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  • 【彫金】オタフク鎚の選び方・セッティングと使い方

    【彫金】オタフク鎚の選び方・セッティングと使い方

    タガネを使う時や、フクリン留めをする時に使うのがオタフク鎚です。新品の状態では柄が長いのでカットする必要があります。

    この記事では、どの長さでカットすれば良いか・自宅で彫金をやる上で、最初にどのサイズのオタフク鎚を買うべきか、オタフク鎚の基本的な使い方を解説します。

    普通の金槌と持ち方も異なるので、ざっと目を通しておいていただけたらと思います。

    オタフク鎚の選び方

    オタフク鎚にはさまざまなサイズがありますが、最初の一本目には、覆輪留めにも使えて刻印打ちなどにも使えるオールマイティな五分サイズがいいと思います。

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    繊細な和彫りや彫り留めには三分がおすすめです。

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    柄の長さのセッティングと持ち方

    柄の長さの決め方

    新品はサイズ調整することを前提として売られているので、柄がかなり長いです。

    これを自分の手のサイズに合わせてノコギリや糸鋸などでカットします。

    めいっぱい指を広げて、親指の先から小指の先までの長さが適正なサイズです。

    切ったところはささくれ立つと危ないので、ヤスリで角を削っておきます。

    オタフク鎚の持ち方

    オタフク鎚は柄のお尻を包み込むように握って持ちます。

    外側から内側に振るようにして使います。

    ペン持ちでもOK

    上級者向けですが、ペンの持ち方でもOKです。先述の持ち方に比べて打つ力が弱くなります。小さな石を細く小さな爪で留めたい時など、繊細さが必要なシーンで使います。

    オタフク鎚の使い方

    フクリン留めの時などは、タガネを使って留めていきます。タガネは4本の指先で自分側に向けて持つようにします。

    タガネのお尻をオタフク鎚で叩いて使います。

    覆輪留めに使えるタガネの作り方はこちらで紹介しています。

  • 【彫金】ヘラの選び方・使い方

    【彫金】ヘラの選び方・使い方

    研磨剤を使わずに金属を磨くこともできる伝統的な道具です。ヘラを使わなくても作品は作れますので、彫金を始めたての頃はあまり出番がないかもしれません。

    しかしヘラは、よりクオリティの高いものを作っていく上でとても重要な道具です。

    ヘラの選び方とおすすめ

    ヘラには鋼鉄製と超硬製の物があります。鋼鉄製はヤスリなどと同じ素材で、超硬は鋼鉄より硬いタングステンカーバイトという素材でできています。

    超硬ヘラの方が値段が高いのですが、物持ちもよく、よりピカピカに作品を仕上げる事ができます。

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    太さや形もさまざまですが、とりあえず1本目は丸型の2.0mmφくらいが使いやすいです。

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    超硬ではない普通のヘラです。

    ヘラの持ち方

    少し特殊な持ち方ですので、慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。道具が当たって指が痛い場合は、ヘラにゴムチューブなどを取り付けておくと良いかと思います。

    1.利き手でヘラの根元を人差し指と親指で摘む

    2.薬指と小指に柄を挟む

    3.そのまま握る

    ヘラの使い方

    先ほどの持ち方でヘラを握って、作品の表面を強い力でこするようにして使います。

    ヘラはツルツルに磨かれていますので、そのツルツルが作品に転写されて作品もツルツルになる仕組みです。

    ヘラを使うタイミングは、ペーパーがけ(ペーパーがけとは、リューターに取り付けたロールペーパーや耐水ペーパーなどで表面を整えることです)の後など、ある程度作品の傷を消した後の工程です。

    折れやすいので注意

    超硬ヘラは特に、とても硬い性質を持っています。そのため、落下の衝撃に大変弱いです。

    取り扱いには注意してください。(根本からぽっきり折れてしまうことは結構あります。運よく長めに折れたら、ピンバイスに取り付けて使うこともできます。)

    また、硬い金属でできている超硬ヘラですが、ダイヤモンドには負けてしまいます。

    ダイヤモンドヤスリなどの工具に当たると傷がついてしまい、ヘラで作品を擦ってもピカピカにならなくなってしまいます。

    こちらで超硬ヘラをピカピカに磨くことができます。リューターに取り付けて、低回転で使います。(新しいヘラが6本くらい買える値段ですので、このためだけに買う必要はありません。本来は彫留めのタガネを研ぐときに使う道具です。)

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    ヘラの選び方・使い方 まとめ

    ということで今回はヘラについての解説でした。鋳造品(キャスト)を磨いていると小さな気泡(スと呼びます)が金属表面に出てきてしまう事があります。そういう場合はヘラで押し潰して磨くことで、綺麗に仕上げることもできます。

    今回のポイント

    1. ヘラには超硬と鋼鉄製がある
    2. 強い力で擦り付けるようにして使う
    3. 超硬ヘラは折れやすいので注意
  • ピンバイスの選び方・使い方・セッティング

    ピンバイスの選び方・使い方・セッティング

    穴を開ける時にはピンバイスを使います。自宅で彫金をやるには必要不可欠な道具です。

    金属に穴を開ける上で、知っておきたい注意点・正しい使い方を解説していきます。

    ピンバイスの選び方とおすすめ

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    ANEX ピンバイス No.98 0.1~3.2mm No.98

    彫金に最適な道具はこれ一択です。半額程度で中国製の安いものもありますが、精度が悪すぎて安物買いの銭失いになります。こちらは真鍮製で何十年も使用できる品質の定番品です。2本あると便利です。

    ピンバイスの仕組みをおさらい

    ピンバイスは先がネジになっていて、緩めると中からチャックという部品が出てきます。

    (持ち手の方もネジになっていて、そこにももう一つチャックが入っています。)

