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  • 【天然石×彫金】ルチルクオーツのさざれ石リングの作り方(2パターン)

    【天然石×彫金】ルチルクオーツのさざれ石リングの作り方(2パターン)

    今回は細石(さざれ)をリングに仕立ててみます。さざれは形も不規則で、カットされた石と比べて個性豊かですね。

    爪で留める方法と、接着で作る方法の両方をご紹介します。

    接着の方の難易度は、高くないので、ぜひチャレンジしてみていただけたら嬉しいです!

    ルチルクオーツのさざれリング 完成イメージ

    ルチルクオーツの細石リング
    ルチルクオーツの細石リング
    ルチルクオーツの細石リング

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    甲丸ヤスリ(荒目・中目)
    精密ヤスリ(甲丸・歪)
    ニッパー
    芯がね棒・木槌
    リューター
    ロウ付けセット

    彫金に必要な道具が一通り必要になります。リューターはなくてもできますが、あると本当に作業が早いです。2万円しないくらいのものでも構いませんので、持っておくと本当に時短になります。

    使用する材料

    1.2mm厚 真鍮板(石座/幅広リング部分)
    0.8mmφ 真鍮丸線材(爪用)
    2.0mmφ 真鍮丸線材(細リング部分)
    ルチルクオーツさざれ
    ロウ材(3分・7分)
    エポキシ接着剤(Devcon S-208)

    今回は丸線リングに石枠をつけるものと、板から作ったリングに石枠をつけるパターンで二つ作りました。丸線リングの方で作りたい場合は、Cの2.0mmφ丸線材を購入しておきます。

    ルチルクオーツは以下で購入しました。

    https://www.kenkengems.com/?pid=175160476

    エポキシ接着剤は米国DevconのS-208というものがおすすめです。透明度が高く、黄変しにくい・接着力が桁違いという特性を持っています。

    ルチルクオーツのさざれリングの作り方 手順

    さざれの選定
    さざれを選ぶ

    さざれの選定

    使用するさざれを使います。板に接着したり石枠に座らせるために、一面が平らになっているものを選びましょう。

    石の形を紙にうつす

    石の形をトレースする

    紙に石の形を写しておきます。これの形に合わせて糸鋸で切っていきます。

    石座を糸鋸できる

    糸鋸で切り出す

    スティックのりなどで先ほどの紙を真鍮板に貼り付けます。鋸刃#0で切ります。

    ヤスリで石座を整える

    ヤスリで石座を整える

    切り口をヤスリで整えておきます。石と合わせてみて、余裕がある場合は削ってピッタリにしておきます。

    石に合わせてピッタリ削る
    石に合わせてピッタリ削る

    このくらいになるまで頑張って削ります。

    側面をペーパできれいにする

    側面をペーパーで整える

    バナナサンドペーパー#600などでヤスリの傷を消しておきます。

    シーフォース 楽天市場店
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    ペーパーで平面をきれいにする

    ペーパーで平面をきれいにする

    #600の耐水ペーパーで両面をきれいにしておきます。耐水ペーパーは100円ショップに色々な番手がセットになっている便利なものが売っていますので、それを買っておくと良いです。

    バラで購入する際は、#240,#600,#1000(荒目・中目・細目)と3種類くらいあればOKです。

    精密ヤスリで溝を入れる

    精密ヤスリで爪を立てる部分に溝を削る

    精密ヤスリの円型や歪(イビツ)型など(精密ヤスリの形状の名称です。)の丸い溝が削れるもので、爪を立てる位置を削ります。

    爪の位置は3本以上必要です。爪の位置が偏りすぎていると留まりません。

    爪の正しい位置の確かめ方

    確認方法としては爪同士を線で結んだ時に、石の重心が囲われていればOKです。

    爪の正しい位置の確かめ方

    ただし台形のような形をしている場合は、重心を囲む位置に爪を立てても、矢印方向に抜けてしまいます。上の方にも爪が必要になってきます。

    精密ヤスリで溝を入れる
    こんな感じになるまで削ります。
    爪を立てる

    爪を立てる

    0.8mmφの真鍮丸線をU字に曲げて、先ほどの溝に挟むようにはめ込みます。まずは1個差し込んで、ロウ付けしていきます。(ロウ付けに慣れていたら全ていっぺんにロウ付けしてしまって大丈夫です。)

    爪のロウ付け

    爪のロウ付け

    3分ロウでロウ付けします。石座の裏側にロウを置くようにします。ロウのサイズは0.5mm角程度の小さめにしておくと良いです。

    爪のロウ付け
    残りの爪もロウ付けします。

    残りの爪は反対側から差し込んでロウ付けします。(同じく3分ロウでつけます。)

    精密ヤスリで刻みを入れていない部分はロウ付けしませんので、間違えてロウを置かないように注意します。

    爪をロウ付けしたところ
    爪をロウ付けしたところ

    石座を整える

    石枠を整えます。余計な部分をニッパーで切って、裏面を耐水ペーパーで平らに削っておきましょう。

    これで石座の完成です。

    リングの成形

    指輪パーツの成形

    指輪のパーツを作っていきます。基本的な作り方は他記事で詳しく紹介しています。今回、幅広パーツは甲丸にしました。

    参考:2.0mmφの丸線でリングを作る手順

    参考:板材からリングを作る手順

    ヤスリで好きな形に削っておきます。

    ペーパーで整える
    甲丸リングを作る
    ピカピカに仕上げたい場合はこの段階で磨いておきます。
    リングが完成したところ

    お好みの形になるまでじっくり調整します。今回はマットな感じに仕上げたかったので磨きませんが、ピカピカしたい場合は以下の記事で手順を解説しています。

    参考:真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    石座をつける部分を平らに削る

    石座をつける部分を平らに削る

    石座をロウ付けしたいので、取り付ける部分をヤスリで平らに削ります。リングのロウ付けした部分を削るようにしましょう。

    石座をつける部分を平らに削る
    このくらいまで削っておけば良いでしょう。
    石座とリングのロウ付け

    石座とリングのロウ付け

    石座パーツとリングパーツをロウ付けします。逆ピンセットで挟んだ状態で行うと簡単です。

    爪をロウ付けしているので、熱しすぎるとバラバラになってしまうので要注意です。

    7分ロウを使います。

    石座とリングのロウ付け
    接着で作るリングの方のロウ付けの様子です。
    酸洗後のリング

    酸洗いとペーパーがけ

    フラックスや酸化皮膜を取り除くために酸洗いをしておきます。その後、はみ出たロウなどを耐水ペーパーなどで削っておきます。

    耐水ペーパーで全体を研磨

    全体的にきれいにしておきます。ピカピカにしたい場合はこの段階で完全に仕上げておきましょう。

    爪の一部を平らに削る

    爪の内側を精密ヤスリを平らに削る

    このままでは爪が干渉して、石がはまらないので精密ヤスリ(甲丸・平など平らに削れるもの)で爪の内側を平らに削ります。

    石が入るまで調整します。

    さざれの石留め

    さざれの石留め

    さざれを石留めしていきます。爪を少し開いて、石を底まではめ込みます。

    爪をニッパーでカットする

    爪をカットする

    爪をカットします。短すぎると留まりませんが、長すぎると少しカッコ悪いのでなるべく短かめにカットしておきます。

    爪の成形

    爪の成形

    石を一旦外して、精密ヤスリで爪を成形します。猫の爪のように、根本は太めで先に向かって細くなる形にしておきます。

    石をはめ込む

    石をはめて爪を倒す

    石をはめて、爪を倒していきます。一気に倒し切らず、何段階かに分けて作業します。

    ある程度倒したら対角にある爪を倒していきましょう。

    爪を倒す

    ピンセットの持ち手や爪倒しなどで、爪を倒します。

    爪の先端まで倒す

    爪の先端までしっかり倒して、引っ掛かりのない状態にします。

    さざれの石留め
    石留め完成です。

    エポキシで石と指輪を接着

    エポキシ接着をする場合

    エポキシ接着剤でさざれと指輪を接着する場合は、アルコールで接着面を拭き取って脱脂してから行います。

    エポキシ接着の手順は下記の記事で解説しています。

    参考:【金属・石・ガラス用】エポキシ接着剤のおすすめとやり方

    ルチルクオーツのさざれリング 完成

    さざれを石留めしたリング

    今回は2パターンのリングを作ってみました。ちょっとした天然石の破片でも指輪に仕立てられるようになるので、ぜひチャレンジしてみていただけると幸いです。

    ちなみにこれをネックレスにする場合は、指輪パーツをロウ付けする工程で、指輪の代わりにマルカンをロウ付けします。(ポストをロウ付けするとピアスできます)

    今度は完全なクオーツの原石や、アンティークのボタンをリングやネックレスにする方法をご紹介できたらと思います。(現在製作中です!)

