
こんにちは。ツウクルです。
インフルエンザで寝込んで、前回の更新から少し時間が空いてしまいました。
手持ちのルースをリングに仕立てるマガジン第二回目の記事です。
予定では第4回が最終回となっています。
#1 デザイン編
#2 制作編
#3 石留め
#4 仕上げ編
https://tuucul.com/n/n745137a5cc38
さて、前回は設計図となるデザインを考えました。
今回はこれを元に実際に作っていこうと思います。
作り方を考える

今回の作品は、いつもよりかなり難易度高めです。
しかし、作業自体は「穴をあける・切る・くっつける・曲げる」など基礎の発展です。複雑な形もひとつひとつ分解して考えてみると結構シンプルだったりします。

パーツごとに分けるとこんな感じです。
さらに展開して考えると…

指輪の部分は、「先が反り上がった細長い帯の形」を板から切り出して丸めたら作れそうですね。
石枠の部分は、土台を板で作って、爪は棒を使えばできそうです。
隙間の飾りの部分は板の側面をヤスリで削って模様をつけて、それを切り出せば実現できそうです。
分解して考えてみたことで、どういう材料が必要なのかわかってきました。
真鍮の板から石枠を切り出す
ということで石枠から作ってみます。
今回使っている作業机はこれです。
https://tuucul.com/n/n7e55c5b44112

石枠のベースとなるのは真鍮の1mm厚の板材です。

カニコンパスやケガキ針などで石の輪郭を真鍮板に描きます。
カニコンパスなどの道具がない場合は、尖った鉄の針(100円ショップで売っている鉄串や目打ちなど)で代用可能です。

センターラインなどの補助線を引いて、メレを正確な位置に描きます。
メレは隣同士がぶつからないように注意です。
1.5mmの石を使いますが、下書きでは1.8mmくらいの円で描いておきます。
写真に撮り忘れましたが、メレの円の中央にはカニコンパスなどで印を打っておきます。
ピンバイスにドリル刃(0.8mm)をセットします。



下書きの円の中心に0.8mmの穴を開けました。
ピンバイスの使い方はこちらで詳しく解説しています。
https://tuucul.com/tool/pinvise/

No.1スチールバー1.5mmをピンバイスにセットして、

穴を拡張していきます。貫通させずに、板厚の半分程度まで削れたらOKです。


真ん中も同じようにピンバイスで穴あけして、糸鋸の刃を通して石の形に切り抜いていきます。
石の輪郭のラインよりも内側で切っておきましょう。


穴の内側を精密ヤスリ(高丸)などで整えます。石の輪郭のラインギリギリまで削っておきましょう。
定期的に石を乗せてみて、様子をチェックしながら作業します。

外側もギリギリまで削っておきましょう。ハンドバイスを使うとやりやすいです。


こんな感じになりました。デザイン上の問題で花形に削っていますが、これが難しい場合は円形のままでもいいと思います。

裏表をサンドペーパーで綺麗にしておきましょう。100円ショップに売っている金属用紙やすりで十分です。
石枠をドーム状に加工
このままでも良いのですが、取り巻きのメレが付いているタイプは、ドーム状に湾曲していた方がバランスが良く見えます。

メレが若干外側を向いて止まる感じです。
外に広がることで少し大きく見える上、石が光を取り込んでゴージャスに見えるようになります。
湾曲させるには通常「ヤボウズ」や「サイコロ」と呼ばれる道具を使います。

しかしこれらの道具はそこそこ値段がするのと、出番がそこまで多くないので、このために購入するのは勿体無いです。(邪魔だし、生活空間で放置してると錆びます。)
そこで今回は代用法を考えてみました。

DAISOで一番小さいスプーンを買ってきました。小匙スプーンが良かったんですが、プラスチック製品しかありませんでしたのでこちらにしました。
間に挟んで曲げるので、同じものが2本必要です。
焼きなましで柔らかくする

バーナーで赤くなるまで炙って水で冷やします。(溶かさないように注意!)
柔らかくなって曲げやすくなりました。
https://tuucul.com/know-how/glossary/annealing/

