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  • ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方

    地金でぐるっとルースを包んだフクリン留めは、彫金で作るアクセサリーの定番ですね。

    フクリン留めは”伏せこみ”とも呼ばれることもありますが、要するに金属で縁を作って内側に押し倒して石の動きを封じる手法です。

    フクリンタガネ(伏せこみタガネ)という道具を使います。

    今回は100均のヤスリで作ったタガネでやってみます。

    初めての方はこちらをどうぞ。

    https://tuucul.com/accessory/how-to-make-ring-step1

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方 完成イメージ

    真鍮を使って家でリングを自作

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作るための基本的な道具に加えて、フクリン留めの道具を使います。

    フクリンタガネ・オタフク鎚(少々使いづらいですが木工用の金槌でも代用可能)と、彫刻台を使います(万力でも代用可能。重さがあるものが使いやすい)。

    今回は頑張って100均のもので代用しました。自作タガネは使いやすいのですが、100均に売っていた固定具ははっきり言ってゴミでした(笑)

    彫刻台があればいいのですが数万円するので、1500円くらいの万力が良いです。これならば確実にタガネの衝撃を地金に伝えられます。

    石留の道具の買い物リストを作りました。とりあえずこれだけ持っておいておけば趣味を十分に楽しめそうです。

    使用する材料

    この作品に使う材料一覧

    1. 1.2mm真鍮板材(フクリン枠用)
    2. 2.0mmφ 真鍮線材(リング腕用)
    3. ロウ材 (真鍮ロウ)
    4. ルース (カボション)

    ガーネットのカボションカットのルースと、1.2mm真鍮板、2φの真鍮線を使いました。

    初めての方はフクリン枠に使う板材が厚すぎると曲げるのに苦戦する可能性もあるので、真鍮板は薄いもの(今回のように1.2mm程度のもの)をお勧めします。

    ガーネットのカボションカットの覆輪リングの作り方の手順

    カボションカットで石枠を自作

    材料を切り出してフクリン枠を作る

    1.2mm真鍮板を上図の様にカットします。

    帯状のものは石の高さくらいの幅にして、焼きなましをしておきます。

    カボションカットの石枠を自作

    板パーツは石の台座となりますので、気持ち大きめにしておきました。

    カボションカットでフクリンの石枠を作る

    巻いて合わせていきますが、これが一番難しいポイントだと思います。

    カボションカットでフクリン枠を自作

    初めての場合は石の横腹の部分から巻き始めると良いと思います。これが爪留めの石座を作っている場合は、ロウ目の位置に爪を付けて目立たないように配慮しなくてはいけませんので、ちょっと難易度が上がります。

    100均の丸ペンチを使ってみました。使いやすくて安い!推しグッズです。

    フクリン枠を彫金技法で自作

    合わせ始めの端の部分はペンチで掴む余分として考えます。

    油性ペンの印から印の間が石に合わせた部分です。

    フクリン石枠を自作する 独学彫金

    なるべく隙間が出来ないように気をつけます。

    隙間が大きいと留めるときにシワが寄る原因になってしまいます。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ある程度まで巻けたら、ぴったりになるだろうというところで予測して糸鋸で切ります。

    フクリン枠の作り方

    こんな感じで、あとはチョット押せば一周ぐるっと石に沿う感じに仕上がります。

    思っているよりは難しくないとは思いますが、切りすぎて短くなってしまうよりかは、長めに切って糸鋸で切れ目に刃を通して微調整していった方が安全かもしれません。

    石枠を自作する 覆輪枠の作り方

    切れ目を一度糸鋸の刃を通して合わせたらロウ付けします。(3分ロウ使用)