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    最後にお知らせ

    自宅で作るK18のリング, 結婚指輪,マリッジリング,ダイヤモンド

    ただいま、自宅で金とダイヤの指輪を作る方法をメール講座で配信しております。金のロウ付けのコツや、ダイヤを割らずに留める方法を公開しています。自宅で彫金を始めるためのPDFリストも配布中です。(メール講座もPDFも無料です)

    無料ですのでよろしければご購読いただけたら嬉しいです! ↓こんな感じの内容です。

  • 【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    自宅レベルで出来ることはどうしても、騒音や振動などの制約があって限られてきます。

    今回はそこら辺に配慮しつつも、自宅でもピカピカに研磨出来る方法を考えてみました。(リューターは使います。)

    バインダーや画用紙などを使って平な面もピカピカに磨けましたので、ご参考頂けたら幸いです。

    こんな感じになったよ!

    それではやっていきましょうか。

    使用する道具と材料

    使用する道具は通常の道具セットにプラスして、リューターなどが必要です。リューターは1万5千円前後のもので充分ですが、将来的にプラチナの研磨や本格的なジュエリーを作りたい場合は4万円以上の価格帯のものがおすすめです。

    その他研磨に必要な道具

    • 耐水ペーパー(#240と#800があればとりあえずOKです。100円ショップで荒いものから細かい目のものまで全部セットになっているのが売っていますのでそれが便利です。)
    • 画用紙(もしくはコピー用紙でもOK。厚い紙の方がやりやすいです。)
    • 研磨剤(#4000と#8000。余裕があれば#1500があると便利です。作業効率が上がります。)
    • ウエス(もしくはティッシュでも可)
    • 液体研磨剤か仕上げ用研磨剤
    • ダイヤブリックドレッサー(フェルトポイントの形を整えたり削ったりする石です。ダイヤモンドヤスリでも代用ができます。)

    リューターにつけて使う道具

    • フェルトポイント(硬さが色々ありますが、ハードなどの硬いやつがおすすめです。
    • 軸つき耐水ペーパー(自作もできます。#400のものが一本あれば大丈夫です)
    • 豆バフ(仕上げ一歩手前の段階でリューターにつけて使うホワホワのやつです。)

    マスクは必ず着用してください。(二重に着用するのがおすすめ)

    また、研磨剤や作業で発生する粉塵は体に良くないので、ペットや小さなお子様が出入りする部屋では行わないようにしてください。

    材料リスト 

    ・真鍮リング
    (今回は厚み2mmの板材から作りましたが、硬くて大変でした。真鍮はシルバーなどに比べて硬いので、1.5mm厚未満の薄板が作りやすいです。)

    真鍮リングをピカピカに磨く 作り方手順

    側面を平らにする

    ※真鍮リングの作り方は割愛します。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2/

    ピカピカな平面を出すには、フラットな下地が必要です。

    ボコボコのまま磨きに入ってしまうと、ボコボコがそのまま消えずにそのまま仕上がり、どこかぼやけた仕上がりになってしまいます。

    平たい面のある中目(荒いと後でヤスリ目を消すのに苦労します)のヤスリを使って、側面を平らにします。

    大きめのヤスリ(インチヤスリなどの、木の柄を付けるタイプ)が安定感があっておすすめです。

    ヤスリで側面を削るときは、側面の手前と奥を同時に削るようなイメージでヤスリを当てると平らにしやすいです。

    同じところを2、3回削ったら、リングを45度ほど回転させてまた同じように削ります。

    これを繰り返し行い、側面全体にヤスリの跡がつくようになればOKです。(側面に凹みがあったりすると、そこだけヤスリの跡がつかないので、それを目安に凹みがなくなるまで削りましょう。)

    ヤスリで平らに削ったら、220番の耐水ペーパー(紙やすり)をできるだけ平らな机に用意し、八の字を描くようにヤスリがけをします。

    220番が終わったら、次は800番の耐水ペーパーで同じ動作を行

    今回のリングも真鍮の板が厚めだったので硬くて成形するときに歪んでしまい、側面を平らにするのがとても大変でした。

    でもここの工程次第でピカピカにした後の見栄えが大きく変わってくるので、平らになるまで根気よく頑張ります・・・!!!

    リューターでリングの内側と外側を磨く(荒磨き)

    リングの内側に軸つきサンドペーパー(以下ペーパー)を当てて、ヤスリの跡やロウ付けの跡を消します。

    ロールサンダーやバナナサンドペーパーなどの名称で売られています。

    最近はなぜかロールサンダーがどこにも売っていない(欠品)しているので、自作するかバナナの方を使います。

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    バナナサンドペーパー #400 (242円)

    バナナサンドペーパーはロールサンダーより割高ですが、使いやすいです。

    ロールサンダーとは違い斜めにめくれることで、上から下まで使い切ることが出来ます。

    リングの内側全体をリングを回しながら均等に当てていきます。リングに対して垂直にペーパーを差し込み、一周ペーパーの跡になるまでリューターを当てます。

    ペーパーの跡がなかなかつかないところは周りより凹んでいる箇所ですが、そこだけペーパーで当てて削り込んでしまうと、そこだけ大きく凹んでしまいます。そうなると側面から見たときに綺麗な円形に見えなくなってしまうので、凹みがあってもガマンです。

    一周ペーパーを当ててもまだ凹みがある場合は、同じ動作をもう一周行い、全体的にペーパーを当てながら消すようにします。

    指あたりを良くするために、内側の角を少し落とします。

    リングを少し斜めにするように持ち、リングの内側と同じように軽い均等な力で当てていきます。

    均等な幅で落とせるのが理想ですが、力の入れ方や角度にムラがあると上手くいかなくなるので注意です。

    リングの外側もペーパーを当てます。手順は内側のときと同様です。#600あたりのペーパーまでやっておくと早いです。

    リングの側面を磨く

    画用紙(もしくはコピー用紙)を、平らな面(100均のバインダーが便利です)に敷いて#4000の研磨剤を画用紙にクレヨンで塗りつぶすような感じで塗り付け、その上を上下に滑らせます。

    しばらく滑らせていると研磨剤が黒くなり、光沢が出てきて滑りが悪くなってきます。そうなったらもう一度その上から研磨剤を塗り付け、また光沢が出て滑りが悪くなるまで滑らせます。これを4、5回繰り返します。

    #4000の後、一度お湯と洗剤でよく洗って、研磨剤のカスをしっかり落としてから今度は#8000の研磨剤を画用紙の新しい場所に塗り付け、同じように繰り返し滑らせます。

    洗浄のときは、擦り傷をつけずに洗浄出来る超音波洗浄機で行うのがおすすめです。

    洗浄を行わずにそのまま次の細かい番手の研磨剤で磨いてもいいですが、洗浄をしないとリングに荒い研磨剤が残ったままなので荒い研磨剤が混ざってしまい、どうしても少しキズが残ったままになります。

    細かい擦り傷が見えます。

    工程ごとに洗浄機でしっかり洗浄を行うと、より綺麗に仕上がります。

    リングの内側を磨く(中磨き)

    リングの内側を磨いていきます。写真は細めのフェルトポイント(以下フェルト)を使っていますが、もう少し太めのフェルトがベストです。

    リングの内側を磨くときは、ペーパーのときとは少し違った磨き方をします。ペーパーのときは奥から手前に払うように当てます(一方方向へ当てる)が、フェルトで磨くときは左右に撫でるように動かして磨きます。地面に書いた縦線を手で左右に払って消すようなイメージです。

    フェルトに#4000の研磨剤を付け左右に動かしながらペーパーの跡を磨いて消していきます。磨いているところのペーパーの跡が消えたら、リングを少し回してフェルトに研磨剤を付けそのすぐ隣を磨きます。これを繰り返して一周磨きます。

    指あたりの部分は、ペーパーのときと同じように手前に払うように磨きます。

    フェルトでリングの内側を磨くとき、ペーパーの跡が消しきれていなくて磨き残ってしまうということがよくあります。フェルトの段階ではちゃんとペーパーの跡が消えているのかなかなか判別つきにくく、ちゃんと消したと思っていても仕上げの段階で磨き残っていることに気付くということが多いです。

    磨き残しを防ぐためにも、こまめに研磨剤を付けてしっかり磨きます。

    また、フェルトでリングを磨くと摩擦でリングがとても熱くなります。

    最悪体に当たって怪我をしてしまう可能性があるので、少し熱いかなと思ったらすぐにフェルトを離してリングを冷ましてください。革の指サックなども売っています。

    リングの外側を磨く(中磨き)

    リングの外側をフェルトで磨きます。(内側を磨くときのように、フェルトを左右に動かしすぎると面がボコボコになります。かと言って全く動かさないとペーパーの筋もなかなか消えません。)ペーパーのときと似たような感じです。

