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  • 【銀/真鍮/鉄/ステンレス】銀ロウ付けの手順と失敗しないコツ

    【銀/真鍮/鉄/ステンレス】銀ロウ付けの手順と失敗しないコツ

    ロウ付けができれば、色々なものが作れるようになります。

    シルバーアクセサリーや真鍮の他にも、ステンレスや鉄までロウ付けができる汎用性の高い銀ロウですが、初めての方だと少し難しく感じるかもしれません。

    今回は、ロウの選び方やロウ付けの手順・コツなどを解説していきます。

    シルバーや真鍮の他にも、ロウ付けが難しい鉄やステンレスをキレイにロウ付けする方法もご紹介します。

    ロウ付けに必要な道具

    ロウ付けの道具
    バーナー
    耐火レンガ
    ハニカムブロック
    酸洗材(ピックリングコンパウンド)
    フラックス
    長いピンセット
    短いピンセット
    銀ロウ(3.5.7分)
    逆ピンセット(あると便利)

    水入れと爪楊枝も用意しておいてください。

    解説: 新富士 パワートーチ RZ-820SS
    このサイトで登場するタイプよりも空気量の調節がしやすく、価格も安いモデルです(ボンベ別売り)
    ガス缶も安くて入手しやすく、長く使える優れものです。3本入りがおすすめです。

    ロウ材についての説明

    汎用性が高く、難易度も低いロウ材です。ほとんどの金属をロウ付けできます。

    銀・銅・亜鉛が主成分で、1分イチブ3分サンブ5分ゴブ…など種類によって融点が異なり、数字が小さい方が溶けにくく(融点が高い)難易度が高くなります。

    この融点の温度差を使い分けて、複数個所ロウ付けをしてもバラバラにならないように作業できますので、ロウは数字の小さい順番から使っていくようにします。

    また、数字が小さいロウの方が銀の純度が高いので、色味もシルバーの色に近いです。(数字が大きくなるにつれて黄色味が強くなります。)

    また、さらに溶けやすい『早ロウ(はやろう)』というものもあり、名前の通り融点が低いので早く溶けます。溶けやすくするためにカドミウム(アレルギーになりやすい)などの金属が添加されているものが多い傾向にあります。

    ただし、近年はカドミウムフリーのロウ材も増えていますので、お買い求めになる際は「カドミウムフリー」の表記があるかどうか確認してみてください。

    買っておくべき銀ロウは3・5・7の3種類

    3分・5分・7分の3種類を持っておけば、ほとんど何でも作れるようになります。

    色々な種類があって迷いますが、これだけ買っておけばOKです。

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    ロウは細かく切って使う

    銀ロウを買ったらしておくべきこと

    板状のロウ材は細かく切って使います。ロウ材には3分ロウなら『3』、5分ロウなら『5』と刻印が打ってありますが、切って使っていくうちに刻印がなくなってしまい判別が難しくなります。

    どこで切っても何のロウか判別ができるように、油性ペンで異なる色に塗っておきましょう。

    3分ロウが黒、5分ロウは赤、7分ロウは青…といった感じです。こうしておくと小さく切っても判別が簡単になります。

    細かく切ったロウはピルケースに入れて保管します。プラスチック製よりも耐熱性のあるアルミ製などがおすすめです。(作業中に熱いピンセットで追加でロウを取ることがある為)

    ロウ付けの作業手順

    作品を酸で洗う・脱脂する
    フラックスを塗る
    バーナーで作品を加熱する
    ロウを作品に置いて溶けるまで加熱
    酸洗いをする

    1. 作品を酸で洗う・脱脂する

    酸洗いをしてロウ付けしたい作品(対象物)を綺麗な状態にしておきます。作品の表面がくすんでいたり、酸化皮膜(サビのようなものです)で覆われていたりするとロウ材が広がらずにダマになってしまいます。

