今回は、真鍮とCZラウンドカット1ctを使って、ザ・指輪といったような典型的なフォルムのリングを作ってみます。
大きいダイヤ!金をしこたま使った枠!明日朝起きたら本物になってたらいいのになと思います。
もちろん、本物の素材を使っても作り方は同じです。
材料費に糸目はつけないタイプの方は本物でぜひやってみてください!
ラウンドカットの一粒ダイヤのリング 完成イメージ
必要な道具と材料
必要な道具
リングを作るための基本的な道具に加えて、石留の道具が必要です。
カスタムした精密ヤスリ、石留ヤットコなどがあると良いです。余裕があれば、彫刻台があると良いです。
石留ヤットコは自作も出来ますが、買った方がはるかにお手軽です。
石留の道具の買い物リストを作りました。あると便利なものや、100均で売っているものなども紹介しています。
使用する材料
今回は大奮発!(全部真鍮)
3πの真鍮棒と1.5mm板材、1.2mmの線材を使っています。
石はCZラウンドカットです。
参考:自宅で金と天然ダイヤの指輪を作る手順(K18のロウ付け・ダイヤを割らずに留める方法)
ラウンドカットの一粒ダイヤのリング 作り方手順
石座を作る
1.2mm線材で石の直径が外径と同じになるサイズで輪っかを作ります。
芯金棒では細すぎて作れないので、身の回りのもので代用しました。(今回は家にあったマイナスドライバーの芯が丁度良かったので使いました。)
細い芯金棒も売ってますので私も買っておこうと思います。
ちなみに四角とか三角とか楕円とかの断面の芯金棒もあるそうです。石枠を作るときに使うらしいですが仕事でも使ったことはありません。
(気になっているけどチョット高い…)四角はまだいいのですが、オーバルだと石のカットによって膨らみ具合にも個体差があるので、あんまり役に立たないんじゃないのかなとは思ったりします。同じ形をたくさん作るときは活躍しそうです。
爪を作る
次に爪を作っていきます。1.2mmの線材をラウンドカットのキューレットの形に合わせて”くの字”に曲げます。
あとで、先ほどの石座の輪っかにはめ込みますので、石座輪っかの外径と同じくらいの位置に印をつけます。上画像はなぜか石と一緒に撮ってしまっていますがこの時は何を考えていたのか…石座輪っかを見ながら合わせた方がやりやすいと思います。
印のところで上画像のように折り曲げます。
石座輪っかに十字の位置に精密ヤスリなどで溝を作り、先ほどの爪パーツを差し込んでいきます。爪パーツの折り曲げ位置も少し削るといい感じにピタッといけました。
はまりました。このまま動かさずにロウ付けします。石座輪っかが垂直になっているか確認してください。(横から見て曲がってロウ付けしてしまうと失敗作です。泣)
ロウの大きさは小さめで1mm角より一回り小さいくらいで十分だと思います。石座輪っかと爪の境目にロウを置いて、余計なところに流れないように気を付けました。
ロウが流れて酸洗いをしたら、上画像のように爪の底を切り離します。もう一本の爪部品をはめ込んでいきます。
切れ込みを1.2mm幅に削って広げて、もう一本の爪をはめ込んでいきます。
精密ヤスリで爪の方も嵌め込むところを削っておきました。
こんな感じではまりました。はめ込むのが上手くいくと楽しいです。
ロウ付けします。ここまでロウ材は3分ロウを使っています。
爪の下の方が太くて素材感が強すぎるので、先細りにしてカッコいい感じにしてみます。
精密ヤスリを使います。(指にヤスリが刺さりやすい作業なのでお怪我に気を付けてください。)
このくらいでいいでしょう。こちらはほっといてリングの腕の部分をこさえていきましょう!
リングの腕を作る
3mm真鍮棒を焼き鈍して、しずく型にします。芯金棒に添えて曲げますが、作りたいサイズのマイナス#2の大きさで作ります。
逆にグイっと曲げます。丸ペンチを使いました。(100均で2本購入)
グイッと反り返し部分を切って、上図の様な形にします。
開いた口の部分が石枠と合う様に調整しておきます。
ここから削り込んでいきます。内径はサイズが変わってしまうのであまり削らないで、外側を削って調整して見てください。
側面は耐水ペーパーで削ります特に決まりはありませんので、お好きな形状に加工してみてください。
ただ、石枠を設置する部分が変わってしまうと後で組み立てられなくなりますのでご注意ください。
パーツをつくる
真鍮の板1.7mmを帯状に切って、腕の足りない部分に合う大きさでカットします。四つ端をニッパーなどで切り落として、サーフボード形にしていきます。
芯金棒でサイズに合わせて曲げたら、ヤスリで綺麗にしていきます。
アウトラインが良くなったら、今度は横から見た時のシルエットを整えます。
先細りになる様に上図の様に削っていって尖らせます。
この時、リングの内径側の部分にヤスリは当てず、外側部分だけを削る様にしましょう。(内径を削るとリングがカタカタしてしまいます。)
こんな感じで終わりにしました。なんていうか切った爪みたいですね。
腕側のパーツは全て揃いました!いよいよ組み立てです!