    フェルトにしっかりと研磨剤を付けて、奥から手前にまっすぐ引くように磨きます。このときフェルトの形がボコボコしているとリングの形もボコボコになってしまうので、ダイヤブリックドレッサーを使ってフェルトの形を平らに整えましょう。

    はじめに平らに整えていても、フェルトは磨いているうちに段々と形が崩れて平らではなくなってしまうので、こまめに整えた方がより平らに、綺麗に磨けます。

    内側と同様にペーパーの跡が磨き残りやすいので、こまめに研磨剤を付けて磨きましょう。

    仕上げ

    リングの仕上げをしてピカピカに光らせます。

    リングの内側、側面、外側を豆バフを使って磨きます。

    研磨材は#8000を使いました。

    今までの作業一つ一つがいかに大切であったか思い知るときが来ました。

    ピカピカに光ることによって形の歪みや磨き残しがよく見えるようになってきます。

    仕上げの作業はあくまでもピカピカに光らせるための作業なので、もしここでペーパーなどの磨き残しがあった場合は中磨きの工程まで戻って磨きます。

    形の歪みを直すなんてことになったら、最悪ヤスリの工程まで戻ることも・・・

    本来であればこの段階から素手で触らずに、手袋などを着用して接触による傷を避けます。

    豆バフの仕上げだけでも十分ですが、最後に液体研磨剤(ピカール)を使って磨きました。

    本来であればさらに細かい研磨剤を使って、さらに柔らかいバフで磨きます。(

    ウエス(もしくはティッシュ)にピカールを付けてリング全体を拭くように磨きます。

    この辺りは個人の好みなので、やってみて好きな仕上がり具合を選ぶといいと思います。

    完成

    よく洗浄して完成です。

    金やシルバーの磨き方もこれで問題ないと思います。

    プラチナはもう少し手間がかかります。(粘り気の強い印象なので、ペーパーや研磨剤の種類を増やしたり、長く磨く時間がかかったりします)

    自宅でも大型機材を使わずに平面をそれなりに綺麗に磨くことができました。

    時間をかけて磨くと愛着も湧いてくるので、ぜひチャレンジしていただけたら幸いです。

    最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 淡水真珠のカップケーキリング

    淡水真珠のカップケーキリング

    …さてと、5月下旬には公開と言いつつ6月中旬になってしまいました。

    楽しみにしてくださっていた方々、申し訳ございません。

    色々ストックはあるのですが記事執筆はなかなか時間がかかりますね。

    今回はパールを使ったリングの作り方です。

    穴が開いている材料を使ったリングの作り方ですので、パール以外にもボタンやビーズなどもこの方法の応用で作ることが出来ます。

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    道具

    基本的なリングを作るための道具と、ピンバイスが必要です。

    ANEX(アネックス) ピンバイス No.98 0.1〜3.2mm(1,347円)

    ロウ付けは必須です。

    また、パールの接着剤は”エポキシ接着剤”を使います。ハンドメイド好きの方ならおなじみだと思います。

    特にエポキシ系の2液性接着剤であれば何でも構いません。(最近は100円ショップでも取り扱いがあるそうですね)

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    セメダイン エクセルエポ(高透明度)15g 10分型

    エポキシ接着剤はたくさん種類がありますが、国産ですとセメダイン社のものがおすすめです。

    必要な硬度、強力すぎない接着力=修理対応ができるなど使いやすいです。

    余談ですが、個人的にエポキシはアメリカ製が至高だと思っています。少々高価ですが透明度と硬度、接着力は日本の市販品のそれとは段違いです。

    エポキシ系接着剤2液タイプ デブコン デブチューブ S-208 28.4g

    材料

    真珠 パール  彫金
    材料リスト 

    ・淡水パール:ボタン形(東京都台東区の浅草橋近辺で300円前後で購入)
    ・真鍮線:φ1.0mm、φ1.2mm(丸線材)、1.5mm厚板材(丸線の直径より厚めがおすすめです)

    今回、浅草橋のQUEENS PART3店さんにて、ボタン形のパールをいくつか購入してきました。

    お店の方もとても親切な方で、一粒から購入が可能です。JR浅草橋駅のすぐそばですので、ぜひお立ち寄りいただけたら幸いです。(ちなみに通販も行っておらず、実店舗に出向くしかないようです。)

    ネット通販で似たようなパールも見つけましたので一応ご紹介しておきます。

    営業時間

    平日:午前10時〜午後7時
    日曜祭日:午前10時〜午後6時

    淡水真珠のカップケーキリング 作り方

    まずこのリングの構成ですが、腕パーツ(輪っか部分)とボタンパールの土台の枠に分かれています。

    このくらいの土台にしておきました。

    土台の枠は1.5mm程度の真鍮板を円形に切って、パール穴に差し込むための芯をφ1.0mm程度の丸線で土台に立てます。(以下“パール芯”と呼びます。)

    真鍮板にカニコンパスなどで丸を描いて、糸鋸で切り抜きます。

    パール芯は腕パーツと土台をロウ付けした後に作りますので、まずは円形の土台パーツと、それがピッタリと合わさる腕パーツを作ります。

    土台パーツは少し絞りをつけて、プリン形になる様にしました。

    土台と腕パーツのロウ付け

    ロウは1番溶けにくいものを使います。今回は3分ロウを使用しました。

    パーツ同士の隙間はなるべくなくなる様にヤスリですり合わせておくのが成功の秘訣です。

    ロウ付けする際は腕パーツのテンションで土台パーツをそっと置いた状態で行います。土台パーツが傾がない様に水平垂直を心掛けます。

    パール芯の位置決め

    パール芯を立てますが、何も当たりのない平らな面に棒を立てると高確率で位置がズレたり、斜めにロウ付けされてしまったりしますので、1mmの穴を土台に浅く入れておいて、差し込む様にしてロウ付けします。

    パール側も1mmのドリル刃で揉んでおきます。

    円形の土台パーツの中心にヘラやカニコンパスなどで当たりをつけて、1mmのドリル刃で真っ直ぐ穴を開けます。(貫通させずに、穴の深さは0.5〜0.7mm程度有ればOKです)

    力を入れすぎると刃が折れます。なるべくピンバイスからドリル刃を出しすぎず、(ピンバイスからドリル刃を出しすぎの状態で使用すると、ドリル刃がしなって折れます)

    力を入れすぎずに回して穴を開けていきます。

    φ1.0mmの真鍮線を差し込んでみてしっかりと直立するかを確認します。

    ひとまわり大きめのドリル刃などで開けた穴の周りをさらいます。

    これはバリを取るほかに、ロウ付けした際にロウがそこの部分に溜まる事で余計な部分に流れず、精密にパールを接着できるようにするためです。

    パール芯のロウ付け

    あとはロウ付けするだけです!

    しっかりとセットして最小限の7分ロウ(0.5mm角くらいの大きさ)で流します。

    土台に比べてパール芯の方があったまりやすく、パール芯にのみロウが流れてしまうミスが起きやすいです。

    かと言って本体を炙りすぎると腕パーツと土台のロウ付けが壊れてきてしまいます。

    なるべく弱い火でちまちまとやってみてください。

    仕上げと接着

    接着は最後の最後で行います。

    ピカピカにする場合はこの段階で行いますが、先に接着してしまうと接着剤に研磨剤が引っ付いてしまって黒くなってしまいます。(完全硬化後の研磨も好ましくない)

    今回は手抜き….ではなく風合いを大切にしたマットな感じで終わらせました。スポンジヤスリで表面を荒らしました。

    こういうスポンジヤスリです。

    接着は接着剤の説明書に沿ってA剤とB剤を混ぜ合わせて、パール芯に楊枝などで塗ります。土台につけすぎるとはみ出るのでご注意ください。

    はみ出してしまった場合は、固まる前に綿棒にアルコールをつけて拭き取ると綺麗にすることができます。

    ….というわけで完成です。

    白い方はボタン型でなく型穴の球です。

    後日こちらに作り方もご紹介します!!