    酸洗いをすることで作品の表面を綺麗にすることができます。ロウ付け前は表面がキレイかどうか入念にチェックしておきましょう。

    また、研磨剤や油分が付着しているとロウが綺麗に流れません。洗剤などでよく洗っておきます。

    参考: 酸洗いに必要なものとやり方・手順

    フラックスを塗る

    2. フラックスを塗る

    フラックスを塗ったところに溶けたろうは流れていきます。フラックスは加熱すると水飴状の膜になり、作品の表面が酸化して黒ずんでしまうのを防ぐ作用があります。

    ロウ付けをしたいところにたっぷりフラックスを塗っておきましょう。筆や爪楊枝などを使うと良いです。

    フラックスはペースト状になっていますが、水分が飛ぶと固まってきます。完全に乾燥してしまう前に水を補充しておきます。

    バーナーで作品を加熱する

    3. バーナーで作品を加熱する

    耐火レンガとハニカムブロックの上にフラックスを塗った作品を置いて、バーナーで加熱していきます。バーナーで温めていくと、フラックスが沸騰して白色から徐々に透明になってきます。

    銀ロウは炙るような火で行うと上手にできます。バーナーの火の先がちょっと跳ねるような柔らかめの火が理想です。

    ロウ付け箇所を集中的に炙るのではなく、全体的に炙っていくようにします。

    ロウを作品に置いて溶けるまで加熱

    4. ロウを作品に置いて溶けるまで加熱

    フラックスが透明になってきたらロウ材をロウ付けしたいところに置いて、さらに加熱します。

    しばらくするとバターが溶けるようにロウが広がっていきます。

    ロウがくっつけたいところに回ったら火を止めて水に入れて冷やします。

    酸洗いをする

    5. 酸洗いをする

    フラックスや酸化皮膜を除去するために、再度酸洗いをしておきます。以上でロウ付けは終了です。

    理想の火加減

    理想の火加減
    ベストな火加減
    強すぎる火
    火が強すぎる様子

    目玉焼きを作るときと同じように、ロウ付けも火加減が重要です。火が強すぎると、ロウ材がしわしわになって溶けてくれなくなってしまいます。(この状態をロウが『枯れる』といいます。)

    銀ロウをロウ付けするときのバーナーの火加減は、炎の先がちょろちょろと筆のように揺れるくらいが良いです。

    ステンレスや鉄をロウ付けする場合

    ステンレスや鉄は、シルバーや真鍮などよりも酸化しやすいです。火で炙るとフラックスが溶け出す前に黒ずんでしまい、ロウが流れなくなってしまいます。

    ステンレスや鉄をロウ付けするときは専用のフラックスを購入するか、ボンプロ液を使います。

    ボンプロ液は金をロウ付けする際に使う薬品ですが、鉄やステンレスをロウ付けする時にも役立ちます。鉄やステンレスが酸化し始めるより低い温度で表面を保護します。

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    ボンプロ液を使って鉄やステンレスをロウ付けする手順

    1. フラックスを塗る

    フラックスを塗ります。工程1と2の順序は逆でも構いません。

    2. ボンプロ液をつける

    ボンプロに作品を漬けるか、筆で塗って軽く火で炙ります。ボンプロ液は主成分がアルコールなのですぐに揮発します。

    当然、ボンプロ液は引火性ですので気をつけて作業してください。万が一ボンプロ液の瓶に引火してしまった場合は、慌てずに蓋を閉めて酸素の供給を遮断してください。(すぐ火が消えます)

    絶対に水をかけないようにしてください。(アルコールは水に溶けやすいため、水をかけたところ全体に燃え広がることがあります)

    3. ロウ付けする

    ここからの手順はシルバーや真鍮と同じです。ボンプロ液をつけたことで白い膜が表面を覆っています。加熱とともに徐々に透明になってきます。

    銀ロウ付けの手順と失敗しないコツ まとめ

    ロウ付けは火を使うので、敷居が高く感じるかもしれません。でも、出来るようになると可能性がぐんと広がります。

    より立体的で手の込んだものが作れるようになりますので、ぜひ挑戦してみていただけたら幸いです。

    やってみると、意外と難しくないことが分かると思います。

  • 【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    自宅レベルで出来ることはどうしても、騒音や振動などの制約があって限られてきます。

    今回はそこら辺に配慮しつつも、自宅でもピカピカに研磨出来る方法を考えてみました。(リューターは使います。)

    バインダーや画用紙などを使って平な面もピカピカに磨けましたので、ご参考頂けたら幸いです。

    こんな感じになったよ!