    内側のはみ出たロウを削り取って、石が入る様に調整します。

    ヤスリで削ったり、丸ペンチで少しずつ曲げて微調整していると入りました。

    覆輪枠を自作

    逆さから入れて石が傾かずに枠に入ったらOKです。

    アプリコットジャムが乗ってるお菓子みたいですね。

    石枠の台座を作る

    覆輪枠をロウ付け

    台座の板と輪っかをロウ付けします。

    強い火が輪っかのロウに当たりすぎると、ロウが枯れる(シワシワになってくる)現象が起きてロウ目が目立ってしまいますので注意します。

    今回は輪っかの接合・板と輪っかの接合・リング腕と石枠の接合で計3箇所のロウ付けです。

    輪っかと板の接合まで3分ロウ、リング腕との接合で7分ロウで充分かと思いますが、心配だったら3・5・7と使い分けてもいいと思います。

    フラックスを塗る 彫金

    フラックスを板に塗って、バーナーで炙って水分を飛ばします。

    石枠をロウ付けする 

    フラックスの水分が蒸発したら、輪っかを置いてロウを輪っかの外側に置きます。

    ロウ付けが上手い人は内側に置いた方がいいと思います。

    もしロウ付けが失敗して内側にロウが塊で残ってしまった場合、石がしっかりと入らなくなってしまう為です。

    ただ、内側からロウ付けをした方が見た目は綺麗だと思います。

    外に置いて塊で残っても、丁寧に整えることができるのでそこまで気にしなくて大丈夫です。

    石枠を自作する 自宅で彫金

    ロウ付けが終わって、酸洗いが済んだら板を石枠の輪郭に合わせて削ります。

    石枠に光穴を作る 

    光穴を作ります。フクリンは特に一周地金で覆われているので、光穴を開けておかないと石が暗く見えますね。

    光穴をヤスリで削る 彫金

    ピンバイスなどで穴を開けて、糸鋸の刃を通してなるべく大きめにくり抜きます。

    精密ヤスリで形を整えておきます。

    覆輪枠を自作する

    石を入れてみたところです。枠が高すぎるので後でもう少し削ります。

    貴金属で作る場合は、少しでも地金を無駄にしない様に初めから最小限の材料で作ることを心がける必要がありますが、ギリギリの寸法で作ると失敗した際にツブシが効かないので余裕を持って作ることをおすすめします。(真鍮ですし・・・)

    こういう作り方は本業の職人さんから見れば最もやっちゃいけないやり方だと思います。貴金属はスリ粉(ヤスリで削った粉)にすると回収率が下がり、地金をその分ロストしてしまいます。すこしの貴金属ロストで利益は簡単に吹き飛んでしまいます。

    また、削る時間ももったいないですからね。

    なるべく削らず、最も効率的な方法で作らなければいけないというのが職人で、趣味で作るのとはそういうところが違ってくると思います。

    ガーネットを石留する

    裏から見たところです。美味しそうです。

    光穴を磨く場合はこの際にやっておくといいと思います。

    綿棒をリューターに取り付けて、研磨剤をつけて磨くと早いです。

    石枠の完成

    枠を削って高さや厚みを整えます。

    枠が厚すぎると留めで苦労しますので、先に向かって徐々に厚みを減らしました。

    先に高さを整えて、それから厚みを調整すると工程に無駄がありません。

    リングの腕を作る

    天然石の指輪を自作する

    続いて腕部分を作ります。

    直径2mm線材をカットして、バーナーで熱して焼き鈍しをします。

    両端をハンマーで潰して、もう一度焼き生して、ロウ付けしてリングを作ります。

    リングを作る工程はいつも通りにやり方ですが、ロウ材は融点の低いものでも大丈夫です。

    リングを自作する 独学で彫金

    写真のような感じになりました。

    サイズが小さいときは、芯金棒に入れた状態で金鎚で潰した部分をさらに金鎚で叩くとサイズを広げることができます。

    石枠分を切って、合わせていきます。

    ルースを使ってリングを自作する 自宅で出来る彫金

    画像のように石枠の幅に合わせてカットします。

    やや小さめに切って、少しずつヤスリで合わせていくと失敗が少ないです。

    削って合わせる 石座の自作

    合わせ目はちょっとだけ段差を作っておいて、ロウ材ののりしろを作っておきました。

    石座を作ってリングを手作り

    ブロックを活用したり、第三の手などの道具を使って水平垂直になるようにロウ付けします。

    これでロウ付けは最後なので、この時のロウ材は7分ロウなど、低めの融点のものがいいと思います。

    石座の付いた指輪の作り方

    石枠が歪まないようにサイズを整えます。

    1番強度がないところから歪んでいくため、腕の材料が太いと、石枠が1番曲がりやすい箇所となっています。

    歪んでしまうと直すのは難しいので、様子を見ながらやりました。

    ガーネットのフクリン留め

    石留のやり方 カボションカットのフクリン留め

    ある程度磨いてヤスリの傷は取っておきました。

    ペーパーを軸に巻いたものをリューターにつけて磨きました。

    固定具にセットする

    彫刻台を使って石留

    彫金では彫刻台という道具を使いますが、これが結構高価で安いものでも2万円前後します。

    画像の上はミニ彫刻台と100均のプラスチック製万力です。あまり使い物にはなりませんが、今回は頑張って100均の万力で出来るか試してみようと思います。

    ハッキリ言ってやりづらかったので、フクリン留めのために彫刻台を買うつもりのない方は、卓上ボール盤用の万力がおすすめです。(2,000円前後で購入できます)