    最後までご覧くださり、ありがとうございました。

  • ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    地金でぐるっとルースを包んだフクリン留めは、彫金で作るアクセサリーの定番ですね。

    フクリン留めは”伏せこみ”とも呼ばれることもありますが、要するに金属で縁を作って内側に押し倒して石の動きを封じる手法です。

    フクリンタガネ(伏せこみタガネ)という道具を使います。

    今回は100均のヤスリで作ったタガネでやってみます。

    初めての方はこちらをどうぞ。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方 完成イメージ

    真鍮を使って家でリングを自作

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作るための基本的な道具に加えて、フクリン留めの道具を使います。

    フクリンタガネ・オタフク鎚(少々使いづらいですが木工用の金槌でも代用可能)と、彫刻台を使います(万力でも代用可能。重さがあるものが使いやすい)。

    今回は頑張って100均のもので代用しました。自作タガネは使いやすいのですが、100均に売っていた固定具ははっきり言ってゴミでした(笑)

    彫刻台があればいいのですが数万円するので、1500円くらいの万力が良いです。これならば確実にタガネの衝撃を地金に伝えられます。

    石留の道具の買い物リストを作りました。とりあえずこれだけ持っておいておけば趣味を十分に楽しめそうです。

    使用する材料

    この作品に使う材料一覧

    1. 1.2mm真鍮板材(フクリン枠用)
    2. 2.0mmφ 真鍮線材(リング腕用)
    3. ロウ材 (真鍮ロウ)
    4. ルース (カボション)

    ガーネットのカボションカットのルースと、1.2mm真鍮板、2φの真鍮線を使いました。

    初めての方はフクリン枠に使う板材が厚すぎると曲げるのに苦戦する可能性もあるので、真鍮板は薄いもの(今回のように1.2mm程度のもの)をお勧めします。

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方の手順

    カボションカットで石枠を自作

    材料を切り出してフクリン枠を作る

    1.2mm真鍮板を上図の様にカットします。

    帯状のものは石の高さくらいの幅にして、焼きなましをしておきます。

    カボションカットの石枠を自作

    板パーツは石の台座となりますので、気持ち大きめにしておきました。

    カボションカットでフクリンの石枠を作る

    巻いて合わせていきますが、これが一番難しいポイントだと思います。

    カボションカットでフクリン枠を自作

    初めての場合は石の横腹の部分から巻き始めると良いと思います。これが爪留めの石座を作っている場合は、ロウ目の位置に爪を付けて目立たないように配慮しなくてはいけませんので、ちょっと難易度が上がります。

    100均の丸ペンチを使ってみました。使いやすくて安い!推しグッズです。

    フクリン枠を彫金技法で自作

    合わせ始めの端の部分はペンチで掴む余分として考えます。

    油性ペンの印から印の間が石に合わせた部分です。

    フクリン石枠を自作する 独学彫金

    なるべく隙間が出来ないように気をつけます。

    隙間が大きいと留めるときにシワが寄る原因になってしまいます。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ある程度まで巻けたら、ぴったりになるだろうというところで予測して糸鋸で切ります。

    フクリン枠の作り方

    こんな感じで、あとはチョット押せば一周ぐるっと石に沿う感じに仕上がります。

    思っているよりは難しくないとは思いますが、切りすぎて短くなってしまうよりかは、長めに切って糸鋸で切れ目に刃を通して微調整していった方が安全かもしれません。

    石枠を自作する 覆輪枠の作り方

    切れ目を一度糸鋸の刃を通して合わせたらロウ付けします。(3分ロウ使用)

    内側のはみ出たロウを削り取って、石が入る様に調整します。

    ヤスリで削ったり、丸ペンチで少しずつ曲げて微調整していると入りました。

    覆輪枠を自作

    逆さから入れて石が傾かずに枠に入ったらOKです。

    アプリコットジャムが乗ってるお菓子みたいですね。

    石枠の台座を作る

    覆輪枠をロウ付け

    台座の板と輪っかをロウ付けします。

    強い火が輪っかのロウに当たりすぎると、ロウが枯れる(シワシワになってくる)現象が起きてロウ目が目立ってしまいますので注意します。

    今回は輪っかの接合・板と輪っかの接合・リング腕と石枠の接合で計3箇所のロウ付けです。

    輪っかと板の接合まで3分ロウ、リング腕との接合で7分ロウで充分かと思いますが、心配だったら3・5・7と使い分けてもいいと思います。

    フラックスを塗る 彫金

    フラックスを板に塗って、バーナーで炙って水分を飛ばします。

    石枠をロウ付けする 

    フラックスの水分が蒸発したら、輪っかを置いてロウを輪っかの外側に置きます。

    ロウ付けが上手い人は内側に置いた方がいいと思います。

    もしロウ付けが失敗して内側にロウが塊で残ってしまった場合、石がしっかりと入らなくなってしまう為です。

    ただ、内側からロウ付けをした方が見た目は綺麗だと思います。

    外に置いて塊で残っても、丁寧に整えることができるのでそこまで気にしなくて大丈夫です。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ロウ付けが終わって、酸洗いが済んだら板を石枠の輪郭に合わせて削ります。

    石枠に光穴を作る 

    光穴を作ります。フクリンは特に一周地金で覆われているので、光穴を開けておかないと石が暗く見えますね。

    光穴をヤスリで削る 彫金

    ピンバイスなどで穴を開けて、糸鋸の刃を通してなるべく大きめにくり抜きます。

    精密ヤスリで形を整えておきます。

    覆輪枠を自作する

    石を入れてみたところです。枠が高すぎるので後でもう少し削ります。

    貴金属で作る場合は、少しでも地金を無駄にしない様に初めから最小限の材料で作ることを心がける必要がありますが、ギリギリの寸法で作ると失敗した際にツブシが効かないので余裕を持って作ることをおすすめします。(真鍮ですし・・・)

    こういう作り方は本業の職人さんから見れば最もやっちゃいけないやり方だと思います。貴金属はスリ粉(ヤスリで削った粉)にすると回収率が下がり、地金をその分ロストしてしまいます。すこしの貴金属ロストで利益は簡単に吹き飛んでしまいます。

    また、削る時間ももったいないですからね。

    なるべく削らず、最も効率的な方法で作らなければいけないというのが職人で、趣味で作るのとはそういうところが違ってくると思います。

    ガーネットを石留する

    裏から見たところです。美味しそうです。

    光穴を磨く場合はこの際にやっておくといいと思います。

    綿棒をリューターに取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

    石枠の完成

    枠を削って高さや厚みを整えます。

    枠が厚すぎると留めで苦労しますので、先に向かって徐々に厚みを減らしました。

    先に高さを整えて、それから厚みを調整すると工程に無駄がありません。

    リングの腕を作る

    天然石の指輪を自作する

    続いて腕部分を作ります。

    直径2mm線材をカットして、バーナーで熱して焼き鈍しをします。

    両端をハンマーで潰して、もう一度焼き生して、ロウ付けしてリングを作ります。

    リングを作る工程はいつも通りにやり方ですが、ロウ材は融点の低いものでも大丈夫です。

    リングを自作する 独学で彫金

    写真のような感じになりました。

    サイズが小さいときは、芯金棒に入れた状態で金鎚で潰した部分をさらに金鎚で叩くとサイズを広げることができます。

    石枠分を切って、合わせていきます。

    ルースを使ってリングを自作する 自宅で出来る彫金

    画像のように石枠の幅に合わせてカットします。

    やや小さめに切って、少しずつヤスリで合わせていくと失敗が少ないです。

    削って合わせる 石座の自作

    合わせ目はちょっとだけ段差を作っておいて、ロウ材ののりしろを作っておきました。

    石座を作ってリングを手作り

    ブロックを活用したり、第三の手などの道具を使って水平垂直になるようにロウ付けします。

    これでロウ付けは最後なので、この時のロウ材は7分ロウなど、低めの融点のものがいいと思います。

    石座の付いた指輪の作り方

    石枠が歪まないようにサイズを整えます。

    1番強度がないところから歪んでいくため、腕の材料が太いと、石枠が1番曲がりやすい箇所となっています。

    歪んでしまうと直すのは難しいので、様子を見ながらやりました。

    ガーネットのフクリン留め

    石留のやり方 カボションカットのフクリン留め

    ある程度磨いてヤスリの傷は取っておきました。

    ペーパーを軸に巻いたものをリューターにつけて磨きました。

    固定具にセットする

    彫刻台を使って石留

    彫金では彫刻台という道具を使いますが、これが結構高価で安いものでも2万円前後します。

    画像の上はミニ彫刻台と100均のプラスチック製万力です。あまり使い物にはなりませんが、今回は頑張って100均の万力で出来るか試してみようと思います。

    ハッキリ言ってやりづらかったので、フクリン留めのために彫刻台を買うつもりのない方は、卓上ボール盤用の万力がおすすめです。(2,000円前後で購入できます)

    万力
    安価でしっかりしているボール盤用万力

    これなら安定性もあって作業に十分な重さもあり、しっかりとタガネの力を石枠に伝えることができます。

    フクリン留め以外にも石留め全般で役立ちそうです。

    タガネを作る

    伏せこみタガネ

    市販でも売っているのですが、今回は100均のヤスリで作ってみます。

    画像のようにオタフク鎚という金鎚でタガネを叩くやり方と、ヘラのようにしたタガネでグリグリして留めるやり方と二種類ありますが、オタフク鎚で叩くとなると彫刻台がないとしっかりと固定できず、タガネの力が地金へ伝わらないので少々キツイです。