    それではやっていきましょうか。

    使用する道具と材料

    使用する道具は通常の道具セットにプラスして、リューターなどが必要です。リューターは1万5千円前後のもので充分ですが、将来的にプラチナの研磨や本格的なジュエリーを作りたい場合は4万円以上の価格帯のものがおすすめです。

    その他研磨に必要な道具

    • 耐水ペーパー(#240と#800があればとりあえずOKです。100円ショップで荒いものから細かい目のものまで全部セットになっているのが売っていますのでそれが便利です。)
    • 画用紙(もしくはコピー用紙でもOK。厚い紙の方がやりやすいです。)
    • 研磨剤(#4000と#8000。余裕があれば#1500があると便利です。作業効率が上がります。)
    • ウエス(もしくはティッシュでも可)
    • 液体研磨剤か仕上げ用研磨剤
    • ダイヤブリックドレッサー(フェルトポイントの形を整えたり削ったりする石です。ダイヤモンドヤスリでも代用ができます。)

    リューターにつけて使う道具

    • フェルトポイント(硬さが色々ありますが、ハードなどの硬いやつがおすすめです。
    • 軸つき耐水ペーパー(自作もできます。#400のものが一本あれば大丈夫です)
    • 豆バフ(仕上げ一歩手前の段階でリューターにつけて使うホワホワのやつです。)

    マスクは必ず着用してください。(二重に着用するのがおすすめ)

    また、研磨剤や作業で発生する粉塵は体に良くないので、ペットや小さなお子様が出入りする部屋では行わないようにしてください。

    材料リスト 

    ・真鍮リング
    (今回は厚み2mmの板材から作りましたが、硬くて大変でした。真鍮はシルバーなどに比べて硬いので、1.5mm厚未満の薄板が作りやすいです。)

    真鍮リングをピカピカに磨く 作り方手順

    側面を平らにする

    ※真鍮リングの作り方は割愛します。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2/

    ピカピカな平面を出すには、フラットな下地が必要です。

    ボコボコのまま磨きに入ってしまうと、ボコボコがそのまま消えずにそのまま仕上がり、どこかぼやけた仕上がりになってしまいます。

    平たい面のある中目(荒いと後でヤスリ目を消すのに苦労します)のヤスリを使って、側面を平らにします。

    大きめのヤスリ(インチヤスリなどの、木の柄を付けるタイプ)が安定感があっておすすめです。

    ヤスリで側面を削るときは、側面の手前と奥を同時に削るようなイメージでヤスリを当てると平らにしやすいです。

    同じところを2、3回削ったら、リングを45度ほど回転させてまた同じように削ります。

    これを繰り返し行い、側面全体にヤスリの跡がつくようになればOKです。(側面に凹みがあったりすると、そこだけヤスリの跡がつかないので、それを目安に凹みがなくなるまで削りましょう。)

    ヤスリで平らに削ったら、220番の耐水ペーパー(紙やすり)をできるだけ平らな机に用意し、八の字を描くようにヤスリがけをします。

    220番が終わったら、次は800番の耐水ペーパーで同じ動作を行

    今回のリングも真鍮の板が厚めだったので硬くて成形するときに歪んでしまい、側面を平らにするのがとても大変でした。

    でもここの工程次第でピカピカにした後の見栄えが大きく変わってくるので、平らになるまで根気よく頑張ります・・・!!!

    リューターでリングの内側と外側を磨く(荒磨き)

    リングの内側に軸つきサンドペーパー(以下ペーパー)を当てて、ヤスリの跡やロウ付けの跡を消します。

    ロールサンダーやバナナサンドペーパーなどの名称で売られています。

    最近はなぜかロールサンダーがどこにも売っていない(欠品)しているので、自作するかバナナの方を使います。

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    バナナサンドペーパー #400 (242円)

    バナナサンドペーパーはロールサンダーより割高ですが、使いやすいです。

    ロールサンダーとは違い斜めにめくれることで、上から下まで使い切ることが出来ます。

    リングの内側全体をリングを回しながら均等に当てていきます。リングに対して垂直にペーパーを差し込み、一周ペーパーの跡になるまでリューターを当てます。

    ペーパーの跡がなかなかつかないところは周りより凹んでいる箇所ですが、そこだけペーパーで当てて削り込んでしまうと、そこだけ大きく凹んでしまいます。そうなると側面から見たときに綺麗な円形に見えなくなってしまうので、凹みがあってもガマンです。