    ピンバイスに取り付けたいドリルの太さによってチャックを差し替えて使います。

    よく使うチャックは2つ

    よく使用するチャックのサイズは、一番細いものと一番太いものです。

    彫金では直径1mm以下の小さな穴を開けることが多いので、細いドリル刃をホールドさせるために一番細いものを多用します。

    一番太いものはスチールバーをホールドさせる時に使います。これもメレなどの小さな石を留める時によく使います。

    細いドリル刃は5mmくらいの長さでセット

    細いドリルはとても折れやすいです。無理に力を入れると簡単に折れてしまいますので、ピンバイスにセットする際は刃を出す長さを5mmくらいにしておきます。

    長くドリル刃を出した状態で使っていると、ドリル刃が竹のようにしなって、ポキっと折れてしまいます。

    スチールバーは普通にセット

    スチールバーは画像のように普通にセットしてOKです。ネジをしっかり締めてスチールバーが動かないようにしておきましょう。

    ピンバイスで穴を開ける手順

    実際に板などに穴を開けてみましょう。彫金をやっていると、ピンバイスで穴を開ける機会がたくさんあります。

    2mmを超える厚い板だと大変なので、まずは薄い板(1mm程度の厚み)に穴を開けて要領を掴んでみてください。

    1.ドリルの刃の引っ掛かりを作る


    ドリルで正確に穴を開けるためには、ドリルが食い込みやすいように『引っ掛かり』を作ってあげる必要があります。

    カニコンパスなどの尖っている先の部分を使って、穴を開けたい位置にグリグリと印をつけておきます。

    カニコンパスがない場合は、目打ちや金属串などでも代用可能です。100円ショップでも売っています。

    この凹んだ印にドリル刃がハマるので、「刃が滑って全然違うところに穴を開けてしまう」失敗がなくなります。

    穴を開ける時は必ず引っ掛かりの印を入れることを覚えておいてください。

    2.ドリルの先を印に引っ掛ける

    先ほどの印にドリルの刃先をフィットさせます。ドリル刃が引っ掛かって動かなくなればOKです。

    3.垂直に構えて回転させる

    垂直にピンバイスを構えて手で回していきます。ネジをドライバーで締めていくようなイメージに近いです。ただし、(押し付けすぎず)力を入れすぎないようにします。

    これで穴が空きました。

    スチールバーを使う時は回さない

    ドリルで穴を開けた後に、ダイヤ型のNo.414スチールバーで削ると石座を作ることができます。

    ドリル刃の時のように一周回して使うのではなく、擦るように右左に小刻みに回して削ります。(指先すりすりお金ちょうだいのジェスチャーみたいな感じです。)

    ドリル刃が折れてしまったら

    稀にドリル刃が折れて作品に埋まってしまった場合は、酸につけておくことでドリル刃のみを溶かす事ができます。

    酸洗いに使うピックリングコンパウンドをお湯に溶かして瓶に入れ、作品を入れて一晩漬けておくと折れたドリル刃が溶けてなくなります。

    ピンバイスの選び方・使い方 まとめ

    ということでピンバイスについての解説でした。しっかりした国産メーカー品を買うことが重要です。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    今回のポイント

    1. 日本メーカー品がおすすめ。2本あると便利。
    2. ドリル刃をセットするときは刃を短めに。
    3. 穴を開ける前には必ず印を入れる。
    4. 刃が折れて抜けなくなったら酸で溶かす。
  • 芯がね棒の選び方・使い方

    芯がね棒の選び方・使い方

    芯がね棒(芯金棒)は、リングを作るときには欠かせない道具です。

    芯がね棒の選び方や、選ぶポイントについてご紹介します。

    使い方についても基本的にはリングを差し込んで叩いていくだけですが、少しだけ注意点があるので解説します。

    芯がね棒の選び方とおすすめ

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    鉄芯棒 指輪サイズ直し スチール

    脅威の1300円!表面の仕上げはやや悪いですが、問題なく使用できる芯がね棒です。使い心地は劣りますが、とりあえずはこれで十分だと思います。錆止めのオイルまみれで届くので注意です。

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    小次郎 焼き入り芯金棒 12φ~23φ×380

    錆びない芯がね棒で使いやすい定番です。しかしながら値段がどんどん高くなって、6000円近くなってしまいました。(数年前は半額くらいでした)

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    明工舎製作所 MKS 指輪ゲージ棒 鋼鉄製 40010

    私が使っている芯がね棒です。サイズの目盛りがついていて、精度も高いです。しかしながら錆びやすく、手が汚れがちです。油を塗ったりするメンテナンスが必要なのが玉に瑕です。しかし、価格と品質のバランスは最も良いので、錆の問題を許容できればベストバイです。

    芯がね棒の使い方

    芯がね棒の持ち方

    持ち方も使い方も人によってそれぞれですが、ここでは私のやり方を紹介します。

    リングを差し込んで、人差し指と親指でリングを引っ掛けるようにして持ちます。(利き手ではない方の手で持ちます。)

    リングを丸くするために木槌で叩いていくと、徐々にリングが広がって緩くなってきて、上手く叩けなくなってきます。
    下側に人差し指と親指で引っ張るように持っておくことで、緩くなって叩きづらくなるのを防ぐことができます。

    1.木槌で叩く方法

    木槌で叩く時は、芯がね棒の根本は太ももか足の付け根あたりに添えておきましょう。

    指に木槌を当てないように注意してください。

    さらに本来であれば、芯がね棒の先端を『木台』という腰の高さあたりまである切り株に添えて叩くようにすることが多いです。(この場合も芯がね棒の根元は太ももに添える)

    趣味で彫金を楽しむ程度であれば、木台はなくて大丈夫です。

    2.鎚目を入れる時の注意点

    あまりお勧めしませんが、木槌の代わりに、ハンマー(金槌)で打つと鎚目になります。芯がね棒にハンマーを当てないように注意しましょう。

    芯がね棒をハンマーに当てると、芯がね棒が凹みます。こうなると今後芯がね棒を使う時に、ハンマーでついた凹みが作品に転写されてしまいます。

    また、この鎚目の入れ方はリングサイズが大きくなりやすいです。(ハンマーで叩かれて潰れたことによって、広がってしまう)

    怪我のリスクも大きいので、できればロウ付け前の平らな状態の時に金床を使って鎚目を先に入れておくと良いです。

    芯がね棒の選び方・使い方 まとめ

    ということで今回は芯がね棒について解説しました。彫金を初めて最初の方に揃えることになると思います。ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです!