スプーンの間に入れて、ペンチなどでぎゅっと挟みます。
ペンチは100円ショップのでOKです。
何回か向きを変えて、いろんな方向から満遍なく挟んでおきましょう。




ちょっとの違いですが、このちょっとが完成品の雰囲気を大幅にUPさせます。
石枠の土台を作る

デザイン画から土台パーツの幅を測って、それに合わせて板材から切り出します。

ただのオーバル形に切り出してもいいのですが、後ほど指輪と合体させるときに、指輪と土台パーツの接点が少なくてロウ付けが難しいかもしれません。
今回は”のり代”となるツノを生やしておこうと思います。



ヤスリで糸鋸の跡を綺麗に整えておきます。

ピンバイスで穴を開けて、オーバル形に切り抜きます。


三角型の精密ヤスリで、折り目となる溝を入れておきます。
大体板厚の3/4くらいの深さまで削ります。
厚紙を綺麗に折り曲げたいとき、カッターで薄くスジを入れますよね。
やっていることはそれと一緒です。

変形させる

リングの形に沿うように芯がね棒と木槌で丸めておきます。
https://tuucul.com/tool/mandrels/


ペンチなどで、溝のところを起点に織り込みます。

折り曲げた部分は3分ロウ(3ぶ)か5分ロウ(5ぶ)ロウでロウ付けします。
https://tuucul.com/know-how/technique/brazing/
https://tuucul.com/know-how/glossary/pickling/

精密ヤスリで形を整えます。角を丸くしておきました。
指輪パーツを作る

次に指輪パーツです。
2mm厚の真鍮板を使います。
デザイン画より厚めの幅で切っておいて、後でヤスリで調整します。
材料の切り出し

全長はリングサイズによって変わります。下の記事を参照してください。
https://tuucul.com/accessory/expertise-material-weight/
焼きなましと変形


100円ショップに売っている丸ペンチを使って端と端をくっつけます。
歪な形になっていても問題なしです。

ロウ付け

後で芯がね棒で丸めるときにやりやすいように、ロウ付けしておきます。
仮止めなので適当でOKです。
芯がね棒で丸める

芯がね棒に差し込んで、木槌で叩いて丸めます。

歪みは、木片と金床・木槌で叩いて矯正します。
https://tuucul.com/tool/anvil/
削って成形

ヤスリでひたすら削って形を作ります。

指輪パーツと土台パーツの合体

指輪パーツの真ん中をデザイン画に合わせて糸鋸で切ったら、土台パーツが嵌め込めるようにヤスリで調整します。


こんな感じの塩梅で嵌まるようになります。
ロウ付けする

5分ロウでロウ付けします。酸洗いをしたら、はみ出たロウをヤスリで削り取っておきます。
装飾パーツの作成

板材をアイスの棒の先のような形に切って、断面を精密ヤスリの半丸型・三角型などで削って模様をつけます。

できたら糸鋸で薄く切ります。


ロウ付けする

5分ロウでロウ付けです。加熱しすぎると先ほどロウ付けした部分が溶けてしまうので注意しながら行います。
ロウは裏側からセットすると良いです。

石枠パーツと合体

石枠パーツとくっつけます。石枠パーツはメレ石の間に0.6mmのドリル刃で爪を立てるための穴を開けておきました。

指輪パーツとの接点であるメレの穴の裏側をスチールバーで広げておきます。
ここに指輪パーツの「ツノみたいな部分」を差し入れてロウ付けします。

5分ロウで慎重にロウ付けします。

爪を立てる

0.6mmの真鍮棒をUの字形に曲げて、穴に差し込んでいきます。
1本ずつロウ付けするより安定します。
7分ロウを使います。



ニッパーで不要な部分をカットしたら完成です。
ロウ付け箇所もたくさんあって難易度は高いですが、もっとデザインをシンプルにすることで簡単にすることも可能です。
今後、そういう作り方も発信していく予定ですので、よろしければフォローしていただけると嬉しいです!
まとめ

ということで今回はここまでです。
複雑なものも、パーツごとに分解してみると単純な形になるはずです。
それを一個一個作って、プラモデルのように組み立てていけば、理論上はどんなに複雑なものでも作れるということになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は石留め編です!
コメントを残す