    一周ペーパーを当ててもまだ凹みがある場合は、同じ動作をもう一周行い、全体的にペーパーを当てながら消すようにします。

    指あたりを良くするために、内側の角を少し落とします。

    リングを少し斜めにするように持ち、リングの内側と同じように軽い均等な力で当てていきます。

    均等な幅で落とせるのが理想ですが、力の入れ方や角度にムラがあると上手くいかなくなるので注意です。

    リングの外側もペーパーを当てます。手順は内側のときと同様です。#600あたりのペーパーまでやっておくと早いです。

    リングの側面を磨く

    画用紙(もしくはコピー用紙)を、平らな面(100均のバインダーが便利です)に敷いて#4000の研磨剤を画用紙にクレヨンで塗りつぶすような感じで塗り付け、その上を上下に滑らせます。

    しばらく滑らせていると研磨剤が黒くなり、光沢が出てきて滑りが悪くなってきます。そうなったらもう一度その上から研磨剤を塗り付け、また光沢が出て滑りが悪くなるまで滑らせます。これを4、5回繰り返します。

    #4000の後、一度お湯と洗剤でよく洗って、研磨剤のカスをしっかり落としてから今度は#8000の研磨剤を画用紙の新しい場所に塗り付け、同じように繰り返し滑らせます。

    洗浄のときは、擦り傷をつけずに洗浄出来る超音波洗浄機で行うのがおすすめです。

    洗浄を行わずにそのまま次の細かい番手の研磨剤で磨いてもいいですが、洗浄をしないとリングに荒い研磨剤が残ったままなので荒い研磨剤が混ざってしまい、どうしても少しキズが残ったままになります。

    細かい擦り傷が見えます。

    工程ごとに洗浄機でしっかり洗浄を行うと、より綺麗に仕上がります。

    リングの内側を磨く(中磨き)

    リングの内側を磨いていきます。写真は細めのフェルトポイント(以下フェルト)を使っていますが、もう少し太めのフェルトがベストです。

    リングの内側を磨くときは、ペーパーのときとは少し違った磨き方をします。ペーパーのときは奥から手前に払うように当てます(一方方向へ当てる)が、フェルトで磨くときは左右に撫でるように動かして磨きます。地面に書いた縦線を手で左右に払って消すようなイメージです。

    フェルトに#4000の研磨剤を付け左右に動かしながらペーパーの跡を磨いて消していきます。磨いているところのペーパーの跡が消えたら、リングを少し回してフェルトに研磨剤を付けそのすぐ隣を磨きます。これを繰り返して一周磨きます。

    指あたりの部分は、ペーパーのときと同じように手前に払うように磨きます。

    フェルトでリングの内側を磨くとき、ペーパーの跡が消しきれていなくて磨き残ってしまうということがよくあります。フェルトの段階ではちゃんとペーパーの跡が消えているのかなかなか判別つきにくく、ちゃんと消したと思っていても仕上げの段階で磨き残っていることに気付くということが多いです。

    磨き残しを防ぐためにも、こまめに研磨剤を付けてしっかり磨きます。

    また、フェルトでリングを磨くと摩擦でリングがとても熱くなります。

    最悪体に当たって怪我をしてしまう可能性があるので、少し熱いかなと思ったらすぐにフェルトを離してリングを冷ましてください。革の指サックなども売っています。

    リングの外側を磨く(中磨き)

    リングの外側をフェルトで磨きます。(内側を磨くときのように、フェルトを左右に動かしすぎると面がボコボコになります。かと言って全く動かさないとペーパーの筋もなかなか消えません。)ペーパーのときと似たような感じです。

    フェルトにしっかりと研磨剤を付けて、奥から手前にまっすぐ引くように磨きます。このときフェルトの形がボコボコしているとリングの形もボコボコになってしまうので、ダイヤブリックドレッサーを使ってフェルトの形を平らに整えましょう。