  • 【彫金】金床(かなどこ)の使い方・選び方・代用方法

    【彫金】金床(かなどこ)の使い方・選び方・代用方法

    金属を平らに整えたり、板材にハンマーで叩いて鎚目模様を入れたりするときに使う鉄のブロックです。叩き台とも呼ばれます。

    金床の使い方や、自宅で彫金をする際はどれを買えばいいのか、無い場合の代用法などを解説します。

    自宅で彫金をするのにおすすめの金床

    コスパ重視の金床

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    私の使っているものは廃盤になってしまいましたが、安いものだとこちらがおすすめです。

    ゴム台がついているので消音効果があって◎です。実際にお店で見てきましたが、表面も平らで使いやすいです。難点を挙げるとすれば直線の角がないので、90°に金属板を折り曲げたい時などには向いていないです。

    プロにも愛用されてる定番

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    2000円くらい高いですが、、プロの職人さんがみんな使っているこちらの金床もおすすめです。

    角が一面だけ丸めてあるので、作品に余計な傷をつけずに使用することもできます。ずっしりと重く安定感のある道具で、一生使えます。

    金床の代用方法

    金床をお持ちでなくて、すぐに入手ができない場合の代用法もご紹介しておきます。

    100円ショップにヒノキ木材が販売されていますので、これが意外と便利に使えます。
    (平らな石やコンクリート、平らな木の板でも代用できます。)

    側面ではなく、小口(切断面)を使うと良いです。特に節がある場所は硬くて強いので、金床の代用として機能します。

    金床の使い方

    金属のパーツを平らにしたりする際は、金床を敷いて木槌で叩きます。

    いきなり木槌で叩くと正確な位置を狙って叩けないので(間違えて指を叩いてしまうこともあります)木片で抑えて叩くようにします。

    木片は樫などの硬い木材が向いています。おもちゃの積み木がおすすめです。

    鎚目をつける時は…

    ハンマーで叩いて鎚目をつける時は、金床にハンマーを当てないように気をつけます。

    (ハンマーが金床に当たってしまうと、金床が凹んで傷んでしまうので要注意)

    鎚目を入れるための金鎚は芋鎚といいます。

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    金床の使い方・選び方・代用方法 まとめ

    ということで金床について解説しました。とりあえずの作業であれば木材でも代用できるので、道具を揃える上では後回しでもいいかもしれません。

    今回のポイント

    1. 金床は、木片(積み木がおすすめ)を添えて木槌で叩いて使う
    2. ハンマーで鎚目をつける時は、金床にハンマーを当てないように!
    3. 代用品としては、100円ショップの木片が便利

    最後までお読みいただきありがとうございました。

  • 彫金で使う すり板の選び方

    彫金で使う すり板の選び方

    彫金作業の最大の特徴でもあるスリ板。形も様々で、設置方法も様々です。在宅独学民の方向けに自宅で彫金を行うにはどれが適しているかを解説します。

    すり板の種類とおすすめ

    大きく分けて、机に固定された金具に差し込んで使うタイプと、クランプで着脱可能な2種類のタイプがあります。彫金机をお持ちでない場合は、着脱式のタイプがおすすめです。

    着脱式のすり板

    着脱式のタイプにも、クランプ式のものや、金床がついているタイプなど様々なものがあります。

    使い心地は固定式と遜色はありませんがスリ板の形がある程度決まっているので自由度は低めです。

    普通の作業をする分には着脱式で何ら不自由はありません。

    おすすめ:最初から使いやすい形になっているすり板

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    クランプ式のスリ板の唯一の欠点といえば、初期状態ではとっても使いづらいことにありました。

    ですのでノコギリと木工やすりで形を整えなければいけなかったのですが、これは最初から使いやすいようにテーパーに加工されています。しかもリーズナブルです。

    木屑まみれにならずとも、そのまま使えるのは嬉しいです。

    金床つきのすり板

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    見た目がとってもかっこいいスリ板です。金床としても使える優れものです。替えのスリ板も単品販売されているので長く使えます。ちょっとスリ板の幅が狭いので、日本規格のものに慣れている方は若干使いづらさを感じるかもしれません。(使っていれば慣れると思いますが。)

    固定式のスリ板

    直接机に固定するタイプです。

    カスガイは天板に直接ネジで固定するので、専用の彫金机が必要になってきます。ただし、スリ板の材質(木材の種類)の選択肢が豊富で、そういう意味でもプロ向けの道具です。

    カスガイ

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    机の上に固定する金具です。ドアの取っ手みたいですね。多分ドアの取手でも代用できます。

    彫金机には、あらかじめ付属していることが多いです。中には使わないときは天板に引っ込むロールスロイスのエンブレムみたいな仕組みのものもあります。

    すり板

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    木の種類もいろいろあって、樫などの硬い木か、朴などの柔らかい木で使い分けられています。

    私は作品が傷つきにくい柔らかい木が好きです。最近は朴ではなく、ポプラ材のものが販売されていますが、そこまで大差ありません。ささくれ立たないきめ細かな木材の板切れをお持ちであれば、それを使ってもOKです。

    使いにくいスリ板を買ってしまった場合のセッティング方法

    分厚いスリ板は使いにくいので、テーパーに削る必要があります。平溝型(I型)などがそれです。ちょっと前はテーパー型より安かった(500円くらいで売っていた)のでこれを加工して使うのが多かったのですが、最近はテーパー型と価格が変わらないのでこれを選ぶ必要はないとは思います。

    しかし、なんかの拍子で入手してしまった人向けにセッティング方法を解説しておきます。

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    ノコギリと木工用ヤスリでテーパーに削る

    100円ショップに売っているノコギリと木工用ヤスリで加工します。(このノコギリは金属用ですが、木工用推奨です。)

    ノコギリは糸鋸でもOKです。ヤスリは彫金用だと目が細かすぎて削るのに時間がかかるので、木工用の荒いヤスリがあると良いです。

    100円ショップに売っているこのオレンジの取手のヤスリはかなり優秀です。木工用としても使えますし、ワックスの荒削りにも使える優れものです。

    ノコギリ

    糸鋸+鋸刃#0でOKです。木工用のノコギリがあればそちらを使ってください。

    木工用ヤスリ

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    100円ショップ(DAISO)で110円で売っているので、そちらの方が良いです。

    1.ノコギリで斜めに切る

    なるべく斜めになるように、ノコギリで切っておきます。糸鋸で切ってもOKです。

    2.木工用ヤスリでテーパーに削る

    木工用ヤスリでさらに削ります。

    このくらいになっていればOKです。

    3.ヤスリでささくれを取る

    ひっくり返して、彫金用のヤスリでささくれや尖りすぎた角を削り落としておきます。

    これでスリ板のセッティングは完了です。

    すり板はどんどん削って使う

    スリ板は、都度使いやすいようにヤスリで削ったり、糸鋸で切ってしまって構いません。

    一部を凹ませて削りたい作品をフィットさせたり、作業がしやすいように削っていくので、スリ板の形はどんどん形が変わっていきます。

    彫金で使うすり板の選び方 まとめ

    以上がスリ板の選び方についてでした。自宅でやる分には着脱式がベストバイだと思います。ちなみに、そこら辺の板切れを100円ショップなどで売っているCクランプで机に固定するのでも全然OKです。