    今回はグリグリするやり方でやってみます。

    オタフク鎚と伏せ込みタガネでやる方が、厚い地金を精密に寄せることができるので、ジュエリー製作ではこちらがメインです。

    またの機会にやってみようと思っております。

    グリグリする場合はなるべく薄いフクリン枠(フクリン部の地金厚みが真鍮:0.4㎜以下、シルバー:0.6㎜以下)がおすすめです。

    真鍮は硬めですが、シルバーならもう少し楽に留まるのではないかなと思います。(…今回、かなり頑張らないと留まりませんでした。

    100均の鉄工ヤスリを根元で折る

    伏せこみタガネの代用

    100均の鉄工ヤスリとダイヤモンドヤスリ、ペンチを用意します。

    鉄工ヤスリをヤットコなどを使って根本から折ります。

    ペンチなどを2本使ってやると安全です。折るときは怪我にお気をつけください。

    100均のヤスリを加工して石留

    ダイヤモンドヤスリで若干曲面にしながら折った面を整えます。

    100均のヤスリを代用 彫金

    ダイヤモンドヤスリの角を使って、溝を作ります。

    伏せこみタガネで石留

    木片に穴を開けて柄を付けました。

    後述する熱湯につけると軟らかくなる固定材や、100均にも売っている熱湯で軟らかくなる樹脂などでも柄を作ることが出来ます。

    カボションカットのクフリン留の手順

    奥の手 彫金

    今回はこの100均の黄色いおもちゃで固定したんですが、先に言っておきますがこれは何の役にも立ちませんでした。

    最終的にパワープレイで無理やりねじ伏せた結果となりましたので、1500円くらいの万力でいいので重さがある程度ある金属製のものを強くお勧めします。

    また、直で挟んでいますが、本来は熱湯につけると軟らかくなる固定材をつけます。

    石留の道具
    しっかりと固定するための樹脂。色々な種類があります。

    固定材につけてから万力に挟むと傷が付きません。

    外すときは再度お湯につけて軟らかくして取ります。

    こびりついた場合は、アセトン(除光液に含まれている成分です。)に漬けておくと溶けてきれいに取り除けます。

    覆輪留をする

    枠の上部分をヤスリで削って薄くして、曲げやすくしておきます。

    枠の縁を作ったタガネの溝に当ててぐりぐりと内側に折りこんでいくと、徐々に石に沿って枠が曲がっていきます。

    ピッタリのフクリン枠ならすぐに留まりますが…隙間が大きいと皺が寄ってしまってきれいに留まりません。

    故に石枠がルースとぴったりになるように、石枠作りは完成を焦らず時間をかけると良いと思います。

    石が動かなくなっても、無理してぐりぐりやっていると石が割れてしまいます。あともうちょっとだけぐりぐりしたいな…という気持ちがキケンです。(そういう時は大体割れる)動かなくなったら”石を留める”よりも”枠の形を整える”作業に移行しましょう。

    ヤスリで整える

    曲がりづらかったら、枠を削って薄くします。あまり薄くしすぎると縁がガジガジになってきてしまいますので、縁はある程度厚みを残しておくと良いと思います。

    伏せこみ技法 石留

    そうこうしているうちに留まりました。一周ぐるっと隙間がなくなりました。この後にヘラでルースと枠の間を擦ったり、鏨で照り返しを切るケース(ピカピカに研いだ刃物でルースとの境目をぐるっと切ると、ルースと石枠の境目がきれいになります)もありますが、ルースを傷つけないように気を遣う必要があり上級者向けなので、今回はこのまま仕上げます。

    あー…あの黄色いクランプはもう二度と使いたくありません。。。

    仕上げて完成 独学 自宅で彫金

    仕上げは牛乳パックを円コンパスで切り抜いたものをマンドレールに取り付けたものに研磨剤をつけて磨きました。(リューターを使っています。)

    腕と枠の境目は結び目のようなトリムを付けました。

    腕は粗いペーパーでヘアラインを入れました。

    ガーネットのカボションカットのフクリン留めリング まとめ

    真鍮を使って家でリングを自作

    今回はカボションカットを留めてみました。

    いい道具を使えばきれいに素早く留まりますが、最安値の道具でも若干の無理矢理感はありましたが何とか留めることが出来ました。

    もう少し道具に投資することをお勧めしますが、趣味としての敷居の低さを感じていただけたら嬉しいなと思います。

  • 【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リングの作り方

    【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リングの作り方

    弓矢の矢は、ジュエリーやアクセサリーのモチーフとして人気です。

    アクセサリーの表現方法として、“コンビネーション”という技法があります。(技法というほど仰々しくはないのですが…)

    これは異種の金属を組み合わせて色分けをして、ディティールに深みを出す方法です。

    ジュエリーだとプラチナとK18YGの組み合わせをよく見かけますね。

    今回は弓矢の矢尻と羽をSV950、本体を真鍮で作ります。

    シルバーと真鍮の矢形リング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    材料

    SV950:0.8mm厚の端材(羽用)、1.0mm厚の端材(矢尻用)

    真鍮:1.0mmφ線材

    SV950(シルバー)の板厚は羽側が薄い方がバランスが良さそうです。色々な厚さの板を揃えるのは大変なので、1.0mm板材を焼き鈍し後に、軽く金槌で叩いて薄く伸ばすと良いと思います。

    道具

    基本の道具があれば作れますが、精密ヤスリがあった方が良いでしょう。(刀刃、鎬など)

    道具の購入先やお買い物リストはこちらで紹介しています。

    シルバーと真鍮の矢印リング 制作手順

    シルバーの端材を矢尻や羽の形に切る

    まず、シルバー材を矢印型、羽型に切り抜きます。

    羽は左右切り離した別体式にしました。羽の切れ込みはロウ付け後に行います。

    細かな作業なので手で持つのが難しいですが、爪で挟んで加工しました。

    ある程度ニッパーなどで形を作ってから、精密ヤスリなどで整えると早いです。

    真鍮線の加工

    真鍮線は、作りたいサイズに必要な長さ−羽と矢尻までの隙間の距離(5mm〜7mmくらいが良いと思います)でカットします。

    真鍮線の一部を平らに削ります。

    矢尻パーツをロウ付けする際の“のり代”として機能します。(真鍮線が矢尻に埋め込まれて見えるので、収まりが良くなる効果もあります。)

    平面に削れたら、先を尖らせます。

    この際に、シルバーの矢尻パーツとの噛み合わせを都度チェックしながら微調整します。

    ロウ付け・酸洗い

    ロウ付けは噛み合わせが肝である矢尻側から行った方が無難です。

    銀ロウは一種類(3分)だけで足りますが、自信がない方は5分や7分の溶けやすいものが良いと思います。

    ロウの量が多すぎるとディテールが潰れますので、1mm角無いくらいの大きさで十分だと思います。

    羽側は真鍮線に沿えてロウを流します。

    矢尻側がロウ付け出来ました。

    ロウが真鍮線に乗ってしまった場合は、耐水ペーパーなどで取り除きます。

    芯金棒で丸めて、糸鋸で模様を入れる

    芯金棒で任意のサイズに丸めます。

    この際、あまり強い力で叩きすぎると矢尻や羽周辺が変形してしまうことがあります。優しく叩くようにしてみてください。

    最後に羽の切れ込みを糸鋸で入れます。

    #0の刃で2本の切れ込みを入れました。切れ込みを入れる前に極細の油性ペンなどで、ベストな位置に印をつけておくと失敗がないです。

    【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リング 完成

    これで完成です!

    あまりピカピカにせず、アンティークな感じ(?)の仕上がりになりました。

    (…ピカピカにするのが面倒だった…訳ではございません)

    研磨する場合は、牛乳パックを円形に切ったものをマンドレールという軸に取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

  • 王冠の形のリング

    王冠の形のリング

    あまり実用には向きませんが、人形のアクセサリーや小物としても活用できる王冠のリングを作ってみます。

    ロウ付けが難関で、シンプルなリングよりも難しいですが、ポイントを押さえれば大丈夫です!