    はじめに平らに整えていても、フェルトは磨いているうちに段々と形が崩れて平らではなくなってしまうので、こまめに整えた方がより平らに、綺麗に磨けます。

    内側と同様にペーパーの跡が磨き残りやすいので、こまめに研磨剤を付けて磨きましょう。

    仕上げ

    リングの仕上げをしてピカピカに光らせます。

    リングの内側、側面、外側を豆バフを使って磨きます。

    研磨材は#8000を使いました。

    今までの作業一つ一つがいかに大切であったか思い知るときが来ました。

    ピカピカに光ることによって形の歪みや磨き残しがよく見えるようになってきます。

    仕上げの作業はあくまでもピカピカに光らせるための作業なので、もしここでペーパーなどの磨き残しがあった場合は中磨きの工程まで戻って磨きます。

    形の歪みを直すなんてことになったら、最悪ヤスリの工程まで戻ることも・・・

    本来であればこの段階から素手で触らずに、手袋などを着用して接触による傷を避けます。

    豆バフの仕上げだけでも十分ですが、最後に液体研磨剤(ピカール)を使って磨きました。

    本来であればさらに細かい研磨剤を使って、さらに柔らかいバフで磨きます。(

    ウエス(もしくはティッシュ)にピカールを付けてリング全体を拭くように磨きます。

    この辺りは個人の好みなので、やってみて好きな仕上がり具合を選ぶといいと思います。

    完成

    よく洗浄して完成です。

    金やシルバーの磨き方もこれで問題ないと思います。

    プラチナはもう少し手間がかかります。(粘り気の強い印象なので、ペーパーや研磨剤の種類を増やしたり、長く磨く時間がかかったりします)

    自宅でも大型機材を使わずに平面をそれなりに綺麗に磨くことができました。

    時間をかけて磨くと愛着も湧いてくるので、ぜひチャレンジしていただけたら幸いです。

    最後までご覧いただき、ありがとうございました。

  • 淡水真珠のカップケーキリング

    淡水真珠のカップケーキリング

    …さてと、5月下旬には公開と言いつつ6月中旬になってしまいました。

    楽しみにしてくださっていた方々、申し訳ございません。

    色々ストックはあるのですが記事執筆はなかなか時間がかかりますね。

    今回はパールを使ったリングの作り方です。

    穴が開いている材料を使ったリングの作り方ですので、パール以外にもボタンやビーズなどもこの方法の応用で作ることが出来ます。

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    道具

    基本的なリングを作るための道具と、ピンバイスが必要です。

    ANEX(アネックス) ピンバイス No.98 0.1〜3.2mm(1,347円)

    ロウ付けは必須です。

    また、パールの接着剤は”エポキシ接着剤”を使います。ハンドメイド好きの方ならおなじみだと思います。

    特にエポキシ系の2液性接着剤であれば何でも構いません。(最近は100円ショップでも取り扱いがあるそうですね)

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    セメダイン エクセルエポ(高透明度)15g 10分型

    エポキシ接着剤はたくさん種類がありますが、国産ですとセメダイン社のものがおすすめです。

    必要な硬度、強力すぎない接着力=修理対応ができるなど使いやすいです。

    余談ですが、個人的にエポキシはアメリカ製が至高だと思っています。少々高価ですが透明度と硬度、接着力は日本の市販品のそれとは段違いです。

    エポキシ系接着剤2液タイプ デブコン デブチューブ S-208 28.4g

    材料

    真珠 パール  彫金
    材料リスト 

    ・淡水パール:ボタン形(東京都台東区の浅草橋近辺で300円前後で購入)
    ・真鍮線:φ1.0mm、φ1.2mm(丸線材)、1.5mm厚板材(丸線の直径より厚めがおすすめです)

    今回、浅草橋のQUEENS PART3店さんにて、ボタン形のパールをいくつか購入してきました。

    お店の方もとても親切な方で、一粒から購入が可能です。JR浅草橋駅のすぐそばですので、ぜひお立ち寄りいただけたら幸いです。(ちなみに通販も行っておらず、実店舗に出向くしかないようです。)