    色々準備が面倒な方は、最初からテーパーに加工されているこちらのタイプを購入した方が幸せになれると思います。

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  • 【彫金】糸鋸の使い方・セット方法 刃の向きの使い分けについて

    【彫金】糸鋸の使い方・セット方法 刃の向きの使い分けについて

    金属板を切る上では欠かせない道具です。ここでは基本的な使い方と、糸鋸の様々な応用法を解説します。

    糸鋸の刃を正しくセットする方法

    糸鋸の刃はピンと張ることが重要です。

    これができていないと真っ直ぐ切れなかったり、刃が一瞬で折れたりしてしまいます。

    1.糸鋸フレームの上下どちらかに刃をセットする

    まず、上下どちらか、(私は下が好きです)蝶ネジをしめて鋸刃を固定します。

    手めで力一杯締めておきます。(刃の向きは用途によって異なります。詳しくは後述します。)

    この際にペンチなどの工具を使って締め込みたくなりますが、道具で締めすぎるとネジ山が潰れてしまいます。ペンチなどで閉める際は手締めの後に1/4回転プラスで締め込むくらいにしておきます。

    2.糸鋸フレームをしならせて反対端の刃をセットする

    肩やお腹などに糸鋸フレームのグリップをあてがって、机や手でフレームを体重をかけて押し付けて弓をしならせます。

    その状態のまま鋸刃をセットします。

    #0以上の太めの刃であれば大丈夫ですが、#0/8などの細い刃をセットする際は、フレームをしならせ過ぎた状態でセットすると刃がちぎれてしまう場合がありますので要注意です。

    3.刃がしっかり張られているかを確認する

    セットした鋸刃を爪で弾いて、キンッと高く短い音がすればOKです。

    張りが不十分だと「ベン…」「ピーン…」と低かったり長めの音になります。

    鋸刃の向きについて

    刃の向きをどうセットするかは状況によって変えます。

    ギザギザを上向きにセットする「押し切り」と下にする「引き切り」で使い分けます。

    それぞれ適したシーンを覚えておきましょう。

    下向き=引き切り

    オーソドックスな使い方です。板材や棒材を切り出すなど、長距離をただひたすら切りたい時に向いています。
    糸鋸を初めて使う場合は、まずはこれから練習するといいです。

    上向き=押し切り

    マルカンを切ったり、作品の一部を切断したり、ヤスリのように使う時の刃の向きです。

    基本的に板材を切る時以外は、この向きにセットしておきましょう。

    ヤスリと同じく押す動作で切れます。短距離を切る時に適しています。

    糸鋸の動かし方

    引き切りの場合は、『肩の力を抜く・押し付け過ぎない・ストロークを長く使う』ことを意識してみてください。鋸刃の進行方向には指を置かないようにします。

    糸鋸の刃の上から下までストロークを長く使って切るようにすると、断面がキレイで精密な作業ができます。

    曲がり角はストロークを短くして、その場で足踏みするように小刻みに上下しながら刃をゆっくり回転させます。刃が回転するために必要なスペースを切り削りながら確保して行くイメージです。

    切る作品や材料は2本の指でしっかりとスリ板に押し付けるように抑えて、暴れないようにしましょう。この際に、抑え方が不安定だと高確率で刃が折れます。

    押し切りの際は、間違えて手を切らないようにご注意ください。引き切りの際も、進行方向に指を置かないように気をつけます。

    切り終わりの時に誤って刃を指で受けてしまわないように、押し切りの切り終わりはスリ板でガードするようにして(スリ板も一緒に切ってしまって構いません)切るようにします。

    糸鋸はちょっと刃がかすっただけでも想像以上にザックリ切れます。細心の注意を払って作業してください。

    初心者の方は安全に作業がしやすいハンドクランプの導入もおすすめです。700円程度で購入できるのでご検討ください。

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    糸鋸の使い方 まとめ

    実際にやってみることが一番です。まずは#0の太さの鋸刃で練習すると良いです。(細すぎず太すぎず扱いやすい)

    これまでのことをまとめると、

    1. 刃はピンと張る!(爪で弾くとキンキン鳴るくらい)
    2. 板を切るときは刃を下向き(棘が下側)にセットする
    3. 細かい作業の時は刃を上向きにセットする
    4. 切るときはストロークは長く、力を抜いて!
    5. 曲がり角ではストロークは短く、足踏みしながら曲がる!
    6. 刃の進行方向に指を置かない!!!

    以上が糸鋸の基本の使い方です!たくさん練習してみてくださいね。初めて糸鋸を使って何か作ってみたい方にはこちらの作品がおすすめです。

  • 【真鍮レジン枠を自作】花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方

    【真鍮レジン枠を自作】花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方

    前回、レジン枠ブローチを真鍮で作りました。植物をレジンに埋め込んだらいい感じになりそうだったので、金木犀を入れてみることにしました。

    小さな花びらや植物はもちろん、貝殻などでもいいものが作れそうです。

    花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リング 完成イメージ

    必要な道具と材料

    彫金の道具のイラストです。

    使用する道具

    糸鋸フレーム、鋸刃#0
    甲丸ヤスリ(荒目・中目)
    精密ヤスリ(四角)
    ニッパー
    リューター
    スチールバー・ロールサンダー#600
    ロウ付けセット
    ローレット#14
    研磨剤#4000,#8000

    基本的には彫金を始めるために必要な道具が一式あれば作れます。今回のようにピカピカに磨きたい場合は、研磨剤セットやリューターが必要になります。

    研磨剤のおすすめや磨く道具一式・ろう付けセット、基本の道具などがすべてリストになったPDFをメルマガご登録でプレゼント中です。

    下にも道具のリスト記事がございます。(PDFの方がいっぺんに見れるので、わかりやすいかもしれません)

    アンティーク風の粒々模様を縁につけたい場合は、ローレットを使います。

    使用する材料

    植物や貝殻など
    1.0mm厚 真鍮板材
    2.0mmφ 真鍮丸線材(リング部分)
    UVクリアレジン(100円ショップで購入)
    ロウ材(真鍮ロウ or 銀ロウ)