….とその前にロウ付け後に磨けない部分は今のうちに研磨しておきます。
腕の先端やサーフボードみたいなパーツの表面・側面は後で磨きが入らないのでこの時点で磨いておかないとロウ付け後は仕上げ不可能になってしまいます。
後で磨くと余計な部分に道具が当たってしまい形が崩れてしまいます。
全てのパーツが出揃ったところでいよいよロウ付けをしていきます。
最初は3分ロウを使ってサーフボードみたいなパーツと腕をロウ付けします。動かない様に気をつけて、しっかり真っ直ぐに固定します。
棒材で動かないように固定しました。
2箇所ロウ付けをしました。ロウの大きさは1mm角くらいで大丈夫です。大きすぎるとロウでディティールが埋まってしまいますので注意します。
ここでロウ目を一回磨いておきました。
ついでに他のところも一周磨きました。あとは石座をつけるだけです。
ロウ付け前に石枠も磨いておく
石座を磨くときは手芸店などで売っている紐に研磨剤をつけて磨きます。
思っている以上に早く削れていくので、形を崩さない様に注意します。
紐は平たいタイプのものが使いやすいです。何種類かの形状の紐を用意しておいて使い分けています。
ユザワヤで売っている平たい紐が最高に使いやすいです。
研磨剤を綺麗に落とします。超音波洗浄機があると便利ですが、ない場合はお湯につけながら洗剤と歯ブラシで洗ってください。
研磨剤は油分ですので、冷水での洗浄は効率が悪いためです。
石座の接地面をサーフボードみたいなパーツの高さに合わせます。
高さが合わない場合は、腕の接地面の方も削りつつ調整します。
ヨシ!それではロウ付けしていきます!
研磨剤や油分がついている場合はよく洗浄しておきます。
石座のロウ付け
なんとか石座が自立しましたので、7分ロウでロウ付けします。
ただし、フラックスが沸騰した際のブクブクの威力でセッティングが崩れてしまう可能性もありますので、ご注意ください。
ある程度炙りながら水分を飛ばすと良いと思います。
火が強すぎると全てバラバラになりかねませんので、紫がかった柔らかい火で炙るように行います。
ロウは石座の中から入れて、サーフボードみたいなパーツに広がらない様に注意します。(サーフボードみたいなパーツにはロウは載せずに、石枠の爪の線材が集中している部分にロウを載せて炙っていくと綺麗に流れます。)
火の当て方に注意しながら行えば、どなたでもロウ付け可能だと思います。
最後のロウ付けが完了しました。
ディクセルなどで酸洗いを行います。
仕上げの研磨をする
リューターで研磨する際は、フェルトなどのホイールの天面を使うと平な面を比較的ボコボコにならずに磨けます。
ディスクグラインダーの様な要領です。1箇所にとどめずに素早くスライドさせて磨くと上手く出来ます。
ブラシなどに研磨剤をつけて、艶出しします。ブラシは当てすぎると形が崩れますので、瞬間的に当てる感じです。濡れた手をシュバっと水切りする感じでしょうか(語彙力)
ここまでは荒目の研磨剤を使っています。
中仕上げ
荒仕上げの研磨剤の跡が全体についたら、一回洗浄して中仕上げの研磨剤を使います。
緑色のマメバフや、柔らかいブラシなどで磨いていきます。
結構ピカピカになってきたかと思います。趣味なので、別にお好みのところでお終いにしてしまって大丈夫だと思います。
売り物でないとモチベーションが上がらず磨く気力が出ませんが、真鍮は割とすぐに光沢が出るので助かります。
真鍮の磨き心地はK18に似てる気がします。
最終仕上げ
最終仕上げはピンクや青の豆バフなどで仕上げます。
研磨剤も青やピンクなどのものは大体最終仕上げ用です。
研磨剤を変えるときは必ず洗浄して、研磨道具に番手の違う研磨剤が付着しないようにします。収納時もケースを分けるなどします。
研磨が完了した後は、お湯と洗剤でよく洗浄して研磨剤を落とします。
洗浄してみるとわかりますが、超音波洗浄機は本格的な研磨には必須の道具です。
細かなところも直ぐに洗浄できる上、仕上げた品物に余計な擦り傷が付く事もありません。
マトモに使える洗浄機はいいお値段しますが、ネットオークションなどで中古を探すのも手です。
ヒーター機能が付いていると便利です。
まとめ
今回はラウンドカットのリングを作ってみました。作ったパーツの組み立てが楽しいです。
石座とリングの腕を別で作って、後で組み立てるというのが基本的なやり方ですが、これにプラスして、腕にメレを入れたり、装飾を施したりなどカスタムしていく事もできそうです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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