    ネット通販で似たようなパールも見つけましたので一応ご紹介しておきます。

    営業時間

    平日:午前10時〜午後7時
    日曜祭日:午前10時〜午後6時

    淡水真珠のカップケーキリング 作り方

    まずこのリングの構成ですが、腕パーツ(輪っか部分)とボタンパールの土台の枠に分かれています。

    このくらいの土台にしておきました。

    土台の枠は1.5mm程度の真鍮板を円形に切って、パール穴に差し込むための芯をφ1.0mm程度の丸線で土台に立てます。(以下“パール芯”と呼びます。)

    真鍮板にカニコンパスなどで丸を描いて、糸鋸で切り抜きます。

    パール芯は腕パーツと土台をロウ付けした後に作りますので、まずは円形の土台パーツと、それがピッタリと合わさる腕パーツを作ります。

    土台パーツは少し絞りをつけて、プリン形になる様にしました。

    土台と腕パーツのロウ付け

    ロウは1番溶けにくいものを使います。今回は3分ロウを使用しました。

    パーツ同士の隙間はなるべくなくなる様にヤスリですり合わせておくのが成功の秘訣です。

    ロウ付けする際は腕パーツのテンションで土台パーツをそっと置いた状態で行います。土台パーツが傾がない様に水平垂直を心掛けます。

    パール芯の位置決め

    パール芯を立てますが、何も当たりのない平らな面に棒を立てると高確率で位置がズレたり、斜めにロウ付けされてしまったりしますので、1mmの穴を土台に浅く入れておいて、差し込む様にしてロウ付けします。

    パール側も1mmのドリル刃で揉んでおきます。

    円形の土台パーツの中心にヘラやカニコンパスなどで当たりをつけて、1mmのドリル刃で真っ直ぐ穴を開けます。(貫通させずに、穴の深さは0.5〜0.7mm程度有ればOKです)

    力を入れすぎると刃が折れます。なるべくピンバイスからドリル刃を出しすぎず、(ピンバイスからドリル刃を出しすぎの状態で使用すると、ドリル刃がしなって折れます)

    力を入れすぎずに回して穴を開けていきます。

    φ1.0mmの真鍮線を差し込んでみてしっかりと直立するかを確認します。

    ひとまわり大きめのドリル刃などで開けた穴の周りをさらいます。

    これはバリを取るほかに、ロウ付けした際にロウがそこの部分に溜まる事で余計な部分に流れず、精密にパールを接着できるようにするためです。

    パール芯のロウ付け

    あとはロウ付けするだけです!

    しっかりとセットして最小限の7分ロウ(0.5mm角くらいの大きさ)で流します。

    土台に比べてパール芯の方があったまりやすく、パール芯にのみロウが流れてしまうミスが起きやすいです。

    かと言って本体を炙りすぎると腕パーツと土台のロウ付けが壊れてきてしまいます。

    なるべく弱い火でちまちまとやってみてください。

    仕上げと接着

    接着は最後の最後で行います。

    ピカピカにする場合はこの段階で行いますが、先に接着してしまうと接着剤に研磨剤が引っ付いてしまって黒くなってしまいます。(完全硬化後の研磨も好ましくない)

    今回は手抜き….ではなく風合いを大切にしたマットな感じで終わらせました。スポンジヤスリで表面を荒らしました。

    こういうスポンジヤスリです。

    接着は接着剤の説明書に沿ってA剤とB剤を混ぜ合わせて、パール芯に楊枝などで塗ります。土台につけすぎるとはみ出るのでご注意ください。

    はみ出してしまった場合は、固まる前に綿棒にアルコールをつけて拭き取ると綺麗にすることができます。

    ….というわけで完成です。

    白い方はボタン型でなく型穴の球です。

    後日こちらに作り方もご紹介します!!

    最後までご覧くださり、ありがとうございました。

  • 【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リングの作り方

    【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リングの作り方

    弓矢の矢は、ジュエリーやアクセサリーのモチーフとして人気です。

    アクセサリーの表現方法として、“コンビネーション”という技法があります。(技法というほど仰々しくはないのですが…)

    これは異種の金属を組み合わせて色分けをして、ディティールに深みを出す方法です。

    ジュエリーだとプラチナとK18YGの組み合わせをよく見かけますね。

    今回は弓矢の矢尻と羽をSV950、本体を真鍮で作ります。

    シルバーと真鍮の矢形リング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    材料

    SV950:0.8mm厚の端材(羽用)、1.0mm厚の端材(矢尻用)