    ロウ材は銀ロウ・真鍮ロウどちらでも構いません。真鍮を使う場合は真鍮ロウを選択しておくと、ロウを流したところが目立たなくておすすめです。

    花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リングの作り方 手順

    枠の板を切り出すために印付け

    ノギスを3mm幅にセットして、真鍮板材にけがき線を入れます。(金属に線を引いたり、下書きをケガキ針などで入れることを『けがく』と言います。)

    線に合わせて糸鋸で切る

    糸鋸で板をまっすぐ切ります。なるべく曲がらないように頑張ってみてください。ガタガタになってしまったらヤスリで削って整えます。

    枠の形を決めて線を入れる

    今回は四角形の枠にしたいので、辺の長さを決めて(任意のサイズです)、印を入れておきます。

    楕円や丸にしたい場合は不要です。焼き鈍しをして丸ペンチなどで丸くしておきます。

    四角形や三角形などは、角になる部分を削って折り曲げて作っていきますので、焼き鈍しはやらない方が作業しやすいです。

    精密ヤスリ(四角型)で折り目を削る

    90°に削れる四角型ヤスリで線を引いた箇所を削っていきます。端は平らなヤスリで大体45°の角度になるように削っておきましょう。

    板厚の4/5くらいの深さまで削ります。

    折り曲げる

    削ったところから折り曲げます。何回も開いたり折ったりすると金属疲労でちぎれてしまうので気をつけてください。(せいぜい2回が限界です)

    このままロウ付けに進みます。

    レジン枠のロウ付け

    真鍮ロウで4つ角全てをロウ付けします。少し枠が開いてしまう場合は『からげ線』で縛って固定しておきます。ロウの量は0.6mm角くらいの大きさに切ったものを使います。

    からげ線はロウ付けの固定に使う鉄の針金です。からげ線にはフラックスは塗らないように気をつけてください。からげ線までロウつけされてしまうことがあります。

    (からげ線までロウが回ってくっついてしまった場合は、削り取るか酸に漬けておくと溶けてなくなります。鉄を浸した酸洗材は変色の元となりますので廃棄して新しく酸洗材を作り直すようにします。)

    レジン枠の成形

    レジン枠の形をかっこよくしていきます。まずは両面を耐水ペーパーで平らに削ります。

    ヤスリで整えます。今回は丸っこい印象を持たせたいので、角を落として馴染ませていきます。ここはお好みで構いません。

    四つ角も軽く丸めます。削りすぎると薄くなって穴が空いてしまうので注意です。

    フォルムはこれでOKです。縁に粒々模様(ミルグレイン)を入れたい場合は、縁が薄くなっている方が綺麗に模様が入ります。ミルグレイン模様を入れたい場合は、今回のように縁を薄く削っておきましょう。

    リングを作ってレジン枠と合わせる

    リングは2mm丸線で作りました。ここではリングの作り方の手順は割愛します。(別記事で詳しく公開しております。)

    参考:2.0mmφの丸線でリングを作る手順

    板材から作って太めの幅のリングをレジン枠と合わせるのもいいかもしれません。

    参考:板材からリングを作る手順

    レジン枠の幅分をカットする

    レジン枠の幅の分、リングをカットします。ここにレジン枠を挟んでロウ付けする作戦です。

    リングのロウ付けした部分をカットするようにします。

    指輪パーツのディティールアップ

    より小慣れた感じを出すために、指輪パーツの端をちょっと尖らせておきました。

    丸線や板材を削らずにそのまま使っただけでは元の素材の印象が残ってしまい、なんだか味気ない印象になりがちです。

    ひと手間加えて、どこかに角度をつけたり、尖らせてみたりするだけでディティールが引き締まります。

    全体をペーパーがけ

    指輪パーツ、レジン枠パーツの全体を#600のペーパーでヤスリ傷などを全て消しておきます。

    バナナサンドペーパーやロールサンダー#600をリューターに取り付けて作業します。

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    指輪パーツとレジン枠のロウ付け

    先ほどのレジン枠を差し込みます。なるべく接地面がピッタリ接するようにしたいので、ヤスリで微調整をしておきます。

    逆ピンセットで固定してロウ付けするとやりやすいです。ロウの量は2mm角くらいに切ったものを使います。

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    ロウ付けが終わったら酸洗いをしておきます。

    仕上げ

    マットな感じで終わらせるか、ピカピカに磨くかはお好みです。今回はピカピカにしてみようと思います。

    全体を#600のペーパーで整えたら、フェルトに#4000の研磨剤をつけて磨きます。

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    フェルトはマンドレールを取り付けて使います。

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    牛乳パックを丸く切ってマンドレールに取り付けたものも細かいところを磨く時に使えます。(#4000研磨剤をつけて磨きます。)

    #4000で磨き終わったら一度洗浄して、豆バフに#8000研磨剤をつけて磨きます。

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    #8000でかなりピカピカになります。もっとピカピカにしたい場合は、『ピカA』などの仕上げ用研磨剤を豆バフにつけて仕上げます。

    レジンの充填

    裏側にセロハンテープを貼って、レジンを充填します。

    半分くらい充填したら花をセッティングして、残りを充填します。

    UVライトで硬化させて、テープを剥がします。

    これで完成でも良さそうです。

    ミル模様をローレットで入れる

    レジン充填前に入れておこうと思っていましたがすっかり忘れていました。

    もしお作りになる場合は、レジン充填前にこの作業を済ませておいてください。

    ローレットをグリップに付けて、コロコロすることで模様が付きます。

    ちょっとレジンがぷっくりしていなかったので、上から盛っておきました。

    再度UVライトで硬化させておきます。

    花びらをレジンで埋め込んだアンティーク風リング 完成

    …ということで真鍮でレジン枠と指輪を作りました。金木犀や銀木犀などの小さな花びらもいいですが、絵画などを印刷した紙を中に入れても面白そうです。

    ちなみに今回はレジンでしたが、裏に平らな真鍮の板をロウ付けしたら石枠にもなります。ラピスラズリやターコイズなどのタイルを入れることもできます。

    (写真に写ているのはアクアマリンのリングルチルクオーツのさざれ石のリングです。こちらの作り方も紹介しておりますので、お時間ございましたらご覧いただけたら嬉しいです。)