    万力
    安価でしっかりしているボール盤用万力

    これなら安定性もあって作業に十分な重さもあり、しっかりとタガネの力を石枠に伝えることができます。

    フクリン留め以外にも石留め全般で役立ちそうです。

    タガネを作る

    伏せこみタガネ

    市販でも売っているのですが、今回は100均のヤスリで作ってみます。

    画像のようにオタフク鎚という金鎚でタガネを叩くやり方と、ヘラのようにしたタガネでグリグリして留めるやり方と二種類ありますが、オタフク鎚で叩くとなると彫刻台がないとしっかりと固定できず、タガネの力が地金へ伝わらないので少々キツイです。

    今回はグリグリするやり方でやってみます。

    オタフク鎚と伏せ込みタガネでやる方が、厚い地金を精密に寄せることができるので、ジュエリー製作ではこちらがメインです。

    またの機会にやってみようと思っております。

    グリグリする場合はなるべく薄いフクリン枠(フクリン部の地金厚みが真鍮:0.4㎜以下、シルバー:0.6㎜以下)がおすすめです。

    真鍮は硬めですが、シルバーならもう少し楽に留まるのではないかなと思います。(…今回、かなり頑張らないと留まりませんでした。

    100均の鉄工ヤスリを根元で折る

    伏せこみタガネの代用

    100均の鉄工ヤスリとダイヤモンドヤスリ、ペンチを用意します。

    鉄工ヤスリをヤットコなどを使って根本から折ります。

    ペンチなどを2本使ってやると安全です。折るときは怪我にお気をつけください。

    100均のヤスリを加工して石留

    ダイヤモンドヤスリで若干曲面にしながら折った面を整えます。

    100均のヤスリを代用 彫金

    ダイヤモンドヤスリの角を使って、溝を作ります。

    伏せこみタガネで石留

    木片に穴を開けて柄を付けました。

    後述する熱湯につけると軟らかくなる固定材や、100均にも売っている熱湯で軟らかくなる樹脂などでも柄を作ることが出来ます。

    カボションカットのクフリン留の手順

    奥の手 彫金

    今回はこの100均の黄色いおもちゃで固定したんですが、先に言っておきますがこれは何の役にも立ちませんでした。

    最終的にパワープレイで無理やりねじ伏せた結果となりましたので、1500円くらいの万力でいいので重さがある程度ある金属製のものを強くお勧めします。

    また、直で挟んでいますが、本来は熱湯につけると軟らかくなる固定材をつけます。

    石留の道具
    しっかりと固定するための樹脂。色々な種類があります。

    固定材につけてから万力に挟むと傷が付きません。

    外すときは再度お湯につけて軟らかくして取ります。

    こびりついた場合は、アセトン(除光液に含まれている成分です。)に漬けておくと溶けてきれいに取り除けます。

    覆輪留をする

    枠の上部分をヤスリで削って薄くして、曲げやすくしておきます。

    枠の縁を作ったタガネの溝に当ててぐりぐりと内側に折りこんでいくと、徐々に石に沿って枠が曲がっていきます。

    ピッタリのフクリン枠ならすぐに留まりますが…隙間が大きいと皺が寄ってしまってきれいに留まりません。

    故に石枠がルースとぴったりになるように、石枠作りは完成を焦らず時間をかけると良いと思います。

    石が動かなくなっても、無理してぐりぐりやっていると石が割れてしまいます。あともうちょっとだけぐりぐりしたいな…という気持ちがキケンです。(そういう時は大体割れる)動かなくなったら”石を留める”よりも”枠の形を整える”作業に移行しましょう。

