うのもありです。
ナナコタガネの使い方

タガネをグリップに奥まで差し込んで、握りしめる様にして持ちます。
上から押しつぶすのではなく「折り曲げる」様に使う

ナナコタガネを使って、石枠の爪を倒して石を留める際は、「上から押して」使うのではなく、留める石に爪を寄せて「折り曲げる」様に使います。
ぐりっと外側から内側に向けて撫でる様に動かしながら動かします。
頭の上をタガネで抑えて、爪の方へ誘導させるようなイメージです。
上から押す様にして使うと、爪が潰れて見た目が悪くなる上に、爪が石に届かず留まらなくなります。
石に爪を掛ける意識で行います。
外側から内側に向かって、ナナコタガネで爪を寄せる
ナナコタガネで石を留めるには、爪をしっかりと石に掛ける必要があります。
そのためにも、ナナコタガネで爪を外側から内側に寄せるように動かします。
ナナコタガネのサイズの選び方
石留めをするときにナナコタガネを選ぶときは、予想で選んだサイズのナナコを一度あてがってみます。
後が付くようであればサイズが小さく、ナナコタガネが石に当たってしまう(硬い感触があります)場合はサイズが大きすぎます。
サイズが小さいまま無理に留めると、図のようにはみ出た文がバリバリになってしまい、あまり綺麗に見えない仕上がりになってしまいます。
また、ナナコタガネが石に当たると傷がついたり、逆にナナコタガネが潰れてしまうこともあります。
ミル模様を打つ場合は…

ナナコタガネは即席のミル打ちタガネとしても使えます。(実際はミル打ち用に加工したタガネを使います。)
連続して打っていくと模様(ミルグレイン)になりますが、ナナコタガネを上下左右に動かすのではなく、上下にのみ動かします。
左右にも動かすと、入れた模様がナナコタガネに当たって潰れてしまいます。
また、ミル模様を入れる場合は、薄く尖らせたところに入れます。(広い面に入れてもぷっくりした模様にはなりません)
ヤスリで削って尖らせて、そこにナナコタガネを打つようにします。
ナナコタガネ・ミルタガネ まとめ
ということでナナコタガネについてでした。とりあえず覚えておいていただきたいのは、「セットで買う必要は全くない」ということです。
必要なサイズの周辺から揃えてみてください。

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