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    最後にお知らせ

    自宅で作るK18のリング, 結婚指輪,マリッジリング,ダイヤモンド

    ただいま、自宅で金とダイヤの指輪を作る方法をメール講座で配信しております。金のロウ付けのコツや、ダイヤを割らずに留める方法を公開しています。自宅で彫金を始めるためのPDFリストも配布中です。(メール講座もPDFも無料です)

    無料ですのでよろしければご購読いただけたら嬉しいです! ↓こんな感じの内容です。

  • 【銀/真鍮/鉄/ステンレス】銀ロウ付けの手順と失敗しないコツ

    【銀/真鍮/鉄/ステンレス】銀ロウ付けの手順と失敗しないコツ

    ロウ付けができれば、色々なものが作れるようになります。

    シルバーアクセサリーや真鍮の他にも、ステンレスや鉄までロウ付けができる汎用性の高い銀ロウですが、初めての方だと少し難しく感じるかもしれません。

    今回は、ロウの選び方やロウ付けの手順・コツなどを解説していきます。

    シルバーや真鍮の他にも、ロウ付けが難しい鉄やステンレスをキレイにロウ付けする方法もご紹介します。

    ロウ付けに必要な道具

    ロウ付けの道具
    バーナー
    耐火レンガ
    ハニカムブロック
    酸洗材(ピックリングコンパウンド)
    フラックス
    長いピンセット
    短いピンセット
    銀ロウ(3.5.7分)
    逆ピンセット(あると便利)

    水入れと爪楊枝も用意しておいてください。

    解説: 新富士 パワートーチ RZ-820SS
    このサイトで登場するタイプよりも空気量の調節がしやすく、価格も安いモデルです(ボンベ別売り)
    ガス缶も安くて入手しやすく、長く使える優れものです。3本入りがおすすめです。

    ロウ材についての説明

    汎用性が高く、難易度も低いロウ材です。ほとんどの金属をロウ付けできます。

    銀・銅・亜鉛が主成分で、1分イチブ3分サンブ5分ゴブ…など種類によって融点が異なり、数字が小さい方が溶けにくく(融点が高い)難易度が高くなります。

    この融点の温度差を使い分けて、複数個所ロウ付けをしてもバラバラにならないように作業できますので、ロウは数字の小さい順番から使っていくようにします。

    また、数字が小さいロウの方が銀の純度が高いので、色味もシルバーの色に近いです。(数字が大きくなるにつれて黄色味が強くなります。)

    また、さらに溶けやすい『早ロウ(はやろう)』というものもあり、名前の通り融点が低いので早く溶けます。溶けやすくするためにカドミウム(アレルギーになりやすい)などの金属が添加されているものが多い傾向にあります。

    ただし、近年はカドミウムフリーのロウ材も増えていますので、お買い求めになる際は「カドミウムフリー」の表記があるかどうか確認してみてください。

    買っておくべき銀ロウは3・5・7の3種類

    3分・5分・7分の3種類を持っておけば、ほとんど何でも作れるようになります。

    色々な種類があって迷いますが、これだけ買っておけばOKです。

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    ロウは細かく切って使う

    銀ロウを買ったらしておくべきこと

    板状のロウ材は細かく切って使います。ロウ材には3分ロウなら『3』、5分ロウなら『5』と刻印が打ってありますが、切って使っていくうちに刻印がなくなってしまい判別が難しくなります。

    どこで切っても何のロウか判別ができるように、油性ペンで異なる色に塗っておきましょう。

    3分ロウが黒、5分ロウは赤、7分ロウは青…といった感じです。こうしておくと小さく切っても判別が簡単になります。

    細かく切ったロウはピルケースに入れて保管します。プラスチック製よりも耐熱性のあるアルミ製などがおすすめです。(作業中に熱いピンセットで追加でロウを取ることがある為)

    ロウ付けの作業手順

    作品を酸で洗う・脱脂する
    フラックスを塗る
    バーナーで作品を加熱する
    ロウを作品に置いて溶けるまで加熱
    酸洗いをする

    1. 作品を酸で洗う・脱脂する

    酸洗いをしてロウ付けしたい作品(対象物)を綺麗な状態にしておきます。作品の表面がくすんでいたり、酸化皮膜(サビのようなものです)で覆われていたりするとロウ材が広がらずにダマになってしまいます。

    酸洗いをすることで作品の表面を綺麗にすることができます。ロウ付け前は表面がキレイかどうか入念にチェックしておきましょう。

    また、研磨剤や油分が付着しているとロウが綺麗に流れません。洗剤などでよく洗っておきます。

    参考: 酸洗いに必要なものとやり方・手順

    フラックスを塗る

    2. フラックスを塗る

    フラックスを塗ったところに溶けたろうは流れていきます。フラックスは加熱すると水飴状の膜になり、作品の表面が酸化して黒ずんでしまうのを防ぐ作用があります。

    ロウ付けをしたいところにたっぷりフラックスを塗っておきましょう。筆や爪楊枝などを使うと良いです。

    フラックスはペースト状になっていますが、水分が飛ぶと固まってきます。完全に乾燥してしまう前に水を補充しておきます。

    バーナーで作品を加熱する

    3. バーナーで作品を加熱する

    耐火レンガとハニカムブロックの上にフラックスを塗った作品を置いて、バーナーで加熱していきます。バーナーで温めていくと、フラックスが沸騰して白色から徐々に透明になってきます。

    銀ロウは炙るような火で行うと上手にできます。バーナーの火の先がちょっと跳ねるような柔らかめの火が理想です。

    ロウ付け箇所を集中的に炙るのではなく、全体的に炙っていくようにします。

    ロウを作品に置いて溶けるまで加熱

    4. ロウを作品に置いて溶けるまで加熱

    フラックスが透明になってきたらロウ材をロウ付けしたいところに置いて、さらに加熱します。

    しばらくするとバターが溶けるようにロウが広がっていきます。

    ロウがくっつけたいところに回ったら火を止めて水に入れて冷やします。

    酸洗いをする

    5. 酸洗いをする

    フラックスや酸化皮膜を除去するために、再度酸洗いをしておきます。以上でロウ付けは終了です。

    理想の火加減

    理想の火加減
    ベストな火加減
    強すぎる火
    火が強すぎる様子

    目玉焼きを作るときと同じように、ロウ付けも火加減が重要です。火が強すぎると、ロウ材がしわしわになって溶けてくれなくなってしまいます。(この状態をロウが『枯れる』といいます。)