    ヤスリで整える

    曲がりづらかったら、枠を削って薄くします。あまり薄くしすぎると縁がガジガジになってきてしまいますので、縁はある程度厚みを残しておくと良いと思います。

    伏せこみ技法 石留

    そうこうしているうちに留まりました。一周ぐるっと隙間がなくなりました。この後にヘラでルースと枠の間を擦ったり、鏨で照り返しを切るケース(ピカピカに研いだ刃物でルースとの境目をぐるっと切ると、ルースと石枠の境目がきれいになります)もありますが、ルースを傷つけないように気を遣う必要があり上級者向けなので、今回はこのまま仕上げます。

    あー…あの黄色いクランプはもう二度と使いたくありません。。。

    仕上げて完成 独学 自宅で彫金

    仕上げは牛乳パックを円コンパスで切り抜いたものをマンドレールに取り付けたものに研磨剤をつけて磨きました。(リューターを使っています。)

    腕と枠の境目は結び目のようなトリムを付けました。

    腕は粗いペーパーでヘアラインを入れました。

    ガーネットのカボションカットのフクリン留めリング まとめ

    真鍮を使って家でリングを自作

    今回はカボションカットを留めてみました。

    いい道具を使えばきれいに素早く留まりますが、最安値の道具でも若干の無理矢理感はありましたが何とか留めることが出来ました。

    もう少し道具に投資することをお勧めしますが、趣味としての敷居の低さを感じていただけたら嬉しいなと思います。

  • ラウンドカットの一粒ダイヤのリングを作る手順

    ラウンドカットの一粒ダイヤのリングを作る手順

    今回は、真鍮とCZラウンドカット1ctを使って、ザ・指輪といったような典型的なフォルムのリングを作ってみます。

    大きいダイヤ!金をしこたま使った枠!明日朝起きたら本物になってたらいいのになと思います。

    もちろん、本物の素材を使っても作り方は同じです。

    材料費に糸目はつけないタイプの方は本物でぜひやってみてください!

    ラウンドカットの一粒ダイヤのリング 完成イメージ

    ラウンドカットの石留のやり方
    ラウンドブリリアントカットの石留
    ラウンドカットのリングを作る
    ラウンドカットのルースを石留
    エンゲージリングを自作

    必要な道具と材料

    指輪を作る彫金道具一式

    必要な道具

    リングを作るための基本的な道具に加えて、石留の道具が必要です。

    カスタムした精密ヤスリ、石留ヤットコなどがあると良いです。余裕があれば、彫刻台があると良いです。

    石留ヤットコは自作も出来ますが、買った方がはるかにお手軽です。

    石留の道具の買い物リストを作りました。あると便利なものや、100均で売っているものなども紹介しています。

    使用する材料

    今回は大奮発!(全部真鍮)

    3πの真鍮棒と1.5mm板材、1.2mmの線材を使っています。

    石はCZラウンドカットです。

    ラウンドカットの一粒ダイヤのリング 作り方手順

    石の輪っかを作る

    石座を作る

    1.2mm線材で石の直径が外径と同じになるサイズで輪っかを作ります。

    芯金棒では細すぎて作れないので、身の回りのもので代用しました。(今回は家にあったマイナスドライバーの芯が丁度良かったので使いました。)

    細い芯金棒も売ってますので私も買っておこうと思います。

    ちなみに四角とか三角とか楕円とかの断面の芯金棒もあるそうです。石枠を作るときに使うらしいですが仕事でも使ったことはありません。

    (気になっているけどチョット高い…)四角はまだいいのですが、オーバルだと石のカットによって膨らみ具合にも個体差があるので、あんまり役に立たないんじゃないのかなとは思ったりします。同じ形をたくさん作るときは活躍しそうです。

    爪を作る

    ダイヤの爪を作る

    次に爪を作っていきます。1.2mmの線材をラウンドカットのキューレットの形に合わせて”くの字”に曲げます。

    石の大きさを測る

    あとで、先ほどの石座の輪っかにはめ込みますので、石座輪っかの外径と同じくらいの位置に印をつけます。上画像はなぜか石と一緒に撮ってしまっていますがこの時は何を考えていたのか…石座輪っかを見ながら合わせた方がやりやすいと思います。