    こちらは基礎的な手順を一部端折っていますので、彫金が初めての方は以下のページをご参照ください。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2

    王冠リング 材料と道具

    使用する材料

    この作品に使う材料一覧

    1. 0.8mm真鍮板材
    2. 1.0mmφ 真鍮線材
    3. ロウ材

    材料には、0.8mm厚 真鍮板と1.0㎜φ真鍮線を使用しています。

    真鍮線は王冠の山のてっぺんの球の部分に使っています。

    真鍮板はあまり厚みがあると加工に苦労しますので、0.8mm~1.0mm厚あたりをおすすめします。

    使用する道具

    精密ヤスリと甲丸の中目ヤスリは必須です。下のリンクで紹介している中に含まれています。

    ロウ付け道具はひと通り必要です。

    ロウの種類も3分・5分・7分全てあると良いと思います。

    王冠リング 作り方手順

    板材をギザギザに糸鋸で切る

    まず、板材をギザギザに切ります。

    少しカーブをつけた方が洗練された印象になります。

    切れ目はギザギザが谷になる部分に持っていきます。

    作りたいリングサイズに合わせてギザギザの数を調整します。

    山と谷の高さがそれぞれで均一になるように、ガイドのケガキ線を入れておくと良いです。

    焼き鈍しをする

    焼き鈍しをします。シルバーの薄板を切る前に焼き鈍すと、ぐにゃぐにゃになってしまって切るのに苦戦します。

    真鍮でしたら硬いので焼き鈍し後でも問題ありません。

    芯金棒で丸める

    切れ目の谷の合わせ具合は、しっかりと計算して作業前に丁寧に下書きをしておけば合うはずですが、今回は大雑把にやってしまいました。

    少しくらいでしたら削って後から合わせられますので、…と手抜きを正当化してみましたが、こういう部分をしっかりやると完成度の高い作品が出来上がります。

    5分で済むちょっとの手間が重要ですね!その5分が面倒なのですが…

    ロウ付け

    ここの部分は一番融点の高いロウを使います。(3分ロウ)

    後々に球をロウ付けする際に外れてしまわないようにするためです。

    済んだら酸洗いをします。

    芯金棒にさして木槌などで丸める

    芯金棒で叩くときは、あまり力を入れすぎないようにしましょう。

    山の形が変形してしまうことがあります。

    甲丸ヤスリ(中目)で山を整える

    山を放物線状に見えるように削っていきます。

    甲丸ヤスリの丸い部分をうまく使って、すべての山が同じ曲線になるように調整します。

    底面を平らにする

    耐水ペーパー#400を平らな机などに敷いて、8の字を描くようにリングを動かして底を平らにします。

    凹凸が激しい場合は、平らなヤスリである程度整えてからペーパー掛けを行います。

    球パーツのロウ付け準備

    フラックスを山のてっぺんあたりに少し塗り、バーナーで炙ってフラックスの水分を蒸発させます。

    その後、山のてっぺんに1mm角ないくらいの5分ロウを置いて、バーナーでロウを溶かして酸洗いします。

    丸線リング(後の球パーツ)をロウ付けする

    1.0mmφ線をリングにしたものを敷いて、逆さまにした王冠を載せます。

    結構難しいですが、そーっとやれば大丈夫です。どうしても難しい場合は、山の先端を少し平らに削って、接地面を増やすと良いと思います。

    フラックスを塗ってそのまま5分ロウが溶けるまで炙ります。

    一回ですべての山をロウ付けしようとすると結構難しいので、何回かに分けてロウ付けすると良いと思います。

    溶けにくいところは無理して火を当てず、小さく切った7分ロウを丸線リングパーツとの接点のそばに置いてロウ付けしましょう。

    無理をして火を当てすぎると、すべてバラバラになってしまいます。(絶望します)

    王冠本体とくっつきました。

    それぞれの接点を見てみて、あまりにもロウが少なかったり、亀裂が入っている場合は再度7分ロウで補修しておきます。

    球パーツの成形

    球パーツを作ってきます。ニッパーで余計な部分をカットして、精密ヤスリで丸めていきます。

    あまり切りすぎると完全な丸になりませんので、調整する”削り代”を作っておきます。

    納得のいくまで時間をかけて丸くします。

    最終調整と仕上げ

    王冠の山を若干外側に広げました。(次の画像参照)

    表面はペーパーで終わらせましたが、ピカピカにした方が王冠ぽくて良いかもしれません。

    ローレットやミル打ちを併用すると、よりゴージャスになると思います。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2-ring003
    ミル打ちやローレットはこちらで紹介しています。

    王冠リング 完成

    少しロウ付けの難易度が高めでしたが、いかがでしたでしょうか。

    ロウ付けは下準備に成功のカギがあります。上手くいかないなと思ったら、作業を中断して、一回酸洗いを行い地金の表面をきれいにしてから作業再開すると良いと思います。

    ご参考いただけたら嬉しいです!

  • 自作タガネでスタンプの模様をつけたリング

    自作タガネでスタンプの模様をつけたリング

    今回は2種類の自作のタガネを使って、アジアンテイストのリングを作ってみます。

    簡単なタガネですが、汎用性が高く、文字をこれで入れたり模様をつけたりと作品にアレンジを加えることができます。

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作る基本的な道具にプラスして、金床とタガネ、ハンマーが必要です。

    ハンマーは何でも良いのですが、取り回しの良い重すぎないものがおすすめです。オタフク鎚という日本の伝統的な彫金専用の金槌があれば良いですが、なければ小ぶりな木工用のげんのうで代用可能です。

    今回は普通に大振りのザ・トンカチでやってみます。木工用のげんのうで、学校の図画工作で使われているタイプのものです。

    また、板を反らせるために溝台という鉄製の道具があると良いのですが、今回はおもちゃの積み木を代用します。

    使用する材料

    真鍮の直径2mmの線材と、1.5mm板を使っています。

    タガネで模様をつけるときに板を凹ませますので、ある程度厚さがあった方が良いかと思います。

    自作タガネで模様をつけたリング 作り方手順

    マジックで下書き

    任意の形に切り抜いた真鍮板に、油性ペンなどで模様を書きます。

    自作タガネを使ってスタンプワーク
    左がナメクリタガネ 右がセンターポンチ

    タガネで模様をつける

    今回使うタガネは、ナメクリタガネとセンターポンチです。いずれも自作で、バーナーと(ガスコンロでも作ったことがあります。)ヤスリがあれば作ることができます。

    ナメクリタガネの本来の用途は伝統工芸の“打ち出し”という、金属の一枚の板を無数のタガネを使い分けながら巧みに金属を寄せて造形する技法に使うものですが、今回は単に模様をつけるために使います。

    センターポンチはドリルで穴を開けるときにもガイドの印として必須ですので、もの作りをする上では欠かせない道具です。

    ホームセンターなどでも数百円で販売されています。(ただし、少し彫金で使うにはゴツイのが多いので、ご自身用にカスタムメイドされることをお勧めします。)

    金床でセンターポンチで模様をつける

    ハンマーとセンターポンチを使って、打刻していきます。やっぱり重すぎるハンマーだと力の調整が難しいです(笑)

    金床は彫金道具屋で購入しましたが、ホームセンターでもアンビルという名前で販売されています。金床は何でも良いのですが、彫金ではそんなに大きいものは作りませんので15cmくらいのサイズ感のものを持っておけば大丈夫でしょう。

    タガネで模様をつけた自作リング

    ナメクリタガネは打ちながら横にスライドさせていく様に動かすと繋がった線になります。

    引っ掛かりを感じる際はタガネの横を丸めると動きがスムーズになります。

    積み木で丸める 彫金 道具

    板にカーブをつける

    平面よりも少し曲面になっていた方が着用時に収まりが良いので、カーブをつけます。

    こういうシーンでは溝台という専用の道具を使いますが、結構良いお値段で、芯金棒でも頑張れば代用できる様な道具なので溝台は買わなくていいと思います。

    難しいものを作っていく過程で、同じ形状のパーツを何個も作らなくてはいけないシチュエーションや、正確なカーブを作る必要が出てきた時に最もスマートにパーツを作れるのが溝台な気がします。

    溝台と同じ様な形をしている身近なものと言えば積み木のアーチがあります。

    密度の高い木材で出来ていてかなり彫金向けですので、これは買っておいて損はないと思います!

    (平たい積み木は歪んだ金属を傷つけずに矯正するのにも役立ちますし、万力の緩衝材にも使えます。しかも安い!)

    リングとパーツをロウ付けする

    ロウ付けをする

    2mm線材で指輪を作り、パーツをロウ付けします。3分ロウしか使っておりませんが、ロウ付けに自信のない場合はリング部分3分ロウ・プレート部分7分ロウで使い分けると良いと思います。

    一部を削ってロウ付けする 家で彫金

    プレートのrに合わせて指輪側を削ります。隙間が大きいと綺麗にロウが流れませんので、時間をかけても隙間があまり目立たない様に削ってください。

    ロウ目側がプレートに隠れる様にすると、余計な継ぎ目が隠れて良いかと思います。

    ロウ付けする 自宅で彫金

    自立しましたが、リングが倒れてしまう場合は“からげ線”などのサポートツールを使って固定すると良いと思います。

    逆ピンセットで上手く動かない様に配置しても良いかもしれません。

    ハニカムブロックを落として粉々にしてしまいました…。

    ロウ付けが綺麗に流れたら酸洗をします。

    完成したリング 家で彫金

    仕上げる

    仕上げはお好みで磨いたり、マットにしたりします。

    3M社製スポンジヤスリの#FINE(赤色)で円を描く様に擦ると、マットで不規則的な表面に仕上がりました。

    自作タガネで模様をつけたリング まとめ

    これは比較的簡単に出来て、かつお好きな模様をつけられるという点で、初めての方でも満足度の高いものが作れるのではないでしょうか。

    ぜひ作ってみて頂けたら嬉しいです。

    最後までご覧下さりありがとうございました。

  • ラウンドカットの一粒ダイヤのリングを作る手順

    ラウンドカットの一粒ダイヤのリングを作る手順

    今回は、真鍮とCZラウンドカット1ctを使って、ザ・指輪といったような典型的なフォルムのリングを作ってみます。

    大きいダイヤ!金をしこたま使った枠!明日朝起きたら本物になってたらいいのになと思います。

    もちろん、本物の素材を使っても作り方は同じです。

    材料費に糸目はつけないタイプの方は本物でぜひやってみてください!