    銀ロウをロウ付けするときのバーナーの火加減は、炎の先がちょろちょろと筆のように揺れるくらいが良いです。

    ステンレスや鉄をロウ付けする場合

    ステンレスや鉄は、シルバーや真鍮などよりも酸化しやすいです。火で炙るとフラックスが溶け出す前に黒ずんでしまい、ロウが流れなくなってしまいます。

    ステンレスや鉄をロウ付けするときは専用のフラックスを購入するか、ボンプロ液を使います。

    ボンプロ液は金をロウ付けする際に使う薬品ですが、鉄やステンレスをロウ付けする時にも役立ちます。鉄やステンレスが酸化し始めるより低い温度で表面を保護します。

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    ボンプロ液を使って鉄やステンレスをロウ付けする手順

    1. フラックスを塗る

    フラックスを塗ります。工程1と2の順序は逆でも構いません。

    2. ボンプロ液をつける

    ボンプロに作品を漬けるか、筆で塗って軽く火で炙ります。ボンプロ液は主成分がアルコールなのですぐに揮発します。

    当然、ボンプロ液は引火性ですので気をつけて作業してください。万が一ボンプロ液の瓶に引火してしまった場合は、慌てずに蓋を閉めて酸素の供給を遮断してください。(すぐ火が消えます)

    絶対に水をかけないようにしてください。(アルコールは水に溶けやすいため、水をかけたところ全体に燃え広がることがあります)

    3. ロウ付けする

    ここからの手順はシルバーや真鍮と同じです。ボンプロ液をつけたことで白い膜が表面を覆っています。加熱とともに徐々に透明になってきます。

    銀ロウ付けの手順と失敗しないコツ まとめ

    ロウ付けは火を使うので、敷居が高く感じるかもしれません。でも、出来るようになると可能性がぐんと広がります。

    より立体的で手の込んだものが作れるようになりますので、ぜひ挑戦してみていただけたら幸いです。

    やってみると、意外と難しくないことが分かると思います。

  • 【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    【自宅で出来る】真鍮やシルバーの研磨の手順・やり方

    自宅レベルで出来ることはどうしても、騒音や振動などの制約があって限られてきます。

    今回はそこら辺に配慮しつつも、自宅でもピカピカに研磨出来る方法を考えてみました。(リューターは使います。)

    バインダーや画用紙などを使って平な面もピカピカに磨けましたので、ご参考頂けたら幸いです。

    こんな感じになったよ!

    それではやっていきましょうか。

    使用する道具と材料

    使用する道具は通常の道具セットにプラスして、リューターなどが必要です。リューターは1万5千円前後のもので充分ですが、将来的にプラチナの研磨や本格的なジュエリーを作りたい場合は4万円以上の価格帯のものがおすすめです。

    その他研磨に必要な道具

    • 耐水ペーパー(#240と#800があればとりあえずOKです。100円ショップで荒いものから細かい目のものまで全部セットになっているのが売っていますのでそれが便利です。)
    • 画用紙(もしくはコピー用紙でもOK。厚い紙の方がやりやすいです。)
    • 研磨剤(#4000と#8000。余裕があれば#1500があると便利です。作業効率が上がります。)
    • ウエス(もしくはティッシュでも可)
    • 液体研磨剤か仕上げ用研磨剤
    • ダイヤブリックドレッサー(フェルトポイントの形を整えたり削ったりする石です。ダイヤモンドヤスリでも代用ができます。)

    リューターにつけて使う道具

    • フェルトポイント(硬さが色々ありますが、ハードなどの硬いやつがおすすめです。
    • 軸つき耐水ペーパー(自作もできます。#400のものが一本あれば大丈夫です)
    • 豆バフ(仕上げ一歩手前の段階でリューターにつけて使うホワホワのやつです。)

    マスクは必ず着用してください。(二重に着用するのがおすすめ)

    また、研磨剤や作業で発生する粉塵は体に良くないので、ペットや小さなお子様が出入りする部屋では行わないようにしてください。

    材料リスト 

    ・真鍮リング
    (今回は厚み2mmの板材から作りましたが、硬くて大変でした。真鍮はシルバーなどに比べて硬いので、1.5mm厚未満の薄板が作りやすいです。)

    真鍮リングをピカピカに磨く 作り方手順

    側面を平らにする

    ※真鍮リングの作り方は割愛します。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step2/

    ピカピカな平面を出すには、フラットな下地が必要です。

    ボコボコのまま磨きに入ってしまうと、ボコボコがそのまま消えずにそのまま仕上がり、どこかぼやけた仕上がりになってしまいます。

    平たい面のある中目(荒いと後でヤスリ目を消すのに苦労します)のヤスリを使って、側面を平らにします。

    大きめのヤスリ(インチヤスリなどの、木の柄を付けるタイプ)が安定感があっておすすめです。

    ヤスリで側面を削るときは、側面の手前と奥を同時に削るようなイメージでヤスリを当てると平らにしやすいです。

    同じところを2、3回削ったら、リングを45度ほど回転させてまた同じように削ります。

    これを繰り返し行い、側面全体にヤスリの跡がつくようになればOKです。(側面に凹みがあったりすると、そこだけヤスリの跡がつかないので、それを目安に凹みがなくなるまで削りましょう。)

    ヤスリで平らに削ったら、220番の耐水ペーパー(紙やすり)をできるだけ平らな机に用意し、八の字を描くようにヤスリがけをします。

    220番が終わったら、次は800番の耐水ペーパーで同じ動作を行

    今回のリングも真鍮の板が厚めだったので硬くて成形するときに歪んでしまい、側面を平らにするのがとても大変でした。

    でもここの工程次第でピカピカにした後の見栄えが大きく変わってくるので、平らになるまで根気よく頑張ります・・・!!!