    丸ペンチを使って曲げる

    印のところで上画像のように折り曲げます。

    爪を組み立てる

    石座輪っかに十字の位置に精密ヤスリなどで溝を作り、先ほどの爪パーツを差し込んでいきます。爪パーツの折り曲げ位置も少し削るといい感じにピタッといけました。

    石座を作る

    はまりました。このまま動かさずにロウ付けします。石座輪っかが垂直になっているか確認してください。(横から見て曲がってロウ付けしてしまうと失敗作です。泣)

    石座をロウ付けする

    ロウの大きさは小さめで1mm角より一回り小さいくらいで十分だと思います。石座輪っかと爪の境目にロウを置いて、余計なところに流れないように気を付けました。

    石座に爪をつける

    ロウが流れて酸洗いをしたら、上画像のように爪の底を切り離します。もう一本の爪部品をはめ込んでいきます。

    石座の爪を組み立てる

    切れ込みを1.2mm幅に削って広げて、もう一本の爪をはめ込んでいきます。

    組み立てるときに少し合わせ目を削る

    精密ヤスリで爪の方も嵌め込むところを削っておきました。

    石枠の合わせをぴったりにする

    こんな感じではまりました。はめ込むのが上手くいくと楽しいです。

    石枠をロウ付けする

    ロウ付けします。ここまでロウ材は3分ロウを使っています。

    石枠を削る

    爪の下の方が太くて素材感が強すぎるので、先細りにしてカッコいい感じにしてみます。

    精密ヤスリを使います。(指にヤスリが刺さりやすい作業なのでお怪我に気を付けてください。)

    石枠を自作する

    このくらいでいいでしょう。こちらはほっといてリングの腕の部分をこさえていきましょう!

    リングの腕を作る

    リングを作る

    3mm真鍮棒を焼き鈍して、しずく型にします。芯金棒に添えて曲げますが、作りたいサイズのマイナス#2の大きさで作ります。

    彫金で自作リング

    逆にグイっと曲げます。丸ペンチを使いました。(100均で2本購入)

    自宅で作れる自作リング

    グイッと反り返し部分を切って、上図の様な形にします。

    開いた口の部分が石枠と合う様に調整しておきます。

    ここから削り込んでいきます。内径はサイズが変わってしまうのであまり削らないで、外側を削って調整して見てください。

    指輪作り・ヤスリで整える

    側面は耐水ペーパーで削ります特に決まりはありませんので、お好きな形状に加工してみてください。

    ただ、石枠を設置する部分が変わってしまうと後で組み立てられなくなりますのでご注意ください。

    パーツをつくる

    リングにつけるパーツを作る

    真鍮の板1.7mmを帯状に切って、腕の足りない部分に合う大きさでカットします。四つ端をニッパーなどで切り落として、サーフボード形にしていきます。

    ヤスリを使って真鍮を削る

    芯金棒でサイズに合わせて曲げたら、ヤスリで綺麗にしていきます。

    真鍮のパーツを作る

    アウトラインが良くなったら、今度は横から見た時のシルエットを整えます。

    パーツを丁寧にヤスリ掛けする

    先細りになる様に上図の様に削っていって尖らせます。

    この時、リングの内径側の部分にヤスリは当てず、外側部分だけを削る様にしましょう。(内径を削るとリングがカタカタしてしまいます。)

    自作リングを自宅で作る

    こんな感じで終わりにしました。なんていうか切った爪みたいですね。

    指輪を組み立てる

    腕側のパーツは全て揃いました!いよいよ組み立てです!