    真鍮:1.0mmφ線材

    SV950(シルバー)の板厚は羽側が薄い方がバランスが良さそうです。色々な厚さの板を揃えるのは大変なので、1.0mm板材を焼き鈍し後に、軽く金槌で叩いて薄く伸ばすと良いと思います。

    道具

    基本の道具があれば作れますが、精密ヤスリがあった方が良いでしょう。(刀刃、鎬など)

    道具の購入先やお買い物リストはこちらで紹介しています。

    シルバーと真鍮の矢印リング 制作手順

    シルバーの端材を矢尻や羽の形に切る

    まず、シルバー材を矢印型、羽型に切り抜きます。

    羽は左右切り離した別体式にしました。羽の切れ込みはロウ付け後に行います。

    細かな作業なので手で持つのが難しいですが、爪で挟んで加工しました。

    ある程度ニッパーなどで形を作ってから、精密ヤスリなどで整えると早いです。

    真鍮線の加工

    真鍮線は、作りたいサイズに必要な長さ−羽と矢尻までの隙間の距離(5mm〜7mmくらいが良いと思います)でカットします。

    真鍮線の一部を平らに削ります。

    矢尻パーツをロウ付けする際の“のり代”として機能します。(真鍮線が矢尻に埋め込まれて見えるので、収まりが良くなる効果もあります。)

    平面に削れたら、先を尖らせます。

    この際に、シルバーの矢尻パーツとの噛み合わせを都度チェックしながら微調整します。

    ロウ付け・酸洗い

    ロウ付けは噛み合わせが肝である矢尻側から行った方が無難です。

    銀ロウは一種類(3分)だけで足りますが、自信がない方は5分や7分の溶けやすいものが良いと思います。

    ロウの量が多すぎるとディテールが潰れますので、1mm角無いくらいの大きさで十分だと思います。

    羽側は真鍮線に沿えてロウを流します。

    矢尻側がロウ付け出来ました。

    ロウが真鍮線に乗ってしまった場合は、耐水ペーパーなどで取り除きます。

    芯金棒で丸めて、糸鋸で模様を入れる

    芯金棒で任意のサイズに丸めます。

    この際、あまり強い力で叩きすぎると矢尻や羽周辺が変形してしまうことがあります。優しく叩くようにしてみてください。

    最後に羽の切れ込みを糸鋸で入れます。

    #0の刃で2本の切れ込みを入れました。切れ込みを入れる前に極細の油性ペンなどで、ベストな位置に印をつけておくと失敗がないです。

    【フリーサイズ】シルバーと真鍮の矢形リング 完成

    これで完成です!

    あまりピカピカにせず、アンティークな感じ(?)の仕上がりになりました。

    (…ピカピカにするのが面倒だった…訳ではございません)

    研磨する場合は、牛乳パックを円形に切ったものをマンドレールという軸に取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

  • 【厳選】これを買っておけばOK!基本の彫金道具リスト

    【厳選】これを買っておけばOK!基本の彫金道具リスト

    彫金を始めるにあたって、道具をそろえる必要があります。

    彫金道具には、絶対になくてはならないものから、あったら便利なもの、完全に必要ないものまで無数に種類があります。

    いざ揃えるにも、ポイントを押さえていないとどれが良いか分からず迷ってしまいます。

    そこで今回は、このサイトで使っているもの=このサイト作品は作れる道具、またはその同等品のみを厳選して紹介します。

    ちなみに、ただいま開催中の”K18とダイヤの指輪を自宅で作るメール講座”に無料登録いただくと、もう少し難しいものまでカバーできる道具を厳選してまとめたリストをダウンロードできます。

    彫金の道具を厳選してまとめたリストです。
    こんな感じのPDFリストです。写真付きで解説しています。

    無料ですので、もしよろしければご購読いただけたら嬉しいです。

    参考:自宅で金と天然ダイヤの指輪を作るメール講座(厳選道具PDFリストも無料プレゼント中!)

    彫金に必要になる道具とは

    選ぶポイント

    粗雑で使い物にならない道具も数多くあります。

    「安くて便利そうだから買ったけど全く使えない」という様なことは、DIYが趣味の方は経験があるのではないでしょうか。

    (さらに…)