    リューターでリングの内側と外側を磨く(荒磨き)

    リングの内側に軸つきサンドペーパー(以下ペーパー)を当てて、ヤスリの跡やロウ付けの跡を消します。

    ロールサンダーやバナナサンドペーパーなどの名称で売られています。

    最近はなぜかロールサンダーがどこにも売っていない(欠品)しているので、自作するかバナナの方を使います。

    おすすめツール(重要度★★★★★)

    バナナサンドペーパー #400 (242円)

    バナナサンドペーパーはロールサンダーより割高ですが、使いやすいです。

    ロールサンダーとは違い斜めにめくれることで、上から下まで使い切ることが出来ます。

    リングの内側全体をリングを回しながら均等に当てていきます。リングに対して垂直にペーパーを差し込み、一周ペーパーの跡になるまでリューターを当てます。

    ペーパーの跡がなかなかつかないところは周りより凹んでいる箇所ですが、そこだけペーパーで当てて削り込んでしまうと、そこだけ大きく凹んでしまいます。そうなると側面から見たときに綺麗な円形に見えなくなってしまうので、凹みがあってもガマンです。

    一周ペーパーを当ててもまだ凹みがある場合は、同じ動作をもう一周行い、全体的にペーパーを当てながら消すようにします。

    指あたりを良くするために、内側の角を少し落とします。

    リングを少し斜めにするように持ち、リングの内側と同じように軽い均等な力で当てていきます。

    均等な幅で落とせるのが理想ですが、力の入れ方や角度にムラがあると上手くいかなくなるので注意です。

    リングの外側もペーパーを当てます。手順は内側のときと同様です。#600あたりのペーパーまでやっておくと早いです。

    リングの側面を磨く

    画用紙(もしくはコピー用紙)を、平らな面(100均のバインダーが便利です)に敷いて#4000の研磨剤を画用紙にクレヨンで塗りつぶすような感じで塗り付け、その上を上下に滑らせます。

    しばらく滑らせていると研磨剤が黒くなり、光沢が出てきて滑りが悪くなってきます。そうなったらもう一度その上から研磨剤を塗り付け、また光沢が出て滑りが悪くなるまで滑らせます。これを4、5回繰り返します。

    #4000の後、一度お湯と洗剤でよく洗って、研磨剤のカスをしっかり落としてから今度は#8000の研磨剤を画用紙の新しい場所に塗り付け、同じように繰り返し滑らせます。

    洗浄のときは、擦り傷をつけずに洗浄出来る超音波洗浄機で行うのがおすすめです。

    洗浄を行わずにそのまま次の細かい番手の研磨剤で磨いてもいいですが、洗浄をしないとリングに荒い研磨剤が残ったままなので荒い研磨剤が混ざってしまい、どうしても少しキズが残ったままになります。

    細かい擦り傷が見えます。

    工程ごとに洗浄機でしっかり洗浄を行うと、より綺麗に仕上がります。

    リングの内側を磨く(中磨き)

    リングの内側を磨いていきます。写真は細めのフェルトポイント(以下フェルト)を使っていますが、もう少し太めのフェルトがベストです。

    リングの内側を磨くときは、ペーパーのときとは少し違った磨き方をします。ペーパーのときは奥から手前に払うように当てます(一方方向へ当てる)が、フェルトで磨くときは左右に撫でるように動かして磨きます。地面に書いた縦線を手で左右に払って消すようなイメージです。

    フェルトに#4000の研磨剤を付け左右に動かしながらペーパーの跡を磨いて消していきます。磨いているところのペーパーの跡が消えたら、リングを少し回してフェルトに研磨剤を付けそのすぐ隣を磨きます。これを繰り返して一周磨きます。

    指あたりの部分は、ペーパーのときと同じように手前に払うように磨きます。

    フェルトでリングの内側を磨くとき、ペーパーの跡が消しきれていなくて磨き残ってしまうということがよくあります。フェルトの段階ではちゃんとペーパーの跡が消えているのかなかなか判別つきにくく、ちゃんと消したと思っていても仕上げの段階で磨き残っていることに気付くということが多いです。

    磨き残しを防ぐためにも、こまめに研磨剤を付けてしっかり磨きます。

    また、フェルトでリングを磨くと摩擦でリングがとても熱くなります。

    最悪体に当たって怪我をしてしまう可能性があるので、少し熱いかなと思ったらすぐにフェルトを離してリングを冷ましてください。革の指サックなども売っています。

    リングの外側を磨く(中磨き)

    リングの外側をフェルトで磨きます。(内側を磨くときのように、フェルトを左右に動かしすぎると面がボコボコになります。かと言って全く動かさないとペーパーの筋もなかなか消えません。)ペーパーのときと似たような感じです。

    フェルトにしっかりと研磨剤を付けて、奥から手前にまっすぐ引くように磨きます。このときフェルトの形がボコボコしているとリングの形もボコボコになってしまうので、ダイヤブリックドレッサーを使ってフェルトの形を平らに整えましょう。

    はじめに平らに整えていても、フェルトは磨いているうちに段々と形が崩れて平らではなくなってしまうので、こまめに整えた方がより平らに、綺麗に磨けます。

    内側と同様にペーパーの跡が磨き残りやすいので、こまめに研磨剤を付けて磨きましょう。

    仕上げ

    リングの仕上げをしてピカピカに光らせます。

    リングの内側、側面、外側を豆バフを使って磨きます。

    研磨材は#8000を使いました。

    今までの作業一つ一つがいかに大切であったか思い知るときが来ました。

    ピカピカに光ることによって形の歪みや磨き残しがよく見えるようになってきます。

    仕上げの作業はあくまでもピカピカに光らせるための作業なので、もしここでペーパーなどの磨き残しがあった場合は中磨きの工程まで戻って磨きます。

    形の歪みを直すなんてことになったら、最悪ヤスリの工程まで戻ることも・・・

    本来であればこの段階から素手で触らずに、手袋などを着用して接触による傷を避けます。

    豆バフの仕上げだけでも十分ですが、最後に液体研磨剤(ピカール)を使って磨きました。

    本来であればさらに細かい研磨剤を使って、さらに柔らかいバフで磨きます。(

    ウエス(もしくはティッシュ)にピカールを付けてリング全体を拭くように磨きます。

    この辺りは個人の好みなので、やってみて好きな仕上がり具合を選ぶといいと思います。

    完成

    よく洗浄して完成です。

    金やシルバーの磨き方もこれで問題ないと思います。

    プラチナはもう少し手間がかかります。(粘り気の強い印象なので、ペーパーや研磨剤の種類を増やしたり、長く磨く時間がかかったりします)

    自宅でも大型機材を使わずに平面をそれなりに綺麗に磨くことができました。

    時間をかけて磨くと愛着も湧いてくるので、ぜひチャレンジしていただけたら幸いです。

    最後までご覧いただき、ありがとうございました。