    ….とその前にロウ付け後に磨けない部分は今のうちに研磨しておきます。

    最初に磨いておく

    腕の先端やサーフボードみたいなパーツの表面・側面は後で磨きが入らないのでこの時点で磨いておかないとロウ付け後は仕上げ不可能になってしまいます。

    後で磨くと余計な部分に道具が当たってしまい形が崩れてしまいます。

    全てのパーツが出揃ったところでいよいよロウ付けをしていきます。

    自宅でロウ付け

    最初は3分ロウを使ってサーフボードみたいなパーツと腕をロウ付けします。動かない様に気をつけて、しっかり真っ直ぐに固定します。

    棒材で動かないように固定しました。

    指輪をロウ付け

    2箇所ロウ付けをしました。ロウの大きさは1mm角くらいで大丈夫です。大きすぎるとロウでディティールが埋まってしまいますので注意します。

    指輪を磨く

    ここでロウ目を一回磨いておきました。

    真鍮を磨く

    ついでに他のところも一周磨きました。あとは石座をつけるだけです。

    ロウ付け前に石枠も磨いておく

    紐で研磨する

    石座を磨くときは手芸店などで売っている紐に研磨剤をつけて磨きます。

    思っている以上に早く削れていくので、形を崩さない様に注意します。

    研磨剤をつけて紐で研磨

    紐は平たいタイプのものが使いやすいです。何種類かの形状の紐を用意しておいて使い分けています。

    ユザワヤで売っている平たい紐が最高に使いやすいです。

    ピカピカにしてからロウ付け

    研磨剤を綺麗に落とします。超音波洗浄機があると便利ですが、ない場合はお湯につけながら洗剤と歯ブラシで洗ってください。

    研磨剤は油分ですので、冷水での洗浄は効率が悪いためです。

    石座を軽く削る

    石座の接地面をサーフボードみたいなパーツの高さに合わせます。

    ロウ付けの前に磨く

    高さが合わない場合は、腕の接地面の方も削りつつ調整します。

    ロウ付けの前にぴったりさせる

    ヨシ!それではロウ付けしていきます!

    研磨剤や油分がついている場合はよく洗浄しておきます。

    石座のロウ付け

    石枠をロウ付けする

    なんとか石座が自立しましたので、7分ロウでロウ付けします。

    ただし、フラックスが沸騰した際のブクブクの威力でセッティングが崩れてしまう可能性もありますので、ご注意ください。

    ある程度炙りながら水分を飛ばすと良いと思います。

    火が強すぎると全てバラバラになりかねませんので、紫がかった柔らかい火で炙るように行います。

    ロウは石座の中から入れて、サーフボードみたいなパーツに広がらない様に注意します。(サーフボードみたいなパーツにはロウは載せずに、石枠の爪の線材が集中している部分にロウを載せて炙っていくと綺麗に流れます。)

    ロウ付け完成

    火の当て方に注意しながら行えば、どなたでもロウ付け可能だと思います。

    最後のロウ付けが完了しました。

    ディクセルなどで酸洗いを行います。

    仕上げの研磨をする

    フェルトで磨く

    リューターで研磨する際は、フェルトなどのホイールの天面を使うと平な面を比較的ボコボコにならずに磨けます。

    フェルトで指輪を磨く

    ディスクグラインダーの様な要領です。1箇所にとどめずに素早くスライドさせて磨くと上手く出来ます。

    ブラシで指輪を磨く

    ブラシなどに研磨剤をつけて、艶出しします。ブラシは当てすぎると形が崩れますので、瞬間的に当てる感じです。濡れた手をシュバっと水切りする感じでしょうか(語彙力)

    ここまでは荒目の研磨剤を使っています。

    中仕上げ

    荒仕上げの研磨剤の跡が全体についたら、一回洗浄して中仕上げの研磨剤を使います。

    緑色のマメバフや、柔らかいブラシなどで磨いていきます。

    結構ピカピカになってきたかと思います。趣味なので、別にお好みのところでお終いにしてしまって大丈夫だと思います。

    売り物でないとモチベーションが上がらず磨く気力が出ませんが、真鍮は割とすぐに光沢が出るので助かります。

    真鍮の磨き心地はK18に似てる気がします。

    最終仕上げ

    最終仕上げはピンクや青の豆バフなどで仕上げます。

    研磨剤も青やピンクなどのものは大体最終仕上げ用です。

    研磨剤を変えるときは必ず洗浄して、研磨道具に番手の違う研磨剤が付着しないようにします。収納時もケースを分けるなどします。

    研磨が完了した後は、お湯と洗剤でよく洗浄して研磨剤を落とします。

    洗浄してみるとわかりますが、超音波洗浄機は本格的な研磨には必須の道具です。

    細かなところも直ぐに洗浄できる上、仕上げた品物に余計な擦り傷が付く事もありません。

    マトモに使える洗浄機はいいお値段しますが、ネットオークションなどで中古を探すのも手です。

    ヒーター機能が付いていると便利です。

    まとめ

    今回はラウンドカットのリングを作ってみました。作ったパーツの組み立てが楽しいです。

    石座とリングの腕を別で作って、後で組み立てるというのが基本的なやり方ですが、これにプラスして、腕にメレを入れたり、装飾を施したりなどカスタムしていく事もできそうです。

    最後までご覧くださり、ありがとうございました。