    ラウンドカットの一粒ダイヤのリング 完成イメージ

    ラウンドカットの石留のやり方
    ラウンドブリリアントカットの石留
    ラウンドカットのリングを作る
    ラウンドカットのルースを石留
    エンゲージリングを自作

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作るための基本的な道具に加えて、石留の道具が必要です。

    カスタムした精密ヤスリ、石留ヤットコなどがあると良いです。余裕があれば、彫刻台があると良いです。

    石留ヤットコは自作も出来ますが、買った方がはるかにお手軽です。

    石留の道具の買い物リストを作りました。あると便利なものや、100均で売っているものなども紹介しています。

    使用する材料

    今回は大奮発!(全部真鍮)

    3πの真鍮棒と1.5mm板材、1.2mmの線材を使っています。

    石はCZラウンドカットです。

    ラウンドカットの一粒ダイヤのリング 作り方手順

    石の輪っかを作る

    石座を作る

    1.2mm線材で石の直径が外径と同じになるサイズで輪っかを作ります。

    芯金棒では細すぎて作れないので、身の回りのもので代用しました。(今回は家にあったマイナスドライバーの芯が丁度良かったので使いました。)

    細い芯金棒も売ってますので私も買っておこうと思います。

    ちなみに四角とか三角とか楕円とかの断面の芯金棒もあるそうです。石枠を作るときに使うらしいですが仕事でも使ったことはありません。

    (気になっているけどチョット高い…)四角はまだいいのですが、オーバルだと石のカットによって膨らみ具合にも個体差があるので、あんまり役に立たないんじゃないのかなとは思ったりします。同じ形をたくさん作るときは活躍しそうです。

    爪を作る

    ダイヤの爪を作る

    次に爪を作っていきます。1.2mmの線材をラウンドカットのキューレットの形に合わせて”くの字”に曲げます。

    石の大きさを測る

    あとで、先ほどの石座の輪っかにはめ込みますので、石座輪っかの外径と同じくらいの位置に印をつけます。上画像はなぜか石と一緒に撮ってしまっていますがこの時は何を考えていたのか…石座輪っかを見ながら合わせた方がやりやすいと思います。

    丸ペンチを使って曲げる

    印のところで上画像のように折り曲げます。

    爪を組み立てる

    石座輪っかに十字の位置に精密ヤスリなどで溝を作り、先ほどの爪パーツを差し込んでいきます。爪パーツの折り曲げ位置も少し削るといい感じにピタッといけました。

    石座を作る

    はまりました。このまま動かさずにロウ付けします。石座輪っかが垂直になっているか確認してください。(横から見て曲がってロウ付けしてしまうと失敗作です。泣)

    石座をロウ付けする

    ロウの大きさは小さめで1mm角より一回り小さいくらいで十分だと思います。石座輪っかと爪の境目にロウを置いて、余計なところに流れないように気を付けました。

    石座に爪をつける

    ロウが流れて酸洗いをしたら、上画像のように爪の底を切り離します。もう一本の爪部品をはめ込んでいきます。

    石座の爪を組み立てる

    切れ込みを1.2mm幅に削って広げて、もう一本の爪をはめ込んでいきます。

    組み立てるときに少し合わせ目を削る

    精密ヤスリで爪の方も嵌め込むところを削っておきました。

    石枠の合わせをぴったりにする

    こんな感じではまりました。はめ込むのが上手くいくと楽しいです。

    石枠をロウ付けする

    ロウ付けします。ここまでロウ材は3分ロウを使っています。

    石枠を削る

    爪の下の方が太くて素材感が強すぎるので、先細りにしてカッコいい感じにしてみます。

    精密ヤスリを使います。(指にヤスリが刺さりやすい作業なのでお怪我に気を付けてください。)

    石枠を自作する

    このくらいでいいでしょう。こちらはほっといてリングの腕の部分をこさえていきましょう!

    リングの腕を作る

    リングを作る

    3mm真鍮棒を焼き鈍して、しずく型にします。芯金棒に添えて曲げますが、作りたいサイズのマイナス#2の大きさで作ります。

    彫金で自作リング

    逆にグイっと曲げます。丸ペンチを使いました。(100均で2本購入)

    自宅で作れる自作リング

    グイッと反り返し部分を切って、上図の様な形にします。

    開いた口の部分が石枠と合う様に調整しておきます。

    ここから削り込んでいきます。内径はサイズが変わってしまうのであまり削らないで、外側を削って調整して見てください。

    指輪作り・ヤスリで整える

    側面は耐水ペーパーで削ります特に決まりはありませんので、お好きな形状に加工してみてください。

    ただ、石枠を設置する部分が変わってしまうと後で組み立てられなくなりますのでご注意ください。

    パーツをつくる

    リングにつけるパーツを作る

    真鍮の板1.7mmを帯状に切って、腕の足りない部分に合う大きさでカットします。四つ端をニッパーなどで切り落として、サーフボード形にしていきます。

    ヤスリを使って真鍮を削る

    芯金棒でサイズに合わせて曲げたら、ヤスリで綺麗にしていきます。

    真鍮のパーツを作る

    アウトラインが良くなったら、今度は横から見た時のシルエットを整えます。

    パーツを丁寧にヤスリ掛けする

    先細りになる様に上図の様に削っていって尖らせます。

    この時、リングの内径側の部分にヤスリは当てず、外側部分だけを削る様にしましょう。(内径を削るとリングがカタカタしてしまいます。)

    自作リングを自宅で作る

    こんな感じで終わりにしました。なんていうか切った爪みたいですね。

    指輪を組み立てる

    腕側のパーツは全て揃いました!いよいよ組み立てです!

    ….とその前にロウ付け後に磨けない部分は今のうちに研磨しておきます。

    最初に磨いておく

    腕の先端やサーフボードみたいなパーツの表面・側面は後で磨きが入らないのでこの時点で磨いておかないとロウ付け後は仕上げ不可能になってしまいます。

    後で磨くと余計な部分に道具が当たってしまい形が崩れてしまいます。

    全てのパーツが出揃ったところでいよいよロウ付けをしていきます。

    自宅でロウ付け

    最初は3分ロウを使ってサーフボードみたいなパーツと腕をロウ付けします。動かない様に気をつけて、しっかり真っ直ぐに固定します。

    棒材で動かないように固定しました。

    指輪をロウ付け

    2箇所ロウ付けをしました。ロウの大きさは1mm角くらいで大丈夫です。大きすぎるとロウでディティールが埋まってしまいますので注意します。

    指輪を磨く

    ここでロウ目を一回磨いておきました。

    真鍮を磨く

    ついでに他のところも一周磨きました。あとは石座をつけるだけです。

    ロウ付け前に石枠も磨いておく

    紐で研磨する

    石座を磨くときは手芸店などで売っている紐に研磨剤をつけて磨きます。

    思っている以上に早く削れていくので、形を崩さない様に注意します。

    研磨剤をつけて紐で研磨

    紐は平たいタイプのものが使いやすいです。何種類かの形状の紐を用意しておいて使い分けています。

    ユザワヤで売っている平たい紐が最高に使いやすいです。

    ピカピカにしてからロウ付け

    研磨剤を綺麗に落とします。超音波洗浄機があると便利ですが、ない場合はお湯につけながら洗剤と歯ブラシで洗ってください。

    研磨剤は油分ですので、冷水での洗浄は効率が悪いためです。

    石座を軽く削る

    石座の接地面をサーフボードみたいなパーツの高さに合わせます。

    ロウ付けの前に磨く

    高さが合わない場合は、腕の接地面の方も削りつつ調整します。

    ロウ付けの前にぴったりさせる

    ヨシ!それではロウ付けしていきます!

