彫金作業の最大の特徴でもあるスリ板。形も様々で、設置方法も様々です。在宅独学民の方向けに自宅で彫金を行うにはどれが適しているかを解説します。
もくじ
すり板の種類とおすすめ
大きく分けて、机に固定された金具に差し込んで使うタイプと、クランプで着脱可能な2種類のタイプがあります。彫金机をお持ちでない場合は、着脱式のタイプがおすすめです。
着脱式のすり板

着脱式のタイプにも、クランプ式のものや、金床がついているタイプなど様々なものがあります。
使い心地は固定式と遜色はありませんがスリ板の形がある程度決まっているので自由度は低めです。
普通の作業をする分には着脱式で何ら不自由はありません。
おすすめ:最初から使いやすい形になっているすり板

クランプ式のスリ板の唯一の欠点といえば、初期状態ではとっても使いづらいことにありました。

ですのでノコギリと木工やすりで形を整えなければいけなかったのですが、これは最初から使いやすいようにテーパーに加工されています。しかもリーズナブルです。
木屑まみれにならずとも、そのまま使えるのは嬉しいです。

見た目がとってもかっこいいスリ板です。金床としても使える優れものです。替えのスリ板も単品販売されているので長く使えます。ちょっとスリ板の幅が狭いので、日本規格のものに慣れている方は若干使いづらさを感じるかもしれません。(使っていれば慣れると思いますが。)
固定式のスリ板

直接机に固定するタイプです。
カスガイは天板に直接ネジで固定するので、専用の彫金机が必要になってきます。ただし、スリ板の材質(木材の種類)の選択肢が豊富で、そういう意味でもプロ向けの道具です。
机の上に固定する金具です。ドアの取っ手みたいですね。多分ドアの取手でも代用できます。
彫金机には、あらかじめ付属していることが多いです。中には使わないときは天板に引っ込むロールスロイスのエンブレムみたいな仕組みのものもあります。

木の種類もいろいろあって、樫などの硬い木か、朴などの柔らかい木で使い分けられています。
私は作品が傷つきにくい柔らかい木が好きです。最近は朴ではなく、ポプラ材のものが販売されていますが、そこまで大差ありません。ささくれ立たないきめ細かな木材の板切れをお持ちであれば、それを使ってもOKです。
使いにくいスリ板を買ってしまった場合のセッティング方法
分厚いスリ板は使いにくいので、テーパーに削る必要があります。平溝型(I型)などがそれです。ちょっと前はテーパー型より安かった(500円くらいで売っていた)のでこれを加工して使うのが多かったのですが、最近はテーパー型と価格が変わらないのでこれを選ぶ必要はないとは思います。
しかし、なんかの拍子で入手してしまった人向けにセッティング方法を解説しておきます。

ノコギリと木工用ヤスリでテーパーに削る

100円ショップに売っているノコギリと木工用ヤスリで加工します。(このノコギリは金属用ですが、木工用推奨です。)
ノコギリは糸鋸でもOKです。ヤスリは彫金用だと目が細かすぎて削るのに時間がかかるので、木工用の荒いヤスリがあると良いです。
100円ショップに売っているこのオレンジの取手のヤスリはかなり優秀です。木工用としても使えますし、ワックスの荒削りにも使える優れものです。
ノコギリ
糸鋸+鋸刃#0でOKです。木工用のノコギリがあればそちらを使ってください。
木工用ヤスリ
購入リンク:Y-SK11 クラフトヤスリ 木工用 鬼目 平 全長195mm
100円ショップ(DAISO)で110円で売っているので、そちらの方が良いです。
1.ノコギリで斜めに切る

なるべく斜めになるように、ノコギリで切っておきます。糸鋸で切ってもOKです。
2.木工用ヤスリでテーパーに削る

木工用ヤスリでさらに削ります。

このくらいになっていればOKです。
3.ヤスリでささくれを取る

ひっくり返して、彫金用のヤスリでささくれや尖りすぎた角を削り落としておきます。
これでスリ板のセッティングは完了です。
すり板はどんどん削って使う

スリ板は、都度使いやすいようにヤスリで削ったり、糸鋸で切ってしまって構いません。
一部を凹ませて削りたい作品をフィットさせたり、作業がしやすいように削っていくので、スリ板の形はどんどん形が変わっていきます。
彫金で使うすり板の選び方 まとめ
以上がスリ板の選び方についてでした。自宅でやる分には着脱式がベストバイだと思います。ちなみに、そこら辺の板切れを100円ショップなどで売っているCクランプで机に固定するのでも全然OKです。
色々準備が面倒な方は、最初からテーパーに加工されているこちらのタイプを購入した方が幸せになれると思います。

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