    研磨剤や油分がついている場合はよく洗浄しておきます。

    石座のロウ付け

    石枠をロウ付けする

    なんとか石座が自立しましたので、7分ロウでロウ付けします。

    ただし、フラックスが沸騰した際のブクブクの威力でセッティングが崩れてしまう可能性もありますので、ご注意ください。

    ある程度炙りながら水分を飛ばすと良いと思います。

    火が強すぎると全てバラバラになりかねませんので、紫がかった柔らかい火で炙るように行います。

    ロウは石座の中から入れて、サーフボードみたいなパーツに広がらない様に注意します。(サーフボードみたいなパーツにはロウは載せずに、石枠の爪の線材が集中している部分にロウを載せて炙っていくと綺麗に流れます。)

    ロウ付け完成

    火の当て方に注意しながら行えば、どなたでもロウ付け可能だと思います。

    最後のロウ付けが完了しました。

    ディクセルなどで酸洗いを行います。

    仕上げの研磨をする

    フェルトで磨く

    リューターで研磨する際は、フェルトなどのホイールの天面を使うと平な面を比較的ボコボコにならずに磨けます。

    フェルトで指輪を磨く

    ディスクグラインダーの様な要領です。1箇所にとどめずに素早くスライドさせて磨くと上手く出来ます。

    ブラシで指輪を磨く

    ブラシなどに研磨剤をつけて、艶出しします。ブラシは当てすぎると形が崩れますので、瞬間的に当てる感じです。濡れた手をシュバっと水切りする感じでしょうか(語彙力)

    ここまでは荒目の研磨剤を使っています。

    中仕上げ

    荒仕上げの研磨剤の跡が全体についたら、一回洗浄して中仕上げの研磨剤を使います。

    緑色のマメバフや、柔らかいブラシなどで磨いていきます。

    結構ピカピカになってきたかと思います。趣味なので、別にお好みのところでお終いにしてしまって大丈夫だと思います。

    売り物でないとモチベーションが上がらず磨く気力が出ませんが、真鍮は割とすぐに光沢が出るので助かります。

    真鍮の磨き心地はK18に似てる気がします。

    最終仕上げ

    最終仕上げはピンクや青の豆バフなどで仕上げます。

    研磨剤も青やピンクなどのものは大体最終仕上げ用です。

    研磨剤を変えるときは必ず洗浄して、研磨道具に番手の違う研磨剤が付着しないようにします。収納時もケースを分けるなどします。

    研磨が完了した後は、お湯と洗剤でよく洗浄して研磨剤を落とします。

    洗浄してみるとわかりますが、超音波洗浄機は本格的な研磨には必須の道具です。

    細かなところも直ぐに洗浄できる上、仕上げた品物に余計な擦り傷が付く事もありません。

    マトモに使える洗浄機はいいお値段しますが、ネットオークションなどで中古を探すのも手です。

    ヒーター機能が付いていると便利です。

    まとめ

    今回はラウンドカットのリングを作ってみました。作ったパーツの組み立てが楽しいです。

    石座とリングの腕を別で作って、後で組み立てるというのが基本的なやり方ですが、これにプラスして、腕にメレを入れたり、装飾を施したりなどカスタムしていく事もできそうです。

    最後までご覧くださり、ありがとうございました。

  • 【金属板で折り紙】板から作るリボンのモチーフリング

    【金属板で折り紙】板から作るリボンのモチーフリング

    金属といえば手芸材料の中でも”硬い”部類に入ると思います。加工が大変なのでなかなか扱いが難しいですが、特性が分かれば思い描く形に変えることが出来ます。

    今回は、曲げたいところをピンポイントで曲げて、折り紙みたいに加工する方法をリボンのリングを作りながら解説していこうと思います。

    マルカンをロウ付けすればピアスなどにも使えますね。オリジナルのアイテムを作りたい方にお勧めです!

    指輪作りが初めての方は、下の記事をご覧ください。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1/

    板から作るリボンのモチーフリング 完成イメージ

    使用する道具・材料

    道具

    指輪を作る彫金道具一式

    指輪を作る基本的な工具一式と、精密ヤスリがあると良いです。今回は精密ヤスリの四角型と刀刃を使いました。

    材料

    板は0.8mm以上で厚すぎないものが良いでしょう。(今回は1mmを使っています。)薄すぎると角が刃物状になって痛かったり、壊れやすいので注意です。

    厚いものでも作れますが、リボンのサイズが大きくなります。

    今回のリボンは全長8mmほどです。

    板が薄い方が曲げやすいですが、リボンのシワや動きまで表現したい場合は厚めの方が削りしろがあって安心です。

    真鍮の場合は1mm~1.5mmくらいがおすすめです。

    リボンのモチーフリング 作り方の手順

    真鍮板を大の字の形に切り出す

    先ず大の字型に板を糸鋸で切り出します。大の字の払いの部分がリボンの切れ目となりますので、なんとなくイメージをしながら設計してください。

    大の字の横棒をバンザイさせるとリボンのフォルムが変わってきます。(ここはお好みです。)

    大の字の横棒の部分は折り返して輪にしますので長めに切り出しておいて余分をあとでカットした方が失敗がありません。マジックで真鍮板に書いて、それに合わせてくり抜きます。

    曲げたり削ったりしてリボンを作る

    当たり前のことですが、金属は一番薄い箇所や、結晶の密度が低い部分から曲がったり千切れていきます。

    リボンの輪の部分の折れ目の頂点の部分を丸い面のあるヤスリで図のように凹ませます。

    次に、先ほどの凹ませた窪みよりも浅く平らなヤスリで削ります。

    これで曲がりやすさが、窪み>浅めの平ら面>根元 になりました。

    ヤットコやラジオペンチなどで曲げる

    はさむ面がツルツルしている(滑り止めのギザギザが無い)ヤットコやラジオペンチなどで曲げていきます。ギザギザがあると余計な傷が入ってしまいがちです。

    先ず浅く削った面を挟んで、窪みの部分を緩やかに曲げていきます。あまり直角すぎるとカクカクした不自然なリボンとなってしまいますので、緩く曲げることを意識してみてください。

    こんな感じになって…

    折りたためました。輪がつぶれた場合は、目打ちやヘラなどの尖っているもので広げて直します。(ヤスリでこれをやるとヤスリが折れますのでやらない様にしてください。)

    反対側も同じように曲げます。中央の重なってしまう部分はナナメに切って上図のようにします。

    サインペンなどでカットする部分にしるしをつけてから折りたたんだのを少し開いて、ニッパーで切りました。

    上から結び目を表現するためのパーツがかぶさるので、切断面がぴったり合っていなくても大丈夫です。

    結び目を折り返してくるときに、削らないと厚みがありすぎてキレイに折れないので、ヤスリで折り目付近を削ります。

    流れに沿って徐々に薄くなるように削ると自然です。

    結び目を折ります。根元から折れるように、根元付近を外側から少し削りました。(上図のヤスリ目が付いている箇所です。)これで簡単に曲がるようになりました。

    折り返して…

    リボンになってきました。

    結び目の余分も折れやすいように薄く削って折ります。(大の字の払いの部分の股あたりから削ります。)

    次にニッパーを上図の向きで持ってパチンとカットします。

    バリなどをヤスリで削ったところです。ニッパーの切れ目が丁度良い収まりなのが見えます。

    結び目をギュッとヤットコなどで潰したり、精密ヤスリなどを使って形を整えます。

    最後にリボンの切れ目の部分です。

    根元から少し上側に曲げます。

    切れ目の中腹部分をヤットコなどでつかんで、反らせます。

    これで正面から見ると膨らんでいるように見えます。

    リボンのパーツはこれで完成です。焼き鈍しは行っていませんが、曲げずらかった場合は、切り出した後に焼き鈍した方が曲げやすくなります。

    リングの腕をロウ付けする

    丸くした線材のロウ目を平らに削ってリボンを設置しやすくします。ロウ付けが苦手な方は、ロウ目と反対側を平らにしてそこにリボンをつけるようにするとバラバラになりません。

    ロウ目をなるべく表に出さないように心がけると、クオリティが上がります。

    逆ピンセットでリングを挟んで、ピンセットでリボンパーツを掴んで、反対の手でバーナーを持ってロウ付けしました。

    少々難しいですが、自身のある方はバーナーを置いて空中でロウ付けしてみてください。(ピ小太郎みたいな感じでくっつけるイメージです。ただし、カメラ目線だと火事になりますので、決して火から目を離さないようにしてください。)

    第三の手という道具や、カラゲ線などのサポートアイテムもありますので、上手くいかない場合は使ってみるといいと思います。

    仕上げをする

    今回はほぼ仕上げずに自然な感じで終わらせました。(手抜き…ではありません)

    板から作るリボンのモチーフリング まとめ

    今回は金属を狙ったポイントで折り曲げる工夫を取り入れました。この考え方は石座を作ったり、パーツを狙ったフォルムに調整するときに使える技です。

    箱モノも作れそうです。また機会があったら作ってみようと思います。

    最後までご覧いただきありがとうございました。